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小林(進)
委員 第三債務者に対する国税の不当取り立てに関する問題でございます。この問題については、すでに三月の八日わが党の
平岡忠次郎委員が第一回目の質問をいたしまして、第三回目には私が三月の十七日にその質問を繰り返しているのでございまして、同じ問題について本日また第三回目の質問をするに至ったのでございます。よって来たるところは大蔵省国税当局の不当なる税の取り立て、これに対するわれわれの質問に対しては、どうも肯綮に当たるような御
答弁がありません。残念ながら、国会の貴重なる時間を拝借いたしまして、なおかつ当
委員会の優秀なる
委員諸君がそれぞれ質問をお持ちになっているにかかわらず、そういう方々の時間をさいていだだいて、こういうことを繰り返すに至ったことは、私まことに不本意ではありますが、これは
一つお許しをいただきたいと思うのであります。
質問を繰り返していく順序から申し上げまして、一応這般の経緯をかいつまんで申し上げておいた方が問題の焦点をつかむによろしいと思いまするから、概略を申し上げますが、この不当なる税の取り立てを強要せられたというその第三債務者は、この私、
小林進であります。それから国税の取り立てを行ないました国家の側が新潟県の長岡の税務署であります。税金の滞納者は二人ございまして、一人は長岡市に在住いたします日興建設株式会社、他の一人は鈴木建友であります。日興建設は長岡の税務署に対して六千七百七十円の税金の滞納を持っておる。鈴木建友の滞納額は一万八千六百六十円である。この二人の滞納者はそれぞれ
小林進に対し債権を持っている。日興建設は
小林進に対しまして三十万七千円の債権を持っている。鈴木建友は
小林進に対して七万円の債権を持っている。だから、長岡の税務署は、
小林進に対し、日興建設の分は三月十六日まで渋谷の税務署にその金額の支払いをせい、こういういわゆる債権差し押え通知書なるものをよこした。鈴木建友の分に対しては、同じ三月の五日まで長岡の税務署に対して一万八千六百六十円を支払えという債権差し押えの通知書をよこした。問題はこの事案であります。これに対して第三債務者の支払いを命ぜられた私は、この日興建設に対しては一銭の債務も有しておりません。かつては債権債務を負担したことがございましたけれ
ども、
昭和三十三年四月に至る間において全部支払っておる。この証拠書類はくまなくそろってありまして、本人の受け取りその他も全部取ってあります。私の方は二万何ぼの過超の支払いになっております。ともかく債権債務の
関係は、
昭和三十三年四月において全部完了いたしておるものであります。それを、
昭和三十五年三月三日に長岡の税務署が私に対し税金の支払いを命じてきたという問題が
一つ。それから、いま
一つは、鈴木建友に対しましては
——私とこの鈴木建友は、目下、長岡の裁判所において、七万円の債権債務の問題について訴訟継続中であります。この問題をもっと詳しく言えば、一週間か二週間前にこの問題が起こり、鈴木の方では
自分の訴訟の取り下げを願っておりまして、これは
一つ調停の方にお回しいただきたいということで、私の方に申し込んできておりますが、訴訟係属中であることは間違いない。それで、三月三日長岡の税務署が私に対して第三債務者の差し押え通知書をよこすときは、訴訟係属中の事件であるということは、ちょっと裁判所に行ってもらえば明らかであります。それにもかかわらず、私に対して第三債務者の差し押え通知書をよこした。これが問題の概略です。
事件の説明はこれで終わりますが、こういう問題について、今申し上げましたように、三月八日
平岡忠次郎君がそういう第三債務者に差し押え通知書を出したことに対して質問をした。けれ
ども、それは質問じゃない。質問の形式をとりながらも、大蔵省、国税局に対して忠告を与えた。注意を与えた。この速記録の内容は注意を与えているのです。その注意を与えたことに対して、当時の
国税庁長官北島君はやめましたけれ
ども、国税庁の徴収部長の勝原何がしとかいう者が、そういう平岡君の好意ある忠告の言葉に対して、傲慢無礼なる
答弁をしておる。傲慢無礼であるかどうか、この速記録を見てみたらよろしい。傲慢無礼なる
答弁をしている。あまりにもその
答弁の仕方が傲慢無礼である。人権を無視しておるやり方であります。当事者は私でありますので、私は、私
自身に関する問題でありまするから、努めてこの問題にはさわらない。冷静なる第三者をして国税庁に警告を与えておったのでありますけれ
ども、平岡君の質問に対して無礼きわまる
答弁をしておりますから、やむを得ずして、私は、第二回目の三月の十七日に、当事者である私
自身がこの
委員会に立って質問をいたしました。国税当局のものの
考え方を私は質問をいたしました。ところが、それに対しては満足なる回答は
一つも与えられていない。本質的にみずからの行動を反省する言葉は
一つもない。こういうことであります。だから、私は、やむを得ずして、また今回第三回目の質問をすることを余儀なくされたのであります。特に第二回目におきましては、政党は異にいたしておりますけれ
ども、国税庁が第三債務者
——縁もゆかりもない善良なる第三者に対して債権差し押えの通知書をよこして、精神的に自殺を強要するがごとき暴力をあえてしながらも、精神的な暴力をあえてしながらも、それを反省せざるところの国税当局の
あり方に対して、政党を異にするけれ
ども、同じく大蔵
委員であられる、今そこにおられる細田さんが、聞きかね見かねて、やはり当局に質問をせられた。質問をしながら反省を促された。けれ
ども、それに対する
答弁それ
自体も何ら反省の色が出ていない。何ら反省の意向が出ていない。なおかつ
自分たちの行動がやはり正しいものという観点に立って、思い上がった
答弁をしておる。だから、私は、やむを得ずして、また本日第三回目の質問をするわけであります。この第二回目の
政府当局の
答弁を根拠にして、私は第三回目の質問を繰り返していきたいと思います。
第一に、第二回目の
答弁について私がお伺いをしておかなければならぬことは、第二回目の質問のときに、私は、国税当局に対して、
大蔵当局に対して、資料の
提出を要求いたしておりまするが、今日に至るまでまだその資料の
提出がない。もはや二十日有余の時日を経過しておるにもかかわらず、ない。第一番目には、第三債務者に対して国税庁または各税務署が一年間に発行した債権差し押えの通知が一体何件あるか、全国の最近の数字を資料として出してもらいたいということを、私は要求をいたしました。私
自身が要求いたしました。これは三月十七日の速記録にある。速記録の第十一ページの四段目の中に私は要求をしておる。すなわち、十一ページに明らかに記載もされておるにもかかわらず、今日に至ってもナシのつぶてである。何らの返答がない。そういうようなことでは、国
会議員なんかの質問などというものは、そのときだけいいかげんに
答弁をして、あとはほおかむりをしておれば、じんぜん日を過ごすことによって忘れちまうだろう、こういう無礼な気持が
一つのその資料要求の
提出の中に現われているじゃないか。それからいま
一つの資料の要求は、これはわが党の平岡
委員がこういうことを言っておる。午前中の質疑に
関連する必要資料といたしまして、
政府は、長岡税務署による滞納者の差し押えに関し、第三債務者に対する債権差し押えの令書を出した事例を、その内容に触れて、三十四年度のものを月別に
提出をされたい、こういう明確な要求をしておるにもかかわらず、これに対しては何も明確じゃない。こういうずさんなる通知書を
一つ平岡君のところへ出してきた。でありまするから、
平岡忠次郎委員は
——こういうずさんな
——なるほど月別ではあるけれ
ども、何が何やらわからない。こういう月別の、だれが見てもわからないようなごまかしの資料を出しておる。これが一体国
会議員に第三債務者の差し押えの内容を懇切丁寧に理解せしめるための資料ですか。これが、人民の代表として行政の
あり方を正しく監督していこうという国
会議員に事実の真相を知らしめて、そして
自分たちの
あり方を正しくやっていこうという公平なる資料の出し方ですか。こういうようなインチキな出し方だから、平岡君を通じて、これはだめだ、一体第三債務者の名前はだれだ、債権者の名前はだれだ、もっと具体的に数字と名前をここにあげて
一つ説明しなさいと、平岡君は、正式な
委員会ではありませんけれ
ども、ちゃんと要求をしておる。その要求に対してナシのつぶてではありませんか。これらの数字もあげない。名前もあげない。あげないばかりではありません。これも一案だろう。じんぜん日を費やしていたら、そのうちにごまかせるだろう。
小林さんというやつはおっちょこちょいだから、大きな声を出して演説しておるけれ
ども、黙っていたらそのうちに忘れてしまうだろう。こういうような
考え方で、資料をごまかす気であったに違いない。私はそうとらざるを得ない。
最も不当なることは、きょうの朝なんだ。朝この
理事会を開いて、本日の午後から、
小林進委員が、この大蔵
委員会において、例の長岡の税務署のいわゆる第三債務者差し押えの問題に対して質問をすると言っておいたら
——勝原君、いるか。勝原というのは君かい。君は一体平岡君に何と言った。きょうの
小林の質問は後日に延ばしてもらいたいと、君言ったそうだな。国会の大蔵
委員会の
理事会できめたことを、君は偉いのだから、国税庁の徴収部長の権利をもってすれば、大蔵
委員会の
理事会の決定くらいは自由にひっくり返すことができる。君はそういう思い上がった気持があるから言ったのだろう。それが大蔵官僚の本質だろう。言わないか。そういうことを言っておる大蔵官僚ともなれば、天下の秀才の人が集まるという。大蔵官僚ともなれば、大蔵
委員会の決定や大蔵
委員会の
理事会の決定くらいは、君の一存によってどうにもなると、こう
考えたのだろう。こう
考えだから、その
理事会の決定をやめにして、後日に延ばしてもらいたいと、こう言ったのだろう。こういうような思い上がったことで、こういう思い上がった心境で、われわれの要求した資料の
提出もしなければ、ごまかしもしておる。なぜ一体その二つの資料を出さないのか。なぜ一体大蔵
委員会の
理事会を延期せしめるような思い上がった行動に出たのか。まず
一つそこら辺から所見を承っていきたい。