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二階堂委員 この住宅
対策は、積極的に真剣に御検討をいただいて、そして根本的な
災害防止の住宅
建設という政策をぜひとも
政府においても真剣に取り上げていただきたい、こう私は思うのであります。私はこの
災害対策の中で、住宅
対策につきましては、人一倍今日まで熱心に主張してきたのでありますが、今回、回ってみまして、これは
災害のたびにそうでありますが、仮設住宅なるものを作っております。これは厚生省
所管であります。実を申し上げますと、この仮設住宅なるものは役に立たない住宅なんです。とりあえず応急に家族を収容するだけの役目を持っているのであって、これ一戸やはり七、八万かかる。そういう家を何百戸作っても、何十年も持つわけではないのです。私はそういうことをやるよりも、党においても特に主張しているのですが、国が組み立ての住宅というものを五千戸なり六千戸なりを常時用意しておって、そして
被災地に、とりあえずそういう組み立ての住宅を作って
被災者を収容する。これは現にアメリカなんかでもやっております。私はアメリカにおいても見てきている。学校におきましてもそうです。学校の
災害があったときに、組み立ての住宅を作って生徒を収容している。今
被災地を回ってみましても、昨年の
伊勢湾台風等におきましても同じでありますが、学校やお寺に収容されている。学校の授業ができない。これは一週間や十日では済まない。そういうような
実情を繰り返しておって、そしていまだに
災害のときに倒れた住宅の
復旧対策というものが根本的に樹立されてないということは、きわめて遺憾だと思います。この仮設住宅のほかに、この
災害住宅のワクもあります。あるいは金融公庫から金を貸し出して家を建てるという方法もありますが、いずれもこれは五、六カ月ないし一年以上もかかる。
伊勢湾台風の住宅
建設についての金融公庫の融資の受付もまだやっている。昨年の
伊勢湾台風ですよ。そうして家を建てなければいかぬ。私はこのような住宅の
対策に対しては、もう少し一元的に、とりあえず応急の
対策はどうするか、恒久的な
対策はどうするか、しかも、これがやはり防災という
災害の
損害を防ぐという建前に立っている。しかも
大臣の言われる、そのために人の命を失わしめないという根本的な立場に立ってこの政策を樹立しなければいかぬ。私は
災害の特別
委員会等におきましても、この組み立ての住宅等をとりあえず五、六千戸持っていって、一時収容しておいて、そして時間をかけて金融公庫の金を貸し付けるなり、あるいは
災害対策の住宅を建ててやる。そういうことをすることが、
災害に対するきわめて適切な処置であると考えておりますが、そういうような考え方をぜひ一つ——
大臣も、昨年来、
災害のたびに非常に苦労をされておる。なかんずく、住宅
対策については、人一倍頭を悩まされておると思うのであります。しかも、この住宅
対策は急を要するものであります。だから、そういうことについては、私はたびたび繰り返しておりますが、
政府におかれても特にこの点を主張されまして、そういうような
措置をぜひとっていただきたいということが一つであります。
それからもう一つは、
防潮堤、防波堤と申しますか、そういうような
施設をぜひ作ってもらいたい。これは
伊勢湾台風以来問題になっておることであります。これは当然、
政府においてもお考えになっておることと思うのでありますが、これについては、昨年と同様に、これは事業が各省間にわたる事業である。従って、なかなか設計なり
計画なり、あるいは事業の実施等について各省間に意見等の食い違いがあって、なかなか敏速にはかどらないといううらみもあることは、
大臣も御承知の通りであろうと思うのであります。従って、今回の
災害の防止についても、防波堤と申しますか、防浪堤と申しますか、そういうような堤防があったところは比較的
被害が少ない。人命が失われずに済んでおるということから考えましても、抜本的な
対策を立てて、そして波によってさらわれる人命なり、
家屋なり、財産なりを未然に防ぐという
措置を当然お考えになることが必要であろうと思うのであります。この点について昨年と同様に、やはり
建設については各省間の
協議会というものを作って、そうして
計画、
建設を推し進める考えであるかどうか。この点について、特に
大臣の御所見を承っておきたいと思います。