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徳安委員 下の方の声を上に持ってきて、
政務次官や大臣に、下はこう言いますがいかがですかと言うのではないのです。私
どもの聞いておるところは、むしろ大臣や
政務次官の親心があっても、下の方はこれを知らずに、何でもかんでも財布を締めることばかり
考える。無用な摩擦を
考える。
——考えられるわけではないでしょうが、そういう締め方をされる。けちをつけるとか、あるいはいやな顔をするとか、一ぺんごきげんを損じたら最後、なかなかそのごきげんが直らない。そのときはようやくそのとりなしをしても、次にかたきをとられるというようなことを、これはひとり一役所ばかりではない、各役所の諸君に聞きましても、また地方の役所に聞きましても、みんなそう言うのです。私
どもは、そんなわからぬことを
大蔵省が言うはずはないから、私
どもが出張っていって
一つ話してやる。もし聞かなければ
政務次官にも話しましょうと言うと、それはやめてくれ。そのことはそれで済むかもしれぬけれ
ども、話はあなたの言う
通りになるかもしれぬが、
あとのことでかたきをとられては困るから、どうかこれはやめてくれと言って、その役所でも、あるいは地方官庁でも、そういうことを言う場合が多いのであります。私は、こういうことは
大蔵省としてあまりいい行き方でないと思いますから、甘くてはいけないけれ
ども、やはり喜ばれる役所になることが私は必要だと思うのであります。そうして、ほんとうに善政をたたえられるような役所になっていただくことが妥当なんで、こういう点につきましては、やはり大臣、
政務次官がにらみをきかしていただいて、そうしてほんとうの民意のあるところをくんで
——だらしのないことではいけない。締めるべきは締めなければいけないけれ
ども、いたずらに、先ほど申したように主客転倒で、むしろ農林省や
建設省の役人は遠慮して、
大蔵省の役人の方が采配を振るというような
考え方が、かりに少しでもあるとすれば、いいことでないと思いますから、
一つ特に改めていただきたいと思う次第であります。
それから、いよいよ
災害復旧がどんどん進むわけでありますが、この工事の施行にあたりましても、やはり
大蔵省が進んで協力するという態度でありませんと、これは各省の役人が非常に労力を浪費するばかりではなしに、仕事の進行がおくれるわけであります。こういうことは少し目を通していただけばわかると思いますが、各官庁、政府内の役所におきましても、困っている場合が相当あると思います。今の組織なり、やり方がいいか悪いかということにつきましては、今後
一つ研究して、改むべきは改めなければならぬと思いますが、しかし、即座にそういうことができるわけでもございませんので、
災害復旧につきましては、一日も早く復旧せねばならないし、大蔵大臣も被害たんぼのごときは、いつまでには必ず直させるというような話をしばしば
お話しになっておるし、それに対するやはり河川、
道路等の
関係もございますから、すべてをあげて復旧改良に対しては協力的な態度で、むしろ
大蔵省は、しりをたたいて下さるというような
立場になっていただきたい。従って、そういう工合に
政務次官から
一つぜひ督励をしていただきたいと思うのであります。
ここに見えておる宮崎さんみたいなりっぱな
主計官がおりますと、どこの役所でも非常に喜んでいるようですし、地方でも、私
どもは親しみ深く
お話ができますが、たくさんの中には必ずしもそうでない人もおるようです。ずいぶん私も批判を受けますが、もちろんこれは批判する方が悪いかもしれませんけれ
ども、もう少し、
大蔵省の役人だからといって特別な優越感を持って臨むというような形でなしに
——それは確かにりっぱな頭の持ち主ばかりだと思いますけれ
ども、やはりお互いに役人同士でありますから、もう少し謙虚な気持で、親しみを持って、そうしてみんなとつき合ってやる。そうして、言うことは十分聞いてやって、悪いことは改める、いいことはとってやるというような工合に、親しみのある
政治、潤いのある
政治というものを
大蔵省の役人に望んでいきたい。ほかの役所はだいぶこのごろ民主化されたようでありますけれ
ども、やはり
大蔵省には優秀な諸君が陣取っておって、われこそ天下の役人だ、天下の秀才は
大蔵省に集まっているのだというような御気分も強いようですし、なかなか頭のいい人もずいぶんいるようでありますが、しかし、そういったようにあまり気位を高くしますと、ほかの方が気おくれしてしまって、いいことができない。仕事が結局おくれてしまうということになりますから、幸い大臣もりっぱな方だし、
政務次官もりっぱですから、ぜひ
一つそういうことがないように御協力をいただきたいものだと思うのであります。これは希望しておきます。
次に、
道路五カ年
計画のことについて、先ほどちょっと
政務次官から
お話がございましたから、私からちょっと伺いたいと思います。
道路は
自動車用の
道路じゃない。国の
道路であり、府県の
道路であり、町村の
道路であります。それをあげて
ガソリン税に依存するというようなことは、私
どもはどう
考えても、これは与党の私でもふに落ちないのです。ですから、しばしばこの点について論議をいたしておるのでありますが、しかし、何しろ
道路を一番こわすのは
自動車ですから、
自動車会社から、あるいは
自動車経営者からできるだけ税金を取り立てて直すというのは、これは私はあたりまえだと思います。私はかつて運輸
関係に強い
関係もございましたので、その方も十分理解をしておるつもりですが、運輸省
関係の諸君からすると、非常にこれは非難しておりますけれ
ども、実際
道路行政というものに携わってみますと、私はもっと値上げしてもいいのだというくらいに
考えるのです。そうして早く
道路を直してやって、
自動車の耐久年数あたりもずっと年数をふやしてやるというような行き方にしますれば、結論においては
自動車を持っておる者ももうかるのだ。また、国もそうすることがいいのだと思います。私は
ガソリン税を値上げすることについては、率先賛成しておるのであります。しかし、その反面において、一体国が
国道であるものを一文も金を出さずにおいて、そうして
ガソリン税だけでやっていくというような
考え方というものは、間違っておりはせぬか。また
自動車経営しておる諸君も、しばしば、私
どもにも陳情され、また会等もありますが、決して出さぬとは言わぬのです。出します。しかし国も応分出すべきである。私
どもの犠牲だけでやるということはおかしいじゃないか。私
どもも出すから国も出しなさい、こういうことをしばしば叫んでおられる。私
どももかつて、この前の値上げのときにも、国も出すからあなた方も応ずべきだということで、説得して、この諸君も快く応じたのでありますが、今回また値上げをやっておる。しかるに、国の
一般会計からはなるべく出さぬように出さぬようにというような
考え方で、出さぬというよりは、むしろないから出さぬのかもしれぬけれ
ども、今のような
考え方は、与野党を問わず、どうも今
ガソリン税だけに依存するという
考え方は、国民全部が納得しないのじゃないか。もう少し
一般会計から入れるべきだ。しかも、本
年度予算のごときにおきましても、やむなく私
どもはこれに同意し、賛成しておりますけれ
ども、相当金額を違った方に持っていっておる。それは目的は同じでありましても、違った方に持っていくなんというようなやり方については、どうしても私は納得ができない。ただ、やむなく賛成はいたしました。今日も賛成はしておりますが、何かこういう点につきまして
大蔵政務次官が御研究いただきまして、だれもが納得するような
道路行政を
一つ考えていただきたい。特に先ほど
お話もございました五カ年
計画も、そうむやみに改定すべきではないと思います。ないと思いますけれ
ども、
ガソリン税等が相当増収になり、しかも
道路改良というものが非常に国民的な世論になっております今日においては、もう一ぺん
考え直して、五カ年
計画を
——かつて私が
政務次官のときにも、八千億円でありましたものを一兆億円に、二千億円上げました。ですから、必ずしもこれは法律であるから、あるいは閣議で決定した国策の基本であるからといっても、時の流れによりましてはこれを改変しても決して差しつかえないと思うのであります。もうすでにこの問題は、おそらく与野党を問わず、国民全部が適当な機会に、もう一ぺん
考え直すべきではないかという機運に私はきておるように思うのであります。そういうときに、
大蔵省は相変わらず金を出すことを惜しんで、そうして、あくまでもこの
ワクのみに拘束されてがんばられるというようなことになりますと、これはやっぱり
大蔵省を捨てていくというような形になって、また、やらぬやらぬといっておったものを、結局最後にはやらざるを得ない結果になる。決して善政じゃないと思います。
大蔵省のためにならないと思います。さっきインフレ、インフレとおっしゃいましたけれ
ども、百億や二百億かりに特別な
措置が講ぜられたといっても、
日本がつぶれるほどインフレになるというようなことは、これはどこから出る声か知りませんけれ
ども、私
どもには
考えられないのであります。これはほんとうに国の強い要請であり、国民一般が望むところである。しかも、これによってどのくらい国が助かるか、こうした
経済効果等をお
考え下さるならば、ただ財布の中にある金だけでまかなう以外には、一文も多く出してインフレになるのはいけないのだというような型の古い
考えではなしに、やはり五カ年間に倍増するというような、一時から
考えるととっぴな
考え方も、今日では正当化されて、みんなから信じられておるような時代でありますから、こうしたような問題については、もう少し視野を広くされて、そうして、ただ
税収入というものにだけこだわらないで、もっと
日本をどうするかというような問題からお
考え置きをいただきたいと思いますが、
政務次官の率置な御意見を伺いたい。
大蔵省の役人に押されずに、
政務次官や大臣が押し返して、こうするんだ、この方向に進んでこいという工合にやっていただけば、われわれも一生懸命になって
あとをついて行きます。
大蔵省の役人の
方々に押されて、代弁みたいなことを聞くと、私
どもも、ちょっとむかむかっとすることもありますから、
一つの大きな方針をきめて、その方針に従って、大臣と
政務次官で
大蔵省の
方々をその方に向けて強力に進んでいっていただくというようなお気持を伺いたいと思うのであります。