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宮崎(仁)説明員 ただいま各省にわたる利水、
治水の
事業のお話があったわけでございますが、もちろんこういう
事業につきましては、現在の資金
措置の体制といたしましては、
治山治水、農業水利あるいは工業用水道というように、公共
事業の予算として実施いたしますものもございまするし、それから発電とか上水道のように
財政投融資
計画として実施いたすものもございます。こういう
事業が全体の
計画として総合的に行なわれ、そうしてその効果が十分に発揮されるということでなければならないことは申すまでもないわけでございまして、
大蔵省といたしましては、こういう
事業を、各省にわたるものにつきまして、予算の面については公共
事業という
一つの重要な経費としてまとめておりまして、この担当を私がやっておるわけでございます。従いまして、ただいま御指摘のいろいろの問題につきましても、私
どもとしては、従来からできる限りの努力を払ってきておるということでございます。
ただ、御指摘の問題をさらに分析して参りますると、大体形態としては二つになるかと思います。
一つは、多
目的ダム
事業のように、
一つの
事業計画として各省にわたる
事業が行なわれておるというような場合であります。この場合につきましては、ただいま
河川局長あるいはその他の方から御説明がございましたが、すでに基本
計画を作るということが
法律上もはっきりいたしおりまして、しかも、この基本
計画を作るに当たりましては、
建設省で原案をお作りになるわけでありまするが、その
内容の問題につきましては
経済企画庁を中心に各省間で十分議論をするという方式をとっております。従いまして、予算の問題としてこれを扱います場合にも、すでに
計画の段階で十分調整のとれたものが出て参るわけでありますから、毎年度の予算としてこれに
措置をして参るという場合にも、そういった点を十分考慮してやることができておる、こういうふうに
考えております。ただ、問題としましては、この多
目的ダム法制定以前の
計画等もございまして、そういうものも現在まだ行なわれておりまするが、そういう場合に、いろいろ
計画面で調整が十分でないという例もないわけではございません。こういうものに対しましては、現在予算の
措置としまして、
経済企画庁に国土総合開発調整費というものが計上されてございまして、毎年度の実施
計画上のそういった調整につきましては、企画庁の予算でもって
措置して参る、こういう
措置がとられております。
それから、もう
一つの問題といたしましては、こういった多
目的ダムのように
一つの
事業計画としてできておるものではございませんが、水系あるいは流域としまして各種の利水
事業が行なわれるという場合であります。今、利根川の例が出ておりますが、利根川でありますれば、
治水の
事業、
治山の
事業はもちろん、これに関連しました農業水利、工業用水道、上水道という問題がすべて問題になってくるわけでありまして、こういうものにつきましては、現在の体制としては、それぞれ国土総合開発法による特定地域開発
計画というものが閣議決定でできております。利根川につきましても、この
計画が三年ほど前にできておるわけでございますので、そういうものに基づいて各種の
事業が行なわれて参るわけでありまするから、基本的には予算の面で一々それをひっくり返して議論するというほどの問題にしなくてもよいわけでありますが、今御指摘の利根川などで申しますると、利水面につきましては、総合開発
計画を策定いたします際にいろいろ議論がございまして、今後の検討事項として残っておるものもございます。特に問題になりますのは、各種の
事業の
規模というものを
計画上どういうふうに
考えていくかというような点について、非常に議論があるわけであります。今回
治山治水長期
計画というものが閣議決定によってきまるわけでありまするから、これに関連してきまるようないろいろな
計画というものも、従って相当
程度これは固まってくる、こういうふうに私
ども考えております。従いまして、そういった水系別あるいは流域別の利水の
計画というものは、今回の
治山治水計画の策定によりまして格段の改善になるのではないか、こういうように
考えております。予算的に見ましても、そういったものが
計画として確定して参りますれば、それに従って
予算措置を行なっていくということでありますので、これは私
どもとしても非常に好ましい方向に行くのじゃないか、こういうふうに
考えているわけであります。