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樋詰政府委員 御
承知のように、大体中央の三
市場について
平均してみますと、大体売り値の二二%
程度だと思いますが、これが
運賃並びに輸送諸経費ということになっております。特に
北海道から
東京まで持ってくるという場合には、千七百円からの
運賃諸掛りが現在かかっているわけでございます。先ほど御指摘になりましたように、
産炭地から主要
消費地が離れているということが、日本の
石炭企業の一番つらいところでございますので、
運賃の占める
割合が高いというものについては、できるだけ
運賃を切り下げるということに努力していきたい。それと同時に、現在三千からございます銘柄によって取引がなされておって、そうして貯炭をする場合にもあるいは輸送をする場合にも、非常にこまかい区分けをしなければならないといったような
関係になっております実情を是正して、
需要家の方で希望するのはせいぜい数十種類の規格であればそれで十分なわけでございますから、これから逐次取り扱いのロットを大口化するということを進めて参りたい。これは
需要者ともちろんタイアップしなければならぬわけでございますが、いわゆるロットの大口化によりだんだん規格売炭的なものに全体の進み方を移行していく。それに並行いたしまして、現在それぞれの会社がそれぞれの人間を、それぞれの積み地に出して、そして
石炭の発送あるいは受け取りというようなことをやっているというようなことにつきましても、もう少し流通機構の簡素化、あるいは場合によりましては、現在の
石炭の受け渡し場所というようなものにつきましても、若干の変更を加えた方がいいものもあるいは出てくるかとも思いますので、そういうものにつきましても、今後どういうふうにすれば一番
需要者と生産者双方のプラスになるかということについて、この前一月から七回ばかりにわたりまして生産性部会というものを開いて
検討をしてきたわけでございますが、一応の
結論が出まして、実はあした大体中間的な報告というものがなされるというところまでの段階にきたわけでございます。従いまして、まだ流通機構を簡素化することによって、どれだけのコスト・ダウンになるかということにつきましては、あした正式にきまるということでございますが、われわれといたしましては、昨年以来横浜以下揚げ地五港、それから九州の苅田あるいは唐津港以下積み地五港というものにつきまして、
石炭の港湾施設特別会計で七十五億の事業費をもって、三十七年度までに港湾の阜頭その他の
設備の近代化、機械化ということをやっておりまして、まず積み地におきましてはそういう港湾施設を近代化していく。それから今後は、そういう港湾施設そのものの近代化と並行いたしまして、たとえば今度の特別貸付金の一部等を活用いたしまして、積み地における共同混炭場というようなものを設けることによって、多数の生
産業者あるいは販売業者の各地に送り出す炭というものを、ある
程度大口にまとめて一定の規格炭にして送り出す、そしてそれを能率のいい船でできるだけ
運賃を安く運ぶといったような、海上輸送面との結びつきというようなことも、運輸省その他と連絡をとりながら進めていきたい。さらに陸上輸送等につきましても、日本の
石炭の貨車輸送の一列車分がまだ非常に小さいのでございますので、これを大きくするということによって相当コストを下げ得るのではないかという点につきましては、貨車輸送の大口化あるいは
石炭専用の貨車といったようなものを、国鉄で整備していただくといったようなこと等について一国鉄当局と努力を続けていきたい、こう思っております。それから船の
関係につきましては、まだいつからどうということでございませんが、たとえば
石炭専用船といったようなものを作った場合にどれだけのコスト・ダウンになるか、またそれが現在の海運
市場にどういうようなプラスあるいは
マイナスの影響を与えるかといったようなことにつきましても、今後具体的に
検討して
一つずつ問題を解決するということをしていきたいと思いまして、とりあえず三十五年度といたしましては、まず九州か
北海道かどっちか一カ所に共同混炭場というようなものを作ることによって、
石炭輸送の大口化、取り扱いの簡易化というようなことを実現していきたいというふうに考えております。