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堀委員 そこで、私は、問題があると思うのは、あなたの方は成績優秀とかあるいは過失があるとかいうことを今例証されたのですが、それは
公務員としての勤務の
範囲内に関するものであって、組合の
委員長として行なった
行為と、その本人が
公務員として行なっておる問題とは、おのずから区分をして
考えるべき問題である、私はまずこう
考えるのです。特に問題が、さっきお話しのように明らかに
職務上の問題として、人事院通達にあるように、停職、減給または戒告処分を受けるというような
職務上の問題に関連をしておるならば、これは私も何をか言わんやです。しかし、そうではなくて、明らかに認められておるところの
職員団体であるところの組合に属して、たまたまその組合の
決定に従ってある
行為がされて、なるほどそれは
委員長名で行なったかもしれないけれども、それは、
委員長が、個人としてあるいは
公務員そのものとして、
自分がやっておる仕事そのものとしてということではなくて、他の立場に立って行なった
行為を、あなた方の方は、
行政上の処分ではないのだという格好をとりながら、何か内規によるところの問題で処理をするということは、私はいささか行き過ぎではないかと思う。ちょっとここで
文書を読み上げますが、あなたのおっしゃったこととこの
文書の内容はいささか違うのです。あなたは、今、二十九日から三日までは業務をしません、だから受付はできないのだというふうなことをきめたと書いてあると言ったが、そうではなくて、「私達は、本年は全
税関統一して他の
公務員並みに、二十九日より三日までの休暇は完全に休むことを
決定致しました。」要するに、これらの人間が、組合の中でこの間は休みたい、休むということを
決定した。「どうか皆様方におかれましては、種々の困難もあろうかと思いますが、私達のこの
決定に御協力下さいまして、混乱を避けるため本年中に輸出入の許可を必要とする申告書類については十二月二十六日の執務時間中までに窓口へ提出されるよう関係業者各位に周知されるようお願い致します。」この
程度の
文書であって、
税関は業務を取りやめますとか、取り扱いませんということではなくて、組合員の立場としては休みますということをきめたのは、これは何ら
税関行政を問題にしておるのではなくて、組合員が、二十九日から三日までみんなが休んでおることで、われわれも休みたいのだから休みますという通知を出したにすぎない。それを、あなたが今おっしゃるところでは、そうではなくて、業務をしないのだというふうな格好の通知をしたように言っておられるが、事実と相違をしておる。この
程度のことを出したら、そういう
文書による訓告をして、昇給はすぐストップさせるということは
——私は、労働組合というものがあるのは、やはりいろいろな
行政をうまく運営をしていくために、それらの個々の者と官側が話し合いをするわけにはいかないから、組合というものが
法律によって認められて、そこでそれらの代表と皆さんの方で交渉することによって、
行政事務を円滑ならしめる目的で、労働組合というものは置かれておると私は思う。その円滑ならしめるために置かれておる組合の諸君が、この問題について話し合いをして申し入れをしておると、これまでは十五人の
執行委員みんなに会っていたにかかわらず、突然として、この年末の休暇の問題が出てきたら、それからは六人を限ってでなければ会わない、時間は一時間以上は会わないというような制限をつけたのです。なぜ制限をつけなければならないのか。こういうふうなことは
公務員にとって私は当然だと思う。日本の慣習として二十九日から三日までみんな休みたい、管理部門は休んでおるという実情の中で、
税関だけは忙しいのだから、何とかこれは配慮してくれといって前々から話が出ておって、その話し合いをしたいと言ったら、そういう制限を片方でつける。そしていつまで時間がたってもなかなか話し合いが再開できないので、やむにやまれずこういう
文書を出して協力を要請をしたら、
税関行政を何か混乱に陥れたとして処分をして
——訓告の注意を与えることは、その
範囲はやむを得ないと思います。やむを得ないが、実質的な被害も何も起こっていないのに、みせしめのために昇給停止をしてやるという
態度では、やはり民生的な
行政を阻害する方向にいくのではないか。
最近ずっと話を聞いてみると、最近、特に
税関行政においても、強権をもって労働組合を圧迫しようというような空気が各所に見えておる。たとえば、この間参議院で問題になったようでありますが、ある
執行委員を目ざして、密輸の関連
事件ではないかということで、非常にきびしい追及をした。事実はどうもそうでないということがわかって、今はそのままになっておるが、特にそういう組合役員に対して、何か意図のある
行為がいろいろと散見されるということは、私は、やはり民主的な
行政を運営する点においては、少し反省してもらわないと困るのではないかと思う。あなた方が力で押えればそれで済むというものじゃない。力で抑えれば、下もやはりそれに対して力で対抗しようということになるのが世の中の筋道であって、やはり官側も被用者の立場に立っていろいろ考慮を払っておけば、当然また組合の方でも協力すべきことは協力するというのが、人間関係としては望ましい姿ではないかと思うのに、一方的に上から圧力を加え、それによって何らか
自分たちの意図をやっていこう、あるいはさっきちょっと触れましたように、非常に仕事も忙しくなっておる。その中では、やはり仕事も忙しいが、それに伴っては、われわれの方では、こういうふうにして、皆さんの努力に報いたいという
考え方があるならば、私はある部分のそういう労働の過重に対しても、必ずしも
税関職員が反対をするとは思わないけれども、労働は過重にし、休暇をこういう格好で人並みにしてくれといえば、それはなかなか応じないし、たまたまやむにやまれず
文書を出したら、これは訓告で昇給停止にする。何か言えば上からたたいていけばそれで済むという
考え方では、円満な
行政は運営できないのではないか。特に現在の地点に立って、貿易の伸張が叫ばれておるときですから、やはり定員の問題を含めて、
大蔵省はこれらの
職員が不当な状態で労働に従事することのないように留意してもらいたいと思いますが、まずその前に行なうべきことがあるのではないか。
行政上のいろいろの指導にしても、その他現在の地点でも行なえることがあるのではないかと思いますが、それを行なわずして、要するに力によってこれを何とか切り抜けていこうという
考え方は、この際改めてもらわないと困るのではないか、こういうふうに思うのです。そこで、そういう問題について、
次官のお
考えを承りたい。