○
岡本(隆)
委員 医療金融公庫法によるところの融資の方が長期低利の融資である、そういう
意味において
医療機関のような、もっぱらといいますかほとんどが
設備投資に使われるという
機関にあっては、これは他の企業におけるところの金融と違って公共的な
性格を帯びた
設備投資でありますから、長期低利のものでなければ成り立たないということは当然ですから、その原則論は非常に正しいし、またそうでなければならないと思います。ただ問題は、結局のところ
資金の量の問題でありまして、現在非常に大きな
資金需要があるのに対してきわめて窓口が狭過ぎる、こういうことでありますから、政府の方でそういうふうな覚悟を持って臨んでいただきますなら、これは非常にけっこうであると思います。そこでもう
一つ大蔵省にお伺いしたいのでございますけれ
ども、これからまだ一年間は中小企業金融公庫からの融資の
制度が残っている。また場合によれば、ひょっとすると
医療金融公庫の方の融資のなにが少なければ、中金の方もまた残していただかなければならぬ。そういうことになって参りますと、今中小企業金融公庫に対する融資の方針の中で、中小企業金融公庫の業種別取扱い要領というのがございます。それでもって
医療機関に融資をする場合、対象とするものについては、まずその地域の
医療機関整備計画に合致すると思われるもの、その次には結核と精神病のものでなくちゃいかぬ、またその次には既存の病棟の改良補修でなければならぬということ、あるいはまた
設備改善のためのものでなくてはならぬ、こういうふうなことに限定されております。これは相当現在の実情にそぐわないと思うのです。御承知のように公的
医療機関は、たとえば日赤にいたしましても国立
病院にいたしましても、あるいはその他の組合立の
病院にいたしましても、どんどん鉄筋コンクリートの不燃の建物を建て、その中にすばらしい近代
設備を持ってきている。ところが民間
医療機関は相も変わらない小さな木造の規模の中で診療行為をやっている。そういたしますと、
設備という形でこれは競争にならないのです。ところが片一方に対しては厚生年金の還元融資がどんどん行なわれる、
設備はどんどんりっぱになっていく。片一方は融資は短期の五年以内だ、しかも利率は高い。こういうようななにで、おまけにそれがきわめて狭い窓口で、なかなか融資の順番が回ってこない。こういうようなことでは、民間
医療機関は
資金的に、公的
医療機関ともう太刀打ちができないのですね。現在までの政府の方針というものは公的
医療機関優先です。民間
医療機関はどうなってもいい。こういうふうな方針で、それが
税制の面でも金融の面でもそういうふうな方針であったものでありますから、非常な不満が
医療担当者の中に出て参りました。そのことが結局は、
国民健康
保険だとかの
制度をめぐって、この点の
改正の問題、あるいはまたそれをどういう条件で引き受けるかというようなことでなかなか話がうまく進まなくて、各地にトラブルが起こっておることは、あなた方も御承知であろうと思うのです。そういうことは、結局民間
医療機関、私的
医療機関の財政的な苦しさというものがそういう戦闘的な態度をとらしているわけなんです。そういう点、今度
医療金融公庫法ができたということは、
一つの大きなそういう面での緩和策になっておりますから、だからそれは有効に使っていかなければならないと思うのでありますけれ
ども、しかしながら現在実情に合わないようなこういうふうな貸付の要領というものは
改正をすぐに即時におやりになるのか、あるいはこれはこのままだということなんですかね。これは当然実情にそぐわないものは早期に
改正して、
医療金融公庫では長期低利なものは窓が狭過ぎて
資金的なワクが少ないから借りられない、その人は短期でもしんぼうしてかりに使って下さい、こういうことであれば、この要領を変えていただかないとどうにもならないと思うのですが、その辺についての御
意見を承りたいと思います。