○平岡
委員 要綱だけ示して直ちに答えを求めようというのは無理があろうと思うので、私
どもの主張をこの際申し上げてます。これで計数的に多少は無理があってもいけるという線が出るならば、できるなら三十五年度、できなくとも三十六年度くらいに考慮してほしい。こういう点から私
どもの要綱で示した点をなお敷衍してみたいと思います。
現行は
小売価格百二十五円の五六%、すなわち七十円十四銭の税額でありますが、提案は
小売価格ビン込め百十円の約五〇%、すなわち現行七十円十四銭から十六円差し引いた五十四円十四銭が一本
当たりの税額となる予定であります。すなわち行
当たりに直しまして一万五千四百三十円に引き下げようとするものであります。ついでながら
販売業者のマージンその他について言いますと、卸手数料配達賃込み現在三円九十銭を四円八十銭に、それから小売マージン現在十円七十銭を十三円二十銭とし、あきビン手数料一円は従来の通り据え置きます。従いまして、生産者手取額は、現在二十七円二十六銭を二十六円八十六銭とし、四十銭引き下げる。ちなみに卸手数料四円八十銭は卸
価格九十六円八十銭の約五%、小売マージン十三円二十銭は、
小売価格百十円の一二%でありまして、現行の卸、小売それぞれのマージン三・四%、八・六%に対し合理的に増額しているのであります。
そこで、私
どもの積算を申し上げますと、石
当たり税額一万五千四百三十円をもととしましてやってみますと——三十四年度の
ビール庫出数量は四十二万石を見込むことができます。三十五年度の自然増が一二%ないし一三%、これに加えますに、
ビール消費資金から見て、減税の場合、量においてさらに一二%の増が見込み得られます。すなわち合計三十五年度は二五%の
消費増が可能であると判断いたしております、従いまして、
庫出数量は四百二十万石の一・二五倍、すなわち五百二五万石となりまして、その
税収は、石
当たり税額一万五千四百三十円ですから、八百十億円となります。政府の三十五年度
ビール税収予算額は八百八十三億円余りでありますから、
ビールだけについていえば約七十億円ほどの減収となりましょうが、次年度以降の自然増によって、この減収は穴埋めされるばかりでなく、大きく増徴も期待され得るはずであります。三十五年度の八十億円が、三十六年度において増加率が鈍化して二〇%
程度にとどまったとしましても、九百七十億円をこえることとなるからであります。ただ、政府としては、三五年度予算はあくまでも三五年度予算だと言い、七十億の減収にこだわるかもしれませんが、私は、自余の
酒類の売れ行きから、
酒税総額においては七十億の不足も消し得ることと
考えております。たとえば
清酒の三十五年度予算は三百九十七万石でありますが、三十四年度ですでに三百八十万石が期待されておりますから、一割増と見て三十五年度は四百二十万石はいけると思います。従いまして、予算
石数より、二十三万行という増加を見込むことができるので、
清酒の加重平均
税率二万二千円として、約五十億円の増収が期待できます。この一事をもってしましても、われわれの提案が不可能とは思わない。政府はどうお
考えでありますか。
あと残る問題は、
清酒等の増徴分がここで
ビールによって消されるということでありましょうが、大きな
消費者全般の立場からすれば、
酒類間の不均衡論のごとき、例の政府のディヴァイド・アンド・ルール方式の反論はこの際要らんことです。今度は
ビール。来年度
ビール税が
伸びた場合には、
清酒等の税一の方を減らしていくという
方法によって、今まであまりにも大衆を収奪した重課を軽減していく。しかも量的に
伸びを期待できるので、それによって国家の財政
収入は減らない、こういう建前に切りかえるべきであると思います。
こういう私
どもの観点から、一応の積算を申し上げたわけでありますが、大体現実に消化し得るわれわれの計算であると思いますので、この要綱による
酒税減税の方途につきまして、政府の所見をあらためてお伺いしてみたいのです。