○二階堂委員 ちょっと
関連して、
農林大臣にお伺いをいたしてみたいと思うのです。この水の利用の問題、特に農業用水の問題に
関連してでございますが、最近早期栽培が非常に普及して、その増産効果というものは非常に顕著なものがある。私
どもは周囲でよく知っておるのでございますが、特にこれに
関連いたしまして、
大臣も御
承知かと思いますが、最近早期栽培に利用されている水田の面積というものが飛躍的に多くなってくる。
昭和二十八年は約一万二千町歩くらいあったものが、三十一年度におきましては六万一千町歩、三十二年度におきましては十万五千町歩、三十七年度の予想におきましては三十五万六千町歩というふうに、飛躍的に早期栽培が奨励されて、面積が多くなってきておる。これに
関連いたしまして、特に水の利用に関する問題が各地で真剣に
検討されつつあるように承っております。特に、私の見ましたある報告によりますと、西日本の河川等にはこの農業用水、特に早期栽培に利用される水の問題について、緊急に水の利用に関する再編成の
計画を
樹立しなければならぬということが述べられておるわけであります。こういうようなことを
考えましても、これは電力に必要な水、あるいは上水下水に必要な水等も当然のことでございますが、農業
関係の利水という問題を
考えてみましても、これは真剣に
検討されなければならぬと思っております。こういう
計画をやはり同時にお
考えになって、今後この
治山治水の
計画にも織り込んでいかなければならぬと私は
考えております。こういう問題について、十カ年にわたる長期の
事業計画をお立てになるわけでございますが、こういう面について積極的にこの
計画に自分の
意見、
農林大臣としての
意見を述べられて、そうしてこの農業用水の利用についても遺憾なきを期するというお
考えもあってしかるべきだと思うのですが、これに対してどうお
考えになりますか。
それからもう一点は、この農業用の水田に水を取り入れるための取り入れ口が全国に約四十万カ所以上に上ると言われております。この個所が水害等には非常に
災害の原因になっている。これは事実、私
災害各地を回って見ましても、しばしばあるわけでございます。今回この
治山治水、特に
災害防除という
見地に立って
治水計画をお立てになるわけでありますが、こういうような具体的な
計画をお立てになる場合に、従来、ともすれば河川の管理者と農林
関係の管理者との間に
計画が統一されてないといったような場面があったのでございますが今度の
計画は特に長期にわたる
計画をお立てになるわけでありますので、これらの
計画樹立についても、私は相当緊密な連絡をとってお立てになる必要があろうと思っております。これらの
計画樹立についても、
農林大臣としての御
意見を積極的に
建設省と相談をされていかなければいかぬと思いますが、なおまた、この取り入れ口に対する管理の問題、これの責任が明確にされておらぬために、水の調節等においてしばしば
災害の原因をかもすようなことが起こっておるということもございますので、こういう点についてどうお
考えになるか。
第三点は、
治水関係におきましても、
災害が非常にふえてきている
一つの原因は、山の中の小さな土地の河川が非常に荒れてきているということにも大きな原因があると思っております。ところが、最近
建設省あたりが洪水調節のために山間の奥地に作った小さなダム、五、六千万ないし七、八千万
程度で作ったダムが洪水の調節を非常にうまくやっておる。従って、下流における
災害が大きくなるのを防いでおるという、ほんとうに効果の出ているダムがあるわけであります。今回、
治山治水を総合的に十カ年
計画をお立てになるこの
計画の中に、そういうようなダムを相当作っていかなければならぬと私は思っております。これはやはり
建設省と
農林省との間において、その具体的な
計画をお立てになる前に、
一つ十分
検討をしていかなければならぬ。小さな川を局部的に改修するのに相当な金を使うよりも、一カ所に五、六千万ないし七、八千万かかるようなダムを作っていった方が、非常に効果をおさめておるという事実を知っております。当然そういうふうに
計画を進められていかなければならぬと私は思っております。そういうような
計画をぜひ立てていただきたい。その場合、やはり費用の
負担についても、
特別会計が二つになって、この問題についてもいろいろ議論が出てくると思いますが、そういうようなことに対して
一つ基本的に十分
検討して
計画を
樹立し、管理等に遺憾なきを期していただきたい。
こういう三点について、
大臣の所感を承っておきたい。