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滝井委員 前年分を基礎にしておきめになるということは当然のことだと思うのです。しかし、それじゃその前年のものはどうしてきめたんだ、こういうことになる。あるいはまたその前年であるということになれば、一体一番先の——たとえば
昭和二十八年からでございましたが、百七十六億八千八百万円で、
運用収入が三十九億二千万円、そのときに二十五億、こうきめているわけです。そうしますと、これは約七割に当たるわけですから、その七割なら七割とこうきめてもらえば、ことしは、七割ならば百五、六十億になる。その前年の実績を基礎にしたという、その前年は何を基準にしてきめたかということです。こういうところはもう少し
厚生省としても科学的な基礎をもって
国会に
説明できるようなものを作らなければいかぬし、
労働者に対して
説明することができるものを作っておかなければならぬ。そのときそのときで
厚生行政というものは波のまにまに決定をされて、まさに一本の風にそよぐアシですよ。風にそよぐアシでは困るんです。やはり中にがんとした筋金がそよがぬように入っていなければ困るんです。これは自主
運用というものがすぐできないとするならば、
大臣、
一つ何かはっきりとした基準をきめて、七割なら七割いただくんだ、五劇なら五割いただくんだということをきめてもらわなければいかぬと思う。これは
国民年金ができるということになると、また同じことですよ。
国民年金ができると、これがすでに実績だ、
厚生年金がまあまあ五割以下四割くらいしかやっておらぬのだから、それでいきなさい、そうして農民なり
中小企業者の福祉
厚生あるいはその他何かその方面の融資に使いましょう、こういうことになって、その累はみんな小山さんの方に及んでくる。そのときに幾ら泣いても間に合わない。実績はこの
通り、
厚生年金と
国民年金とは均衡をはからなければならぬ、そのときには必ずそうおっしゃるんです。それではいかぬと思うのです。
それからもう
一つは、燈用の利子をある程度安くしていいという場合は、私は民生安定のときだと思う。そういうときはこれは安くしていいと思う。たとえば住宅とか、
大臣の方のお得意の、今にわかにやらなければいかぬといっている上水道、下水道、環境衛生
関係、こういうところに民生安定の経費として
国民年金の
積立金のお金なり
厚生年金の
積立金を今後つぎ込んでいくということになると、今あなたの方で
隘路になっておる下水道の十カ年計画とか上水道の緊急整備五カ年計画というものが片づくんです。ところが今は二割か三割、超債をひっくるめてせいぜい年度計画の五割か六割にいっていない。そのくらいしか金がこない。だからこれは
積立金の金をがっと持っていく、こういうことになると、あなたの施策というものは国の
一般会計のお世話にならなくともやっていける、こういう形が出てくる。老人ホームを作ったりするのも、
一般会計からあわててお金を借りなくとも、この金でどんどんできていくと思う。そういう点、自分の金を持っているのでありますから、もう少し頭を働かしてもらっていけば、ああいうけんか腰にならなくとも、理詰めでいってある程度筋を通せば、大蔵省も納得せざるを得ないと思う。結局、結論的に言えば、国家的な、この重要な
財政投融資の資金源になっておるこの
厚生年金の
積立金、あるいは今後できてくるであろう
国民年金の
積立金というものを、勤労者のためのものとして利用をするという側面と、国家的な
財政投融資という
観点に立って
運用する側面との調和というものを一体どういう
工合にとっていくかということが、当面の一番問題だと思うのです。この根本的な問題を
大臣同士で政治的にきちっと話し合って、そしてその話し合った大綱に基づいて下の方で作業をしていく、事務的に折衝していく、こういう形が出てこなければならぬ。事務的に出てきたものを今度は
大臣が承認をするというのでは政党政治じゃないでしょう。こういうところに、もう少し
大臣初め
与党の政調の皆さん方がふんどしを締め直さなければならぬ点が出てくるのです。これ以上私はこの問題は申しません。しかし、いずれこれはまたの機会に、
予算委員会かその他があるときがあれば、やはりもう一回やらなければいかぬと思うのです。今のように大蔵省と
厚生省の
意見が食い違っており、その
運用の問題についても確固たる見通しというものがないということでは、
労働者は大へんです。さいぜん、私が午前中に申し上げました
通り、再び
国民年金なり
厚生年金が安保体制下における軍需産業拡大のために使われることはまっぴらですから、これは再び岸さんを戦犯に追い込む道にもなりかねないので、再びわれわれは岸さんを戦犯に追い込み
たくないと思うのです。午前中安保の特別
委員会で、岸さんが巣鴨にMPから引っぱられていっておる写真を松本さんが高々と掲げて
質問をしておりました。再びあなたがそういうふうになってはいかぬ、あなたの背後には今アメリカのMPが立っておるじゃないか、ちょうどあなたが巣鴨に引っぱられていくときにMPがうしろに立っておった姿と同じ姿になっておるじゃないか、へまをすればこの
財政投融資の中からそういう姿が出てこぬとも限らない。私
たちは岸さんの誤まった道を歩まないためにも、この際われわれみずからがこれを断ち切っておくことが必要です。そういう意味で、
大臣、ふんどしを締め直して、
国民年金がやがて三十六年にいよいよ起こるし、今
国会で
厚生年金が
審議されておる、この過程の中で、ぜひ
一つ熱意をせられて、そして正しい
年金運用の道を切り開いていくことを最後に一応お願いをいたしておきたいのですが、
大臣どうですか。