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1960-03-18 第34回国会 衆議院 建設委員会 第12号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十八日(金曜日)     午前十一時四十四分開議  出席委員    委員長 羽田武嗣郎君    理事 井原 岸高君 理事 木村 守江君    理事 二階堂 進君 理事 堀川 恭平君    理事 南  好雄君 理事 中島  巖君    理事 山中 吾郎君 理事 塚本 三郎君       逢澤  寛君    島村 一郎君       砂原  格君    徳安 實藏君       橋本 正之君    服部 安司君       廣瀬 正雄君    石川 次夫君       岡本 隆一君    實川 清之君       芳賀  貢君    山中日露史君       今村  等君    武藤 武雄君  出席国務大臣         建 設 大 臣 村上  勇君  出席政府委員         総理府事務官         (北海道開発庁         総務監理官)  木村 三男君         農林政務次官  大野 市郎君         林野庁長官   山崎  齊君         建設政務次官  大沢 雄一君         建設事務官         (計画局長)  關盛 吉雄君         建 設 技 官         (河川局長)  山本 三郎君         建設事務官         (河川局次長) 曽田  忠君         建 設 技 官         (道路局長)  佐藤 寛政君         建 設 技 官         (住宅局長)  稗田  治君         建 設 技 官         (営繕局長)  櫻井 良雄君  委員外出席者         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 三月十八日  委員大久保武雄君、三鍋義三君及び西村榮一君  辞任につき、その補欠として三木武夫君、芳賀  貢君及び武藤武雄君が議長指名委員に選任  された。 同日  委員三木武夫君及び芳賀貢辞任につき、その  補欠として大久保武雄君及び三鍋義三君が議長  の指名委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  治山治水緊急措置法案内閣提出第六九号)      ————◇—————
  2. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 これより会議を開きます。  治山治水緊急措置法案を議題とし、審査を進めます。  質疑の通告がありますから、これを許します。  山中日露史君。
  3. 山中日露史

    山中(日)委員 建設大臣にお尋ねいたします。昨日の建設農林連合審査会議で論議になりました今度の治山治水五カ年計画並びに後期の五カ年計画策定するにあたって、この法案の第三条第四項におきますると、「農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官協議しなければならない。」こういうことが規定されておるわけでありますが、なぜ北海道開発庁という独立の、しかも企画官庁があるにかかわらず、この重要な、しかも北海道総合開発の基本ともなる治山治水事業計画策定にあたって北海道開発庁長官協議ということを除いたか。こういう問題は昨日もいろいろ議論があったのですが、この際、あらためてそれを除いておる理由について説明願いたい。
  4. 村上勇

    村上国務大臣 この法案の中に特に北海道開発庁長官相談をするということは書いてはおりませんが、しかし企画庁長官は全国的な国土計画あるいは治水計画等について十分協議をし審議に当たっておりますので、法案には示されておりませんけれども北海道開発庁長官に対してはこれは絶対に相談をしなければ、これらの全体計画を樹立するということは不可能でありますし、不可能というよりも、そうしなければ全く完全なる計画が立たないのでありますから、これは法案に示されていないけれども、実質的には必ず相談してやるということは、常識でもありますし、また必ずそういうふうにいたしますので、その点御了承願いたいのであります。
  5. 山中日露史

    山中(日)委員 その御答弁は昨日も拝聴したわけですが、実際の問題としては、ただいま大臣のおっしゃるように、北海道開発庁長官に御協議なさることは、私どもよくわかりますけれども、やはり法制上明確にしておく必要があるのではないか。なぜかと申しますと、少なくとも北海道開発庁という独立行政官庁があるわけです。そして、しかも北海道は御承知のように、もうすでに五カ年計画というものを樹立して、閣議決定を経て、すでにその実行に移りつつある、現在その半ばにあるわけであります。そこで、今後中央で決定されまするこの十カ年計画と、北海道閣議決定を経て行なっておる五カ年計画は、治山治水事業に関連いたしまして、これの変更とかあるいはいろいろな問題が重なっておる場合がある。そういう場合に、独立官庁として、しかも企画官庁であるこういう官庁行政協議をすることは、法律の建前として当然のことじゃないかと思う。事実上やはりこういうふうに具体的に閣議決定を経て五カ年計画としてやっておるこの官庁に、今後この重要な長期計画を立てる場合に、北海道閣議決定によってきまっておるこの計画との間にいろいろと変更とかそういう問題が出たときに、やはり独立官庁である北海道開発庁長官協議をするということは、法制上明確にしておかなければならぬと思う。ただ、その官庁内部事務的な相談というようなことではならぬのじゃないか、こういうふうに思うのです。同時に村上国務大臣は現在北海道開発庁長官を兼ねておられますけれども、しかし、これはいつも兼ねておるというわけのものではないのですから、やはり独立官庁、しかも企画官庁として現に計画策定してやっておる、こういう立場にある官庁との間の調整という面から見ても、法制協議すべきものであるということを明確にする必要がある、こういうふうに考えておるのであります。ただ事務的に、実際上は相談するということでなしに、もっと明確に、そういう一つ法制上の義務的なものが明確にされなければならない、こういうふうに考えるわけであります。その点、いかがですか。
  6. 村上勇

    村上国務大臣 全く御意見はよくわかりますが、北海道開発庁長官は、御承知のように治水関係閣僚懇談会メンバーにもなっておりますし、また北海道のあらゆる計画にあたりましては、農林大臣あるいは建設大臣は、北海道開発庁長官と十分緊密な連絡をとっておりますし、特に経済企画庁長官は国内全部にわたっての一つ計画にあたっては発言し、また意見調整しておりますし、もし北海道開発庁長官ということをここに入れますと、北海道開発庁長官と同じような立場にある首都圏整備委員長というものもやはり一つ独立した機関で、これにも諮らなければならぬというようなことになるのでありまして、またそれだけでなしに、他にもそういうような独立した機関の長に諮らなければならぬというようなことは、法を運営するのには、どうもせせっこましいところもありますので、最後閣議決定することでありますから、この閣議には北海道開発庁長官メンバーの一員で、最後段階でもいろいろな意見も言えます。しかし、閣議でなくても、それまで成案のできるまでには、これは北海道開発庁長官あるいは首都圏整備委員長相談しないでやるということは、経済企画庁としては絶対にできないことでありますから、この点は、先生の言われるのが常識でありましょうけれども、非常に複雑になりますので、この法案一つこの程度でお許しをいただきたい、私はかように思っておる次第であります。
  7. 山中日露史

    山中(日)委員 私のあと芳賀委員からもこの点について御質問があると思いますから、私はあまりくどく聞きませんけれども北海道開発庁長官を法文上入れなかったという理由は、結局今の大臣お答えでは、そのほかに首都圏整備委員会というような官庁もある、その他こういった類のものがあるから、そういうものをみんな入れなければならぬという煩瑣を避けるといいますか、何かそういうことが北海道開発庁長官を入れなかった理由のように考えられるわけですが、そうなんですか。
  8. 村上勇

    村上国務大臣 そういう点もありますけれども、やはり最終決定閣議でやりますから、その閣議の一メンバーでありますから——ただここで経済企画庁長官というのは全国的な一つ企画をする人であるから、ここにはいろいろな角度からの検討をしてもらう必要があるので、経済企画庁長官協議しなければならないとしております。しかし、閣議決定の際のそのポストの一人に北海道開発庁長官がおりますから、その不便がないのじゃないか、私はかように思っております。
  9. 山中日露史

    山中(日)委員 あと芳賀委員からも詳しくお尋ねになると思いますので、私はこの程度でやめますが、この問題は最終的にどう考えるかということは、まだ私ども結論を出しておりませんが、私どもは、やはりそういった首都圏整備委員会なるものを入れるというならば入れてもいいと思うのです。そうしてそういった独立官庁が、法制上、組織上、機構上ある以上は、そういった重大な関係のものは、何十万とあれば別ですが、今の例ですと、そうたくさんないと思いますし、特にもし必要があれば、そういう人もこの法律上この協議に携わらせるというふうに規定しても一向差しつかえないのではないかと思っております。ただめんどうくさいとか、厄介だとか、煩瑣になるとかいう、そういう行政指導の面で、そういうことでいろいろな問題を逃げてはいけないと思います。ですから、私は、何も北海道開発庁長官だけを入れるという意味ではなしに、こういう重要な長期計画を作る場合に、北海道は、先ほど申し上げた通り閣議決定を経て計画を立てているわけですから、いわゆるそれとの権衡という点からもやはり法制協議するようにしておくことが必要だ。もし、首都圏整備委員会が必要なら入れてもいいというように私は考えております。ただ数が多くなるとか、煩瑣になるとかいうようなことで逃げるのはおかしいと思う。その点だけ承っておきまして、あとはやめます。
  10. 村上勇

    村上国務大臣 山中先生の御意見はよくわかります。道路五カ年計画におきましても、これとやや同じ長期計画ですが、これの法案の中にも経済企画庁長官というだけになっておりまして、私どもとしては、決して相談しないわけではないし、十分相談し、最後閣議決定の際にも、またその閣議決定をする前には必ずすべて諮って、閣議が不一致にならないようにいくその段階のことでありますから、その段階までには十分相談していくことでありますから、私どもとしては、道路の五カ年計画等からも考えましてかようなことになっておりますから、どうか一つその点、十分御了承のほどをお願いいたします。
  11. 羽田武嗣郎

  12. 芳賀貢

    芳賀委員 建設大臣並びに北海道開発庁長官である村上さんにお尋ねします。先日の連合審査における私の質問に対しては、昨日は村上大臣は十分な答えをしてくれなかったわけなんですが、これは非常に重要な点でありますから、再度御質問するわけであります。この長期計画策定する場合に、第三条の四項には「農林大臣又は建設大臣は、第一項の規定により治山事業十箇年計画又は治水事業十箇年計画の案を作成しようとするときは、あらかじめ経済企画庁長官協議しなければならない。」ということが示されておりますが、主としてこの点についてであります。ただいまも山中委員質問答弁がありましたが、その点具体的にお尋ねします。経済企画庁長官との協議という点は、経済企画庁長官協議する事項というものは、その根拠をどこに置いて協議するのですか。
  13. 村上勇

    村上国務大臣 これはもう治水計画あるいは治山計画の全般にわたって、その予算の規模とか、あるいは水系の緊要度はこれが高いとか、あるいはこれを先にやるべきだとかいう計画については、一応建設省、あるいは農林省策定したものを持ち寄って、こういうふうにして計画していくということを経済企画庁長官に示す、そうして経済企画庁長官意見を求めるということであります。
  14. 芳賀貢

    芳賀委員 協議する場合、経済企画庁長官の所掌する事務範囲、これはおそらく国土総合開発法に基づいて国の総合開発計画というものは行なっておるわけです。全体の総括は総理大臣が行なうことになっていますが、主として国土総合開発あるいは特定地域総合開発というものは、国土総合開発法に基づいて策定することになっておるわけです。ですから、計画の面においてはこの国土総合開発法に基づく国の総合計画と、今回のこの法案に基づく治山治水関係長期計画を立てる場合において、この計画総合性という面から見た場合は、当然これは経済企画庁長官協議しなければならぬということに帰納すると思うのです。ですから、そういう理由のもとに協議するということではないのですか。
  15. 村上勇

    村上国務大臣 それはもとよりそういう理由が主たる原因であります。その理由の中から遊離したものを、専門的な点をお話ししたのですが、その国土総合開発法には、この治山治水だけでない、あらゆるものが含まれておるわけでありますから、経済企画庁長官としては、そういうようなあらゆる点から総合的に考えて、そうして治山治水計画に対しては意見をいろいろと述べることだろうと思っております。もとより、今御指摘のような点を最も重要視して考えることは、協議することは当然であります。
  16. 芳賀貢

    芳賀委員 そこでお尋ねしますが、それでは国土総合開発法に基づいて国の総合開発計画あるいは特定地域総合開発の案を策定する場合においては、これは単に経済企画庁だけの権限責任でこのことが行なえるかどうか。その点はあなたも研究しておると思いますが、お答え願いたい。
  17. 村上勇

    村上国務大臣 経済企画庁国土の総合的なすべての問題に触れて研究しておるのでありますから、経済企画庁建設省案なりあるいは農林省案に対して意見があれば、その意見を私は十分討議することだろうと思っております。
  18. 芳賀貢

    芳賀委員 いや、そうじゃなくて、あなたも大臣ですから、やはりこういう問題が論議される場合、国の総合開発計画あるいは特定地域総合開発計画策定する場合は、国土総合開発法規定に基づいて計画立案するということになっておるわけです。何も根拠がなくて、経済企画庁長官だからやれるんだというばく然としたものじゃないのですよ。ですから、その場合、企画庁がこれらの計画立案策定する場合には、経済企画庁長官だけの権限範囲内でこれをやれるのか、あるいは行なってきたかということを、あなたに聞いておるわけです。
  19. 村上勇

    村上国務大臣 経済企画庁長官国土の全般的な企画について、そのすべてにタッチしておる。そうしてここに立案のできるまでには、それぞれの機関に諮って、それぞれの機関協議して、そうしてその立案ができるのでありますから、最終的には特定地域とかあるいはまた首都圏整備委員会というようなもののすべてのものが経済企画庁長官のところで協議がされて、そうしてその計画経済企画庁長官がまとめておるのでありますから、私はこの国土総合開発については、経済企画庁長官がそのすべての企画を掌握しておるということを申し上げたのであります。
  20. 芳賀貢

    芳賀委員 それでは、今の答弁では非常に不十分なわけです。私は計画を立てるまでの過程においては、それは政府の内部的な打ち合わせとか、協議とかいうことは、これは正式なものではないと思うのです。私の聞いておるのは、この法律根拠に基づいて、これは単に経済企画庁長官なら長官だけの権限範囲でこれは行なうのか。あるいは協議とか調整をする場合には、やはり法律がその点を示して、必ずこれは協議しなければならぬとか、調整しなければならぬという根拠があって、国土総合開発とか、あるいは特定地域総合開発策定というものが行なわれておるかどうか。これは常識的な質問なんですよ。しかし、この審議の必要上、その点をあなたに先にお尋ねしておるのです。
  21. 村上勇

    村上国務大臣 政務次官からお答えいたします。
  22. 大沢雄一

    大沢(雄)政府委員 ただいまのお説の通りに、国土総合開発計画は、御案内の通り内閣総理大臣が立てまして、経済企画庁長官がその事務を扱っておりますが、その際には関係行政庁として建設大臣意見を聞くことになっております。これは国土総合開発計画を立てるのに、国土保全責任を持っておる建設大臣としてやることだろうと思うのでございますが、これと、治山治水五カ年計画あるいは十カ年計画を立てる際に、この地方行政機関でございまする北海道開発庁長官とはいささか立場が異なっておるのではないか。北海道開発庁長官はその地域だけの行政庁でございますし、事実先ほど大臣が申し上げておりますように、事前に十分に協議をいたしますので、そこまでの必要はなかろう、こういう意味大臣お答えになっておると存じます。
  23. 芳賀貢

    芳賀委員 所管大臣責任ある答弁ができない場合は、他の政府委員がこれを補佐するということはあり得るが、大臣答弁できないのを政務次官が答えなければならぬというのは、ちょっと私は不見識ではないかと思うのです。特に村上さんは北海道開発庁長官です。北海道開発庁長官として国土総合開発計画策定したり、あるいは特定地域開発計画策定する場合において、北海道開発庁長官としての立場においてもこれらの問題には重大な関心を持って行動しなければならぬと思うわけなんです。従って、国全体の総合開発計画を立てる場合においては、あなたはどういうふうな認識のもとに今日までその協議に参加されておるのか、その点はいかがですか。
  24. 村上勇

    村上国務大臣 内閣総理大臣関係行政機関の長の意見を聞き、国土総合開発審議会審議を経て、政令の定めるところにより、全国の区域について全国的な総合開発をしなければならぬ、こういうことでありますから、その内閣総理大臣権限を代行しておるのが経済企画庁長官でありますので、経済企画庁長官各省長官というようなものが協議して、そうして国土総合開発をやっておるのでありまして、それ以上のことはどうすればいいか、私にはわかりません。
  25. 芳賀貢

    芳賀委員 それは国土総合開発計画を立てる場合は、たとえば北海道総合開発計画とか、あるいは首都圏整備計画とか、あるいは法律的に言えば東北開発促進法に基づく東北開発計画とか、これらはすべて法律根拠にしてその開発計画というものが立てられておるわけです。ですから、その場合には、国土総合開発の場合にも、これらの法律根拠に基づいて行われておる各計画との間における調整というものは当然とらなければならぬことになっておるわけです。それも法律が示しておるわけです。抽象的に政府部内で相談するということではない。御存じないようですから申し上げますが、国土総合開発法の十四条の規定にこのことが示されておるわけです。これをちょっと読んでみますと、「北海道総合開発計画又は首都圏整備計画総合開発計画との調整は、内閣総理大臣北海道開発庁長官又は首都圏整備委員会国土総合開発審議会意見を聞いて行うものとする。」こういうことになっておる。それから東北開発促進計画と国の総合開発計画との調整は「内閣総理大臣国土総合開発審議会意見を聞いて行うものとする。」ということになっておるわけです。ですから、この総合開発の場合においても、やはり北海道開発庁長官としてはこの協議に当然参加して、国全体の計画策定の中にも、それぞれの計画というものをいかにして調整して全体計画をきめるかということになっておるわけです。計画を立てる場合においてもこういうことになっておるわけです。ですから、このことを一つ取り上げてみた場合においても、今度の治山治水長期計画を立てる場合においては、当然これは経済企画庁長官協議することも必要でありますが、北海道開発庁というのは、御承知通り北海道総合開発法という法律に基づいて開発庁ができて、現在あなたが長官の地位にあって、そうして北海道地域における総合計画策定を行なって、これを推進しておるわけです。ですから、今回の法案を作る場合においても、これは建設大臣立場だけではなくて、北海道総合開発担当者であるところの開発庁長官立場からも、この計画調整とかあるいは協議というものに対しては当然参加するというような形というものが法律の中で整っていなければならぬと思うわけです。そういう点について、あなたは何ら明確な態度というものを示されていないのですね。ですから、この際責任のある答弁を願いたい。
  26. 村上勇

    村上国務大臣 ただいま御指摘のありましたように、内閣総理大臣北海道開発庁長官または首都圏整備委員会国土総合開発審議会意見を聞いて行なうということでありますから、その内閣総理大臣国土開発の代行をしておる経済企画庁長官は、必ず北海道開発庁長官相談してすべてを審議して策定するのであります。そういうような意味で、この治山治水閣僚懇談会にも、北海道開発庁長官も、建設大臣も、農林大臣も、このメンバーになって治山治水についての計画をやっておりますし、そうして最終的には閣議決定で、その閣議にはもちろん北海道開発庁長官は出席してその意見を述べることができておりますし、そういう点は一々この法律に書かなくとも何ら心配はないものと私は思っております。しかし、地域的な地方開発を一々取り上げてここに条文に入れなければならないとすれば、北海道開発庁だけでなく、首都圏整備委員長、あるいはまたその他あると思います。建設省だけでなく、いろいろのものがあると思います。そうすると、そういうものもみなその中に入れなければならないのですが、実際に入っているのですから、ここでこの法案に示さなくとも十分用事は足りると私どもは思っております。また特に道路の五カ年計画等においても大体同じような方向でありますので、この案文で御了承いただけるものだろう、私はかように思って提案いたしておる次第であります。
  27. 芳賀貢

    芳賀委員 ただいま、たとえば経済閣僚懇談会北海道開発庁長官も出ると言われたが、経済閣僚懇談会というものは何ら根拠がないのです。どこに根拠があるかというと、あなたは何も答弁ができないと思うのです。しかも、建設大臣として必要がないと認めるというなら、これはまた話は別でしょう。しかし、北海道開発庁長官村上さんの立場において、この法案に対して開登庁は何ら協議にも参加する必要はないのだということでは済まないと私は思うのです。国土総合開発法においてさえも、総合開発計画を立てる場合には、必ず北海道開発庁長官とか、首都圏整備委員長とか、それらの行政の長と十分相談して調整しなければならないということになっておる。一例をとらえてみても、今度の長期計画には国全体の治山治水の、しかも十カ年計画をやはり具体的に立てるわけですから、その場合には、開発庁長官とか首都圏委員長というものは当然経済企画庁長官と同じように協議には加わるべきであるということを、開発庁長官立場から見た場合にはこれは主張すべきであったと思いますが、あなたはこの法案策定に当たって、その必要性はあるという発言というものは何ら行なわれていないわけですね。
  28. 村上勇

    村上国務大臣 そういう点については私も十分相談をして、そうしてそういう必要はないという結論になったので、こういう案文を提案いたしておる次第であります。
  29. 芳賀貢

    芳賀委員 開発庁長官として必要ないということをあなたは今言明されたので、その経緯というものはわかったわけです。  そこで、さらにお尋ねしたい点は、北海道開発法に基づいた場合、北海道開発法の示している北海道地域における総合開発計画策定というものは一体どういうことをしなければならぬとかいうことをあなたは考えているのですか。
  30. 村上勇

    村上国務大臣 北海道開発につきましては、「国は、国民経済の復興及び人口問題の解決に寄与するため、北海道総合開発計画を樹立し、これに基く事業昭和二十六年度から当該事業に関する法律規定に従い、実施するものとする。」こういうことであります。
  31. 芳賀貢

    芳賀委員 それでは、北海道開発庁所掌事務範囲権限というものは、主としてどういうところにあるのですか。
  32. 村上勇

    村上国務大臣 事務的な問題は事務当局にお答えさせます。
  33. 木村三男

    木村(三)政府委員 北海道開発庁所掌事務につきましては、北海道開発法に定められておりまして、それに従って進んでいくわけでありますが、その所掌事務範囲等につきましては、法律改正がない限り、従前通りやるということでありまして、今回の緊急措置法を見ましても、北海道開発庁権限につきましては何らプラスもしておりませんし、マイナスもしておりませんので、従前通り計画を樹立いたします。なお大事なことは、予算をやはり従前通り北海道開発庁から要求する。特別会計ができましても、そのもとになる事業費の繰入額というものは、詳細にわたって北海道開発庁の方で積算いたしまして、大蔵省に折衝して予算を獲得するということになっておりますので、実質面におきましては、むしろ私どもの方が予算をとらなければ事業ができないのでありますから、まず私どもの方の予算折衝というものが先行いたしまして、それから北海道の分につきましては、各省の全体計画の中にその分が入って特別会計の仕事ができるという仕組みになっておりますので、その面から見ましても、従来の権限関係には何らマイナスはないと考えております。
  34. 芳賀貢

    芳賀委員 結局、北海道開発庁権限というものは、北海道地域における総合計画を調査、立案するわけですね。それを推進しなければならない。この中には当然北海道地域における治山治水関係計画立案というものも、その一環をなしておる。ですから、今度の国土治山治水計画を立てる場合においても、全体計画のうちの北海道分というものは北海道開発庁が、この所掌事務範囲権限に基づいて計画立案するということになるのか。そういう関係というものは非常に大事だと思うんです。これをさらに引き伸ばしていけば、最近の傾向として、たとえば道路整備の五カ年計画等についても、すべて中央において建設大臣権限において全体計画が立てられておるわけです。そうなれば、これは引き伸ばしていけば、現在あるところの北海道開発庁の機能というものは、この時点において存在価値を持っておるかおらぬかという根本論にまで立ち入ると私は思うのです。そのことを今ここで論議しようとは思いませんが、そういう関連があるということを、開発庁長官村上さんとしても頭の中に入れてお答えを願いたいと思います。ですから、全体の国の計画策定する場合、北海道開発庁としての、現存するこの役所の権限というものは、どの程度立案に参加して機能を発揮することになるのか、その点に対する御答弁大臣からお願いしたいと思います。
  35. 村上勇

    村上国務大臣 北海道にはすでに北海道開発計画が樹立されております。従いまして、北海道開発庁としてはその北海道開発計画というものを、たとえばこの治山治水の基本法ができましても、その計画に基づいてそれぞれの関係方面と交渉してあくまでも実施していくという態度は、この法案ができても、あるいはこの法案があるなしによらず、何ら変わるものではありません。
  36. 芳賀貢

    芳賀委員 ただ、それは事実上法律の上に根拠を持っておらぬという点です。  もう一つ大事な点は、北海道開発庁は予算の要求権を持っておるわけですね。実施官庁ではないわけです。ですから、この予算要求権に基づいて開発庁予算の要求をやる場合においては、当然この法律関係のある治山治水関係の予算というものは、これはやはり計画に基づいて要求するわけですね。そうなると、予算の要求権と今度の長期計画関係というものは、一応北海道については分離して計画を出し、予算を別個に要求しなければならぬということに当然なるわけです。そういう点はどのようにお考えですか。特に特別会計法との関係も出てくるわけですね。
  37. 村上勇

    村上国務大臣 北海道治山治水関係につきましては、ただいま申しましたように従来と何ら変わりのない予算要求をできるはずでありますし、治水計画北海道開発計画よりも非常に下回っておるような場合には、あくまでも北海道開発計画に基づいたものを要求して、その予算を獲得するように努力いたします。
  38. 芳賀貢

    芳賀委員 ですから、その場合、今度は長期計画に基づいて特別会計が予算の要求をするわけですね。その場合、北海道開発庁の予算要求権と、現在提案になっている治水特別会計法に基づく特別会計としての立場から全体の治水に対する予算の要求がなされるわけです。ですから、今までと違うわけです。一体、財政法上の建前からいって、たとえば治水なら治水事業に対する予算要求というものが、そういうような二元的な形で行なわれるべきものであるかどうかということについて、どうお考えになりますか。
  39. 村上勇

    村上国務大臣 北海道治水事業費も一応これを特別会計に入れて実施して参るのでありまして、私は何ら不備はないものと思っております。
  40. 芳賀貢

    芳賀委員 それでは、特別会計法が成立して実施に入れば、明年度からは特別会計として、全国の治水関係の予算はこの計画に基づいた分の要求をするわけですね。そして、北海道開発庁としてはこの分の要求権はないということになるのですか。これは法制上から大事な点でありますから、責任ある御答弁を願いたい。
  41. 村上勇

    村上国務大臣 これは既定方針通り北海道開発庁計画している治山治水関係が、今回策定される五カ年計画と全く相一致しておれば、それでそのまま遂行して差しつかえないのですが、もしも治山治水計画の方が北海道のすでにきまっている計画よりも下回っておる場合には、どこまでもこれに合わしていくように私どもが努力して十分その所期の成果をあげるように努力いたします。
  42. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 芳賀君、ちょうどきょうは定刻一時から全日空の問題で緊急質問があったり、自治庁設置法に対する質問があったり、重要な本会議が開かれますので、従ってもう三十分しかありませんから、大体のところで打ち切っていただきたいのです。
  43. 芳賀貢

    芳賀委員 では、もう一、二点でやめておきます。  次にお尋ねしたい点は、今日までの開発庁の機構というものは、いろいろな角度から批判されてきたのです。たとえば開発庁計画を立てて予算の要求をして、予算の獲得を当然やるわけでありますが、その場合においても、事業の実施については開発庁が直接実施機関というものを持っておらぬということは、村上さんも御承知通りです。一たん開発庁が予算をとって、それを今度は移しかえをやって、農林省関係、あるいは建設省関係であるとか、運輸省関係、全部各省に予算の移しかえをやって、そして事業の実施はその建設、農林、運輸省、それぞれの所管の公共事業を今度は北海道開発局に流して、そこで事業を行なっておる。ですから、事業実施上の責任というものは何ら北海道開発庁にはなくて、その移しかえをされた各省にあるという実態なんです。それが最近における各特別会計の制度ができまして、すべて公共事業というものは、その特別会計の制度というものを裏づけにして、そうして独自の会計と独自の計画を持ってこれを全国的に統一して進めていくというシステムになっております。ですから、そういうことになると、この北海道地域における行政庁としての、しかも企画庁としての北海道開発庁の存在、あるいは時に開発庁北海道地域全体の開発促進のための総合計画を立てるという特質というものは、これによってほとんど減殺されてくるわけです。ですから、そういう点に思いをいたした場合には、かつて北海道開発法というものができて、開発庁が設置された。その次元と今日の次元というものを比較して考えた場合において、これは根本的に検討すべき事項でないかとわれわれは考えておるのです。  ですから、このような重要な関係のある法案をお出しになる場合においては、これは当然北海道開発庁側としては特に法律に示された北海道開発審議会意見等も十分聞いて、その意見というものを尊重して、この法案に対してはどういう態度で北海道開発庁として臨むかという、そういう手続は当然とられたと思うわけでありますが、この二点に対する明確な御答弁を願いたいと思います。
  44. 村上勇

    村上国務大臣 北海道開発庁の予算が各省に一応またがっておる、そのために北海道開発は何か実情に沿わないような気がするということにつきましては、なるほど予算は建設あるいは農林等に一応は入っておりますけれども、しかしその実施にあたっては北海道開発局はすべて責任を持ってその事業の執行をいたしておりますので、この点については、資金の出るところはどういうふうになっておろうとも、これは従来からの一つのあれできめられておることでありますから、事業の実施については何も差しつかえない、私はかように思っております。  それから、この法案の提出にあたりましては、十分各方面と連絡をとり、そうして各方面の意見も求めて、私どもはかような法案を提案いたしておる次第でありますから、この点については御了承をいただけると思います。
  45. 芳賀貢

    芳賀委員 北海道開発審議会意見をお聞きになったのですか。
  46. 村上勇

    村上国務大臣 この問題で北海道開発審議会意見は正式には聞いておりません。
  47. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 本案に対する質疑はこれにて終局することに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  48. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 異議なしと認め、さように決します。     —————————————
  49. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 この際、山中日露史君より本案に対する修正案が提出されております。     —————————————
  50. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 提案の趣旨説明を求めます。山中日露史君。
  51. 山中日露史

    山中(日)委員 ただいま議題となっております治山治水緊急措置法案に対しまして、修正案を提案いたしたいと思います。  修正の部分を申し上げます。   治山治水緊急措置法案の一部を次のように修正する。   第三条第四項中「経済企画庁長官」の下に「及び北海道開発庁長官」を加える。  以上であります。  簡単に提案の理由を申し上げたいと思います。  この修正案の提案をいたします理由につきましては、ただいままでの質疑応答の中で大体御了承を得ておると思うのでありますが、申し上げるまでもなく、戦後国土の荒廃、産業の開発というものにつきまして、いわゆる後進地域といわれております北海道開発というものが日本の将来、産業開発の上に非常に重大であるということがいわれまして、北海道開発ということに重点政策が行なわれて参ったことは御承知通りであります。従って、北海道開発法という特別の法律もでき、北海道開発局その他の企画官庁も設けられ、しかも北海道の後進地域開発と同時に、これが全日本の産業の開発に貢献するところがきわめて多いというところから、五カ年計画というものを樹立して今日に至っておるわけであります。治山治水関係はあえて北海道だけではございません。内地におきましても治山治水の問題はきわめて重大でありますが、特に北海道の未開発地域における治山治水というようなものは北海道開発の基本であります。きわめて重要であることは申すまでもありません。従いまして、この北海道開発の基本になります治山治水のいろいろな計画につきましては、先ほど申し上げましたように、北海道開発庁において長期計画を立てて、すでに今日閣議決定を見て、行ないつつあるわけであります。  ところで、今回出されました法案は、私はその趣旨においてはきわめて賛成であります。長期計画というものが樹立されることは当然でありますけれども、今申し上げましたように、北海道のそういった特殊的な立場から独立法律独立官庁が設けられて、しかもこの治山治水を基盤とするいろいろな計画が立てられておる。このように国が長期計画を立てる場合においては、当然北海道総合開発との間にいろいろな折衝面が出てくるわけであります。こういうときに、ただいままでの御説明によりますと、基本的には北海道開発庁長官も関与いたしましていろいろ相談をするということはよくわかるのでありますけれども、しかし私どもは、やはりこういった独立法制のもとに独立官庁が設けられ、しかもその総合的な計画閣議決定を経て行なわれておるという場合に、この計画と国の立てる長期計画の間にいろいろな折衝面が出てくる場合においては、法制北海道開発庁長官協議をするということが当然なければならぬものだと考えておるのであります。従いまして、私どもはこの際、これは必ずしも北海道開発庁長官だけでなしに、首都圏の問題もありまするけれども、とりあえず私ども北海道総合開発のこの特殊性と、それから地域的な面における内地との異なった面等からいたしまして、やはり北海道開発庁長官法制的に、企画庁長官調整に当たるという調整役ではなしに、建設大臣あるいは農林大臣計画を樹立するに際して法制上当然協議しなければならないという一つの規制を明らかにしておく必要がある、こういうふうに考えて、この修正案を提案いたしておる次第であります。どうぞ、各位の御賛成を願いたいと思います。
  52. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 ただいまの山中日露史君提出の修正案に対し御質疑がありませんか。     —————————————
  53. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 別に御質疑がなければこれにて山中日露史君の修正案を討論に付します。  討論の通告がありますからこれを許します。  二階堂進君。
  54. 二階堂進

    ○二階堂委員 ただいま山中君から第三条の第四項について修正案の動議が提出されましたが、私は自由民主党を代表いたしまして、この修正案に反対をいたします。  理由は、この問題については本案に関する審議の過程においても政府答弁によって明らかにされましたように、実際の北海道開発計画については、建設大臣北海道長官を兼任されておるという立場において十分協議し、遺憾なきを期したいことが明らかにされておりますので、私はこれで十分だと考えるのであります。  以上の理由によって本修正案の動議に反対をいたします。
  55. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 山中吾郎君。
  56. 山中吾郎

    山中(吾)委員 私はただいま提案をされました修正案に、日本社会党並びに民主社会党を代表いたしまして、賛成討論をいたします。  賛成申し上げる理由は三つございます。形式上において私はこの法案独立官庁である北海道開発庁を無視をしておるということ、この点については、いやしくも北海道総合開発計画計画庁として、独立官庁として認めた国家の組織法に基づいたこの独立官庁に、計画立案の過程において何らの関係を持たせないという法案の体制は、私は形式上からいっても異議がある、違法であるとさえ言えると思うのであります。ことにまた、この法案を見ますと、立案をいたしましたあとにおいて通知をするものは、各都道府県知事といたしておりますが、その通知の対象さえも独立官庁である北海道開発庁にあてていない。立案の過程においても、そうして立案した結果の通知の対象にも入っていない。そういうことでは私は形式上非常に欠陥があると思うのであります。これが第一の理由。  第二の理由。手続上におきまして、現在、ただいま芳賀委員大臣との質疑応答の過程においても、この法案を作成する前に北海道開発庁長官及びその審議会に何らの諮問も、それから意見も聞いていないということが明らかになりました。この法案の設定の中にも私は手続上非常に欠陥があると思うので、その点からいっても反対をいたします。  第三に、実質的に考えますと、同じく独立官庁として首都圏整備委員会がございますけれども、いやしくも国土開発の最初の立法の趣旨は、未開発地域開発ということに重点が置かれてきておるのでありまして、北海道開発庁が設置されました事由は、やはり北方辺境の地である北海道開発という特殊の使命を負荷して、北海道開発庁ができたはずでありますので、そこに北海道開発庁をこの計画に参画せしめるという実態的理由があると思うのであります。  この意味において、ただいま提案になりました修正案に私は賛成するものでございます。
  57. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 討論はこれにて終局いたしました。     —————————————
  58. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 それでは、山中日露史君提出の修正案につきまして採決いたします。  山中日露史君提出の修正案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  59. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 起立少数。よって本修正案は否決されました。     —————————————
  60. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 次に、原案については別に討論の通告もありませんので、直ちに採決いたします。  治山治水緊急措置法案に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  61. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。     —————————————
  62. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 この際、木村守江君より本案に附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  趣旨弁明を許します。木村守江君。
  63. 木村守江

    木村(守)委員 ただいま可決されました治山治水緊急措置法案に対する附帯決議をいたしたいと思います。  まず、決議文を朗読いたします。    治山治水緊急措置法案に対する附帯決議  本法の施行にあたり、政府は左の点に留意し、所期の目的達成に遺憾なきを期すべきである。  一、各年度の予算につき、充全の措置を講じ、確実な実行を期すること。  二、治水計画においては利水の関係を考慮し、総合的計画の樹立につとむること。  三、海岸保全の計画を速かに画定して、国土保全の万全を期するとともに、実施に当りては、農林、建設、運輸等各省間の調整を積極的に図ること。  四、北海道開発計画については、その特殊性に鑑み、北海道開発庁長官との連絡に遺憾なきを期すること。  右決議する。  簡単に趣旨説明を申し上げますと、累年襲来する台風に際しまして、わが国の受ける災害はまことに重大なるものがあるのであります。特に昨年度におきましては、伊勢湾台風等のように、五千名にあまるところの貴重なる人命に死傷者を出したというようなことは、放置すべからざる問題でありまして、こういうような忌まわしい問題を解決いたしまして、国土の保全をはかり、民生の安定をはかることが政治の要諦であると考えまして、この法案が提出されるに至りましたことは、まことに国民とともに御同慶にたえない次第であります。  しかしながら、この法案の実施にあたりましては幾多心配せざるを得ない点がありますので、蛇足ではありまするが、かくのごとき附帯決議を提出するに至った次第であります。特に御承知のように、今回の治水計画につきましては水の利用という最も重大なる問題が閑却されてあるようでありますので、この点の注意を喚起するとともに、海岸保全は周辺に海を持つところのわが国におきましては、きわめて重大なる問題であると考えますので、この海岸保全につきましては根本的な計画を樹立されまして、もって国土の保全をはかることが最も大事なことと考える次第であります。  また、各年度の予算につきましては、道路整備五カ年計画等のようにガソリン税のような特定財源がないという点から、きわめて危ぶまれる点がありまするが、この財源措置につきましては、政府責任を持って十全の措置を講ぜられるよう、そうして確実な実行をはからるるように要望する次第であります。  また、北海道の問題につきましては、ただいま論議の過程に示されたような状態でありまして、北海道開発庁長官との連絡につきましては、緊密を要せられるよう要望する次第であります。  以上、説明を申し上げます。     —————————————
  64. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 採決いたします。  木村守江君提出の動議に賛成の諸君の御起立を願います。     〔賛成者起立〕
  65. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 起立総員。よって本案は木村守江君提出の動議の通り附帯決議を付すことに決しました。  なお、ただいまの議決に伴う報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  66. 羽田武嗣郎

    羽田委員長 御異議ないものと認め、さよう決します。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後零時五十一分散会