○内田(常)
政府委員 長官からいろいろ説明がありましたが、私は従来こう解して参りました。十四条そのものは製造業者、卸売業者の小売兼営をしておる場合に、必要がある場合には
政府が政令でその
業種、地域を指定する。それはどういう心準備のために指定するかというと、卸売業者、製造業者が小売を兼営しておる場合、全部を指定する
意味ではもちろんないので、その
状況が小売業者の単独小売行為を非常に圧迫して、何らかの交通整理が予想されるような
業種と地域を選んで指定をする。従って十五条のような事態が起こりますことを予想して指定するわけでありますから、こういう
法律の条章は、
法律の制定当時指定した方がいいものがあることを抽象的に想定して作ったことを認めるのでありますが、実は正直に申しまして、実際指定を発動しようと思いますと、その影響の
程度がなかなか複雑であって、製造業者、卸売業の小売行為がはたして小売業者を圧迫しておるような事態に来ておるかどうかという踏み
切りが、地方庁の報告においてもわかりかねる
状況が見られる。
田中委員のお尋ねがありましたように、地方庁が告示するわけではございませんが、告示をしました後の行政行為は、主として地方庁の知事が当たりますために、知事の、こういう地方庁からの報告を無視しまして、中央で一方的に指定することもなかなかむずかしいというようなことでございます。いずれにいたしましてもこの
法律施行以来一年間もいまだかつて一の地域も一の
業種も指定されていないということは、
委員の皆様方から
政府の怠慢ではないかと言われる
一つの
状況を作っておるものと考えますので、先般述べましたように、
田中委員からの御激励の趣旨も受けまして、この条章を生かすようにさらに引き続いて
一つ弊害の予想せられる地域につきまして指定の方向に持っていくような措置を講じて参りたい、かように考えております。
なお、私の方から申しますと、小売
商業調整特別措置法がせっかくできましたけれ
ども、いわゆるざる法といわれ、処罰等の規定もまだほかにありますが、必ずしも百パーセント運営できておりません。私の感想では五〇%くらい運営できておらない点がほかにもあるのでありまして、私
どもとしましても行政運営上頭の痛い
法律になっておることをここで告白と申しますか、申し上げざるを得ないわけであります。