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武藤委員 この
繊維工業設備臨時措置法の
改正案に対して、三党で
代表をあげまして小
委員会を作りまして、二回にわたりまして時間をかけて審議をいたしました。そこで問題になりましたのは、民主社会党の方で提出をいたしました、二十五条の二、二十五条の三を新設して
共同行為に伴って
労働者に対して解雇または転勤等の不当な取り扱いをした場合の救済
措置として、救済というよりはそういうことを予防する
措置として、その場合には
労働側の
意見を聞かなければならぬ。第一にはそういうことをさしてはいけない。次には
労働側の
意見を十分に聞いて、そういったことをしないようにという、この二カ条を入れたいということでありましたけれども、いろいろ議論をいたしました結果、経済立法に直接こういった労働関係法規的な性格のものを入れるということについては
政府側としても問題があり、また自民党の方にも問題がある、こういうことでありましたので、われわれとしては、実際問題として、別にこれを労働法的なものと解釈しなくてもよいのではないか、こういう議論をしたのでありますけれども、結果的には従来同様の文句を通産大臣の
指示事項として告示をしておるのであって、これに対しては通産省としても、大臣以下責任を持ってそういった不利な取り扱いをしないように、この法案が四カ年延長される今後とも、この告示は継続して行なって、そしてそういう不利な取り扱いをさせない。今の大臣の言明にもあったわけでありますが、そういうことで
法律的には救済ができる。それから、これは特に議事録にとどめておいていただきたいのでありますけれども、法制局の責任者あるいは
繊維局長の方も、結局
指示事項に書く場合あるいは法文にうたう場合には、こういった取り扱いをされた者が
民法上の取り消しの裁判等を行なう場合においても、何ら効力についての差別はない、これは全く同じ効力を持つものである、こういう回答があって、私どももそういう
法律解釈については、権威者の
お話でありますから了解をして、そして
指示事項は今後も大臣の
指示として継続をする。そうなりますと、実際に大臣の
指示事項で
共同行為が行なわれた。ところが
経営者はこれに対して大臣の
指示事項に違反をして
労働者に解雇または転勤等の不
利益な取り扱いをした、その場合には、一体どこへ不
利益な取り扱いをされたということを持ち出していいのかということになる。これは本法では何も規定していない。ただ四十四条で、
共同行為の
指示をした通産大臣の
指示に対して、
異議の申し立ては、三十日の期間ですか、六十日の期間ですか限って、できるようになっておりますけれども、それはあくまでも通産大臣の
共同行為に対する
指示事項であって、
経営者が行なった結果についての
異議申し立ての
条項は何もない。従って、それでは実際問題として
経営者が虚偽の報告をしてほおかぶりをしておけば、本人か
組合が騒がない限りそれはわからない、こういうことになってくるので、その
異議申し立てをできる道を開く必要がある、こういうふうに
委員会の
意見が一致をいたしました。法制局等の
意見も聞いた結果、第三十一条の三に、読み上げますと「第二十四条第一項の規定による
指示に係る
共同行為の実施に関し苦情のある者は、
通商産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。」この一項を挿入することによって、そういった問題を大臣が知ることができる。従って、この
異議の申し立てが、苦情の申し立てがあった場合には、大臣は、あとで附帯決議の中でも出て参りますけれども、
審議会の中で特別にこういった苦情にこたえて審議をする
委員会を作って、そこでこれに対する内容調査なり諮問をする、こういうことにしてこれらの問題を救済しよう、こういうことになったわけであります。そういう経過で第三十一条の三を修正
条項として三党が一致して提案することになったわけであります。
以上が小
委員会の修正案の内容であります。