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1960-06-14 第34回国会 衆議院 商工委員会 第45号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月十四日(火曜日)     午後三時五十分開議  出席委員    委員長 中村 幸八君    理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君    理事 南  好雄君       江崎 真澄君    遠藤 三郎君       加藤 精三君    鹿野 彦吉君       小島 徹三君    始関 伊平君       島村 一郎君    關谷 勝利君       田中 榮一君    田中 龍夫君       高石幸三郎君    中井 一夫君       西村 直己君    野田 武夫君       八田 貞義君    細田 義安君  出席国務大臣         通商産業大臣  池田 勇人君  出席政府委員         通商産業政務次         官       内田 常雄君         通商産業事務官         (大臣官房長) 齋藤 正年君         中小企業庁長官 小山 雄二君  委員外出席者         専  門  員 越田 清七君     ――――――――――――― 六月十四日  委員江崎真澄君、岡本茂君、木倉和一郎君、田  中彰治君、田中龍夫君、中井一夫君、中垣國男  君及び濱田正信辞任につき、その補欠として  倉石忠雄君、高石幸三郎君、八田貞義君、加藤  精三君、池田清志君、早川崇君、小島徹三君及  び島村一郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員池田清志君、加藤精三君、倉石忠雄君、小  島徹三君、島村一郎君、高石幸三郎君、八田貞  義君及び早川崇辞任につき、その補欠として  田中龍夫君、田中彰治君、江崎真澄君、中垣國  男君、濱田正信君、岡本茂君、木倉和一郎君及  び中井一夫君が議長指名委員に選任された。     ――――――――――――― 六月三日  電源開発促進法の一部を改正する法律案中村  幸八君外七名提出衆法第四四号) 同月十四日  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を  受けた中小企業者に対する資金融通に関する  特別措置法案内閣提出第一五〇号) 五月二十七日  電気工事技術者国家試験制度創設にう特別措置  に関する請願田中榮一紹介)(第五一一四  号)  体温計の対米、加輸出数量規制反対に関する請  願外九件(椎熊三郎紹介)(第五二一一号)  同外七件(長谷川四郎紹介)(第五二一二  号) 六月十四日  当面の中小企業対策に関する請願村瀬宣親君  紹介)(第六四二四号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 六月八日  貿易自由化に伴う企業対策の確立に関する陳情  書(第八九七  号)  煙害等公害予防措置法制定促進に関する陳情  書(第八九  八号)  諸物価の値上げ抑制に関する陳情書  (第九〇〇号)  離島振興法の一部改正に関する陳情書  (第九三六号)  公害防止対策法制化促進に関する陳情書  (第九  三七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を  受けた中小企業者に対する資金融通に関する  特別措置法案内閣提出第一五〇号)  派遣委員より報告聴取      ――――◇―――――
  2. 中村幸八

    中村委員長 これより会議を開きます。  チリ地震津波による商工業関係被害状況実情調査するため、北海道及び東北地方へそれぞれ委員を派遣いたしましたが、この際派遣委員より報告を聴取いたします。鹿野彦吉君
  3. 鹿野彦吉

    鹿野委員 チリ地震津波による北海道方面災害調査の結果を御報告いたします。  第一班は、北海道におけるチリ地震津波による災害実情調査を目的として、六月二日東京を出発いたし、翌三日札幌通商産業局及び北海道庁において災害概況説明を聴取し、四日には函館市役所において、渡島支庁管内函館市及び上磯地帯災害説明を聞き、五日函館臨海地帯工場及び倉庫群駅前マーケット商店街等実地調査を行ない、六日には胆振支庁管内苫小牧外地域状況調査して、翌七日帰院いたしました。  まず北海道全域概況について申し上げます。  五月二十三日午前四時南米チリに発生した大地震による津波は、二十四日未明より北海道東部及び南部の沿岸一帯を襲い、住民の全く予知しなかった来襲であったため、函館市を初め各市町村はかなりの災害をこうむったのであります。被害地域は、渡島支庁管内では函館市外三町、胆振支庁管内苫小牧市外三町、日高支庁管内で五カ町村十勝支庁管内で四カ町村釧路支庁管内釧路市外カ町村根室支庁管内では根室市外一村であります。被災地を地形的に見ますと、津波に直面する海岸にあっても、ゆるいカーブの海岸では強度の増潮浸水を見ないで、函館や浜中村霧多布湯沸岬のようにはさみ状入江の先端は、津波振幅の二倍くらいに水面が盛り上がり、はなはだしい浸水を見ており、また防潮堤も直線ではなくて、陸に山型に設置されたものの背後地にはほとんど被害がなかったのであります。これらの点は、今後の臨海商工業地帯整備計画上、一つの指針を与えるものと考えるのであります。  次に、人的被害は、死者及び行方不明十五人、負傷者十五人、家屋全壊及び流失二百七戸、半壊百二十四戸、床上浸水一千三百五十八戸床下浸水一千六百四十五戸、被害金額においては家屋二億七千九百二十万円、文教施設百十万円、農業一千三百六十五万円、林業七千百六十二万円、水産業二億三千二百万円、衛生施設百五十万円、土木十九億五千七百十万円、商工業五億一千九百万円その他五千九百五十三万円、総計約三十一億三千四百七十万円と推計され、被害調査の進むにつれ、さらに増額する趨勢にあります。このうち浜中村家屋水産業土木被害を主体として二十億八千六十九万円、函館市が商工業関係被害を主として五億六百四万円と、この両地域圧倒的多額を示しているのであります。  商工業関係被害は、工場店舗施設八千三百十八万円、商品原材料その他四億三千五百八十二万円、合計約五億一千九百万円でありますが、このうち函館市が四億四千九百二万円とその大部分を占め、次いで浜中村四千九百八十万円、広尾町九百五十万円、厚岸町九百十万円、浦幌町百二十万円、豊頃町十八万円と続いております。  北海道庁においては災害救助法による緊急対策を樹立して、情報の収集、罹災民誘導収容救恤品の配付、衛生土木関係事業等消防隊、自衛隊その他関係機関の協力を得て応急救援措置に努めております。  今回の災害は、公共関係被害よりも、一般商工業農漁業被害が多く、しかも、これらはほとんど中小零細業者でありますから、その復旧はなかなか困難でありまして、政府民間金融機関が特別の貸し出しを始めておりますが、金融機関に手の及ばないごく小さい商店零細農漁民が多く存在しているのであります。  次に、商工業関係被害の最も大きかった函館市について申し上げます。  五月二十四日函館市を襲った津波の第一波は、午前三時過ぎから始まり、三時五十八分に平均水面からの高さ三十八センチを記録し、引き続き七時五分までに約四、五十分おきに六回も押し寄せ、この間第二波が急激に引いたため、第三波がマイナス十センチとなり、この結果第四波がより強力なものとなり、沿岸住民津波とわかったのは、この第四波からでありまして、被害が続出したため、住民は後続の津波に備え避難したのであります。さらに七時ごろ再び潮位が盛り上がり、七時五分には第四波より強力な津波が押し寄せ、平均水面より二百十センチに達し、その後多少の消長を繰り返しながら、十六時二十五分百八センチ、二十時五分三十四センチと次第に弱まってきたのであります。  市当局は、二十四日五時十一分津波警報を受信し、直ちに関係方面に伝達し、自後あらゆる機関を動員して、逐次津波情報住民への周知に努力したのであります。他方、道庁に対し災害救助法の適用を要請するとともに、災害救助対策本部を設置し、北海道災害救助函館支隊の組織により業務を開始いたしまして、罹災民誘導収容救恤、防疫、清掃、土木対策等万全の措置を講じたのであります。この結果人的被害は最小に食いとめ、悪疫の発生も防ぎ得たのであります。  被害罹災戸数二千二十戸、人員六千二百六十人、死者及び行方不明二人、負傷二人、住家屋全壊及び流失二戸、半壊一戸、床上浸水五百八十八戸床下浸水八百八十五戸、非住家被害五百四十七戸、道路決壊一、橋梁流失一、鉄道不通一、漁船流失一、破損一となっております。  商工業関係被害は、工業二十六件五千八百六十四万円、商業五百二十七件三億八千五百二十六万円、サービス業十件五百十二万円、合計五百六十三件四億四千九百二万円に上っております。これが復旧所要資金は四億一千四百八十九万円と見積もられ、そのうち一億五千百八十九万円は自己調達でまかない、残り二億六千三百万円の特別融資を強く期待しているのであります。  被害内容は、そのほとんどが建物、工場機械商品原材料等で、浸水による冠水、流失被害でありますが、罹災商工業者の大部分中小規模の経営で資本力に乏しく、自己資金による復旧は困難であります。ことに被災地域マーケット集団地域が含まれておりますが、これらは大多数が引揚者で、飲食店行商理髪店等を営む者が多いのでありまして、その自力回復はきわめて困難であります。従いまして、これら業者復旧は、その資金の獲得にかかっておりますので、その対策として、市当局各種金融機関特別融資措置を講ずべく努力しているのであります。  次に、各地で受けました被害商工業者救援措置に関する要望の要点をとりまとめますと、次の通りであります。  一、中小企業金融公庫一億円、国民金融公庫七千万円、商工組合中央金庫五千万円の北海道災害融資特別ワクを設定願いたい。一、災害融資の実施にあたっては、貸付利率軽減、期間の延長等について特別措置を講ぜられたい。一、中小企業信用保険については、保険料軽減填補率引き上げ等特別措置を講ぜられたい。一、金融ベースに乗らない飲食店行商理髪店等零細企業に対し、更生資金等資金ワクを設定し、融資の道を講ぜられたい。一、被害企業経済的復興は相当長期を要するから、その既借入金について据置、延納の措置を講ぜられたい。一、罹災者金利負担軽減するため、信用保証協会保証料低減措置を講ぜられたい。  以上報告を終わります。
  4. 中村幸八

    中村委員長 次は田中榮一君。
  5. 田中榮一

    田中(榮)委員 私は、チリ地震津波災害現地調査のため、当商工委員会から青森県、岩手県、宮城県の被害地に派遣されましたので、調査して参りましたその概要報告申し上げます。  調査地域青森県の八戸市、岩手県は山田町、大槌市、釜石市、大船渡市、陸前高田市、宮城県は、気仙沼市、志津川市、女川町、石巻市、塩釜市のそれぞれの周辺でございます。  次に、被害概況を申し上げますと、被害戸数三万有余棟罹災者は実に十二万五千五百二十三人を数え、ことに死者九十八人、行方不明二十一人、負傷者八百三十四人に及んでいるのであります。その他田畑、木材の流失、船舶の沈没破損道路橋梁、河川、港湾及び公共施設被害も非常に大きいのであります。  以上の被害のうちにありまして、商工業関係に属するものの被害総額は三県を合わせ五月三十一日現在において七十億八千三百八十三万円に達したのであります。これを商業鉱工業電気及びガス事業業種別に額で申し上げますと、商業四十三億六千六百四十五万円、鉱工業二十四億九千八百二十八万円、電気及びガス事業二億一千九百十万円となっておりまして、このうち中小企業に該当するもの及びその額において六十五億六千六十八万円となっております。その他おもな大企業被害会社としては、日東化学八戸工場日本製鋼八戸工場富士製鉄釜石製鉄所小野田セメント大船渡工場等であります。  以上の被害実情から見まして、災害復旧には金融措置をいかにするかにかかっておりましたので、政府関係金融機関並びに市中銀行は、被害地実態調査を行なうとともに、臨時金融相談所の開設、出張金融相談等を行なって、災害復旧融資に万全の処置をとっておるのであります。このことは復旧資金貸付体制としましては時宜を得たものでありまして、また罹災地におきましては関係代表者より切々な要望が種々ありましたが、商工関係だけを簡単に申し上げますと、第一に、中小企業に対する天災による被害について立法措置を講ずること、第二は、信用保証協会に対し、災害復旧資金特別保証をなし得るよう保証基金の増額をなすとともに保険料を従来の三分の一に減じ、填補率引き上げを行なう措置を講ずること、第三は、中小企業振興資金助成法特別措置を講ずること、第四は、中小企業金融公庫国民金融公庫貸出金利返済等に別途特別措置を講ずること、第五は、商工組合中央金庫貸出金利特別措置を講ずること、等であります。  以上でありますが、このたびの災害に対して、仙台通産局、各県市町村関係の方々の日夜を分かたぬ処置及び緊密な連絡のもとに復旧に努力されておりますこと、本調査に当たって、御支援を賜わりましたことについて謝意を表するとともに、簡単に報告申し上げます。  なお、被害の詳細なる報告等は別途委員長あてに書面にて報告をいたしておきましたので、御了承を願いたいと存じます。
  6. 中村幸八

    中村委員長 以上で報告は終わりました。ただいまの報告に関しまして御発言があればこれを許します。——別に御発言はないようであります。      ————◇—————
  7. 中村幸八

    中村委員長 次に、本日本委員会に付託になりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案を議題とし、審査に入ります。     —————————————
  8. 中村幸八

    中村委員長 まず趣旨説明を聴取いたします。通商産業大臣池田勇人君。
  9. 池田勇人

    池田国務大臣 ただいま提案になりました昭和三十五年五月のチリ地震津波による災害を受けた中小企業者に対する資金融通に関する特別措置法案につきまして、提案理由及びその概算を御説明申し上げます。  まず提案理由について御説明申し上げます。  昭和三十五年五月のチリ地震津波は、中小企業者に対して想像以上に大きな被害を与え、これが急速な立ち直りのためには再建資金融通円滑化をはかることが刻下の急務となって参りました。  このため政府におきましては、直ちに国民金融公庫中小企業金融公庫及び商工組合中央金庫資金を重点的に災害融資に振り向けることといたしましたほか、昭和三十四年度の伊勢湾台風等による風水害の際にとった措置に準じて、両公庫災害融資については行政措置によって貸出利率引き下げを行なうこととしたのでありますが、商工組合中央金庫の行なう災害融資についても法律により同様に貸付利率引き下げ措置をとることが必要と考えられるのであります。  次に本法案概要は、商工組合中央金庫が行なう災害融資について、両公庫の場合と同様、その貸付利率引き下げを行なうため、商工組合中央金庫に対する政府利子補給に関し必要な事項を規定したものであります。  すなわち、政府商工組合中央金庫災害を受けた中小企業者であって政令で指定するものに対し、昭和三十五年十月三十一日までに貸し付けた再建資金のうち、被害中小企業者一人につき五十万円までの額について、貸付を行なった日から三年間を限り、年六分五厘の利率を適用したときは、通常利率との差額を商工組合中央金庫に対して支給することができることといたした次第であります。  以上この法律案提案理由及びその概要を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上御賛同あらんことをお願い申し上げる次第であります。     —————————————
  10. 中村幸八

    中村委員長 以上で趣旨説明は終わりました。質疑通告があります。順次これを許します。鹿野彦吉君
  11. 鹿野彦吉

    鹿野委員 ただいま大臣趣旨大へんけっこうだと思います。つきましては金融ベースに乗らない飲食店とか行商理髪店というような零細企業に対する措置について十分考えておりますかどうか、お尋ねいたします。
  12. 池田勇人

    池田国務大臣 商工組合中央金庫あるいは中小企業金融公庫、ことにお話の点は国民金融公庫の対象になるものが多いと考えられるのであります。従いましてわれわれは被害者実情に沿いまして万全の措置をとるよういたしておるのであります。
  13. 中村幸八

  14. 田中榮一

    田中(榮)委員 通産大臣にお伺いいたしますが、今回の津波対策につきまして大体伊勢湾台風に準ずるという政府の方針でございまして、先ほども松野労働大臣から、政府の失対事業に対しましては大体伊勢湾台風に準じて五分の四の高度の補助をいたすという御説明があったのでございますが、今回の通産省の災害対策といたしまして、大体私ども三つのことをお願いしたのであります。一つは、中小金融公庫利子引き下げ、これは立法措置でございます。これはただいま通産大臣から、貸付限度五十万円までをこの立法措置に適用して六分五厘に引き下げて、あとは政府金利補給する、こういう御説明でございまして、伊勢湾台風となりますと、大体百万円を限度として実は金利補給をやったわけでありまして、今回の津波は、規模はかりに小さくとも、私も現地に参りましていろいろ見て参ったのでありますが、受けた被害というものは大体同じでございます。それから先ほどの御説明で、大体五十万円程度を貸したならば、それで被害復旧はできるんじゃないか、だから五十万円でいいんだ、こういうお話でございますが、私ども現地で見た状況は、とても五十万円、百万円では復旧ができないのであります。少なくとも数百万円の復旧費がかかるのが相当あるのでありまして、たとい個人の施設にいたしましても、二、三百万円あるいは五、六百万円の被害をこうむった者もあるのでありまして、これを五十万円の限度に、伊勢湾台風の半額にしたいということは、非常に被災者としては大きなショックではないかと思うのでありますが、この点につきまして通産大臣のお考えをお伺いしたいと思います。
  15. 池田勇人

    池田国務大臣 今回の災害につきまして、田中委員お話通りに、私が当初百万円、組合は三百万円ということで大蔵省と折衝いたしたのであります。しかるところ伊勢湾台風の場合とはちょっと程度が違いまして、ただいま本会議で答弁申し上げましたように、五十万円未満融資が大部分という統計に相なってきておるのであります。従いまして、先般の伊豆地方のあれでは三十万円ということになっております。名古屋地方伊勢湾台風では相当被害額が多いので百万円となったのでございます。今回は調査した上で五十万円なら大部分まかなえるという結果に相なりましたので、五十万円まで譲った次第でございます。しかしこれはあくまで利子補給でございますので、復興資金に二百万円、三百万円かかればもちろんそれはお貸しする筋合いでありまして、ただ利子補給の点だけは、一応おおむね五十万円未満という程度でまかなえるものと考えた次第でございます。
  16. 田中榮一

    田中(榮)委員 もう一つお伺いしたいと思うのでありますが、今回の災害の非常な特徴は、零細中小企業者被害をこうむっておりまして、それが勢い国民金融公庫、それから中小企業金融公庫の窓口に押し寄せまして、幸い政府金融機関現地に出張いたしまして、非常に懇切丁寧に指導していただきまして、被災者も非常に満足しておるのでございますが、そこでどうしても各県の信用保証協会保証というものを要求するわけでございます。そこでもちろん信用保証協会政府信用保険公庫からのいわゆる再保険を期待いたしまして相当大幅に、大胆に、勇敢に貸し出し保証をいたしておるのでありますが、信用保証協会最後しわ寄せのほとんど全部がのしかかってくる状況でありまして、ことに宮城県の信用保証協会内容等は、あまり健全とは言えないわけであります。そして信用保証協会としては県の方に向かいまして保証料引き下げをする、それからまた信用保険公庫保険率を何とかして引き下げてもらいたい、これは立法事項でございますので、この点については再三現地からもお願いをしたのでございますが、信用保険公庫保険料引き下げはとうとう実現できなかった。それからいま一つ信用保証協会補填率でございますが、補填率につきましては、大体七〇%を何とか八〇%に一つ引き上げまして、信用保証協会ができるだけ幅広く保証できるようにということで、これも立法事項としてかねてからお願いしておいたのでございますが、ついにこの二つはできなかった。今後も天災、水害が起こると思いますので、こういう点につきまして将来何とか通産大臣として努力していただく御決意がございますかどうか、お伺いしたいと思います。
  17. 池田勇人

    池田国務大臣 先ほど申し上げましたごとく、伊勢湾台風に準じまして三つ法案提案する予定で努力いたしたのでございます。最後までがんばりましたが、結局この法案一つになりました。しかし実際問題といたしまして、県の保証協会につきましては、特別ワク融資をいたしまして、この災害金融の万全を期したいと考えております。なお料率等の問題につきましては、やはり災害規模というものが問題になりますので、私は今後はある程度行政措置でまかない得るような道を開いておくことが必要ではないかと考えております。従いまして、今回十分でなかった点は、今後におきまして十分考えます。また行政的にできますことならば、万全の措置をとる考えでおるのであります。
  18. 南好雄

    南委員 通産大臣に特にお願いしておくのですが、例の十八億を信用保険公庫政府融資をしてその金で信用保証協会経費をまかなうとともに、十分な信用限度の維持の経費に充てておることは、御承知の通りです。三十五年度の予算が通った間もなしでありますが、今回のいわゆる広範囲なチリ地震融資については、十八億の金がまだありますので、それを至急配分していただけばさしあたりはいけると思うのであります。ところが私の県などは前年非常に大きな災害を受けまして融資限度一ぱい一ぱいになっており、すみやかに十八億を配分していただかなければ一般中小企業金融がストップしている状態であります。それに加えてこの別ワクとしてそれを取り去られて、残った金をまた例によって按分して配布されるというようなことをなさっていただいては、昨年の名古屋災害あるいは各地災害限度一ぱいになっているのに、そういう現象を無視して十八億を配分されますと、おそらく今年の十月か十一月ごろになりますと、また信用保険公庫は動けない。信用限度一ぱいに来てしまう。そういう際においては、これはぜひ通産大臣にお願いしておきますが、別ワク融資されたものを予算措置をする、あるいは年末の金融追加補正をするという際には、どうか一つ保証協会が十分に限度を維持して、非常に困っております中小企業金融について円滑に動き得るように今から十分御配意下さいますとともに、昨年の災害を受けている県については、一つなるべく今度の別ワクにすることによって、しわ寄せをやらないように御配意を願いたいと思います。
  19. 池田勇人

    池田国務大臣 昨年伊勢湾台風のときに十億円補正予算で出しました。十億円のうちまだ三億円余りがございます。従いましてこの三億円と今回の十八億円を合わせまして十分活用して御期待に沿いたいと思います。
  20. 中村幸八

    中村委員長 他に御質疑はございませんか。——他に御質疑はないようでありますので、本案に対する質疑は終局したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  21. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  22. 中村幸八

    中村委員長 引き続き、本案について討論に入るわけでありますが、別に討論通告もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  23. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、本案を採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  24. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって本案は、原案の通り可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、さように決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は公報をもってお知らせすることとし、これにて散会いたします。     午後四時二十一分散会      ————◇—————