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二階堂委員 建設業法に関連いたしまして私はただ一点だけちょっと
大臣、
局長にお尋ねをいたしておきたいと思います。
先般の
委員会においても、
同僚の
委員から
建設業の健全な
育成強化の
対策等について
質疑をされたそうでありますし、私も前々回の
委員会におきまして二、三この問題についても
局長、
官房長にお伺いをいたしたのでございますが、御
承知の
通り建設事業の飛躍的な増大が前年以来引き続き今年以降において行なわれるわけであります。しかも、これらの
公共投資が直接、間接に
国民経済の
発展、
国民生活の
安定向上に寄与する
割合というものは非常に莫大なものがあろうかと私は
考えます。国、
地方、あるいは小さな
自治体等が直接、間接行なう
公共事業の
事業量の総額というものは、おそらく一兆何千億にも及ぶのではないかと思われるわけであります。このような大きな
事業が国や
地方を通じて行なわれるわけでございますが、国が直接
直営として
河川、
道路その他をやる
事業、それから国や
地方が
請負に出して行なう
事業というものが、最近非常に開きが大きくなってきている。この
建設関係の
事業費を調べてみましても、
直営と
請負の比率というものは、
昭和二十八年度におきましては
直営が六一%、
請負が三九%、
昭和二十九年度におきましては、同じく比例が五九%と四一%、三十年度が六一%と三九%、三十一年度が五九%に対し四一%、三十二年度が五五%に対して四五%、こういうふうになっておりますが、
昭和三十三年度以降におきましては
直営が四〇に対して
請負が六〇%、なおまた三十四年度におきましては、実際の締めくくりはまだできていないと私は思いますが、大体の
推定は、
直営が三五%に対して
請負が六五%、こういうふうな
傾向になっておるように出ておるわけであります。私はこの
直営でやる
仕事についても、先般、
能率の
向上の問題、あるいは
仕事をする
機械等の
稼働率の
問題等とも関連いたしましていろいろ
意見を申し述べておいたのでございますが、このように
直営でやる
仕事と
請負に出される
仕事というものに非常に大きな差が開きつつあるわけであります。
そこで問題は、このような莫大な
公共投資を国、
地方を通じて国のためにやるわけでありますが、この
仕事が
国家目的のために
能率的、効果的に行なわれるということは、きわめて私は大事なことだと思っております。もとより
直営でやられる
部面におきましても、先ほど申し上げましたような、
仕事の
能率化あるいは
機械等による
効率化等も、ぜひ
一つ考えていただきたいと思うし、その他
工事を
施行する上におきましての
管理行政、あるいは
機械等の
管理行政の
一元化等、いろいろと私は真剣になって検討しなければならない
部面もあろうかと思いますが、問題は、
請負に出される
仕事の分量が非常に大きくなってきておる。しかも、
工事の量が大きくなって参っておりまする今日、一
工事の
工事区間、
事業の
区間が、
仕事を
能率的に効果的にやれる上からも、非常に大きな
工事量が発注されるという
傾向は、これはやむを得ないと思っております。従って、これらの
仕事をする者も、
傾向としては、大きな
企業が大部分請け負わなければならぬという形に私はなってきているのではないかと思う。これは、ある一面からいうとやむを得ないかと思います。大きな
業者は
機械を持っている。資金も、ある
程度十分な裏づけを持っておる。しかも国、
地方を通じて莫大な
公共事業を
年度内において消化をしなくちゃならぬというような面からも、私はこれはやはりそういうふうな指導をやられることも当然かと思っておりまするが、しかしながら、この
業者の実態は、私は
土建業でもありませんから
十分承知をいたしておりませんけれ
ども、いわゆる
中小の
建設業者というものが、おそらく全体の八割以上を占めるのじゃないか、かように
推定をいたしておるわけであります。そういたしますと、一般の
仕事をする
管理の上からいうと、
仕事が早く、効果的に
能率的に
年度内に完成するという上からいうと、大きな
業者中心になる。ところが、この八割、八〇%以上にも及ぶ
中小業者の受け持つ
仕事の
割合というものがだんだん少なくなってきておる。これは大
へんな例を引いて恐縮でございますが、私の鹿児島県あたりも、何千という小さな
業者がおる。一千万とかあるいは四、五千万の
仕事をやれる
業者というものは、ほとんど数社にすぎない。
あとは五十万とか百万とか、あるいは二、三百万とか五、六百万以下の
仕事をやれる
業者である。最近二、三年
災害がない。従って、その小さな
業者がもらう
仕事というものは、非常に減ってきておる。そういうようなことで、外から見ておりましても、こうした小さな
業者の間においても、私はある
程度これは自主的に
対策を講じ、またみずから自粛していかなければならぬ面もあろうかと思いますが、しかしながら、それかといって、そのままにほっておいて、やはりこの
中小の
業者というものの健全な
育成というものがおろそかにされていくようなことでは、決して私は望ましいことじゃないと思っております。
そこで、こういうような
公共事業がふえていく一面において
業者自体の間においても、何らか
調整をはかっていかなければならぬいろいろな
現実的の問題が出てきておると思うのでございます。先般の
委員会におきましても、
官房長からいろいろとその
具体策につきましては
意見が述べられました。私はそれについてはしごく
同感でありますが、大体そういうような
傾向を
大臣はお
考えになりまして、
一体このような
業者間のアンバランス、何と申しますか、差があるわけでございますが、こういうような差を
一体どういうふうに
是正するというか、そのような
考え方に立って
中小土建建設業者の
育成というものを
考えていかなければならないのか、こういう点について、
一つお
考えがありましたらお聞かせを願っておきたいと思います。私は、たとえば、
工事、
事業というものが非常に大きくなっていくことは、先ほど申し上げましたようにやむを得ませんが、そのかわり
道路とか、いろいろなものの
局部改良等の
予算というものを、もう少し増額して
——いなか道で、ちょっと直せば車が通れる、しかもまた
道路交通上において安全が期せられるというところがたくさんある。そういうようなところを、もう少し
局部改良事業の第一種、第二種の
予算というものを増額して、そうしてそういうような
個所をうんと
仕事を増して、そういうようなところの
仕事で、一面
中小の
土建建設業者というものを救済していくというようなことも、私は、
現実に即して
考えられていいんじゃないか。ところが、
道路等の
予算を見てみましても
——後日私は
道路行政全般についていろいろ具体的な
数字をもって
大臣にお尋ねしたいと思いますが
——局部改良事業等の
予算というものは非常に少ない。しかしながら、
現実には
地方に参りますと、
地方の
県道とかあるいは
町村道というものは、ちょっと手直しすると車が通れる道がたくさんある。あるいは
交通上安全を期せられるような
個所がたくさんあるわけであります。そういうところにも、もう少し
予算の増額をはかっていけば、一面
道路等の
交通の安全を期し得るということと、同時にまた、小さな
業者自体を救済していく道があるのじゃないかと思うが、実際にはそういう
予算等が少ない。こういうこともちょっと私は、実際あちこちへ歩いてみていろいろなことを感ずるままに、私の
私見として
大臣に
一つ申し上げておくのでございますが、
大臣の
御所感をちょっと伺っておきたいと思います。