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1960-06-14 第34回国会 衆議院 商工委員会 第45号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年六月十四日(火曜日) 午後三時五十分
開議
出席委員
委員長
中村
幸八君
理事
小平 久雄君
理事
長谷川四郎
君
理事
南 好雄君
江崎
真澄
君 遠藤 三郎君
加藤
精三
君
鹿野
彦吉君
小島
徹三
君
始関
伊平君
島村
一郎
君 關谷 勝利君
田中
榮一
君
田中
龍夫
君
高石幸三郎
君
中井
一夫
君 西村 直己君 野田 武夫君
八田
貞義
君 細田
義安
君
出席国務大臣
通商産業大臣
池田
勇人
君
出席政府委員
通商産業政務次
官 内田 常雄君
通商産業事務官
(
大臣官房長
) 齋藤 正年君
中小企業庁長官
小山 雄二君
委員外
の
出席者
専 門 員 越田 清七君 ――
―――――――――――
六月十四日
委員江崎真澄
君、
岡本茂
君、
木倉和一郎
君、田
中彰治
君、
田中龍夫
君、
中井一夫
君、
中垣國男
君及び
濱田正信
君
辞任
につき、その
補欠
として
倉石忠雄
君、
高石幸三郎
君、
八田貞義
君、
加藤
精三
君、
池田清志
君、
早川崇
君、
小島徹三
君及
び島村一郎
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 同日
委員池田清志
君、
加藤精三
君、
倉石忠雄
君、小
島徹三
君、
島村一郎
君、
高石幸三郎
君、
八田貞
義君及び
早川崇
君
辞任
につき、その
補欠
として
田中龍夫
君、
田中彰治
君、
江崎真澄
君、
中垣國
男君、
濱田正信
君、
岡本茂
君、
木倉和一郎
君及
び中井一夫
君が
議長
の
指名
で
委員
に選任された。 ――
―――――――――――
六月三日
電源開発促進法
の一部を改正する
法律案
(
中村
幸八君外七名
提出
、
衆法
第四四号) 同月十四日
昭和
三十五年五月の
チリ地震津波
による
災害
を 受けた
中小企業者
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
(
内閣提出
第一五〇号) 五月二十七日
電気工事技術者国家試験制度創設
にう
特別措置
に関する
請願
(
田中榮一
君
紹介
)(第五一一四 号) 体温計の対米、
加輸出数量規制反対
に関する請
願外
九件(
椎熊三郎
君
紹介
)(第五二一一号) 同外七件(
長谷川四郎
君
紹介
)(第五二一二 号) 六月十四日 当面の
中小企業対策
に関する
請願
(
村瀬宣親
君
紹介
)(第六四二四号) は本
委員会
に付託された。 ――
―――――――――――
六月八日
貿易自由化
に伴う
企業対策
の確立に関する
陳情
書(第八九七 号)
煙害等
の
公害予防措置法制定促進
に関する
陳情
書(第八九 八号) 諸物価の
値上げ抑制
に関する
陳情書
(第九〇〇号)
離島振興法
の一部改正に関する
陳情書
(第九三六号)
公害防止対策
の
法制化促進
に関する
陳情書
(第九 三七号) は本
委員会
に参考送付された。 ――
―――――――――――
本日の
会議
に付した案件
昭和
三十五年五月の
チリ地震津波
による
災害
を 受けた
中小企業者
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
(
内閣提出
第一五〇号)
派遣委員
より
報告聴取
――――◇―――――
中村幸八
1
○
中村委員長
これより
会議
を開きます。
チリ地震津波
による
商工業関係
の
被害状況
の
実情
を
調査
するため、
北海道
及び
東北地方
へそれぞれ
委員
を派遣いたしましたが、この際
派遣委員
より
報告
を聴取いたします。
鹿野彦吉君
。
鹿野彦吉
2
○
鹿野委員
チリ地震津波
による
北海道方面
の
災害
の
調査
の結果を御
報告
いたします。 第一班は、
北海道
における
チリ地震津波
による
災害
の
実情調査
を目的として、六月二日東京を出発いたし、翌三日
札幌通商産業局
及び
北海道庁
において
災害
の
概況説明
を聴取し、四日には
函館市役所
において、
渡島支庁管内
、
函館
市及び
上磯地帯災害
の
説明
を聞き、五日
函館
市
臨海地帯
、
工場
及び
倉庫群
、
駅前マーケット
、
商店街等
の
実地調査
を行ない、六日には
胆振支庁管内苫小牧外
三
地域
の
状況
を
調査
して、翌七日帰院いたしました。 まず
北海道全域
の
概況
について申し上げます。 五月二十三日午前四時
南米チリ
に発生した大
地震
による
津波
は、二十四日未明より
北海道東部
及び南部の
沿岸一帯
を襲い、
住民
の全く予知しなかった来襲であったため、
函館
市を初め各
市町村
はかなりの
災害
をこうむったのであります。
被害地域
は、
渡島支庁管内
では
函館市外
三町、
胆振支庁管内
で
苫小牧市外
三町、
日高支庁管内
で五
カ町村
、
十勝支庁管内
で四
カ町村
、
釧路支庁管内
で
釧路市外
四
カ町村
、
根室支庁管内
では
根室市外
一村であります。
被災地
を地形的に見ますと、
津波
に直面する
海岸
にあっても、ゆるいカーブの
海岸
では強度の
増潮浸水
を見ないで、
函館
や浜
中村
霧多布湯沸岬
のように
はさみ状入江
の先端は、
津波振幅
の二倍くらいに
水面
が盛り上がり、はなはだしい
浸水
を見ており、また
防潮堤
も直線ではなくて、陸に山型に設置されたものの
背後地
にはほとんど
被害
がなかったのであります。これらの点は、今後の
臨海商工業地帯整備計画
上、
一つ
の指針を与えるものと
考え
るのであります。 次に、
人的被害
は、
死者
及び行方不明十五人、
負傷者
十五人、
家屋全壊
及び
流失
二百七戸、
半壊
百二十四戸、
床上浸水
一千三百五十
八戸
、
床下浸水
一千六百四十五戸、
被害金額
においては
家屋
二億七千九百二十万円、
文教施設
百十万円、農業一千三百六十五万円、林業七千百六十二万円、
水産業
二億三千二百万円、
衛生施設
百五十万円、
土木
十九億五千七百十万円、
商工業
五億一千九百万円その他五千九百五十三万円、総計約三十一億三千四百七十万円と推計され、
被害調査
の進むにつれ、さらに増額する趨勢にあります。このうち浜
中村
が
家屋
、
水産業
、
土木
の
被害
を主体として二十億八千六十九万円、
函館
市が
商工業関係被害
を主として五億六百四万円と、この両
地域
が
圧倒的多額
を示しているのであります。
商工業関係被害
は、
工場店舗施設
八千三百十八万円、
商品原材料
その他四億三千五百八十二万円、
合計
約五億一千九百万円でありますが、このうち
函館
市が四億四千九百二万円とその大
部分
を占め、次いで浜
中村
四千九百八十万円、広尾町九百五十万円、厚岸町九百十万円、浦幌町百二十万円、豊頃町十八万円と続いております。
北海道庁
においては
災害救助法
による
緊急対策
を樹立して、
情報
の収集、
罹災民
の
誘導収容
、
救恤品
の配付、
衛生
、
土木関係事業等
に
消防隊
、自衛隊その他
関係機関
の協力を得て
応急救援措置
に努めております。 今回の
災害
は、
公共関係被害
よりも、
一般商工業
、
農漁業
の
被害
が多く、しかも、これらはほとんど
中小零細業者
でありますから、その
復旧
はなかなか困難でありまして、
政府民間
の
金融機関
が特別の
貸し出し
を始めておりますが、
金融機関
に手の及ばないごく小さい
商店
や
零細農漁民
が多く存在しているのであります。 次に、
商工業関係被害
の最も大きかった
函館
市について申し上げます。 五月二十四日
函館
市を襲った
津波
の第一波は、午前三時過ぎから始まり、三時五十八分に
平均水面
からの高さ三十八センチを記録し、引き続き七時五分までに約四、五十分おきに六回も押し寄せ、この間第二波が急激に引いたため、第三波がマイナス十センチとなり、この結果第四波がより強力なものとなり、
沿岸住民
が
津波
とわかったのは、この第四波からでありまして、
被害
が続出したため、
住民
は後続の
津波
に備え避難したのであります。さらに七時ごろ再び潮位が盛り上がり、七時五分には第四波より強力な
津波
が押し寄せ、
平均水面
より二百十センチに達し、その後多少の消長を繰り返しながら、十六時二十五分百八センチ、二十時五分三十四センチと次第に弱まってきたのであります。
市当局
は、二十四日五時十一分
津波警報
を受信し、直ちに
関係方面
に伝達し、自後あらゆる
機関
を動員して、逐次
津波情報
の
住民
への周知に努力したのであります。他方、道庁に対し
災害救助法
の適用を要請するとともに、
災害救助対策本部
を設置し、
北海道災害救助函館支隊
の組織により業務を開始いたしまして、
罹災民
の
誘導収容
、
救恤
、防疫、清掃、
土木
対策
等万全の
措置
を講じたのであります。この結果
人的被害
は最小に食いとめ、悪疫の発生も防ぎ得たのであります。
被害
は
罹災戸数
二千二十戸、人員六千二百六十人、
死者
及び行方不明二人、
負傷
二人、
住家屋全壊
及び
流失
二戸、
半壊
一戸、
床上浸水
五百八十
八戸
、
床下浸水
八百八十五戸、非
住家被害
五百四十七戸、
道路決壊
一、
橋梁流失
一、
鉄道不通
一、
漁船流失
一、
破損
一となっております。
商工業関係被害
は、
工業
二十六件五千八百六十四万円、
商業
五百二十七件三億八千五百二十六万円、
サービス業
十件五百十二万円、
合計
五百六十三件四億四千九百二万円に上っております。これが
復旧所要資金
は四億一千四百八十九万円と見積もられ、そのうち一億五千百八十九万円は
自己調達
でまかない、残り二億六千三百万円の
特別融資
を強く期待しているのであります。
被害
の
内容
は、そのほとんどが建物、
工場機械
、
商品
、
原材料等
で、
浸水
による冠水、
流失被害
でありますが、
罹災商工業者
の大
部分
は
中小規模
の経営で
資本力
に乏しく、
自己資金
による
復旧
は困難であります。ことに
被災地域
に
マーケット集団地域
が含まれておりますが、これらは大多数が引揚者で、
飲食店
、
行商
、
理髪店等
を営む者が多いのでありまして、その
自力回復
はきわめて困難であります。従いまして、これら
業者
の
復旧
は、その
資金
の獲得にかかっておりますので、その
対策
として、
市当局
も
各種金融機関
も
特別融資
の
措置
を講ずべく努力しているのであります。 次に、
各地
で受けました
被害商工業者
の
救援措置
に関する
要望
の要点をとりまとめますと、次の
通り
であります。 一、
中小企業金融公庫
一億円、
国民金融公庫
七千万円、
商工組合中央金庫
五千万円の
北海道災害融資特別ワク
を設定願いたい。一、
災害融資
の実施にあたっては、
貸付利率
の
軽減
、期間の
延長等
について
特別措置
を講ぜられたい。一、
中小企業信用保険
については、
保険料
の
軽減
、
填補率
の
引き上げ等
の
特別措置
を講ぜられたい。一、
金融ベース
に乗らない
飲食店
、
行商
、
理髪店等零細企業
に対し、
更生資金等
の
資金ワク
を設定し、
融資
の道を講ぜられたい。一、
被害企業
の
経済的復興
は相当長期を要するから、その
既借入金
について据置、延納の
措置
を講ぜられたい。一、
罹災者
の
金利負担
を
軽減
するため、
信用保証協会
の
保証料低減
の
措置
を講ぜられたい。 以上
報告
を終わります。
中村幸八
3
○
中村委員長
次は
田中榮一
君。
田中榮一
4
○
田中
(榮)
委員
私は、
チリ地震津波災害
の
現地調査
のため、当
商工委員会
から
青森
県、
岩手
県、
宮城
県の
被害地
に派遣されましたので、
調査
して参りましたその
概要
を
報告
申し上げます。
調査地域
は
青森
県の
八戸
市、
岩手
県は山田町、大槌市、
釜石
市、
大船渡
市、陸前高田市、
宮城
県は、気仙沼市、志津川市、女川町、石巻市、塩釜市のそれぞれの周辺でございます。 次に、
被害
の
概況
を申し上げますと、
被害戸数
三万
有余棟
、
罹災者
は実に十二万五千五百二十三人を数え、ことに
死者
九十八人、行方不明二十一人、
負傷者
八百三十四人に及んでいるのであります。その他田畑、木材の
流失
、船舶の
沈没破損
、
道路
、
橋梁
、河川、港湾及び
公共施設
の
被害
も非常に大きいのであります。 以上の
被害
のうちにありまして、
商工業関係
に属するものの
被害総額
は三県を合わせ五月三十一日現在において七十億八千三百八十三万円に達したのであります。これを
商業
、
鉱工業
、
電気
及び
ガス事業
の
業種別
に額で申し上げますと、
商業
四十三億六千六百四十五万円、
鉱工業
二十四億九千八百二十八万円、
電気
及び
ガス事業
二億一千九百十万円となっておりまして、このうち
中小企業
に該当するもの及びその額において六十五億六千六十八万円となっております。その他おもな大
企業
の
被害会社
としては、
日東化学八戸工場
、
日本製鋼八戸工場
、
富士製鉄釜石製鉄所
、
小野田セメント大船渡工場等
であります。 以上の
被害
の
実情
から見まして、
災害
の
復旧
には
金融措置
をいかにするかにかかっておりましたので、
政府関係金融機関
並びに
市中銀行
は、
被害地
の
実態調査
を行なうとともに、
臨時金融相談所
の開設、
出張金融相談等
を行なって、
災害復旧
の
融資
に万全の
処置
をとっておるのであります。このことは
復旧資金
の
貸付体制
としましては時宜を得たものでありまして、また
罹災地
におきましては
関係代表者
より切々な
要望
が種々ありましたが、
商工関係
だけを簡単に申し上げますと、第一に、
中小企業
に対する
天災
による
被害
について
立法措置
を講ずること、第二は、
信用保証協会
に対し、
災害復旧資金
の
特別保証
をなし得るよう
保証基金
の増額をなすとともに
保険料
を従来の三分の一に減じ、
填補率
の
引き上げ
を行なう
措置
を講ずること、第三は、
中小企業振興資金助成法
の
特別措置
を講ずること、第四は、
中小企業金融公庫
、
国民金融公庫
の
貸出金利
、
返済等
に別途
特別措置
を講ずること、第五は、
商工組合中央金庫
の
貸出金利
に
特別措置
を講ずること、等であります。 以上でありますが、このたびの
災害
に対して、
仙台通産局
、各
県市町村
の
関係
の方々の日夜を分かたぬ
処置
及び緊密な連絡のもとに
復旧
に努力されておりますこと、本
調査
に当たって、御支援を賜わりましたことについて謝意を表するとともに、簡単に
報告
申し上げます。 なお、
被害
の詳細なる
報告等
は別途
委員長あて
に書面にて
報告
をいたしておきましたので、御了承を願いたいと存じます。
中村幸八
5
○
中村委員長
以上で
報告
は終わりました。ただいまの
報告
に関しまして御
発言
があればこれを許します。
——別
に御
発言
はないようであります。 ————◇—————
中村幸八
6
○
中村委員長
次に、本
日本委員会
に付託になりました
昭和
三十五年五月の
チリ地震津波
による
災害
を受けた
中小企業者
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
を議題とし、審査に入ります。 —————————————
中村幸八
7
○
中村委員長
まず
趣旨
の
説明
を聴取いたします。
通商産業大臣池田勇人
君。
池田勇人
8
○
池田国務大臣
ただいま
提案
になりました
昭和
三十五年五月の
チリ地震津波
による
災害
を受けた
中小企業者
に対する
資金
の
融通
に関する
特別措置法案
につきまして、
提案理由
及びその概算を御
説明
申し上げます。 まず
提案
の
理由
について御
説明
申し上げます。
昭和
三十五年五月の
チリ地震津波
は、
中小企業者
に対して想像以上に大きな
被害
を与え、これが急速な立ち直りのためには
再建資金
の
融通
の
円滑化
をはかることが刻下の急務となって参りました。 このため
政府
におきましては、直ちに
国民金融公庫
、
中小企業金融公庫
及び
商工組合中央金庫
の
資金
を重点的に
災害融資
に振り向けることといたしましたほか、
昭和
三十四年度の
伊勢湾台風等
による風水害の際にとった
措置
に準じて、両
公庫
の
災害融資
については
行政措置
によって
貸出利率
の
引き下げ
を行なうこととしたのでありますが、
商工組合中央金庫
の行なう
災害融資
についても
法律
により同様に
貸付利率
の
引き下げ
の
措置
をとることが必要と
考え
られるのであります。 次に本
法案
の
概要
は、
商工組合中央金庫
が行なう
災害融資
について、両
公庫
の場合と同様、その
貸付利率
の
引き下げ
を行なうため、
商工組合中央金庫
に対する
政府
の
利子補給
に関し必要な
事項
を規定したものであります。 すなわち、
政府
は
商工組合中央金庫
が
災害
を受けた
中小企業者
であって政令で指定するものに対し、
昭和
三十五年十月三十一日までに貸し付けた
再建資金
のうち、
被害中小企業者
一人につき五十万円までの額について、
貸付
を行なった日から三年間を限り、年六分五厘の
利率
を適用したときは、
通常利率
との差額を
商工組合中央金庫
に対して支給することができることといたした次第であります。 以上この
法律案
の
提案理由
及びその
概要
を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。 —————————————
中村幸八
9
○
中村委員長
以上で
趣旨
の
説明
は終わりました。
質疑
の
通告
があります。順次これを許します。
鹿野彦吉君
。
鹿野彦吉
10
○
鹿野委員
ただいま
大臣
の
趣旨大
へんけっこうだと思います。つきましては
金融ベース
に乗らない
飲食店
とか
行商
、
理髪店
というような
零細企業
に対する
措置
について十分
考え
ておりますかどうか、お尋ねいたします。
池田勇人
11
○
池田国務大臣
商工組合中央金庫
あるいは
中小企業金融公庫
、ことに
お話
の点は
国民金融公庫
の対象になるものが多いと
考え
られるのであります。従いましてわれわれは
被害者
の
実情
に沿いまして万全の
措置
をとるよういたしておるのであります。
中村幸八
12
○
中村委員長
田中榮一
君。
田中榮一
13
○
田中
(榮)
委員
通産大臣
にお伺いいたしますが、今回の
津波
の
対策
につきまして大体
伊勢湾台風
に準ずるという
政府
の方針でございまして、先ほ
ども
松野労働大臣
から、
政府
の失対
事業
に対しましては大体
伊勢湾台風
に準じて五分の四の高度の補助をいたすという御
説明
があったのでございますが、今回の通産省の
災害対策
といたしまして、大体私
ども
は
三つ
のことをお願いしたのであります。
一つ
は、
中小金融公庫
の
利子
の
引き下げ
、これは
立法措置
でございます。これはただいま
通産大臣
から、
貸付限度
五十万円までをこの
立法措置
に適用して六分五厘に
引き下げ
て、あとは
政府
が
金利
を
補給
する、こういう御
説明
でございまして、
伊勢湾台風
となりますと、大体百万円を
限度
として実は
金利
の
補給
をやったわけでありまして、今回の
津波
は、
規模
はかりに小さくとも、私も
現地
に参りましていろいろ見て参ったのでありますが、受けた
被害
というものは大体同じでございます。それから先ほどの御
説明
で、大体五十万円
程度
を貸したならば、それで
被害
の
復旧
はできるんじゃないか、だから五十万円でいいんだ、こういう
お話
でございますが、私
ども
の
現地
で見た
状況
は、とても五十万円、百万円では
復旧
ができないのであります。少なくとも数百万円の
復旧費
がかかるのが相当あるのでありまして、たとい個人の
施設
にいたしましても、二、三百万円あるいは五、六百万円の
被害
をこうむった者もあるのでありまして、これを五十万円の
限度
に、
伊勢湾台風
の半額にしたいということは、非常に
被災者
としては大きなショックではないかと思うのでありますが、この点につきまして
通産大臣
のお
考え
をお伺いしたいと思います。
池田勇人
14
○
池田国務大臣
今回の
災害
につきまして、
田中委員
の
お話
の
通り
に、私が当初百万円、組合は三百万円ということで大蔵省と折衝いたしたのであります。しかるところ
伊勢湾台風
の場合とはちょっと
程度
が違いまして、ただいま本
会議
で答弁申し上げましたように、五十万円
未満
の
融資
が大
部分
という統計に相なってきておるのであります。従いまして、先般の
伊豆地方
のあれでは三十万円ということになっております。
名古屋地方
の
伊勢湾台風
では相当
被害額
が多いので百万円となったのでございます。今回は
調査
した上で五十万円なら大
部分
まかなえるという結果に相なりましたので、五十万円まで譲った次第でございます。しかしこれはあくまで
利子補給
でございますので、
復興資金
に二百万円、三百万円かかればもちろんそれはお貸しする筋合いでありまして、ただ
利子補給
の点だけは、一応おおむね五十万円
未満
という
程度
でまかなえるものと
考え
た次第でございます。
田中榮一
15
○
田中
(榮)
委員
もう
一つ
お伺いしたいと思うのでありますが、今回の
災害
の非常な特徴は、
零細中小企業者
が
被害
をこうむっておりまして、それが勢い
国民金融公庫
、それから
中小企業金融公庫
の窓口に押し寄せまして、幸い
政府
三
金融機関
が
現地
に出張いたしまして、非常に懇切丁寧に指導していただきまして、
被災者
も非常に満足しておるのでございますが、そこでどうしても各県の
信用保証協会
の
保証
というものを要求するわけでございます。そこでもちろん
信用保証協会
も
政府
の
信用保険公庫
からのいわゆる再
保険
を期待いたしまして相当大幅に、大胆に、勇敢に
貸し出し
の
保証
をいたしておるのでありますが、
信用保証協会
に
最後
は
しわ寄せ
のほとんど全部がのしかかってくる
状況
でありまして、ことに
宮城
県の
信用保証協会
の
内容等
は、あまり健全とは言えないわけであります。そして
信用保証協会
としては県の方に向かいまして
保証料
の
引き下げ
をする、それからまた
信用保険公庫
の
保険率
を何とかして
引き下げ
てもらいたい、これは
立法事項
でございますので、この点については再三
現地
からもお願いをしたのでございますが、
信用保険公庫
の
保険料
の
引き下げ
はとうとう実現できなかった。それからいま
一つ
、
信用保証協会
の
補填率
でございますが、
補填率
につきましては、大体七〇%を何とか八〇%に
一つ
引き上げ
まして、
信用保証協会
ができるだけ幅広く
保証
できるようにということで、これも
立法事項
としてかねてからお願いしておいたのでございますが、ついにこの二つはできなかった。今後も
天災
、水害が起こると思いますので、こういう点につきまして将来何とか
通産大臣
として努力していただく御決意がございますかどうか、お伺いしたいと思います。
池田勇人
16
○
池田国務大臣
先ほど申し上げましたごとく、
伊勢湾台風
に準じまして
三つ
の
法案
を
提案
する予定で努力いたしたのでございます。
最後
までがんばりましたが、結局この
法案一つ
になりました。しかし実際問題といたしまして、県の
保証協会
につきましては、
特別ワク
の
融資
をいたしまして、この
災害金融
の万全を期したいと
考え
ております。なお
料率等
の問題につきましては、やはり
災害
の
規模
というものが問題になりますので、私は今後はある
程度
行政措置
でまかない得るような道を開いておくことが必要ではないかと
考え
ております。従いまして、今回十分でなかった点は、今後におきまして十分
考え
ます。また行政的にできますことならば、万全の
措置
をとる
考え
でおるのであります。
南好雄
17
○
南委員
通産大臣
に特にお願いしておくのですが、例の十八億を
信用保険公庫
に
政府
が
融資
をしてその金で
信用保証協会
の
経費
をまかなうとともに、十分な
信用限度
の維持の
経費
に充てておることは、御承知の
通り
です。三十五年度の
予算
が通った間もなしでありますが、今回のいわゆる広範囲な
チリ地震
の
融資
については、十八億の金がまだありますので、それを至急配分していただけばさしあたりはいけると思うのであります。ところが私の県などは前年非常に大きな
災害
を受けまして
融資限度
が
一ぱい一ぱい
になっており、すみやかに十八億を配分していただかなければ
一般
の
中小企業金融
がストップしている状態であります。それに加えてこの
別ワク
としてそれを取り去られて、残った金をまた例によって按分して配布されるというようなことをなさっていただいては、昨年の
名古屋
の
災害
あるいは
各地
の
災害
で
限度
が
一ぱい
になっているのに、そういう現象を無視して十八億を配分されますと、おそらく今年の十月か十一月ごろになりますと、また
信用保険公庫
は動けない。
信用限度一ぱい
に来てしまう。そういう際においては、これはぜひ
通産大臣
にお願いしておきますが、
別ワク
で
融資
されたものを
予算措置
をする、あるいは年末の
金融
の
追加補正
をするという際には、どうか
一つ保証協会
が十分に
限度
を維持して、非常に困っております
中小企業金融
について円滑に動き得るように今から十分御
配意
下さいますとともに、昨年の
災害
を受けている県については、
一つ
なるべく今度の
別ワク
にすることによって、
しわ寄せ
をやらないように御
配意
を願いたいと思います。
池田勇人
18
○
池田国務大臣
昨年
伊勢湾台風
のときに十億円
補正予算
で出しました。十億円のうちまだ三億円余りがございます。従いましてこの三億円と今回の十八億円を合わせまして十分活用して御期待に沿いたいと思います。
中村幸八
19
○
中村委員長
他に御
質疑
はございませんか。
——他
に御
質疑
はないようでありますので、
本案
に対する
質疑
は終局したものと認めるに御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村幸八
20
○
中村委員長
御
異議
なしと認め、
本案
に対する
質疑
は終局いたしました。 —————————————
中村幸八
21
○
中村委員長
引き続き、
本案
について
討論
に入るわけでありますが、別に
討論
の
通告
もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村幸八
22
○
中村委員長
御
異議
なしと認め、
本案
を採決いたします。
本案
に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
中村幸八
23
○
中村委員長
起立総員。よって
本案
は、原案の
通り
可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。ただいま議決いたしました
本案
に対する
委員会
報告
書の作成等につきましては、
委員長
に御一任願いたいと存じますが、御
異議
ありませんか。 〔「
異議
なし」と呼ぶ者あり〕
中村幸八
24
○
中村委員長
御
異議
なしと認め、さように決定いたします。 本日はこの
程度
にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。 午後四時二十一分散会 ————◇—————