○
田中(織)
委員 ただいま柏村長官は率直に、かなり前にこのビラが配布されたと言われた。従って、差別問題として
関係団体でこの問題を取り上げているということについても、私は報告があったから承知されたのだと思う。それが実情だと思うのでありまするけれ
ども、私が先ほど申し上げましたのは、私自身体験したことでございまするから、誇張も何もございません。誇張も何もございませんが、この部落問題というようなことなり、また大牟田の問題で第一組合側の
関係の者がそういう
意味で
一緒に参るということになると、あたかも暴徒か暴力団に対決するような形で、一種の過剰恐怖というか、こういう
考え方で警察がわれわれ人民に対処している姿というものは、私は非常に重大な問題だと思うのです。こういう
考え方があるから、私は先ほど口はばったいことではありまするけれ
ども、大牟田の常備警察の諸君にまかして大牟田から引き揚げていただいても、私
ども社会党は党の全生命と党の名誉にかけても大牟田の治安を守りますと言った。しかし
現実にはそういう姿があるということ、しかもようやく現地の松岡県議が仲へ入りまして
——われわれがやかましく言っても、入り口に七、八名の警官が警棒を持って立つのをついに最後までやめなかった。これはわれわれ身分を明らかにしている者に対して不都合だと思うのです。しかもそういう状況の中で、六時ごろから押し問答いたして、かれこれ二時間半くらいたったころに、公安部長というのが出てきた。こちらは、釘原次席と出てくるから君はどなたですかと聞いたら、なかなか言わない。しかし釘原次席と
一緒に抗議団の代表に会おうという以上は官姓名を名乗れ、こういうことを言ったら、公安部長だという。それで、君はさっきからここにおったのじゃないか、先ほど釘原次席を引っぱり出しに来たのは君じゃないか、こういうことで、前日から連絡をとって来ているのに対して、県警の警察本部長がいなければ、それの代理者と会いたいということも、われわれは順序を通してものを言っているのに来ないということはないんだ。しかも立ったままで、用件を話して下さいと言う。不都合千万ですよ。私は、こういう形で
警察庁長官が現地の第一線の諸君を教育し指導されているとは思わない。それから私が釘原次席に伺ったと同じような形で、憲法十四条を棒読みしたような形で聞いたのだけれ
ども、ふんぞり返っている。それですから私は、そういう態度、経過について話をしました。きょうの警察の態度は常軌を逸しているし、君らが興奮しているからというのは僕らもわからないことはないが、われわれを数時間待たしたということは無礼なことだから一
通りのことわりは言いなさいと言っても何も述べません。だからこれは、部落解放同盟の連中
——田中などの部落の人間が来たら、あいつらは人間じゃないのだから、こういう蔑視観念のもとに警察が応待しておったものとわれわれは見ざるを得ない。本部長への抗議文を伝達してもらいたいと思って来たけれ
ども、会見はこれで打ち切るということで、私
どもは、これは新たなる警察の差別事件として徹底的に究明するという
立場で、すでにそれに先だってデモ隊は静かに解散をさせまして、私らは引き揚げたのであります。ところが、越えて翌日福岡市で、県警の本部長に、抗議大会の決議文、それから前日の大牟田署における問題が私はどうしても納得ができませんので、私がしたためました具体的な事実をあげました抗議文、これを作成して代表が面会に行ったのでありますが、大牟田へ今指令を流している、指令室へ入っているということで会わない。そういうことで、福岡県警本部長もわれわれの代表に現在の時間までにまだ会っておらない。この問題は、それでなくても深刻な感情的な対立問題をはらんできておるのであります。
政治に関する問題だとして、首を切られた組合側の諸君は今や精神的には全くエキサイトした
状態のもとにあるが、そこにこの不幸な差別事件が起き、それに対して輪をかけるような警察の態度というもの、これは新聞、ラジオで報道せられております。それが大牟田の市民にどういう影響を及ぼすかということを
考えますと
——きょうはたまたま社労
委員会が開かれて、三池争議の問題についての警察の処置等についての
質問が行なわれるということでございましたので、同僚に交代していただきまして実は
質問に立ったわけでありまするが、これは実に許すべからざる問題だと私は思うのであります。私が申し上げている事実は、何らの誇張なくありのままに申し上げておるのでありますが、
警察庁長官として、これを調査されてどういうような処置をとるか。責任がある処置をとるか。私
どもはやはり
国民の一人として納税の負担もしておりますし、警察に対する民警
協力の
立場でいろいろ行動している者もございます。警察が今度大牟田でとった態度が全警察官の
考え方の中にあるものだとは思いませんけれ
ども、しかしもしそういうものが全国的に何しますと、これは警察官とわれわれの同盟
委員のみならず、
国民との間を分離する重大な問題だと思うのでありまして、責任ある処置をとっていただかなければならぬと思うのでありますが、この点に対する
警察庁長官並びに主管の石原国務
大臣の御見解を伺いたいとともに、法務省の鈴本
人権擁護局長にも伺いたいのだが、こういう重大問題が起こっているのに対して、部落問題だということになれば、何か特殊な問題であるかのような
考え方で現地の法務局が動いているということになれば、それこそ法務省
人権擁護局自身がこの問題について今日なお誤まった
考えを持っているものと断ぜざるを得ない。
国会では御承知のように一両日中に与野党一致いたしまして同和対策問題の
審議会を設置することに社労の
委員長の
永山代議士等にも非常な
協力をいただいて、これが会
国会で成立する段階にまで進んできているのです。この部落問題について
政府が重大な関心を払う時期に、第一線一の警察官がこの問題に対して、こんな今度起こったような無理解な態度では、私は先が思いやられると思います。この点についての
政府側の責任ある
答弁をわずらわしたいと思うのであります。