○清井
説明員 ただいまの御質問の点でございますが、御
指摘の
通り、私
どもの貸し付けいたしておりますもののうちの
延滞は、年々多少ずつふえて参ってきておる
状況でございます。その中で、現在特に問題が多い上に、なおこういう
会計検査院の方から御
指摘を受けております
事項は、大部分の
貸付対象は、災害関係が多いのでございまして、そのうちでも特に多いものは土地改良関係でございまして、御
指摘の土地改良区に対する
貸付が、災害でありますとか、あるいは災害のない普通の場合におきましても、そういう事業に
貸付をいたした場合に
延滞を起こすという事例が、私
どもにおいて問題になってきておりますもののうち、相当部分を占めておるような状態でございます。
そこで、なぜ土地改良事業について相当
延滞が起こるのかということでございますが、これはいろいろな原因があろうかと思うのでございますが、特に私
どもが土地改良事業に
貸付をいたしまして、それが
延滞を起こしておる事由として考えられますのは、大体土地改良区に
貸付をいたしました場合には、改良区を編成いたしております各農業者に対して賦課金を課するわけでありますが、その賦課金の賦課徴収
状況が十分でない。たとえば、
公庫から
貸付をいたしました場合に、この
貸付金を、将来事業が成功するに伴いまして、それぞれの組合員から経費を賦課徴収するわけでございますが、その賦課徴収関係が十分に納得せられていない。あるいは納得せられた場合におきましても、その
方法が十分に末端に徹底されていないために、組合員からその組合費を徴収することが不円滑になっておるということが、このうちの
一つの原因になっておるわけでございます。もう
一つの原因として考えられますのは、事業が
計画通り進捗いたしますればけっこうなのでございますが、たとえば三年のものが、三年かかってもなかなか事業が完成しない。自分の畑に水が来ない。来ないうちに経費を賦課徴収される。あるいは
公庫に対する
貸付金の返済時期がきてしまった。自分のたんぼには水がこないうちに、賦課金の賦課徴収があったり、
公庫から
貸付を受けた金の返済期がきたということは、納得ができないじゃないかというふうに農民の方が言われまして、そのために
延滞を生じて、
公庫の
貸付に対する返済が不十分だというようなことが私
どもが大体観察いたしておりますうちの、土地改良区に対する
貸付金の
延滞の起こるおもなる原因だろうと思うのであります。私
どもといたしましても、
延滞が起こりました場合におきましては、県の係官とも御相談いたしまして、それぞれおもなところには、現地に私
どもの役員なり
職員なりを派遣いたしまして、この土地改良区の事業の今後の円滑化に対しまして、相談をいたしております。これは土地改良区でございますから、今後引き続き国庫の補助金を増額いたすなり、あるいは継続交付いたすなりいたしまして、その土地改良事業を円滑にいたすことが第一でございますので、その条件に伴いまして、私
どもの
貸付条件も、その後の土地改良事業に即応いたしまして、多少条件を緩和いたす。たとえば、十年で返すものについては、法規の範囲内において十五年にする、あるいは据え置きの期間を若干延ばすというふうに、土地改良事業の進捗
状況に応ずるように、その条件の方も緩和していくということも考えていかなければならぬのであります。
現実にはそういうふうにいたしまして、問題の起こりましたところには、それぞれ県の方とも相談をいたし、国の方の事業、あるいは県の方の事業を改変していただくと同時に、その事業に合わすように私
どもの
貸付条件を緩和していくということも、
一つの
方法として実行いたしております。それによって、相当解決をいたしておる分があるわけでございます。そういうことにつきましては、今後私
どもといたしましても、できるだけその事業に即応していくようにしていきたいと思っております。ただ、
延滞の原因が他の場合、たとえば、これはごくわずかな例でございますけれ
ども、一部土地改良区の幹部に不正行為があったとか、あるいは経費が他に流用されたというようなことがあったとか、あるいは役員の間で多少紛争があったというようなことも、間々あるわけでございますが、そういうことで
延滞を生じておりますと、事業の方をうまくいたしましても、その原因を除去しなければ、なかなか円滑に返済が行なわれないのでございますから、その場合におきましては、それぞれの
事情に応じまして、これまた県の方とも御相談いたしまして、その原因となっておる問題を解決いたしまして、それから円滑に私
どもに返済をしていただくというふうにしていただかなければならないと思っております。しかし、私が最後に申し上げましたのは、全体といたしましてごくわずかな例でございまして、事業の進捗が初めの
計画通りいかなかった、従って、
公庫に返す金がおくれたというのが、大部分でございます。その点につきましては、前段で私が御
説明申し上げましたような
方法によって
延滞を解消していくということを、現にいたしておりますし、今後もそういう
方法でいたして参りたい、こう考えておるわけであります。