○奧村(又)
政府委員 お答え申し上げます。
私、政務次官就任以来、
税制の問題につきましては、特にただいま御
指摘のような問題に重点を置きまして、過去十カ月いろいろ部内で研究いたしましたが、不勉強、また時間もなかなかございませんので、私自身としてもまだ十分の結論を得ておりません。いわんやこれをどのように改善するかというようなことについての見通しについては、まだまだこれからであります。しかし、私は、政治家となって国会へ出ている以上は、この問題に一生取り組んでいきたいと思いますから、いずれ政務次官をやめましたら、また当
委員会に戻って参りまして、皆さんと一緒に徴
税制度の改善に努めたいと思いますから、一つさよう御了承願いたいと存じます。(笑声)
そこで、そう簡単に御
答弁もいたしかねますが、私はむしろ
国税庁当局と大蔵委員の皆さんたちとの板ばさみになっているわけで、(笑声)従って、御了解をいただきたいと思いますのは、この
高石さんの
事件については、
昭和二十五年当時のことでありますので、これは、各委員も御承知の
通り、その当時はまだ米軍の占領下でありまして、非常に徴税攻勢が強かったので、そういう
意味合いから、税の
調査においても、また徴収においても、かなりきびし過ぎた。そのうちの行き過ぎた一点であるから、これは決して全体ではありません。そういう
意味でこれを見ていただきたいのと、それから、確かにその当時の国税徴収法には遺憾な点もありましたので、御承知の
通り昨年国税徴収法そのものを改めまして、もっと民主的にやるということになりましたので、これも御了承をいただきたいと思いますが、結論から申しますと、
お話の
通り、大ぜいの
税務官吏の中で第一線で行き過ぎたとか間違ったという場合には、即座に課長や次長や局長がすぐ手直しをするというような指導力がもっと強くならなければ、税務行政はうまくいかぬ。これを痛感いたしますので、同感であります。今後
税務当局においてそのようなやり方にしていただきたいと思う次第でございます。
それから、税法の執行について、もっと民主的に
納税者の立場を十分
考えてやらなければいかぬではないかということについても、全く同感であります。しかし、大体戦前、戦後を通じて、税法の解釈というもの、また執行というものがほとんど
大蔵省、
国税庁のみにゆだねられておる形で、これを論ずるのは、ほとんど国会の大蔵
委員会の皆さんがむしろ
納税者の立場になって論じていただくわけでありますから、そういう
意味におきますと、税務部内でも反省しなければならぬが、外部から、この国会の大蔵
委員会において、もっとただいまの
横山委員のような適切な御意見を一つ展開していただきますようにお願いを申し上げる次第でございます。
第三に、
調査権の問題であります。これは神近委員の御
質問にもごもっともな点がございますが、しかし、これも国会側で御
判断をいただきたいと思いますが、もともと税法の建前からいきますと、銀行預金であろうが、株式その他におきましても、税法の
調査の面においてはすべて秘密はない。
税務官吏はすべて調べることができる。すべて調べることができて、初めて公平な課税ができ、公平な税法が執行できる。ところが、銀行に行って
税務官吏が
調査できないということであれば、
脱税がありましても、それを調べることができぬ、それでは公平な課税ができぬ、こういうことでありますから、私としてま銀行預金の
調査はすべてできるという建前を貫かなければいかぬと思うのです。ところが、これこそいわゆる
資本蓄積に藉口をして、そう簡単に調べることができないということからして、特に銀行預金を
調査する物合は、特別
脱税があるということが大体はっきりしたものについて調べる、こういう限られた
調査でありますから、どうしてもそこに
調査の行った場合は多少の行き過ぎも間々できるということでありますので、御説のようなことは
税務当局も実は日ごろ非常に苦心しておるところであります。従いまして、そういう御趣旨をよく体しまして、何とかもう少し妥当な
方法を見つけ出したい、かように
考えておる次第であります。
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