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中尾説明員 毎年一年ずつ延ばしていただいておるのでございまして、従いまして、毎
年度同じようなことを申し上げるようなことになります。その点は大へん恐縮に存じますが、もちろん現在の
状態が
国債整理基金制度にとりまして常態的と申しますか、正則的な
状態であるとは考えておりません。やはり常態的な恒常的な
繰り入れの
制度というものを伴いまして、初めて
基金というものが
制度として完全な形になる、正規な形になるということは、
万々承知をいたしておる次第であります。従いまして、今後数年間にわたりまして、あるいは今後永久に、
法律をもちまして現在の
繰り入れ措置を停止しっ放しにするということには踏み切れない
状態にあります。と申しまして、それでは現在の
制度そのものをそのまま復活してよろしいかと申しますと、これがまた大
へん実情に沿いません。現在の
繰り入れの
率あたりが
算定されました
状態に比べますると、
実情はだいぶ変わっております。
国債額も非常に減っておりますし、新たに
公債を
発行するという情勢ではありませんので、従って、
公債発行対策というような見地からするところの
対策も変わってきておるわけであります。そういうようなことで、いわゆる万分の百十六の三分の一という
規定が潜在的にあるわけですが、この
規定自体は、現在ではどう
説明を申し上げようとしましても、とうてい
説明がつかないものでございまして、従いまして、それでは新しい
算定を今度いたすべきであるということになるわけであります。それが私
どもの毎年検討いたしておるところの立場でございます。
そこで、この新しい
算定でございますが、これを実は私
どもはどうしてもいたしたいと思っておりますが、実際問題としてはなかなか工夫が要ります。と申しますのは、
先ほどもちょっと
お話があったかと存じますが、実際の将来における
国債償還、需要の
実情というものが著しく正常な
状態を欠いておるのであります。これは、新しく
公債を
発行するものもあり、
償還するものもあり、というような新陳代謝が自然に行なわれておる場合であるならばよろしいのですが、実はそうではございません。本来の本則的な
公債は戦後ほとんど
発行されておらないわけであります。従って、
借りかえ等が行なわれておりますが、その方は非常に
負担が軽いのであります。むしろ
外債の
関係等が特定の
年度に集中いたしまして、それ以後においてはほとんどその
負担がなくなるというような形になっております。それから、
先ほども
お話がありましたように、
交付公債というものが戦後だいぶ出ておるわけです。これは記名式で譲渡禁止、
公債とは申しますが、ほとんど証文のようなものであります。これの方は割賦で年割りで
償還していかなければならない。ただいま御議論のございました例の
借りかえというようなものはききません。これらのものは、きわめて近い将来、ここ数年の間にその
負担が固まっております。これを含めまして三十年なりあるいは六十年なりという遠い将来まで見通しました
国債の
償還計画並びにそれの
財源の計算というものを立てます場合に、いろいろその間につきましては経済情勢あるいは
財政状態というようなものから、今後の
国債に関する国の
方針がどうなるであろうかというような
関係からの検討、議論が出て参りますから、容易に結論が得にくい。しかし、現在の
状況が変則的な
状況にあることは疑いをいれません。なお毎年そういうような点から検討をいたしておるわけであります。それが
実情でございまして、そういう考え方なり立場なりをとっております
関係上、大へん御迷惑でありますが、毎年一年ごとに小刻みになりますが、法案をお願いしておる次第でございます。