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1960-05-13 第34回国会 衆議院 国土総合開発特別委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月十三日(金曜日)     午前十時三十四分開議  出席委員    委員長 寺島隆太郎君    理事 島村 一郎君 理事 野田 武夫君    理事 濱田 幸雄君 理事 松田 鐵藏君    理事 山村新治郎君 理事 足鹿  覺君       秋田 大助君    池田 清志君       木村 守江君    進藤 一馬君       田中 榮一君    二階堂 進君       坊  秀男君    片島  港君       角屋堅次郎君    田中 武夫君       長谷川 保君    内海  清君  出席国務大臣         建 設 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         内閣官房長官  椎名悦三郎君         経済企画政務次         官       岡部 得三君         総理府事務官         (経済企画庁総         合開発局長)  藤巻 吉生君         大蔵政務次官  奧村又十郎君         農林政務次官  小枝 一雄君         水産庁次長   高橋 泰彦君         通商産業政務次         官       原田  憲君         運輸政務次官  前田  郁君         運 輸 技 官         (港湾局長)  中道 峰夫君         建設政務次官  大沢 雄一君         建設事務官         (計画局長)  關盛 良雄君  委員外出席者         議     員 中村 梅吉君         衆議院法制局参         事         (法制次長)  三浦 義男君         農林事務官         (農地局参事         官)      庄野五一郎君         農林事務官         (水産庁漁政部         漁業調整課長) 木戸 四夫君         通商産業事務官         (企業局次長) 磯野 太郎君         通商産業事務官         (企業局工業立         地課長)    柳井 孟士君         建設事務官         (計画局総合計         画課長)    佐土 侠夫君     ――――――――――――― 五月十三日  委員東海林稔君及び小松信太郎辞任につき、  その補欠として角屋堅次郎君及び内海清君が議  長の指名委員に選任された。 同日  委員角屋堅次郎辞任につき、その補欠として  東海林稔君が議長の指名委員に選任された。     ――――――――――――― 五月十日  甲信北陸開発公庫法制定に関する請願羽田  武嗣郎君紹介)(第三四四六号)  未開発地域開発促進事業に対する国庫負担率  の特例法制定に関する請願羽田武嗣郎君紹  介)(第三四四七号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 五月六日  未開発地域開発促進事業に対する国庫負担率  の特例法制定に関する陳情書  (第七六六号)  同(第八二五号)  同(第八二六号)  同(第八四九  号)  同(第八五〇号)  同(第八七九号)  中国地方開発促進法制定促進に関する陳情書  (第八二七号) は本委員会に参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  臨海地域開発促進法案川島正次郎君外三名提  出、第三十一回国会衆法第六七号)      ――――◇―――――
  2. 寺島隆太郎

    寺島委員長 これより会議を開きます。  臨海地域開発促進法案を議題といたします。これより質疑を続行いたします。質疑は順次これを許します。角屋堅次郎君。
  3. 角屋堅次郎

    角屋委員 臨海地域開発促進法案については、今まで三度目の国会提案ということでありますし、その間、本特別委員会において、与野党の間で非常に真剣な論議が展開されて参りまして、すでに、いわば共同修正的な話し合いもまとまったという段階にきておるわけでございます。本法案については、過般、農林水産委員会との連合審査の際に、農林水産関係立場から、詳細に質問をする予定でございましたが、時間の関係上、その質問ができなくて、今日に延びておるわけでございます。しかし、話がすでに最終段階にきておりますので、本日は、簡単に、皆さん方の要望もいれて質問をいたしたいと思います。  まず第一に、本法案が、今後臨海地域開発についてのいわば基本法的なものであるという立場から見ますと、本来政府提案でさるべきものでありますが、いろいろな事情から、自民党の議員立法という形で提案をされておる経緯につきましては、すでに委員会質疑等でも明らかになっておりますので、この点については、さらに質疑をすることは省略をいたしたいと思います。ただ、前々から質疑の中でも出ておりますように、昭和二十五年度に国土総合開発法ができ、今日まで相当年月を要しておるわけでございますが、その国土総合開発法に基づいて、全国計画あるいは特定地域計画、あるいは地方計画府県計画、こういうことで、本法案等趣旨とするところも包含さるべき筋合いのものであるのに、特に臨海地域開発促進法案を出さなければならぬところに、本来国土総合開発法そのものの内容について、やはり抜本的な再検討を要する問題を包含しておる、こういうことに一面では相なろうと思いますが、同時に、経済企画庁の方にお伺いをしなければならぬと思いますのは、今日まで、特定地域開発あるいは地方計画なり都道府県計画、こういうものの上に立った、あるいはそれに先行して企画立案さるべき全国計画が、やはりいまだにできていないというところにも、私は大きな問題があろうかと思う。本来この全国計画というのは、なるほど、全国的な視野からこれを立案しようと思いまするのには、経済の伸展の見通しその他各般の諸条件について、十分なる精査をしなければならぬ、なかなか困難な事情もあろうと思いますけれども、しかし、国土総合開発というものをやろうとすれば、やはりますすべての計画に先行して全国計画というものがどうしても基本的に立たなければならぬ。これがいまだにできていないという間の事情についても、本委員会でいろいろ質疑がなされておるわけですが、この際、全国計画というものは、もう今後この計画の立案というものをあきらめてといっては語弊がありまするけれども、それはあとにして、特定地域なり、あるいは府県計画なり、あるいは地方計画なり、あるいは今審議になっておりまする臨海地域開発促進法に基づいての実施、こういうことでどんどん進められていくというのを、経済企画庁としては、そのまま放置するという立場に立つのか、全国計画とその他の計画との関連の問題について、経済企画庁の見解をまずお伺いしたいと思います。
  4. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 国土総合開発法ができましてから、すでに十年近くなるわけでございますが、その法律に規定してございます各種の開発計画のうち、全国計画がまだできておりませんのは、まことに遺憾なことに存ずるわけ でございます。私どもといたしましては、過去におきましても、これを何とか早く作らなければならないということで、一、二回試案程度のものは作ったことはございますが、まだ正式に審議会におかけする段階にまで至らず、そのままになってきておるわけでございます。その間に、いろいろな地域的な開発計画もできて参りますし、ざようなことがばらばらにできて参ったのでは、全国的に統一した開発計画なり方針なりが立ちませんので、私ども、ただいま政府の方で策定中の所得倍増計画に伴いまして、全国開発計画を立てたいということで、すでに企画庁の開発局としては、検討を開始しておる次第であります。非常にむずかしい問題でございますので、かなりの時日を要するかと思いますが、できるだけ早く全国計画を作りまして国土総合開発審議会の御審議を経て決定をいたしたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  5. 角屋堅次郎

    角屋委員 さらに、重ねてお伺いしたいと思うのですが、大体今の全体的な情勢からいって、全国計画はいつごろには策定できるというふうにお考えでしょうか。
  6. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 私ども所得倍増計画策定と並行してこれを作って参りたいと思っておりますので、大体めどといたしましては、ことしの秋ごろまでに作りたいということを考えております。
  7. 角屋堅次郎

    角屋委員 臨海地域開発促進法案中身に入りまして、提案者中村さんにお伺いしたいと思うのですが、これは数次にわたって提案されておりまして、各委員からの非常に詳細な質疑等によって、十分論議が尽くされた問題でございまするし、しかもまた、提案者中村さんの答弁等を見て参りますと、まことに弾力性のある、そしてそつのない答弁で、いわばその点では非の打ちどころがないかもしれません。しかし、法案中身からすると、いろいろな問題を今後にやはり包蔵しておるというふうに考えるわけであります。そこで、臨海地域開発促進法案というものの中身の問題について私は、やはり国土総合開発一環として臨海地域開発促進法案を出すという観点からいたしますと、これはやはり名称そのものについても、すでに修正案がまとまろうとする段階でございますけれども、私の率直な感じからいたしますれば、臨海地域総合開発促進法というべき考え方に基づいてやるべきものじゃないか。提案者の意図するところをお伺いしますと、これはやはり工業用地を作るということを主目的として、そしてそれに関連する諸般の問題についても、臨海地域開発促進法の中では十分考えていくのだということでございまするけれども、本来工業用地を作るということを主目的にするのであれば、端的に臨海地域工業用地造成法案とでもいうべきものであろうかと思う。しかし、それにはやはりなかなか問題がありまして、つまり、第一次産業と第二次、第三次産業との臨海地域における今後の開発調整というものをどうやるべきかという問題が、いろいろあろうと思うわけでございます。本来、臨海地域開発促進法というこの法案中身というものは、考え方としては、国土総合開発一環として臨海地域総合開発促進するのだ、こういう建前に立つべきじゃないかと思うのですが、その間の提案者考え方についてお伺いしたいと思うのです。
  8. 中村梅吉

    中村(梅)議員 全く私としても同様の考え方であります。従いまして、先般来、各党間において修正案についての協議が続けられてきたのでありますが、その第一条の目的の部分にも、「工業その他の用に」という表現でありましたが、これに農業ということをつけ加えることに私どもも賛同いたしておる次第でございます。まあ、臨海地帯でありますと、自然、産業立地条件等から見て工業が主になると思いましたので、原案では「工業その他の用」ということでよかろうと考えたのでありますが、今回の修正案を協議するにあたりまして、さらに、これに農業ということを明確に付加すべきであろうということでございますので、この点私どもは全く同様の考え方をいたしておる次第でございます。
  9. 角屋堅次郎

    角屋委員 問題は、そういう総合開発的な考え方に基づいて実施をするということであっても、提案者もしばしば述べられておりますように、工業用地造成ということが主目的だ、従って、この法案実施していく場合には、やはり関係法律との調整あるいは国土総合開発との調整等の場合においても、どうしてもやはり工業優先主義、そういうことの中で、第一次産業等の諸問題というものが犠牲にされる危険が出てくるのじゃないか、私はこういうふうに考えるわけです。しかるがゆえに、やはり国土総合開発的な観点で、その地域における工業あるいは農林水産関係全体をにらんで、臨海地壇開発をやるのだという建前を堅持しないと、ややもすれば、弱い立場にある農林水産関係の声というものが抹殺される危険性を持っておる、こういうふうに思いますから、今後の運営にあたっては、もちろん工業用地造成ということが相当大きなウエートを占めますけれども基本調査実施するにいたしましても、あるいは基本計画実施するにいたしましても、やはり総合開発という観点をあくまでも堅持して実施していく、こういうふうにぜひお願いをいたしたいと思うわけでございます。  そこで、臨海地域開発構想の問題については、これは提案者からいろいろ御説明もあるわけですけれども、要は、この問題については、臨海地域開発審議会の慎重な検討の上に立って、具体的にそういうものが生まれてくるのだ、こういうふうに言われておるわけですが、しかし、本法案を出す以上は、やはり臨海地域開発構想というものについて、ある程度アウトライン的なものは明確にされなければならぬ、こういうふうに思うわけですけれども、この点については従来からもしばしば質問に出た点ですが、最終段階でありますので、提案者からこの点について明らかにしていただきたいと思います。
  10. 中村梅吉

    中村(梅)議員 構想基本といたしましては、従来のように思いつきのままに部分的な埋め立て開発が行なわれるということは、非常に国全体の立場から考えて不合理である、これをできるだけ総合的に開発する道を講ずることが必要であるということが、基本の問題でありまして、どの地域をどういうふうに開発するのが妥当であるかというようなことにつきましては、われわれ提案者といたしましては、大本に立っての方向だけを定めまして、具体的には、この立法によって設けられる審議会の議を経て、あらゆる関係方面の衆知を集約して具体化されるべきものである、こういうように実は考えております。ので、われわれの立場からあまり、この地区はこういうふうにとか、あの地区はこういうふうにとかいうような、突き進んだことを考えたり、申し上げたりするということは、どうも行き過ぎではないだろうか、こういう考え方を実はいたしておるわけであります。
  11. 角屋堅次郎

    角屋委員 今後の経済全体計画の中で、十年間の工業用地として必要な面積というものについて経済企画庁の方から従来説明がございましてそれによりまして臨海地域に求むべき工業用地所要量、こういうものは大体六千万坪に上るであろう、こういうふうにいわれておるわけでございます。そこで、この六千万坪というものが、いわば臨海地域開発一つめどになる、こういうふうに考えて差しつかえないのじゃないかと思う。その場合に、先ほど申しましたような、そういう工業用地を希求するあまり、総合開発的な観点というものがなおざりにされるというふうなことがあっては、私はいけないということを冒頭に申し上げたわけですけれども、その辺のところは今後の運営の問題でございまするし、同時に、審議会等の問題についても改善されまして、関係各般の代表が入って慎重審議をする形式をとりまするから、この点についてはさらに触れることを避けたいと思うのですが、従来の埋め立て工事計算等から見て、六千万坪の臨海地域開発というものに要する基本的な所要予算というものは、大体どれくらいに見積もっていいものなのか、これは政府関係でもよろしゅうございますから、お答え願いたいと思います。
  12. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 六千四百万坪程度の純工業用地を必要とするような計算が出ておりますが、これの埋め立てに要する工事費でございますけれども場所によって非常に違いますし、ちょっと一がいには申し上げかねるのでございますが、なお、通産省の方から補足して御説明申し上げます。
  13. 磯野太郎

    磯野説明員 ただいま経済企画庁からお答え申し上げましたように、場所によっても違いますし、その他いろいろな条件で違うわけでございますが、大体従来の実績を平均いたしますと、坪当たりにいたしまして四千円から五千円程度というようにお考え願えれば誤りないと思います。
  14. 角屋堅次郎

    角屋委員 国土総合開発の問題については、従来からも国土総合開発法に一基づいて実施をされてきており、しかも、北海道開発あるいは東北開発首都圏整備、ないしは最近また、九州、四国その他の各地域から、それぞれの地域開発計画というものが出されようとしておる段階でございますが、そうなって参りますと、臨海地域開発というもの、その他の総合開発的な観点から実施される諸計画というものの、いわば優先順位といいますか、あるいはそれらの全体的な計画調整といいますか、これが今後の一つの大きな問題になろうと思います。これはまあ、今後の経済計画的な推進の中で、それぞれ軽重というものがある程度きまるかもしれませんけれども、しかし同時に、臨海地域開発促進法指定さるべき地域というのは、おのずからこれは地域的に限定されていく、しかも、そういうところは、従来からも都道府県としてはやはり相当開発された地域である、そういうところが優先順位のうちで筆頭にくるということになって参りますと、いわば後進地域開発というものが、相対的にはおくれてくるという危険性を持ってくる。こういう点で、本法案実施される場合の計画推進と、その他の地方的な計画推進というものの優先順位なり調整なりというものを、どういうふうに提案者として考えておられるか、この点を一つ伺いしたいと思います。
  15. 中村梅吉

    中村(梅)議員 御指摘の点につきましては、通産省等において、全国的に産業立地条件等調査相当進んでおるように承知いたしております。従いまして、この法律が成立をして実施をされるにあたりましては、それらの、国全体を勘案しての基礎調査というものの基本の上に立って、あくまで合理的に進められることを私ども期待をいたしておる次第でございます。
  16. 角屋堅次郎

    角屋委員 今度の修正案では、臨海開発区域指定に先だって基礎調査を行なう、これは当然必要なことでございまするし、また、工業を中心として臨海地域開発をやる場合には、工業用水の問題を初め、諸般の問題が関連してきまずから、当然基本調査基礎として地域指定をやることは、修正の方の趣旨に私どもは賛成でございまするが、この基礎調査に基づく臨海開発区域指定というものは、本法案が順調に成立する場合においては、本年度内にもある程度地域指定が進められる、こういうふうに解釈していいのかどうか。前々から問題になっておる三省公団等の問題に関連をして、本年度に七地域でしたか、地域指定を予定しておった、こういう経緯もあり、また、それに続いて、ある程度三省公団等実施をすべき地域の全体的な数についても、腹案が計画としては出ておった、こう思うわけですけれども、今日の臨海地域開発の状態から見て、本法案が成立する場合においては、臨海開発区域指定が、年内にどの程度なされるというふうに考えておられるか、お伺いしたい。
  17. 中村梅吉

    中村(梅)議員 私どもとしましては、この法律が成立いたしましたならば、できるだけすみやかに所要地帯指定地域にされることを望んでおるわけでございますが、今回の、各党間において協議いたしました修正案におきましても、基礎調査重要性を認めまして基礎調査に関する所要立法を織り込むようなことに相なりました。もちろん、この法律が具体的に運用されるについては、この基礎調査が最も肝要でございますが、ただ、その間において私ども考えておりますことは、現在すでにつぎはぎの開発なり埋め立てなりが進行いたしまして、それがために、港湾という立場から考えましても、あるいは工業地帯その他の産業発展の角度から見ましても、これを放置しておいては、非常に将来解決のできない支障なり困難が伴うような地帯については、私は、特にすみやかに指定を行ないまして、指定によるつぎはぎの開発抑制措置も講じ、続いて、総合的な開発の具体的な基本計画というものが進められていくということを望んでおる次第でございまして、この点は、私どもはそういうような期待を持ってこの立法考えておるような次第でございます。従いまして、できましたならば、お互いに力を合わせて当局を鞭撻いたしまして、できるだけ立法趣旨に沿うような方向法律運用をしてもらいたい、かように考えております。
  18. 角屋堅次郎

    角屋委員 政府側の方にお伺いしたいと思うのですけれども。本法案が順調に成立いたします場合には、従来の準備段階あるいは今後行なうべき基礎調査等とも関連をして、年内臨海地域指定はやはり相当程度できるとお考えになりますか。
  19. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 本法律案が成立いたしました暁におきましては、政府といたしましても、その法律趣旨に沿いまして、運用に遺憾なきを期したいと思っておりますので、基礎調査等が進みますれば、ある程度指定し得ることをめどにいたしまして、できるだけ努力をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
  20. 角屋堅次郎

    角屋委員 先ほどの六千万坪の埋め立てのためのいわば単価等関連から、全体的な総経費というようなものが、ある程度想定されるわけでございまするけれども相当膨大な予算ということに相なってくる。そういうことになって参りますと、これは政府資金の問題のみならず、民間資金の問題なり、あるいは最近はやり言葉の貿易・為替の自由化の問題と関連をして、外資導入ということがあるのかどうかというようなことも、今後の一つの大きな問題になろうかと思うのですが、特にこの外資導入等の問題については、提案者としてはどういう考え方を持っておられるか、一つ伺いしたいと思います。
  21. 中村梅吉

    中村(梅)議員 具体的な成案は、私ども立場においては持ち合わせておりませんが、しかしながら、国土開発して、この狭い日本の領土を最高度に活用していこうという点から考えますならば、極力政府民間ともに力を合わせて、外資等導入できるものは導入いたしまして、開発促進をはかるという方向に努力すべきであろうと私ども考えております。しかし、まだ立法段階でございまして、運用段階に入っておりませんから、それを具体的にどうするかということについては、まだこれという着想を持っておるわけではございません。
  22. 角屋堅次郎

    角屋委員 先ほども、本法案と他の総合開発との関連という問題でお伺いをしたわけですけれども、これは今までの本委員会における質疑の中でも出ておった問題でございまするが、いわゆる立地条件の良好なところにおける本法案のごときものの実施推進というものと、後進地域における開発という問題の総合調整ということが、やはり一つの大きな問題になっている。経済企画庁調整局民生雇用課昭和三十四年八月の公表によりましても、いわゆる日本経済地域別生活水準の指標というふうな点で、東京に対して徳島が大体三分の一程度の状況に今日相なっておる、こういうようなことが指摘されておるわけですが、そういう問題で、やはり特に経済企画庁として国土総合開発総合調整をやるべき立場から見ますと、後進地域と言ってはなんでございますけれども、いわばそういう表現にあたる地域と、本法案等推進の問題の総合調整、こういうものを今後どうやっていくか、これは国の財政需要全体の計画の中では当然やはり問題になってくる。私どもからしますれば、脚光を浴びるべき本法案実施ということももちろん必要でございまするけれども、同時に、やはり国土の全体的な計画推進という意味から申しますれば、後進地域開発というものはなおざりにしてはいけない、こういう意味において、これらの総合調整というものについて、特に総合企画立場にあるべき経済企画庁として、どういうふうにお考えになっておるか、この際明らかにしていただきたいと思います。
  23. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 国土総合開発目的一つは、後進地域を引き上げて、できるだけ先進地域に追いつかせていくということにあるわけでございます。この法律が成立いたしました暁におきましては、先進臨海地域のいろいろな立地条件整備をはかることも一つでございますが、後進地域における臨海地域造成ということも大きな問題となってくるわけでございまして私ども全国開発計画ができましたならば、その線に沿ってそういう点についても十分努力して参りたいというふうに考えております。
  24. 角屋堅次郎

    角屋委員 この臨海地域開発促進にあたっては、やはりいろいろな問題が、基本調査なり、あるいは地域指定なり、あるいは基本計画の立案の過程で考えられなければならぬと思うのですが、昨年の秋の伊勢湾台風等の教訓から見て、これはやはり臨海地域開発というものを考えるにあたってのいろいろな教訓というものを、私は提示されてきていると思う。特に本法案実施される場合において、対象となってくる東京湾なり、あるいは伊勢湾たり、あるいは大阪湾なりというふうたところは、台風の観点からすると、伊勢湾ですでに提示されたように、非常に危険な要素を持っておる。これら防災問題というもの、つまり、従来自然的な条件の中では海であったところに、陸地を広げていくということは、今日の日本国土の狭小な条件からすれば、必至の形勢であろうかと思いますけれども、しかも、いわば台風常襲地帯ともいうべき日本の自然的環境からするならば、この防災問題というものを軽視しては、せっかく膨大な経費を投じても、それが烏有に帰するという危険性を持っている。こういう点で、今後の計画推進にあたっての防災関係の問題、特にこれらの問題の推進にあたって、災害の際に特に指摘されておったのは、建設なり農林なり運輸なり等の各省のセクショナリズム、あるいはまた設計基準の相違というふうなことが、いろいろ災害をさらに大きくしたのではないかという指摘等もなされてきておる。こういういろいろな問題を、基本計画の立案あるいは実施にあたって、真剣に十分配慮していかなければならぬと思うわけですけれども、この方向が、本法案からは、そういういろいろな諸問題等については、必ずしも明確に看取することができないわけですが、これは非常に重要な問題であろうと思う。工業用地造成に目を向けるあまり、防災の観点というものが十分に講ぜられないということになりますと、これは非常に大きな問題をはらんでくる。特に伊勢湾等の台風の教訓というふうなものから見ても、自然的条件というものを十分に考慮の上に入れなければならぬ。これらの点について、提案者として、臨海地域開発という問題と防災問題、こういうものを今後どういうふうに運営の面で考慮していくべきか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
  25. 中村梅吉

    中村(梅)議員 御指摘の点は、全く同感でございまして、防災ということに、臨海地域開発は、最も細心の注意と最大の努力を施していくべきものであると私ども考えております。かような観点に立って、実はこの立法の重点の一つにもあげておるわけでありまして、従来のように都道府県知事の認可でそれぞれ埋め立てが行なわれ、陸地が作られていくということや、あるいは各省間の設計基準の相違等のために起こっておる災害も、確かに相当そういうことが原因をいたしておると私は思います。従いましてこれらの立法をいたしまして、それぞれ関係各省の人たちが審議会委員になったり、学識経験者が委員になりまして、そうして総合的に十分検討をされて、将来遺憾なきを期するだけの設備と施策を織り込んだ開発が進められなければならない、こう実は考えておりますので、この法案立法考えました点、並びにこの立法をできるだけすみやかに完成いたしまして進めていきたいというのも、実は御指摘のような点に私どもも大いに重点を置いて考えておるわけでございまして、この点は、今後もこの法律運営にあたりまして、当局にも十分留意をしてもらいたい、かように考えております。
  26. 角屋堅次郎

    角屋委員 臨海地域開発と防災問題、これはお互いに頭の上では十分理解できることでございますが、具体的な実施の問題で実を結ばせなければならぬということであろうと思う。問題は、こういう臨海地域開発の場合の設計の基準というものを、従来の海岸法等に基づく三省の統一的な設計基準というものを採用していくのか、あるいは臨海地域開発のためには特別に設計基準を明確に立案をして設けるのか、これは今後の大きな一つの問題であろうと思う。これらの点についてはどういうふうにお考えでありますか。
  27. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 昨年の伊勢湾台風の跡始末をいたしますために、各省でそれぞれ計画を立てられたわけございますが、その調整をはからなければせっかくの大きな教訓が生きないであろうということで、企画庁に伊勢湾等高潮対策協議会というものを設けまして、各省のやります工事の設計基準その他を協議いたしまして調整いたしまして、一つのまとまった計画を立てた例もございます。私どもこの法律が成立いたしましたならば、さような例を生かしまして、御指摘のような点に万遺憾なきを期したいというふうに考えておるわけであります。
  28. 角屋堅次郎

    角屋委員 今経済企画庁の方からお話がございましたけれども臨海地域開発の場合の設計基準という問題は、これは何といっても軽視できない基本的な重要問題でありまして、伊勢湾台風の場合には、建設、農林、運輸等の各省が、伊勢湾等高潮対策協議会というものでいろいろ協議され、そして災害復旧の基本的な方針を出されたということに相なるわけですけれども、これは単に伊勢湾のみならず、東京湾にも大阪湾にも敷衍をして考えていくべきであると、当時これが述べられた。そういう防災問題と、本法案に基づくところの臨海地域開発というものは、全く密接不離の関係にある。従って、私はこの際特に希望しておきたいのは、従来の海岸法に基づくところの設計基準というものは、一つの通した基準というものを持っておるけれども臨海地域開発の場合にはそういう形でいいのか、さらにもっと前進させた設計基準、つまり、もっと安全性を見た設計基準というものを、やはり規定として持たなければならぬか、こういうことについては十分検討し、自信のあるものを作っていただかないと、せっかくこれから巨費を投じようとする結果というものが、非常に大きな惨禍を招く要因になりかねない。この点については、一つ希望として申し上げておきたいと思う。  同時に、防災問題に関連して、これは今後の問題でございますけれども、伊勢湾台風等から見ましても、たとえば住宅問題一つ考えてみましても、一体従来のような日本の木造家屋等でいいのかどうか。一階は簡単な形にしておいて、二階以上を避難的な設備というふうなものを考える必要があるのかどうか。あるいはまた、提案者も御承知のように、低湿地帯、デルタ地帯等におけるところの学校等が、非常事態の場合の避難場所という性格も、こういう地域においては兼ねなければならぬという問題等も出されてきておる。従って、一般住宅あるいは公共用の建物等についても、特に海面に陸地を延ばしていくという場合においては、やはりそういう人命救護の立場からの建物の防災対策というものについても、埋立海岸等の設計基準と同様な比重をもって、真剣に考えていくべき必要がある、こう思うわけですけれども、これらの諸点について、一つ提案者からお伺いしたいと思うのです。
  29. 中村梅吉

    中村(梅)議員 私の考えを率直に申し上げますと、災害というものは過去の歴史通りにはいきませんので、その歴史を乗り越えた災害というものもあり得るわけなんでありますから、この種の立法をいたしまして総合的な開発をするにあたりましては、過去の歴史以上の絶対安全な防災措置というものを、基本的な計画検討するにあたっては、当然織り込んでやるべきである、こういうように実は期待をしておるのでございます。この点は今後の運営にあるのでございまして、審議会委員になられる方や、あるいはこの法律運用を担当される政府当局におきまして、そういう角度に立って万端を処理してもらいたい、こういう希望を私自身も実は強く抱いておるようなわけでございます。
  30. 角屋堅次郎

    角屋委員 臨海地域開発審議会の慎重な審議に基づいて地域指定が行なわれ、あるいは基本計画が内閣において立てられて、審議会審議を経て実施段階に入っていく、こういう筋道になるわけですけれども、この場合、基本計画という中身の中で、従来工業用地等を作る、その作ったあとべどういう工場を入れてくるかというようなことで、ややもすれば、工業用地造成することと、次に入るべき工場の誘致問題との間に、ブランクができるというようなことがしばしば起こっておるわけです。これはもちろん、工業用地造成の急なるあまり、工業用水その他諸問題についての基礎条件整備されてないというふうなことも、一つの要因の中にあろうかと思うのですけれども基本計画という場合は、少なくとも経済の全体的な計画の中で、この地域にはこういう種の工場を誘致しなければならぬという一つの腹案があろうと思う。そこで、やはりこの工事の推進と伴って、工場の誘致等の問題も、具体的に間髪を入れず実施段階にくるというようなことが、基本計画の立案過程の中で明確になるのであるかどうか、これらの点について提案者のお考えを承りたいと思います。
  31. 中村梅吉

    中村(梅)議員 もちろん、この基本計画の中に、御指摘のような点が織り込まるべきであると私は思います。ことに工業用地の場合でございますと、先ほど通産当局が申し上げましたように、産業立地条件というものが相当重要なウエートを占めると思います。この立地条件の上に立って、この地域であれば、運輸の関係、交通の関係あるいは背後地域関係、勤労者の関係等から見て、どういう産業が適しておる、そういう産業をここで育成するために開発をするということになれば、それに伴うところの工業用水関係でありますとか、電力関係でありますとか、諸般のことが、やはり基本計画検討の際に織り込まれて、検討が加えられ、その検討の上に立って基本計画が立てられるべきものだ、こういうように私は考えております。
  32. 角屋堅次郎

    角屋委員 この臨海地域開発の場合にいろいろ関連する諸問題がありますけれども、何といっても、工業用地を作るという前提に立って、それを主目的として考えます場合には、水の問題ということが非常に大きな基礎条件なんです。そこで、政府の方にお伺いするわけですけれども、これから想定をされる東京湾なり、あるいは伊勢湾なり、大阪湾なり、その他の関連地域における河川等の用水関係の問題で、従来から農業用水と工業用水との競合、あるいはまた、都市のいろんな関係諸用水との競合というような問題が出て参っておるわけですけれども、少なくともこれから六千万坪なりあるいは七千万坪なり、工業用地を重点として臨海地域開発をやるという場合に、工業用水関係の見通しというもの、これは十分危険なく、農業用水との調整もなされて実現されるという見通しにあるのか、それともやはりそれにはおのずから、単に河川等の水にたよるばかりでなくて、まだ研究段階にあるというように聞いておりますけれども、今後海水の淡水化というふうなものの真剣な研究の上に立って、これを実現に移していって、そういうものをある程度付加して工業用水の充足をやらなければならぬ、こういう条件にあるのか。従来からもこの工業用地等において問題になってきておるのは、要するに、工業用水の不足なるあまり、地下水の過度な汲み上げなどによって、地盤沈下の問題などを提起しておるわけです。こういうわけですから、やはり水の問題というものが非常に重要な基礎条件なんです。これらの問題について、これから臨海地域として発展をさるべき関係地域における水の問題についての見通しというものを、現在どういうふうに見ておられるか、お伺いしたいと思います。
  33. 磯野太郎

    磯野説明員 水の問題につきまして、具体的な河川との結びつきにつきましては、まだ深く検討いたしておりませんが、大まかなところを申し上げますと、ただいま御指摘の通り、今後工業が発展し、経済が伸びますにつきましては、おそらく工業用水問題が最大のネックの問題になろうかと考えております。数字的に若干申し上げますと、御承知のように、現在の問題は、海水でなくて、淡水でございますが、これは私ども調査では、三十…年度におきまして、これは一日の量でございますけれども、約二千三百万トンの工業用水を淡水として利用いたしております。それに対しまして、三十三年度から十年間の工業の伸びを勘案いたしまして、四十二年度の需要の見通しをはじいたのでございますが、それによりますと、一応ただいまございます新長期経済計画の年率六・五%の成長率に合わせますと、四十二年度におきまして三千九百万トン、こういうふうなことになっております。それからこれはまだ夫定ではございますけれども、伝えられます所得倍増計画におきます年率七・二%の成長率をかりにとりますと、同じく四十二年度におきまして五千六百万トンの淡水が工業用水として要る、こういうことになっております。それから内容につきましては、今御指摘がございましたように、水の供給源といたしましては、従来の地下水に依存するということは、いろいろな産業公害等の問題が起こって参りますので、私どもといたしましても、できるだけその他の水源に水の供給源を求めなければいかぬわけでございますが、結局そういたしますと、工業用水道を建設いたしまして、河川からの水を持ってくるというふうなことになろうかと思います。それで、積極的に工業用水道を建設いたしまして、その需要をまかなっていくという方向考えますと、ただいま申し上げました数字の内訳といたしましては、昭和三十三年度におきまして、工業用水道の実績が一日百四十万トンでございますけれども、同じく四十二年度におきましては、これが約一千四十万トンというふうなことになっておりまして、約九百万トンばかりの非常に大きな増加率になるわけでございます。これに対して、御指摘の地下水につきましては、たとえて申し上げますと、二十三年度の実績が七百五十万トンでございますけれども、四十二年度におきましては、これがほとんど伸びないで、七百八十万トン程度、大体いろいろなことを考えまして、地下水としては横ばいでいく、そのかわりに工業用水道を積極的に開発いたしまして、これを十倍程度に伸ばして、工業用水全体としての需要に合わすことが必要ではなかろうかと考えておるわけでございます。
  34. 角屋堅次郎

    角屋委員 工業用水農業用水との総合調整の問題というのが、従来もこの種問題の推進の過程で出てきておることは、御承知の通りでございます。たとえば、愛知用水等の総合開発の場合においても、横須賀を中心にした工業用地計画推進関連をして、基本計画の変更を要するかどうかという問題等については、私もしばしば関係委員会で取り上げてきたところでございます。これらの問題については、やはり今後の大きな問題でございますけれども、その場合に、工業重点主義のあまり、農業用水との競合調整等の問題についても、農業用水等の犠牲においてこれがなされるというようなことは、あくまでも避けなければならぬ。従って、単に淡水に依存をするというばかりでなくて今後の計画推進にあたっては、海水その他の水の活用の問題についても、従来以上に真剣な研究調査をしていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけです。現在工業に必要な水等の問題について海水等の活用というふうな問題がどういう状態にあり、今後これらの問題についてどういう考え方で研究調査を進められようとしておるのか、これらの点について、政府関係からでよろしゅうございますから、お答え願いたいと思います。
  35. 磯野太郎

    磯野説明員 ただいま御指摘がございましたように、将来の水の問題といたしましては、海水の淡水化、それから一ぺん使いました水を再度使う回収水の研究あるいは活用というものが、大きな問題になると思います。御指摘がございました海水の淡水化につきましては、私どもの聞いております話では、たとえばアメリカにおきましても、これらが非常に大問題でございまして、アメリカ政府としても、相当多額の研究費をこれに投じて、その研究をやっておるようでございます。ただ、これは非常にむずかしい問題でございますので、実際問題として、海水の淡水化が実用的に行なわれておるという話は、まだ寡聞にして存じておりませんが、研究につきましては、非常に積極的にやっておるということを聞いております。それからなお、私どもといたしましても、そういうようなことでございますので、私どもの方の丁業技術院の研究所がいろいろございますけれども、その研究所におきまして、従来からこの研究をいたしております。今後もこういう点につきましては、積極的にその研究をやってみたいというふうに考えております。
  36. 角屋堅次郎

    角屋委員 臨海地域開発の場合に、やはり一番問題になるのは、臨海地域における漁業等との関連の問題が、非常に大きな問題になることは、御承知の通りですが、私は、必ずしも農林水産関係立場ということでなくて、冒頭に申し上げました臨海地域における総合開発という観点から考えました場合に、工業用地造成するという意味からいっても適地である、しかし同時に、その地域は漁業関係から見ても優良な漁業地区である、こういう場合の調整をどうするかということが、やはり一つの大きな問題になろうと思う。これは東京湾の場合を考えてみても、伊勢湾の場合を考えてみても、その他の地域考えてみても、必ず浅海養殖関係の漁業の優良な地域は、即工業用地としてもまた、比較的恵まれた条件を持っておる、こういうふうなことになろうと思うのですが、私は、この場合に、総合調整考え方としては、あくまでもやはり優良漁業地区というものは、沿岸漁業振興の一環としてこれを保持していく、それと、工業用地造成を主目的とした本地域開発の最大阪の実施というものとの盾のかね合い、こういうことを、やはり基本計画等の立案なり実施過程において考えていくべきではないか。  この際、水産庁の方にお伺いしたいと思うのですけれども、水産資源保護法等の中では、第十四条で保護水面の問題、あるいは第十八条で工事制限等の問題が出されてきておるわけですけれども、そういう水産資源の保護という立場からの問題ばかりでなくて、沿岸漁業振興という問題と関連をして、この計画推進にあたっての、工業用地の適地、優良漁場としての適地、この調整という場合における水産庁側の意見というものは、非常に重大なものであろうと思うのですが、今後この法案実施の場合の推進の過程において、水産庁として、どういう考えでこれらの問題に対処されようとするか、お伺いしたいと思う。
  37. 高橋泰彦

    ○高橋(泰)政府委員 土地が造成されることについては、水産庁といえども全く賛成でございまして、その点については何ら異論がないわけでございまするが、臨海地帯におきまして土地を造成する場合には、若干漁業との調整の問題が起こることは、御指摘の通りでございます。私どもとしては、できるだけ、そのような臨海地帯の土地が、漁業にあまり支障のない地帯造成されることが望ましいのでございますが、これも御指摘のように、現実の問題としては、漁業者から見ますと、大事な海が埋め立てられる場合も、決て少なくはないように考える次第でございます。従いまして、この当初の計画におきましても、やはり漁業者の意思が反映され、しかも、ある大事な漁場を全体の問題としてどうしても埋め立てしなければならないという場合には、正当な補償が支払われることが望ましいと思います。しかしながら、これは決して、臨海地帯におきまして埋め立てをすることに対しまして、絶対に反対だということではもちろんございませんで、やはりその間、両方の産業調整されることが必要であろう、その場合には、よくある事例でございまするが、御指摘のように、たとえば産卵地として非常に大事な場所もございます。従いまして、一見漁業の方からは、生産額としては上がらない場所であっても、大事な場所がございまして、そういうような場合には、漁業関係者の意思が必ずしも反映しにくい場合があろうかと思いまするので、そういう点につきましては、水産庁といたしましては、各省との連絡を十分にして参りまして、この法律目的達成に協力申し上げたいというふうに考える次第でございます。
  38. 角屋堅次郎

    角屋委員 この際、提案者にお伺いするわけですけれども、ただいま申しました、臨海地域開発の問題と優良漁場との総合調整、こういう問題に対して、あくまでもこれは工業第一主義ではなくて、総合開発的な観点からこれらの調整をやる、こういうお考えであるかどうか、お伺いしたいと思います。
  39. 中村梅吉

    中村(梅)議員 この点は、立法の精神なり立法の過程において、われわれ最も考慮いたしておるところでございまして、従来のように、各地域の地先の利害関係のみによって、埋め立て開発が進められるということになりますと、今御指摘のありましたような漁業関係との調整等もつかないで、進行をしてしまう可能性が多分にあるわけでございます。かようなことでなくして、十分国家的見地に立って、総合的な調整も研究も、また基礎的な調査も立案も行なわれるように進めていくべきであるということも、この立法を企画するにあたりまして、最も重点として考慮いたしました次第で、御指摘のように、われわれは、十分それらの点を考慮して、本法の運営が行なわれるべきものである、かように考えております。
  40. 角屋堅次郎

    角屋委員 与党の方も急いでおられるようで、すでに話し合いもついたことでございますので、いろいろ漁業補償等の問題の中身に入っても質問申し上げたい点もありますが、修正案の中ではこれらの要望が取り入れられまして、漁業補償の基準、あるいはまた、実際に漁場を失う場合における関係住民の生活の安定をはかるための諸施策の施行というふうなこと等も入りまして、今後これが実施段階では十分に考慮されるというふうに承っておりますので、これらの詳細に入ることは避けたいと思います。いずれにいたしましても、臨海地域開発促進ということは、それ自身としても、私どももその必要性を認めておるわけでございますけれども、本委員会におけるいろいろな関係委員の熱心な審議の中で出た諸問題というものについては、本法の実施の場合においても十分考慮されまして、この計画が円満に実施されるように、特に希望申し上げたいと思います。  最後に、官房長官の方にお伺いをしたいわけでございますけれども、本法案は、本来政府原案として出さるべきものが、いろいろな諸事情、特に各省間における権限についての意見の調整が十分できない、いろいろな諸問題等もあって、議員立法という形になり、数次提案されて、今や三度目に日の目を見ようとしている段階でありますが、本法案の通過の暁においては、政府としては、政府提案と同様な気持を持って、本法案実施に積極的に努力をされる、こういう意図であるかどうかということをお伺いしたいと思います。
  41. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 臨海地帯開発につきましては、実際現実の面から、非常に重要性なり必要を痛感いたしているような次第でありましてこれに対する立法が今回実現することになりますれば、もちろん、その提案のいかんを問わず、政府といたしましては、十分にその重要性に留意いたしまして実施に当たる所存でございます。
  42. 寺島隆太郎

    寺島委員長 足鹿覧君。
  43. 足鹿覺

    足鹿委員 私は、今まで一ぺんも質問をしておらぬから、提案者にもお尋ねしたいことがあったのですが、大体今までの質疑応答で尽きていると思うのです。それで、長い間この法案審議をしてきまして、提案者にもただすべき点は十分ただしたと思うのですが、おそらく大幅の修正ということで法案が成立するという前提に立って、今後の運営の問題について、特に官房長官なり総理府長官に、最初に、お尋ねというよりも、むしろ、今までの当委員会における審議の経過等を十分考慮されて、運営を慎重に、かつ、論議のあった点について十分留意をしてもらう、そういう趣旨のお尋ねでありますので、あらかじめ一つ御了承の上、御答弁を願いたいと思います。  最初に、国土総合開発法の改正の問題でありますが、国土総合開発法によりまして、すみやかに全国総合開発計画が樹立されることをわれわれは強く要望しておるものでありますが、現在数十地区の特定地区開発があり、また、地域を区切った関連の特別法も次々と制定をされておる実情であります。しかるに、具体的には双方とも事業の進展は十分な状態とは肯えないのであります。問題は、国土総合開発法が、その名のごとく具体的に実効を着々あげていきますならば、このような事態にはならないはずでありますが、実際においては有名無実――と言うと少し語弊があるかもしれませんが、それに近いような実情である。きょう大蔵大臣の御出席をわずらわしておりますのは、財政的な面からも御所信を承ってみたいと思って、御出席を要望しておるわけでありますが、まだ御出席がありませんから、あとでまた伺います。こういう状態になりますと、特別法で日本全国が埋まってしまう、屋上屋を重ねても、その効果が一つも発揮されない、こういう事態であろうと思うのです。今度の臨海地域開発促進法によりましても、名は議員立法でありますが、各省間で話し合いがつかないままに、自民党の議員立法ということで出てきたような経過もあろうと思います。これは今までの法案と趣を若干異にして、海面の総合的な埋め立てによる土地の造成というところに重点があるわけでありますが、いずれにしましても、国土総合開発法一環として出てきておるものであります。本来国土開発法がその持っておる使命を発揮しておれば、これまた、わが党の委員諸君から、長い審議の過程においてしばしば指摘されたように、目的は達成できる。それをことさらにいろいろな経過を経て、このような立法にあたらなければならぬというところにも、矛盾があるのであります。従って、この問題を審議した経過から見て、国土総合開発法の改正ということは、焦眉の急に迫られておるし、それに基づく財政的な十分な裏づけも必要であるということも、言うまでもないと思うのであります。各種の事情から考えてみまして、国土開発法をこの際整備強化して、すみやかに次期国会等にわれわれは提出を強く要望するものであります。この点については、経済企画庁の長官等がその運営の衝には当たっておられますし、また、各省のそれぞれの大臣がその衝に当たっておられますが、特に内閣総理大臣の責任において、国土総合開発法整備と強化のための改正を指示して、すみやかに次期国会にでも提出するだけの用意と御決意をわれわれは求めたい。その点について総理大臣の御出席を求めて、特段な所信を伺うのが至当でありますが、いろいろな事情があるようでありますから、総理大臣のつもりで、一つ官房長官から強い御決意を御表明願えたらと思いますが、いかがでありますか。
  44. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 国土総合開発法制定されましてから、すでに十年たっております。その間の情勢の変化というものは、特に敗戦後であるという関係から、普通の十年と違って、変遷が非常にはなはだしい。従って、この法律の再検討は、いろいろな意味から非常に迫られておるものと考えるのであります。大体事業別にいくか、それとも地域別にいくかという点に、非常に問題がありまして、農林あるいは通産、各省の機能は仕事別になっておる。国土開発は、地域を総合してその促進をはかっていこうというのでございまして、その調整が、十分に、今日の情勢から振り返ってみると、できておらない。総合的に考えるけれども、やることは事業別に別々に考えられておるというようなことでございまして、その間の調整がなかなかうまくつかぬというような、非常な不便、不利の点も相当ございます。これらの点につきましては、いつどうするというはっきりしたお約束はできませんけれども、この点については、大いに再検討の要あるものと考えております。
  45. 足鹿覺

    足鹿委員 この法律ができますと、また地域指定が行なわれる。国土総合開発法関係の他の特殊立法によりましても、地域指定がある。地方民は、地域指定を受けるか受けないかということは、将来を考えた場合に、及ぼす影響を心配して、何か宝物でもすぐに舞い込んでくるような気持を持ったり、あるいは将来に備えたりして、非常な熱意を持って政府にも迫り、国会にもいろいろな要請が行なわれる。ところが、いざ指定を受けてみると、予期に反して何ら得るところはない、あるいはそれに近い状態で長い間放任されておる、こういうことを繰り返しておるのであります。  現在、自治庁関係が、未開発後進地域の公共事業の国庫負担の特例問題について、検討を進められておる。ここで立法して来年から予算を付せようということに対しても、大蔵省は非常な難色を示して、現在はかばかしく進んでおらぬということを聞いております。事実そういう法案ができますと、これは総合開発法自体が浮いてしまう。いろいろな特定地域開発も浮きます。未開発地域については、地方財政の実情からして、やりたくても負担が伴うからやれないというものに対して、めんどうを見ようというのでありますから、事実においてはその方が実効が上がってくる場合もあって、期待は大きい。そういう事態を同じ内閣の中でいろいろな構想で進められておる。こういう現実に直面した場合には、国土総合開発法を充実して、従来の欠陥を補って、所期の目的を達成するのが内閣の基本方針であるのか、未開発地域の後進県に対する公共事業等の国庫負担の増額をもって当面を乗り切っていこうとするのか、われわれから見ますと、どこに政府基本方針があるのか、疑わざるを得ないような気持になるのであります。私はその理由は多くは申し上げません。論じ尽くされたことでありますから、内閣総理大臣の特別の指示等の強い決意によって、とにかく、国土総合開発法及び未開発後進地域に対する重点的な施策の実施遂行に至る御用意をさるべきだと思うのです。そういう意味から、国土総合開発法のまず当面問題になっておる整備と強化を目途とした改正を、総理大臣の強い決意によってやるべきではないか、私どもは特に官房長官にお出かけを願ったのは、その点を確かめたいからであります。今のお話では、再検討の必要を認めるということでありますが、所省名てある企画庁の意向を打診をしてみましても、遅々としてはかどっておらぬ。そういうことはなかなか困難でありましょうというのが、お互いが自由な立場で話すときには、そういう程度であります。少なくともそういう事態であってはならぬと思うのです。この際、一つの線を引いて、なるべくすみやかなる機会に、国土総合開発法が名実ともにその力を発揮して、次から次といろいろな特殊立法地域開発ができなくても済むような、充実したものにすべきだと思うのです。  今度のこの法案審議にあたって、当初出たものは、全条十六条からなるものでありまして実に内容としては、法案の体系を、われわれは、なしておらぬものではないかとすら極言したくらいの不整備なものでありました。幸いにして、いろいろと審議の過程を通じて、ほぼ臨海地域開発基本法の性格を一応持つところにまで、大幅な修正案が話し合いによって妥結を見ておりますので、われわれとしても、これに対して成立をせしめ、今後の運営を見詰めていきたいと思っておるところでありますが、このような法案を長い時間をかけて審議するのも、一にかかって、国土総合開発法が充実しておらないからこういう事態になるのであります。全くむだと言えぱむだと言うこともできると思うのです。ですから、重ねて伺いますが、特に、総理大臣の権限による強い改正指示を与えられるように、官房長官において十分御善処を願いたいということを重ねて申し上げておきます。何かこれについてさらに御意見かあらば、承っておきたいと思います。
  46. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 御趣旨はまことにごもっともでございまして、この法律の再検討、この運営等につきましては深く再検討すべきものがあると考えられますので、御趣旨の通り、なるべくすみやかに具体的な改正、あるいは運営改善の方途を具体化するように努力いたしたいと思います。
  47. 足鹿覺

    足鹿委員 それでは、一つ、あまりこまかいことでわずらわすようでありますが、今度この法案が成立しますと、臨海地域開発審議会が生まれるわけであります。原案の二十名を三十四名程度に増員をしようということで、権威ある審議会の構成にして、ほんとうに審議会がその機能を発揮するようにわれわれは考えておるわけでありますが、聞くところによりますと、他のいろいろな審議会というものは、年に一回か二回顔合わせ程度であるというふうに聞いております。国土総合開発審議会につきましても、大体それに類する運営だとわれわれは伝え聞いておるのであります。また、その答申なり意見なりというものに対しても、どの程度尊重されておるのかという点についても、問題があろうかと思います。そこで、これだけ長い間審議をし、問題の多い法案をでかそうというわけでありますから、一にかかって今後の運営は、この審議会運営がうまくいけば、そしてその機能を十分に発揮すれば、この臨海地域開発法はある程度の成果をおさめることも困難ではないと思うのであります。この点について、国土総合開発審議会のような、あるいは他の審議会のような運営に堕さないで、真にその機能を発揮するに足る運営をしていただきたいと思うのです。また、その答申に対する政府の取り扱いといいますか、答申をいかに尊重し、具体的に生かされるかというような点につきましても、ここで前もって一つ御所信のほどを承っておきまして、今後実際の運営を見ていきたいと思うのですが、その点について官房長官の御所信を承っておきたいと思います。
  48. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 これは関係閣僚も入っておりまして、この審議会の活用いかんが背骨というくらい、重要な問題だと思います。事務機構は経済企画庁が担当いたしまして、そこで研究した具体案を審議会にかけるわけであります。とにかく、日本臨海地帯開発というものは、あらゆる方面で行なわれている問題であります。その中のおもなる事項を取り上げるということになっておりますので、活動状況がよろしくない他の審議会もままあると思いますが、それとこれとは全然別個な性格を持っておるくらい、私はこの審議会を活用しなければならぬものだと思っております。また、さような考え方政府といたしましては持っております。
  49. 足鹿覺

    足鹿委員 経済企画庁長官にも、この問題についてあとで御答弁いただきたいと思います。  それから、審議会委員の任命の問題でありますが、学識経験者の任命の問題について、法律に大体重大な利害関係を持つ者と明記すべきであることをわれわれは考えておるのでありますが、法の体制からいって、そのようなことまで法律に規定することはどうか、そういう点を考慮しまして、一応はわれわれの考え方を引っ込めておりますが、特にこの一億坪の浅海地帯を、約八千万坪程度埋め立てよう、こういうことになりますと、生業を失い、いろいろ困った事態に入る漁民その他の者が出てくるわけであります。一方においては、国土造成によって、工場敷地あるいはその他の土地の造成によって利益を受ける者もある裏に、多数のそういう人が出てくると思うのです。そういう人々の意思を代表するに足る学識経験者を審議会のメンバーに選ばれることについて、十分な配慮をわれわれは求めておるわけでありますが、その点に御異論はないと思いますけれども、この際特に伺っておきたいと思います。
  50. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 お説の通り、新しい地域が作られるのでありますけれども、やはりその陰には、これによって非常に失う者も出てくる、特に水産関係等においてはしかりであると思うのであります。そこで、学識経験者の中には、そういったような方面の事情に十分に精通し、そういう失うところの人々の声を代表するような見識を持った人を加えることは、もちろん当然であるという以上に、必要ですらあると考えております。     〔「簡単々々」と呼ぶ者あり〕
  51. 足鹿覺

    足鹿委員 簡単にやれということでありますが、もう少しごしんぼう願いたいと思います。  次には、関係法規との調整の問題についてでありますが、本法の実施にあたりましては、公有水面埋立法あるいは漁業法、漁港法、水産資源保護法、その他多数の法律との関連があります。御存じの通りであろうと思います。ところが、今回この地域指定基本計画が生まれますと、これとの調整がたくさん出てき、また、その調整のいかんによっては、重大な影響を相互に生ずることが予想されるのであります。このような場合を予想して、この法案には、随所に、内閣総理大臣の必要な調整条項というものが書かれておるのでありまして、その点は、お読みいただけばよくおわかりであろうと思いますが、この調整に名をかりて一部においては、既存の法律上当然守らなければならないその権限が侵害され、あるいは剥奪される一面も出てきはしないか、そういう点を私どもは案じておるのであります。具体的にはあとで申します。そこで、この調整とは一体どういうことを――これは中村さんにもあわせて特に御答弁願ってもけっこうでありますが、総理大臣がただ単に勧告をするのか、あるいは、ある処分をした場合に、その取り消しをも命じて、そこに調整の実をあげるというのか。調整ということについて原文にもたくさん出てきております。この点については、議員立法の性質でありますし、中村さんの強い御所信なり、その内容についての御見解もここで明らかにしていただき、今後の運営にあたり、内閣としても、政府としても、この点については十分調整目的が達成されるような、中身のある御意見を聞いておきたいと思うのですが、その点、御両者から承れればけっこうだと思います。
  52. 中村梅吉

    中村(梅)議員 御指摘の通り、この法案の中には、数カ所にわたって、内閣総理大臣が最終的な調整を行なうべき場面が現われておるわけでございますが、事柄によりまして誰整の次第もまた違ってくると思うのであります。たとえば、国土総合開発との調整につきましては、内閣総理大臣は、国土総合開発審議会の議を経て、あるいは首都圏整備との関係においては、首都圏整備審議会等にも諮問をいたし、そういったような方法による調整を行なう場合もございますし、それから、各単独法律運用を担当しております行政機関との間の調整等につきましては、これはもちろん、重要な場合がしばしば起こり得ると思うのでありますが、これらにつきましては、内閣総理大臣は、当然行政全体の統括者でありますから、そういう立場において各行政機関の間の調整に当たってもらわなければなりませんし、この法律の中に出て参りまする事項については、それぞれ場面が違うと思うのでありますが、しかし、法律の内容に、内閣総理大臣が調整を行なうものとされた場合には、調整に努めて、その努力をすると同時に、その成果を上げなければならない責任が内閣総理大臣にあるわけでございますから、その責任の所在を法律によって明確にしておくということが、立法のねらいであろうと思うのであります。従いまして、具体的な事例が起きました場合にどう調整するかということは、その具体的な事例に当面したときに、それぞれ工夫をこらし、処置を講ずべきであろうと、私はかように考えております。
  53. 椎名悦三郎

    ○椎名政府委員 中村議員の御説明で尽きていると思いますが、いずれにしましても、この臨海地帯開発法律の大きな精神を誤まらないで、しかもその効果を十分に発揮いたすように、その調整に努めたいと考えておる次第であります。
  54. 足鹿覺

    足鹿委員 あまり具体的には御答弁できないと思うのですが、ただいまの御答弁では私満足できませんけれども、あとのことにいたしましょう。  次に、建設大臣に伺いたいのですが、公有水面埋立法との関連の問題であります。提案されたものの第六条、修正案の八条によりますと、臨海開発区域指定が行なわれますと、その区域内における公有水面の埋め立てに関する免許権は、建設大臣に集中してくる。現在は、五十ヘクタール未満のものについては、あるいはその他公有水面埋立法の施行令に規定されないもの以外は、都道府県知事の免許によって行なわれることになっておりますが、この臨海法が成立をして、地域指定をされますと、すべて建設大臣にその免許権が集中してくる結果になるようであります。そのことがいいか悪いかということは別問題でありますが、少なくとも、地方自治体の持つ当然の権利を、ある程度制限をしたり束縛をする事態が生まれてくることになろうと思うのであります。そこで、この運営にあたっては、十分慎重を期せられなければ、すべてが建設大臣の掌中に入ってくる。国家権力がすべて免許しあるいは承認をしなければやれない、こういうことになろうと思うのであります。たとえば、公有水面埋立法の第四十二条には「国二於テ埋立ヲ為サムトスルトキハ当該官庁地方長官ノ承認ヲ受クヘシ」とあります。ところが、本法の八条の規定からいきますと、この四十二条は事実上空文化してくるのではないかという疑いがある。また、公有水面埋立法の施行令の第三十二条も、同様に死んでしまうのではないかという気もするのであります。そうしますと、公有水面埋立法が、この臨海法運営の実際上の中心になるわけでありますから、こういう点におきましては、建設大臣の権限も強まり、また、その責任も同時に重くなると思うのであります。そういう点について建設大臣はどのように対処されようとするか、公有水面埋立法の現行法の内容が、著しく私は実際面において変わってくると思うのであります。そういう点について私の考えが間違っておるならば御指摘を願って、お教えを願いたいのでありますが、いかようにお考えになりますか、建設大臣のお考えなり、今後の運営上の心がまえ等について伺いたいと思います。
  55. 村上勇

    ○村上国務大臣 これは非常に問題になる点であろうと思います。臨海開発区域が決定いたしまして、その中にある公有水面の埋め立てについて知事の権限をあれしょうとすれば、いろいろと問題が生じてくる場合があろうと思いますが、そういう問題について、私ども、少なくとも、都道府県との緊密な連絡をとって、決して一方的に、たとい建設大臣がその権限があるからといって、地元の都道府県知事を無視してやるようなことはないように、十分注意してやるべきものだと思っております。
  56. 足鹿覺

    足鹿委員 中村さん、この点について何か提案者としては、事前の協議とか、いろいろその点について、行政庁間あるいは都道府県知事と政府とのことでありますから、話し合いはできると思うのですが、必ずしもそういかない場合も出てくるのじゃないかという気もするのです。これは私も審議の過程でもっと早く発言をして、事務的なあるいは法制的な面からももっと検討してもらえばよかったかなと思ったのですが、今日まで発言を控えておったものですから、ちょっとおそいのですが、現在でもいろいろ協議、調整、打ち合わせ等で行なわれておると思うのです。しかし、事実上都道府県知事の免許権が著しく制限をされて、建設大臣に移行してしまう。何ごとも善意に解釈する場合と疑念を持って解釈する場合とで違いますが、私は善意に解釈したい。この運用をめぐっていろいろな疑惑や批判が起きるようなことのないように、でき得るならば、何か政令その他においてこの調整等を明文化して、今後の憂いのないようにすべきではないかとすら考えておるわけであります。この点は、法案成立後において、建設大臣なり、あるいは提案者なり、関係官庁なり、都道府県知事の意見等も十分聞いて御善処願いたいと思いますが、いかがでしょう。
  57. 中村梅吉

    中村(梅)議員 実は、この法律立法目的が今のようなあり方では困るということに大きな基本があるわけでございます。従って、都道府県知事が今まで持っておりました埋め立ての免許権というものが建設大臣、あるいは港湾については運輸大臣に、この立法によりまして移ります。これは都道府県知事の権限の分量から申しますと、確かに都道府県知事の権限を縮小することになります。しかしながら、従来のように都道府県知事という一地域の責任者が、一地域の利害、一地域の感覚だけで免許をされていくところに、この臨海地帯開発のいろいろ問題点があるのでありまして、一例をあげますと、工業が発展をしていく、工業用水は地下水を吸い上げる、そこで地盤沈下が起こる、これに対する防災措置を国費によってやらなければならぬ、防災措置と地盤沈下の追いかけっこになる、こういう事態がすでに起こりつつある。こういうことなどを考えましても、これを放置しておくことはできない。やはり全体の立場に立って開発をするならば、工業用水はどうするか、工業用水の工夫がつかない限りは、土地を埋めるのには非常に都合のいい場所だが、埋めて、むやみに土地を作っても仕方がないということになろうかと思いますので、これらを総合して、りっぱな国土開発をするように進めたいというのが、この立法の精神でございますから、さような意味において、都道府県知事の権限が、この面から申しますとある程度縮小されることはやむを得ないと思うのです。  それから、都道府県とこの法律運用との調整でございますが、この点は、しばしば従来も御議論のありました点で、都道府県知事の意見をあらかじめ聞かなければならないということにいたしておるのも、そのわけでございます。意見を聞いて答申を各都道府県知事がするとなりますれば、意見を徴された。勝手に意見を出すということは、普通の常識からはあり得ないことで、自分はこう考えるが建設省はどう思うか、運輸省はどう思うかというようなことで、事前に相当の連絡が行なわれて、調整がついたところで成文として答申を出すということになるのが、私は一般の常識だと思うのです。従って、あらかじめ意見を徹する段階において、相当綿密な調整がその間に加えられるものと期待もし、また、当然そうなければならないと思いますし、さらに、審議会の構成につきましても、関係都道府県知事が審議会委員に加われるように、各党協議の結果、そういうことも明確にしようということになりましたのも、これらの点をできるだけ緊密性を保っていこうということのためであると実は思うのであります。いずれにいたしましても、地元の都道府県知事がまっ向から反対である、全然意見が食い違っておるという場合に、かりに、この法律があるにいたしましても、円満に臨海地帯開発が進められようはずがないのでありますから、もちろん、その実施に当たる事前に、私たちは十分調整が行なわれて、意見の大体八、九分通りなり、全体なりの意見が一致してこなければ推進は困難である、考えようによっては不可能である、こう思いますから、このような法律建前としては、そうこまかいことは表現ができないわけでありますが、内容としては、これによって十分調整が整えられるものである、こう私は考えておる次第でございます。
  58. 村上勇

    ○村上国務大臣 ただいま提案者中村議員の御答弁に尽きると思いますが、私も全く同様であります。もとより、国土の効率利用というようなことがまず第一に取り上げられることでありますが、しかし、それと並行して、少なくとも、地元住民の福祉に沿っていくということが私はまず第一に考えられなければならないと思います。そういうふうな見地から、都道府県知事と十分な緊密な連絡をとって、常識的な方法によって運営するということが最も肝要であろうと思います。
  59. 足鹿覺

    足鹿委員 これは、農林省を中心に、一つの事例をもってお尋ねをしたいのですが、かつて、土地区画整理沖が制定をされた、その第三条の二であったと思うのですが、農地法との関係で、建設委員会審議の過程でこの問題が十分解明されなかった。そこから千葉県の金ケ作事件というのが起きまして、血を流すところまで地方住民と国の機関である住宅公団との間に紛争が起きたことは御案内の通りであります。農地法は、農地に関する限り憲法であると同時に、戦後の農村民主化の面からいたしましても、新しい意義を持った農政の基本立法一つでありますが、土地区画整理法がむしろ農地法に優先するというような、農地に関する憲法が、一特別法によって曲げられるというか、その効力を十分発揮できないというような事態が起きておるのです。そこで、そういう過去の実例から考えまして農林省に伺いたいことは、この法律工業用地、それから農地が新しく加えられる情勢にあるのでありますが、そうした場合は、転用とか、その他の農地法の適用はどういうふうになるのか。また、関連施設をやる場合に、必ず背後地の農地がつぶれてくる。工業用水の導水路を設けるにしましても、あるいはりっぱな排水路を構築するにしましても、あるいは関連施設が背後地にできる場合におきましても、農地との関係が多分に起きてくる。そうした場合には、農地法による転用許可を受けるのかどうか、造成された農地は農地法の適用を受けるのかとうなのか、こういう問題があると思うのですが、農林省の御所見はいかがでありますか。
  60. 庄野五一郎

    ○庄野説明員 農地法の関係でございますが、農地の転用等につきましては、農地法によりまして、五千坪未満は知事の許可を要しますし、五千坪以上は農林大臣の許可を受けることを要する、こういうことに相なっております。それで、今御指摘のように、土地区画整理法の三条二項で、区画整理を施行する場合と農地法の関係、あるいはまた、都市計画法によりまして都市計画をやり、建築基準法によりまして用途地域指定工業地域あるいは住居地域、文教地域、そういうような指定がなされました場合における農地法との関係でございますが、従来は、農地法と全然関係なくそういう計画がなされるということで、今御指摘のような金ケ作の問題等が起こったわけでございます。ああいう事態の経験に徴しまして、昨年農地の転用許可基準を定めました場合に、関係省に御参集願いましていろいろ意見の調整をはかりまして、農地法と関連するそういう計画策定あるいは指定がある場合には、事前に農林省と十分連絡していただきましてその間の調整を十分やり、都市の自然的発展あるいは立地条件等から、どうしてもこれは工場地帯として将来転用せざるべからざるような土地といったようなところ、そういうものを事前によく関係省との間で協定いたしまして、農地として保存すべき地域、あるいは市街化、工業用地化すべき地域というものを事前によく定めて、そして都市計画なり、区画整理法による施行なり、あるいは都市計画による用途地域指定なり、そういうものをやっていこう、こういうような申し合わせになりまして、それによって調整された計画ができますれば、それに従って、農林省もその計画を尊重して農地法を運用する、こういうことに相なっております。その例に従いまして、この臨海地域開発の場合におきましても、農地として造成された地域につきましては、あるいは背後地等、関連地域におきまして、臨海工業地域開発したために背後地の農地がつぶれるといったような場合には、事前の基本計画等において十分この点は調整をいたしまして、農地として保存すべきところ、あるいは背後地としてやむなく転用せざるべからざる地帯、そういうものは、事前によく農業事情等から調整をやって、その調整ができますれば、その計画に従って農地法の運営をやっていく、そういうようにして農業に及ぼす影響をできるだけ少なくして、いたずらな紛争が起こらないように調整して参りたい、そういうように考えております。
  61. 足鹿覺

    足鹿委員 この法律によって造成された農地は、当然農地法の適用を受けるでしょうし、それから、かりに工業用地として埋め立てても、なかなか工場敷地にも売れないで、利用されないままに放置されているという場合が出てくるのです。そうした場合は、それは一応農地法の対象になるのかならぬのか。計画の上では、工業用地あるいはその他の公共用地というふうに、今度の基本計画において利用区分が明らかになる。それで農地は農地、公共用地は公共用地、工業用地工業用地として、一応計画に従って、実施機関が何であれ、そこに土地が造成される。そういう場合に、農地として造成されたものは、当然農地法の適用を受けると思うのですが、その点、私の考えだけではなく、確かめておきたい。  それと、工業用地その他農地以外の目的に使用するために造成されたものが、長い間放任されて利用されないという場合は、これは農地法の対象になるのかならぬのか、どういうことになるのでしょうか。
  62. 庄野五一郎

    ○庄野説明員 臨海地域開発促進法によりまして、初めから農地として造成された分につきましては、これは農地法あるいは土地改良法等によって農民に配分する、こういうことに相なりますし、配分して、これが農地として利用されるということになりますれば、当然農地法の適用を受けると私たちは考えております。  それから、農地以外の工業敷地、あるいは住宅敷地としてこの臨海地域開発法で指定されて造成されました土地について、これがその本来の目的に利用されないで放置され、あるいは農民が正当な権限をもってその地帯を農耕に使用した、こういう事実がありますれば、現行農地法は、農耕の用に供するという現況主義をとっておりますので、農民がそれを農耕の用に供しておるという事実がありますれば、農地法の適用を受けるように相なる、こう存じております。
  63. 足鹿覺

    足鹿委員 まだいろいろありますが、先を急ぎますから、今度は、大蔵、建設、企画、どなたといって指定しませんが、よく一つ聞いておっていただきたいと思います。それは、今後の事業遂行の方法の問題です。この原案によりますと、十六条に、別に定める特別の機関を設置する云々という条項がありますが、これは話し合いによって削除されることになると思うので、それはあとの問題として、いずれになりましても、法案成立後における運営は、先ほども官房長官から御所信の表明がありまして、十分留意していただくこととは存じますが、具体的に、この地域指定は、なるべくすみやかな機会においてやられるでありましょう。大体どの辺を目途として地域指摘が行なわれるものか、その見当も一つ承りたいし、その後、用地の造成事業は、どういう方法によって、また、どういう手段で行なわれるのか。実施計画地域指定が相並行して進んでいきます場合は空白はないのでありますが、ただ単に地域指定だけは受ける――概してこういう法律は、地域指定が始まるのだというので、わっと押しかけてくる。そうして、いざ実施ということになると、なかなかいろいろな事情でそうはいかない。その実施機関の性格にもより、財力にもより、いろいろな事情がありましょうが、概して既得権のような気持で地域指定を運動したり、要請したりして一応とっておく。ところが、あとは一向に進まない。こういうことになりますと、むしろ、自主的な土地の造成を抑制するような弊害もまた一面に伴うのではないかということをおそれるわけであります。とにかく、その点について、地域指定実施機関との関係というものは、私は、今後の運営の中心として非常に重大であろうと思うのであります。  そこで、臨海地域開発につきまして、三十三年の九月に建設省が新都市開発公団の構想を発表しましたし、続いて通産、運輸両省が臨海工業用地造成公団の構想を明らかにした。そして、その後三省間で話し合いが行なわれまして、調整の結果、いわゆる三省公団の構想に統一された。これは今までこの委員会でもたびたび論議をしておりますし、新案内の通りであろうと思うのです。ところが、この法案からも一応特別の機関が削除をされた。そして、地域指定中心の臨海法、臨海地帯に対する基本法としての一本の性格をこの法律は持ってくることになると思うのです。そうしますと、今後の実施機関としては一体どういう構想があるのか。五十ヘクタール以上は特に建設大臣の認可を得なければならぬ。また、農地の造成、干拓等による造成は、土地改良法その他によっても、現在大規模なものが特別会計等が行なわれておりますし、開墾方面におきましては、外資導入等によって北海道あるいは東北地帯においても行なわれておる。政府直轄でもやり得るし、公団を作ってもやり得るし、地方自治体が単独で、あるいは連合してもやり得るでありましようし、特別の事業会社を作ってもやり得るでありましょうし、個人でもやり得るでありましょうが、何を中心にしてこの大きな臨海地域指定を行ない、それが指定目的を達成する実施の具体的な方法の構想としては、一体何を考えておられるのか。次に来たることについて、私どもは、この機会において政府構想を聞いておきたいと思うのです。一説によれば、あとで申し上げますが、東京湾の問題にしましても、当初は、三省公団のときには指定に一応入っておったが、いつの間にかこれが消えて、あとは四十数カ所の全国に点在するところの臨海地域の予定地域というものが示されて、そうして、地元の市長さんたちが一生懸命東京に来て、われわれのところに陳情に来た。ちゃんと印刷物もでき、予算も百五十億、資金運用部資金その他からの借り入れ資金七十五億というようなものまでつけて、堂々と去年の秋ごろからこれが運動された。そういうところから、私どもは、この法案に重大な疑念を持たざるを得ない事情にあったわけです。そこで、今度はすっきりして、まず、一応地域指定を中心に法案整備した。次にはどうなるのかということについて、建設大臣はこの点については一番中心になると思うのですが、どうでしょうか。また、内閣官房長官としてもどのように構想を進めていかれる考えでありますか。それから、ついでに、奥村さんがおられるから、大蔵大臣代理として聞いておきたいのですが、「実施するため必要な資金」という条項があります。ところが、三省公団がつぶれたというのは、大蔵省の予算の査定の際につぶれたと聞いております。事実かどうか知りませんが、まあ、そうでしょう。どういう理由で三省公団の政府関係の出資なり、あるいはその他の資金対策を削られたのか。一方においては、あなた方は全部賛成して臨海法を提出しておきながら、一方においては削っておられる。なかなか矛盾しておると思うのですが、その削られた理由いかんによっては、私どもは、今後大いに議論もしてみたいと思うのですが、それは公団を必要と認めないから削ったのか、あるいはその他の事情によって削ったのか、あるいは計画そのものがずさんであるから削ったのか、まあ、いろいろ理由があろうと思うのです。今後この法案の成立後における実施機関の上において、政府の直轄たると、特殊会社たるとを問わず、公団たると問わず、大蔵省の態度というものは私は重要なポイントになろうと思うのです。その点について、大蔵省の考え方一つ承っておきたいと思います。
  64. 藤巻吉生

    藤巻政府委員 臨海開発地域指定の問題等につきましては、便宜、私からお答えいたします。  この法律によります臨海開発地域指定の基準といたしましては、抽象的に出うえますと、造成の規模が非常に大きくて、全国的に見ても、産業、人口等の対策から考えまして、重点的に取り上げなければならないような土地を取り上げる、こういうことになると思いますが、具体的には、さような方針のもとに、私の方で十分各種の事情を勘案してきめて参りたいというふうに考えております。  それから、実施計画地域指定との間の時期的な問題でありますが、お話しのように、今までも、指定だけあって、実施計画がなかなかできないという場合には、いろいろな弊害が起こっております。従いましてそういうような弊害のないように、区域の指定がありましたならば、できるだけ早く実施計画が立てられるように取り運んで参りたいというふうに考えております。  それから、三省公団その他実施機関の点につきましては、私からお答えする筋でもございませんので……。
  65. 村上勇

    ○村上国務大臣 三省公団につきましては、私もあまりその経緯についてははっきりしておりません。これはやめてしまっておるので、結果についてはよく存じません。あとの、ただいま御指摘の臨海開発地域指定とか、あるいは基本計画策定及び実施、あるいは計画に伴う資金に関する問題その他、これらのすべての問題は、御承知のように、この法案の第十三条によりまして、審議会がこれを一応まとめる。そして私ども、これに従って検討していくということになっております。さよう御了承いただきたいと思います。
  66. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 大蔵大臣に対するお尋ねにつきましては、私かわって御答弁申し上げます。  この法律案実施になります場合には、第八条に基づきまして政府として必要な資金の確保をはかり、また、財政の許す範囲において、実施促進することに努めなければならぬということでありますから、大蔵省としてもそのつもりでやって参るわけで、現に、基礎調査の経費はことしの予算にも盛り込んであります。また、実施の資金につきましては、現に起債等をもって資金を融通しております。ただ、この公団方式につきましては、この法律目的を達成するのに必ずしも公団方式でなければならぬということは、大蔵省は考えておりません。それは地域によりまして、その地域の実情に即するようにやっていけばいい。たとえば東京湾においても、名古屋においても、大阪においても、それぞれ実情に即するように市が計画し、実施しておるところもありますし、名古屋では、御承知の市と県が半々で出資し合って管理組合を作り、管理組合が、起債を仰ぎ、計画実施しておる。北海道の苫小牧湾においては、苫小牧湾の開発株式会社でやっておる。いろいろ事情がありますから、その事情に即するようにやっていけばいい、かように考えておる次第でございます。ただ、その場合の融資につきましては、起債等でできるだけのことをやって参りたい、かように考えておる次第でございます。
  67. 足鹿覺

    足鹿委員 三省公団の予算を削ったのは、どういう理由ですか。
  68. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 資金の面においては、ただいま申し上げたように、起債等のワクの中に盛ってあります。公団ができなければ融資しないというのじゃなしに、融資の対象は市町村あるいは株式会社、そういういろんなものがあります。それに対して融資をするということでございます。
  69. 足鹿覺

    足鹿委員 一部に公団債の発行問題を論議しておる筋がありますが、大蔵省はどう考えますか。
  70. 奧村又十郎

    ○奧村(又)政府委員 これは、ただいま大蔵省としては賛成いたしかねます。
  71. 足鹿覺

    足鹿委員 まだありますが、最後に、具体的な問題で、東京湾の埋め立て問題を中心に、一つお尋ねして終わりたいと思います。  三省公団の構想が生まれまして、その事業予定地に東京湾が入っておったことは、先ほども申し上げた通りなんです。ところが、三十三年の十月に三省公団の構想ができると、どういうわけか、東京湾の事業予定地が削られておる。その間の事情を私はつまびらかにしませんし、きょうは、時間もありませんので申し上げません。いずれまた、実施機関で論議する機会があろうと思いますので、申し上げません。  そこで、三十四年の四月一日に、臨海地域開発促進法案川島正次郎氏外七名で提案をされた。そしてその間の、昭和三十三年の十二月ごろか、自民党に東京湾開発特別委員会なるものが設けられて、ここに私は持っておりますが、このごろは立ち消えだということを島村さんも盛んにおっしゃるのだが、とにかく東京湾開発構想というものが、去年の十月に、れっきとした文書になって、発表されておる。それによりますと、「全国にまたがる一連の臨海地域開発計画とは別にこれを取り上げ、独自の事業計画をもって……政府の財政的助成と民間資金導入による特別の事業体を設置し… 昭和三十五年度を契機として、これが実現を期する」旨の東京湾開発構想が、自民党の特別委員会の名によって発表されておる。提案者である中村さんも、川島さんにかわって臨海地域法を出される責任者でありますから、御存じないはずはなかろうと思いますが、非公式に島村さんに聞いてみますと、それはあったかもしらぬが、今は立ち消えたんだ、こう言う以上に一歩も出ない。島村さんの名前を付した文書がちゃんとあるのです。そうしておって、実際上この審議を始めると、そういったことは、一つもざっくばらんな御説明もない。まだその域に達しておらぬという御趣旨かもしれませんが、別に何らかの計画はぐんぐん先行しつつ、臨海法の不十分な法案を提出し、この審議をめぐって長い時間を費やしたというのが、現状であります。そこで、実際立ち消えておるのかどうか。提案者は、これとの関連において、この法案を御提出になったのかどうか。産業計画会議の勧告といいますか、自民党に対する勧告がありますが、それに基づいて自民党政調会は、研究会か、とにかく会合を持って検討をしておられる事実も過去においてある。いろいろ調べておりますが、多くは申し上げません。とにかく、一方においては、三省公団というものをわざわざ作って具体的に進めながら、東京湾を落とす。東京湾をやるには特別な会社を作るんだという自民党の構想がある。そういうようなところに、何かしら、私どもは、審議の過程を通じて、すっきりしない気持にたびたび逢着したことだけは、率直に申し上げておきましょう。少なくとも国家の大事業を進めていくわけでありますから、堂々と論議すべき点は論議をし、必要なことは国が当然めんどうを見る。その間にあって、一点も疑わしきょうなことや疑念の起きるようなことのないように、過去もあってほしいし、今後この法律が成立した後においても、特に私どもはその点を力説しておき場たい。ややもすれば、これらの問題は、町でやっておる映画の中にも、埋め立てをめぐるいろんなスキャンダルを中心に、正義派とその反対派がしのぎを削るような映画がたくさん出ている。私も見た。それくらい、なかなかその背景といいますか、おもしろからざることを考えておる人もないとは言えない。今後の運営は、私どもは非常に大切だと思うのです。少なくとも、この臨海地域埋め立て基本が、これによってスタートする。それによって実施機関が、いかような形かは知りませんが、設置をされたような場合、それは公の機関たると民間の会社その他たるとを問わず、公明に、しかも、国家目的に沿わしめるだけの規制力を、私どもは、持つものが必要だと思います。この法案を作りっぱなしで、地域指定しつぱなしで、それであっては、これは目的を達成することはできないと思うのでありまして、当然提案者としては、その点についても、今後に対して、私は大きな責任があると思います。提案者趣旨を体して政府が、今後これを実施に移していかれる場合においても、当然、より多き責任が起きてくると思うわけでありまして、東京湾の問題はほんの一例にすぎませんが、とにかく、要は、本法が成立後、これに基づきまして開発実施をされる、国土造成が行なわれる、そうした場合に利権の対象となるとか、あるいは事業の犠牲になった者に対してあたたかい手を伸べないとかいうようなことが、寸毫もあってはならぬと私は思うわけでございまして、運営が公正に行なわれ、立法目的が最終的に達成されるために、政府なり提案者においては重大な責任を感じられて御決意を持って対処されたい。もちろん、われわれも、この法案を成立せしめる以上は、その責任を回避するわけではありませんが、少なくとも提案者としては、また政府としては、重大な責任があることを指摘し、申し上げるまでもないことだと思いますが、強くその点を申し上げて、私の質問を終わります。
  72. 寺島隆太郎

    寺島委員長 本案に対する質疑は、これにて終了するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認めます。よって、本案に対する質疑は終了いたしました。     ―――――――――――――
  74. 寺島隆太郎

    寺島委員長 ただいま委員長の手元に、本案に対し、日本社会党及び民主社会党の共同提案修正案が提出されております。     ―――――――――――――
  75. 寺島隆太郎

    寺島委員長 その趣旨説明を求めます。足鹿覺君。
  76. 足鹿覺

    足鹿委員 日本社会党、民主社会党を代表しまして、臨海地域開発促進法に対する修正の動議を提出いたしたいと思います。  まず最初に、修正案説明と申しますか、説明をするまでもないのでありますから、若干の経緯等を述べて説明にか、えたいと思います。  臨海地域開発促進法修正の動議提出にあたりまして申し上げたいのでありますが、本法案は、第三十一国会の会期末近く、すなわち、昭和三十四年四月一日、川島正次郎君外七議員より、二百五十三議員の賛成のもとに提出されたものでありますが、時間的な都合等もありまして、実際上の審議はなされず、第三十二、第三十三臨時国会に継続審議となりました。三十四年十一月六日、中村議員より提案の理由を聴取しまして、実際的な審議に入ったのであります。  御承知の通り、本法案関連する方面がきわめて多いのでありまして、また、多いにもかかわらず、原案の内容を検討してみますと、不備な点が多かったために、第三十四通常国会に再び継続審議として、現在まで慎重審議を続けてきたわけであります。すなわち、この間、三十四年の十一月十八日には千葉県知事柴田等君外五人の参考人の意見を聴取し、本年四月二十二日には、佐賀大学教授田町正誉君外二名の参考人から意見を聞くなど、国土浩成に関する学識経験者、及び利害関係多大の地方公共団体あるいは漁業団体代表等の貴重な参考意見を聴取して参ったのであります。  さらにまた、農林水産委員会との連合審査会を開き、各委員の有益な意見をも聴取して参ったのであります。加えて、本法案に対する関係方面の陳情、要望はすこぶる多かったのでありますが、地方自治体、農漁業団体、関係官庁等より多数の意見が寄せられまして、これらを十分検討、整理いたしまして、民意を尊重し、正しい要望等については十分その反映に努め、万全を期した次第であります。  また、国土総合開発法を初め、各地域関係法との関連についての十二分の研究を重ね、国土開発縦貫自動車道法等、幾多の立法中、特に補償に関する条項を比較検討し、その長所を取り入れ、遺憾なきを修正案においては期しておる次第であります。このような経過を経まして慎重審議の結果、日本社会党は、第一次、第二次、第三次修正案を起草いたしまして、民主社会党提示の問題点をあわせ検討し、また、委員各位の検討を十分参酌、取り入れまして、検討検討を重ねた結果、数知れざる理事会または理事の打合会等において熱心に成案の起草に努めた結果、昨五月十二日、若干の部分について各党間の意見の調整が成り立ちましたので、ここに両党を代表して、修正の動議を提出した次第であります。  次に、修正案文を朗読いたしますので、御賛成をお願い申し上げます。    臨海地域開発促進法案に対する修正案   臨海地域開発促進法案の一部を次のように修正する。  (1) 原案第一条中「工業」の下に「、農業」を加える。  (2) 原案第一条の次に次の二条を加える。    (基礎調査)   第二条 政府は、第四条に規定する臨海開発区域指定及び第五条に規定する基本計画策定り円滑な実施を図るため、臨海地域開発に関し必要な基礎調査 を行わなければならない。   2 経済企画庁長官は、行政機関の長が行う前項の基礎調査について必要な調整を行い、当該行政機関の長に対し、その調査の結果について報告を求めることができる。    (調査に対する協力)   第三条 行政機関の長は、その職員又はその委嘱した者に前条第一項の基礎調査を行わせる場合には、関係行政機関の長、関係地方公共団体の長その他の関係者に対し、協力を求めることができる。  (3) 原案第二条第三項中「前二項」を「前四項」に改め、同項を同条第五項とし、同条第二項の次に次の二項を加え、同条を第四条とする。   3 内閣総理大臣は、第一項の指定をするに当っては、第二条第一項の基礎調査の結果を尊重しなければならない。   4 内閣総理大臣は、第一項の規定により臨海開発区域指定臨海地域開発審議会審議に付する場合においては、あらかじめ、関係都道府県知事(港湾管理者の長を含む。)の意見を聞かなければならない。この場合においては、その意見を尊重しなければならない。  (4) 原案第三条第三項を次のように改める。   3 前条第三項の規定は、前二項の規定による基本計画の立案及び決定について準用し、前条第四項の規定は、前項の規定により基本計画臨海地域開発審議会審議に付する場合について準用する。    原案第三条第四項中「その要旨」「これ」に改め、同条に次の二項を加え、同条を第五条とする。   5 前項の規定により公表された事項に関し利害関係を有する者は、公表の日から三十日以内に、政令で定めるところにより、関係行政機関の長を通じて、内閣総理大臣に意見を申し出ることができる。   6 前項の規定による申出があったときは、内閣総理大臣は、その申出を考慮して必要な措置を講じなければならない。  (5) 原案第四条を次のように改める。    (基本計画の内容)   第六条 基本計画には、第一条の目的を達成するため、臨海開発区域における次に掲げるものに関する総合的な計画基本となるべき事項について定めるものとする。ただし、政令で定めるところにより、臨海開発区域における関連諸施設と密接不可分の関係にある諸施設の整備については、当該区域外にわたり定めることができる。    一 土地の利用及びこれに伴う水面の利用に関する事項    二 用水の確保及び利用に関する事項    三 土地の造成に関する事項    四 関連諸施設の整備に関する事項    五 事業の実施に関する事項    六 前各号に掲げるもののほか、臨海開発区域における開発に関する事項で政令で定めるもの   2 前項第四号に定める関連諸施設は、おおむね次に掲げる施設とする。    一 工場、下水道等から排出される汚水等の処理施設    二 海岸保全施設、港湾施設、漁港施設及び交通施設    三 用排水施設並びに電気及びガスの供給施設    四 その他関連のある諸施設  (6) 原案第五条第一項中「公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)」の下に「、漁業法(昭和二十四年法律第二百六十七号)」を加え、同条を第七条とする。  (7) 原案第六条第一項中「都道府県知事」の下に「又は港湾管理者の長」を加え、同条を第八条とする。  (8) 原案第七条を第九条とし、原案第八条を第十条とし、同条の次に次の一条を加える。     (損失補償等)    第十一条基本計画に基く事業の実施により損失を受ける者がある場合においては、当該事業を行う者は、その者に対し、公正な補償をするものとする。    2 基本計画に基く事業の実施により生活の基礎を失う者がある場合においては、その者に対し、政令で定めるところにより、その受ける補償と相まって行うことを必要と認める生活再建又は環境整備のための措置を講ずるものとする。    3 基本計画に基く事業の実施により造成された土地に設置された工場その他の事業場から工場排水等を排出する者は、汚水等の処理を適切にすることにより、公共用水域の水質を保全することに努めなければならない。  (9) 原案第九条を第十二条とする。  (10) 原案第十条第一項中第五号を第六号とし、第四号中「第五条」を「第七条」に改め、同号の次に次の一号を加え、同条を第十三条とする。      五 基本計画に基く事業の実施により生ずる損失の補償の基準及び当該事業の実施に伴い必要とする関係住民の生活の安定を図るための諸施策の基本に関する事項  (11) 原案第十一条第一項中コ一十人」を「三十四人」に改め、同条第三項のうち、第十号中「学識経験のある者」を「都道府県知事及び学識経験のある者」に、「十人」を「十五人」に改め、同号を第十三号とし、第九号を第十号とし、同号の次に次の二号を加える。      十一 衆議院議員のうちから衆議院が指名する者  五人      十二 参議院議員のうちから参議院が指名する者  三人      原案第十一条第三項中第六号から第八号までを一号ずつ繰り下げ、第五号の次に次の一号を加える。     六 労働大臣     原案第十一条第四項及び第五項中「第十号の委員」を「第十三号の委員都道府県知事である委員を除く。)」に改め、同条を第十四条とする。  (12) 原案第十二条から原案第十五条までを三条ずつ繰り下げ、原案第十六条を削り、原案第十七条を第十九条とする。  (13) 原案附則第一項の次に附則第二項として次の一項を加える。(経過措置)     2 当分の間、第四条第四項(第五条第三項において準用する場合を含む。)の規定により内閣総理大臣が意見を聞く場合においては、その指定する行政機関の長たる大臣を通じて行うものとする。  (14) 原案附則第二項中「昭和三十四年」を「昭和三十五年」に改め、同項を附則第三項とする。  (15) 原案附則第三項中「第十五号の三」を「第十五号の四」に、「十五の四」を十五の五」に改め、「企画立案すること」の下に「(北海道に係るものを除く。)」を加え、「第二十号のヌ」を「第二十号のル」に、「ル 臨海地域開発促進法昭和三十四年法律第  号)」を「ヲ 臨海地域開発促進法昭和三十五年法律第  号)(同法に規定する内閣総理大臣の権限で北海道に係るものを除く。)」に、「九 臨海地域開発促進に関すること。」を「十 臨海地域開発促進に関すること(北海道に係るものを除く。)。」に改め、同項を附則第四項とする。  (16) 原案附則に附則第五項として次の一項を加える。    (北海道開発法の一部改正)     5 北海道開発法(昭和二十五年法律第百二十六号)の一部を次のように改正する。       第五条第二号の口の次に次のように加える。       ハ 臨海地域開発促進法昭和三十五年法律第  号)(同法に規定する内閣総理大臣の権限で北海道に係るものに限る。)  以上であります。先ほど述べましたように、各逐条に対する説明は、会議録その他等により御参照願うことにいたしまして、省略をいたします。
  77. 寺島隆太郎

    寺島委員長 以上で趣旨説明は終わりました。  本修正案に対する質疑はございませんか。     〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  78. 寺島隆太郎

    寺島委員長 質疑がありませんから、これをもって質疑は終了いたしました。  この際、本案並びに修正案について、内閣の御意見あらば承ることにいたします。岡部政府委員
  79. 岡部得三

    ○岡部政府委員 臨海地域開発促進法案及びその修正案趣旨につきましては、異存のないところと存じます。     ―――――――――――――
  80. 寺島隆太郎

    寺島委員長 原案及び修正案を一括して討論に入る順序でありますが、討論の申し出もありませんので、採決に入ります。  まず、日本社会党及び民主社会党共同提案修正について採決いたします。本修正案の通り決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  81. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認めます。よって、本修正案は可決せられました。  次に、修正部分を除いて、原案について採決いたします。これに御異議ありませんか。     〔「御異議なし」と呼ぶ者あり〕
  82. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認めます。よって、修正部分を除いて、原案の通り決定いたしました。  右の結果、臨海地域開発促進法案修正議決すべきものと決しました。(拍手)     ―――――――――――――
  83. 寺島隆太郎

    寺島委員長 ただいま日本社会党及び民主社会党の共同提案による、本案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。その趣旨説明を求めます。内海清君。
  84. 内海清

    内海委員 私は、ただいま御可決になりました臨海地域開発促進法案に対しまする附帯決議案を、提案いたしたいと思います。  まず、案文を朗読いたします。    臨海地域開発促進法案に対する附帯決議  一、政府は、全国総合開発計画をすみやかに樹立すること等により国土総合開発法運営に遺憾なきを期するとともに、同法を再検討しその改正をすみやかに行なうべきである。  一、政府は、本法に基づいて造成された土地が外国軍隊又は自衛隊の基地その他の施設の用に利用されることがないように、本法を運用すべきである。  一、政府は、臨海地域開発審議会委員の任命については、漁業関係者等本法に基づく事業の実施により影響を受ける者の意見が十分反映されるよう考慮すべきである。  右決議する。  これは日本社会党並びに民主社会党の共同によるものでありますが、何とぞ十分御審議の上、御決議あらんことをお願い申し上げます。
  85. 寺島隆太郎

    寺島委員長 お諮りいたします。ただいまの日本社会党、民主社会党共同提案の動議のごとく、本案に附帯決議を付するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  86. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  ただいま議決されました本案についての委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり]
  87. 寺島隆太郎

    寺島委員長 御異議なしと認め、さよう決します。  本日は、これにて散会いたします。     午後一時十四分散会