○渡辺
参考人 お話しいたします。順序はあるいは不同になるかもしれませんが、私のところは、
殖産住宅に実はお願いして家屋を建て、今月の一日から実はそのうちへ引っ越して住んでおるのでございます。最初の動機と申しますと、それまでに私住んでおりますうちは、電建の建物で、約二十年前に建てたのでございます。ところが、世帯を持つときに、これは親の方から建てていただいたので、
自分がやったのではないために、新世帯としての設計がしてあったために、約二十年間に子供もふえ、大きくなりまして、その
住宅の中に住むというのが困難になりました。そのために、実は建てたいということを前々から
計画し、土地を手に入れ、そうしてうちを建てるべく努力はしましたのですが、何せ微々たるわれわれの財政なのですから、まとめて土地も買い、うちも建てるということは、実はなかなかもって不可能なことなので、何とかこれをいい
方法に持っていって、土地だけはどうにか手に入れた。
住宅の方は何らかの
方法によって手に入れたいというので、いろいろと考慮しておりまして、できるならば、
住宅金融公庫というようなものも利用しようというので、この方もいろいろと道をつけてみましたのですが、家屋を持っているものはいけないとかなんとかいうような話も承ったので、それでは何か
月賦会社にというので、一番現在は名が売れている殖産に
一つお願いしてみよう、信用もあるだろう。こういうわけで、私のところにはセールスがじかに来たわけではございません。新聞広告の欄に出ていた電話番号を見まして、そして本社へ直接に電話をしたわけなんです。そして、本社の方から来ていただいて、それで
契約の段階に入っていった。これが時期と動機なんであります。
その次に、
外務員というのが二番目に出ておりますが、実は、これは本社の方から直接に来まして、話を承ったのでございますが、今までいろいろな
説明を聞いたのと関連して申し上げるのはどうかと思いますが、
約款のことについての
説明というのは、ほとんどございませんでした。これは、
約款を非常に詳しく、しかも
会社の——
住宅会社なら
住宅会社が有利な
方法に持っていくのには、この
約款をあまり公表するということは、かえってその
加入者の方が不安を感じるような
約款だと私は思います。それから、しかも、
一つ申し上げたいのはわれわれは、いろいろな
法律とかなんとかいうことは、知っているようで案外うまいものでございまして、やはりたよるのは、
外交員とかそうした方の
説明を真に受けて、そして
契約を促されてしまうというような形に追い込まれるのじゃないかということが、事実私もあったわけなんです。しかも、そのときに思いましたのは、保険
会社にしても、あるいはこの
住宅会社にしても、
約款というものを、非常にこまかな字でもつって、わかりにくく書いてあるというのは、一種のごまかしみたいにも私は思えるので、できるならば、今後のために、あめあしたものは堂々と第一面に大きく書いて、そうしてよく
説明をしていただきたいということを申し上げたいと思います。それで、私のときは、聞いたところが、
月賦で何がしの金をかけていけば、家か自然に建っちゃうのだ、こういう話だった。しかも、
相手は小さな
会社じゃなし、けっこうなことだろうと信用しまして、
契約しまして、そうして第一回の掛金を即金で納めまして、仮領収をいただいてしまった。これは、なぜならば、一日も早くしないと、
自分の家を建てる時期つが、三分の一を経過しなければ建てられないというのを日数で数えていってみますと、一カ月でも早くしないと、ちょうどいい時期に家が建てられないというので、
自分にも、あせった傾向があるのですが、
相手の方も、何とか早く
契約をとってしまおうというので、非常に調子よく出たのじゃないかと思います。そういう結果で、
契約を早くしてしまい、仮領収証で何口というのを入れてしまった。
あとになりまして、よく
約款を読んだところが、あまり有利でない、こんなふうに思えたのです。それは、さきにも
説明があった通り、途中で
解約になったならば、前の二カ月分は、まあ手間賃として向こうへ差し上げる、これはよかろう。あるいは途中で
解約をすると、かりに六十カ月の
契約をして、五十万なら五十万の金を入れたときに、
契約を解除したときには、
あとの何年間というものが据え置きになってしまうというので、これはいけない。それからもう
一つは、かりに毎月二万円なら二万円の金をかける、そうしていけば、時期がくれば家が建つ。そして何十回かの掛金が終わってしまえば当然これは
自分のものになるのだと思ったところが、給付の
契約をすると同時に、利息が今度ついてくる。それが最後の一カ月まで同じ利息がつくのだ。これを計算しますと、非常に高い利息になる。だから、これはうっかりしたんじゃないかというような疑問を持った。だけれ
ども、そうしなければ建てられないのだから、これは私は建てました。建てたけれ
ども、それは当初にこういうことがあると、やはり疑問を持つのじゃないか。これは
加入者が疑問を持つ。そのために
約款というものの
説明をしないのじゃないか。できるだけ
説明を省く。それで、何か言われたときに限って、そこをちょこちょこっとあいまいに言うような傾向があると私は思うのです。
まあ、そんなことですが、これはどちらでもけっこうだと私は思うのですが、これは見なかった私が悪かったということも言えるのです。それで応まとめて、私はよけい入ったのですりが、
会社の方へさっそく
説明を申し上げて、こういうわけだから、
口数を減らしてくれ、
あとはその建てる時期において現金でもってお金を入れる、こういうふうに申し上げて、実はそれをやっていただきました。それで減らしていただいて、そういうふうな傾向に持っていったわけです。これは全部言うことを聞いていただいたので、けっこうでございます。そういうので、最初としてはあまり円滑だとは私は言えなかったと思います。
それから、今度は給付
契約のときですが、ちょっとわれわれ庶民が
考えるのには、給付の
契約ができて、家ができ上がって、実際に
自分が引き渡しを受ける
期間にも、もちろん向こうはお金を出しているのですから、これは当然利息を取るのですが、どうもその点、ただ
契約書一枚書いただけで、なかなか家は建てない。一カ月でも二カ月でも、その間に準備
期間とかいろいろなものがあるときにも、やはり利息は取っているというのは、ちょっとわれわれのような庶民的に利用する者には、困難じゃないかということと、疑惑を感じるんじゃないか。何とかもっと庶民的に、たくさん、たとい小さな
住宅でもいいから、みんなが安心して住める
住宅をほしいと願っているときですから、これをなるたけ利用していただきたくないというような観念も起こしました。事実申し上げて、そうなんです。それで、何か
お話しすると、
会社はあめくまでも営利事業なんだからというような話をたまたま聞きましたけれ
ども、これはわれわれ
加入者からいって、あんまり聞きたくない言葉だと思います。確かにそうだとは思いますけれ
ども、はっきりそういうふうに言われるのは、ちょっと疑問に感じたようなことも現在ありました。
それから、もう
一つは、三番目の
項目の、給付
契約は円滑に進んだかということで、もう
一つ疑問に感じたのは、
契約をしまして、毎月掛金をし、あるいは六十カ月とすれば、二十カ月目に当然今度は建てられる権利がもらえるわけなんですが、それから後、土地があっても、保証人が今度は何人なければいけない。それから、都内でなければいけない。それから保証人の財産が何んぼなければいけない——とは、これは言われなかったと思いますが、何ぼあるか、それを全部調べる。そうして、保証人が何人なければどうだ。それで足りなければ、抵当権とかなんとかいうことがあるのですが、当然建てた家が抵当権の中に入っておるということと、すでに三分の一の掛金は取って、
会社がそれを利殖しておるわけだ。それの上に、また保証人の財産まで調べたり、あるいは保証人がなければいけないというのは、借地の上に建てるというなら別ですが、かりにも
個人の財産の、しかも、ちゃんと登記してある土地の上に建てるものにまで、保証人が何人要るというようなことは、あまりきつ過ぎるんじゃないか。しかも、地方から出てきている人で東京に保証人がないというような者は、
契約をし、掛金をして、家が建てられぬじゃないかというような疑問も持ちました。その点も何とか——
会社の方も大ぜいいらっしゃるようだから、そういうことも、できるならば庶民のために緩和していただきたい。
これが済んだ後というのは、これはもちろん順調に進んでおります。ただ、途中においてそういうふうな感じを受けたということを御
説明申し上げました。
それから建築が始まりましてからというものは一申し分はございませんでした。建築は、
月賦の
住宅会社がするのじゃなく、これの下請の建築
会社が請け負ってするというので、私たちも、もう建てる段階にいったときには、請負業者と仲よくして、少しでもいいものを建ててもらおうというのが念願でもございましたし、また、非常にいい建設
会社の下請の人がついてくれたので、りっぱなものを建てていただいた。そしてその後は、何ら申し上げることもなく、順調に進んでおります。
それから途中で、これは現在住んでいるところと大へん離れているところに建てたために、ときどき現場を見には行っておりましたけれ
ども、詳しくまでは存じませんが、よく向こうの殖産——私のところは殖産でございましたけれ
ども、工事を担当した最初の方がしょっちゅう来て、すみずみまで見ていったということは、実に固くやっているな、この点は普通の小さな請負業者がやるのとは違って、非常にきちょうめんにやっている、こんなふうに感じた。私たちとしては安心して住めるうちだろう。手を抜くというようなことは全然ございませんでしたし、
住宅に対しては、異存はございません。ただし、建ててから一年間、何か保証してくれるというような話は伺っておりますが、まだ住みましてわずか二十日しかたっておりませんので、今後のことはわかりません。現在までは、まあ、そういう状態であります。
以上、私の話は終わります。