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足鹿委員 日本社会党、民主社会党を代表しまして、
臨海地域開発促進法に対する
修正の動議を提出いたしたいと思います。
まず最初に、
修正案の
説明と申しますか、
説明をするまでもないのでありますから、若干の
経緯等を述べて
説明にか、えたいと思います。
臨海地域開発促進法の
修正の動議提出にあたりまして申し上げたいのでありますが、本
法案は、第三十一国会の会期末近く、すなわち、
昭和三十四年四月一日、
川島正次郎君外七
議員より、二百五十三
議員の賛成のもとに提出されたものでありますが、時間的な都合等もありまして、実際上の
審議はなされず、第三十二、第三十三臨時国会に継続
審議となりました。三十四年十一月六日、
中村議員より
提案の理由を聴取しまして、実際的な
審議に入ったのであります。
御承知の通り、本
法案は
関連する方面がきわめて多いのでありまして、また、多いにもかかわらず、原案の内容を
検討してみますと、不備な点が多かったために、第三十四通常国会に再び継続
審議として、現在まで
慎重審議を続けてきたわけであります。すなわち、この間、三十四年の十一月十八日には千葉県知事柴田等君外五人の参考人の意見を聴取し、本年四月二十二日には、佐賀大学教授田町正誉君外二名の参考人から意見を聞くなど、
国土浩成に関する学識経験者、及び利害
関係多大の地方公共団体あるいは漁業団体代表等の貴重な参考意見を聴取して参ったのであります。
さらにまた、
農林水産委員会との
連合審査会を開き、各
委員の有益な意見をも聴取して参ったのであります。加えて、本
法案に対する
関係方面の陳情、要望はすこぶる多かったのでありますが、地方自治体、農漁業団体、
関係官庁等より多数の意見が寄せられまして、これらを十分
検討、整理いたしまして、民意を尊重し、正しい要望等については十分その反映に努め、万全を期した次第であります。
また、
国土総合開発法を初め、各
地域関係法との
関連についての十二分の研究を重ね、
国土開発縦貫自動車道法等、幾多の
立法中、特に補償に関する条項を比較
検討し、その長所を取り入れ、遺憾なきを
修正案においては期しておる次第であります。このような経過を経まして
慎重審議の結果、
日本社会党は、第一次、第二次、第三次
修正案を起草いたしまして、民主社会党提示の問題点をあわせ
検討し、また、
委員各位の
検討を十分参酌、取り入れまして、
検討に
検討を重ねた結果、数知れざる
理事会または
理事の打合会等において熱心に成案の起草に努めた結果、昨五月十二日、若干の部分について
各党間の意見の
調整が成り立ちましたので、ここに両党を代表して、
修正の動議を提出した次第であります。
次に、
修正案文を朗読いたしますので、御賛成をお願い申し上げます。
臨海地域開発促進法案に対する
修正案
臨海地域開発促進法案の一部を次のように
修正する。
(1) 原案第一条中「
工業」の下に「、
農業」を加える。
(2) 原案第一条の次に次の二条を加える。
(
基礎調査)
第二条
政府は、第四条に規定する
臨海開発区域の
指定及び第五条に規定する
基本計画の
策定り円滑な
実施を図るため、
臨海地域の
開発に関し必要な
基礎調査
を行わなければならない。
2
経済企画庁長官は、行政機関の長が行う前項の
基礎調査について必要な
調整を行い、当該行政機関の長に対し、その
調査の結果について報告を求めることができる。
(
調査に対する協力)
第三条 行政機関の長は、その職員又はその委嘱した者に前条第一項の
基礎調査を行わせる場合には、
関係行政機関の長、
関係地方公共団体の長その他の
関係者に対し、協力を求めることができる。
(3) 原案第二条第三項中「前二項」を「前四項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加え、同条を第四条とする。
3 内閣総理大臣は、第一項の
指定をするに当っては、第二条第一項の
基礎調査の結果を尊重しなければならない。
4 内閣総理大臣は、第一項の規定により
臨海開発区域の
指定を
臨海地域開発審議会の
審議に付する場合においては、あらかじめ、
関係都道府県知事(
港湾管理者の長を含む。)の意見を聞かなければならない。この場合においては、その意見を尊重しなければならない。
(4) 原案第三条第三項を次のように改める。
3 前条第三項の規定は、前二項の規定による
基本計画の立案及び決定について準用し、前条第四項の規定は、前項の規定により
基本計画を
臨海地域開発審議会の
審議に付する場合について準用する。
原案第三条第四項中「その要旨」「これ」に改め、同条に次の二項を加え、同条を第五条とする。
5 前項の規定により公表された事項に関し利害
関係を有する者は、公表の日から三十日以内に、政令で定めるところにより、
関係行政機関の長を通じて、内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。
6 前項の規定による申出があったときは、内閣総理大臣は、その申出を考慮して必要な措置を講じなければならない。
(5) 原案第四条を次のように改める。
(
基本計画の内容)
第六条
基本計画には、第一条の
目的を達成するため、
臨海開発区域における次に掲げるものに関する総合的な
計画の
基本となるべき事項について定めるものとする。ただし、政令で定めるところにより、
臨海開発区域における
関連諸施設と密接不可分の
関係にある諸施設の
整備については、当該区域外にわたり定めることができる。
一 土地の利用及びこれに伴う水面の利用に関する事項
二 用水の確保及び利用に関する事項
三 土地の
造成に関する事項
四
関連諸施設の
整備に関する事項
五 事業の
実施に関する事項
六 前各号に掲げるもののほか、
臨海開発区域における
開発に関する事項で政令で定めるもの
2 前項第四号に定める
関連諸施設は、おおむね次に掲げる施設とする。
一 工場、下水道等から排出される汚水等の処理施設
二 海岸保全施設、
港湾施設、漁港施設及び交通施設
三 用排水施設並びに電気及びガスの供給施設
四 その他
関連のある諸施設
(6) 原案第五条第一項中「公有水面埋
立法(大正十年
法律第五十七号)」の下に「、漁業法(
昭和二十四年
法律第二百六十七号)」を加え、同条を第七条とする。
(7) 原案第六条第一項中「
都道府県知事」の下に「又は
港湾管理者の長」を加え、同条を第八条とする。
(8) 原案第七条を第九条とし、原案第八条を第十条とし、同条の次に次の一条を加える。
(損失補償等)
第十一条
基本計画に基く事業の
実施により損失を受ける者がある場合においては、当該事業を行う者は、その者に対し、公正な補償をするものとする。
2
基本計画に基く事業の
実施により生活の
基礎を失う者がある場合においては、その者に対し、政令で定めるところにより、その受ける補償と相まって行うことを必要と認める生活再建又は環境
整備のための措置を講ずるものとする。
3
基本計画に基く事業の
実施により
造成された土地に設置された工場その他の事業場から工場排水等を排出する者は、汚水等の処理を適切にすることにより、公共用水域の水質を保全することに努めなければならない。
(9) 原案第九条を第十二条とする。
(10) 原案第十条第一項中第五号を第六号とし、第四号中「第五条」を「第七条」に改め、同号の次に次の一号を加え、同条を第十三条とする。
五
基本計画に基く事業の
実施により生ずる損失の補償の基準及び当該事業の
実施に伴い必要とする
関係住民の生活の安定を図るための諸施策の
基本に関する事項
(11) 原案第十一条第一項中コ一十人」を「三十四人」に改め、同条第三項のうち、第十号中「学識経験のある者」を「
都道府県知事及び学識経験のある者」に、「十人」を「十五人」に改め、同号を第十三号とし、第九号を第十号とし、同号の次に次の二号を加える。
十一 衆議院
議員のうちから衆議院が
指名する者 五人
十二 参議院
議員のうちから参議院が
指名する者 三人
原案第十一条第三項中第六号から第八号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。
六 労働大臣
原案第十一条第四項及び第五項中「第十号の
委員」を「第十三号の
委員(
都道府県知事である
委員を除く。)」に改め、同条を第十四条とする。
(12) 原案第十二条から原案第十五条までを三条ずつ繰り下げ、原案第十六条を削り、原案第十七条を第十九条とする。
(13) 原案附則第一項の次に附則第二項として次の一項を加える。(経過措置)
2 当分の間、第四条第四項(第五条第三項において準用する場合を含む。)の規定により内閣総理大臣が意見を聞く場合においては、その
指定する行政機関の長たる大臣を通じて行うものとする。
(14) 原案附則第二項中「
昭和三十四年」を「
昭和三十五年」に改め、同項を附則第三項とする。
(15) 原案附則第三項中「第十五号の三」を「第十五号の四」に、「十五の四」を十五の五」に改め、「企画立案すること」の下に「(北海道に係るものを除く。)」を加え、「第二十号のヌ」を「第二十号のル」に、「ル
臨海地域開発促進法(
昭和三十四年
法律第 号)」を「ヲ
臨海地域開発促進法(
昭和三十五年
法律第 号)(同法に規定する内閣総理大臣の権限で北海道に係るものを除く。)」に、「九
臨海地域の
開発の
促進に関すること。」を「十
臨海地域の
開発の
促進に関すること(北海道に係るものを除く。)。」に改め、同項を附則第四項とする。
(16) 原案附則に附則第五項として次の一項を加える。
(北海道
開発法の一部改正)
5 北海道
開発法(
昭和二十五年
法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。
第五条第二号の口の次に次のように加える。
ハ
臨海地域開発促進法(
昭和三十五年
法律第 号)(同法に規定する内閣総理大臣の権限で北海道に係るものに限る。)
以上であります。先ほど述べましたように、各逐条に対する
説明は、
会議録その他等により御参照願うことにいたしまして、省略をいたします。