○
田中(彰)
委員 この間、
委員長のお取り計らいで、
九州電力の
不正入札の
疑いがあるとして、
資料提出を
開発銀行と
通産省の
公益事業局長にお願いしたのですが、
資料が
決算委員会へ出されました。
委員長もごらんになったと思いますが、これは全くほんの
一片のあれであって、とてもこういうことじゃ満足できないのです。そこでちょうど本日
会計検査院の
事務総長も
おいでになっておりますから、私は概要を申し上げ、そしてこの
資料のもう少し詳しい
資料を
要求したいと思います。
そこで話は前に戻りますが、
開発銀行の融資した金、
世界銀行から金を借りるために
国民の保証した、
国民に深い
関係のある金、
国民に
責任のある金が四百二十億以上
九州電力にいっていることは、去年の暮れの
決算委員会において
開発銀行から証明されております。私の方にも
資料がございます。これだけの大きな金を、
国民の
責任ある金を
九州電力が借りて事業しておるのですから、その
社長及び
重役の
方々は、
仕事に対しては公正でなければならない。十分なる
責任を持って
仕事をしていただかなければならない。これは
監督の
立場にある
公益事業局長もよく
御存じであります。
国民の金を代理して貸しておられる
開発銀行でも、これは承知しておられることと思います。そこで、
九州電力というものは、これ一度ではなくて、
昭和三十一年に
上椎葉ダム工事をやるときに、ここに
会計検査院の
事務総長が
おいでになっておりますから、御記憶あると思いますが、この
工事がおくれて、そうしていろいろなところに迷惑をかけた。それのみでなく、
工事をやったあとが非常に漏って、これもまた非常な迷惑を及ぼした。しかも、
請負においてはどうかと申しますと、十一億七千四百七十四万三千円の
請負金額に対して、
増加した分が二十二億八千四百四十二万三千円、
請負金額の倍の
増加ならばいいのでございますが、
増加の方が
請負金額の倍にもなる。そうして期日がおくれ、
ダムが漏ったというので、これは問題が起きた。そこでこの
決算委員会がこれを取り扱おうとしたときに、いろいろな圧力と申しましょうか、嘆願と申しますか、いろいろな問題がございましたのと、非常に
決算委員会も当時忙しかった、ほかの
仕事がたくさん山積しておったので、
注意を促しただけで、これをここで審議しなかった。そうすると、こういう問題が起きているにもかかわらず、また
鹿島組に
火力電気の
請負をその次に
随意契約のようにしてやらした。おかしいじゃないかといって
調べたところが、二十二億八千四百四十三万三千円も増額してもらったこの金が、当時ここの会長をしておった吉田さんの女婿にあたる麻生君のところに何億と流れた。今
通産大臣をしておる
池田氏のところにも金が流れた。そういう
関係上、どうしてもこの
火力電気の
工事をやはり
鹿島にやらせなければならぬというので、これをやらした。そういうことは困ったことだと思っていると、この
九州電力に内紛がございまして、昨年平塚という副
社長がやめた。これを契機として、
火力電気のとき六千五百万の
佐藤社長の
洋行費を出した、あるいはここへ金がどれだけ流れた、なにしたというものを全部数字をあげて、日にちまで入れて、そうしてこれをそこらじゆうに怪文書として配られた。われわれは
決算委員会として、非常に恥ずかしいような状態でありましたから、
佐藤社長に、そういう写しをとって、今後
注意された方がいいと言って
注意を促した。すると、今度この
一ツ瀬の
ダムの
工事が行われることになった。そこでこういうものに対しても、
世間からあなたがいろいろのことを言われているのだから
注意をして、ガラス張りの中でやられた方がいいということをやはり
注意しておった。しかるに、その
注意を
——これは見たことでもなければテレビにとってある、ラジオにとってある話でもありませんから、そのままを信じていいかどうかわかりませんが、何を
国会あたりで騒いでいやがるんだ、おれのところの親分はだれだか知っておるか、
池田通産大臣じゃないか、おれが九電の
社長として一切をちゃんと押えてあるから何の心配もない、
重役なんか、ぐずぐず言うのなら言ってみろと言っておる。この議論が起きたときに、
重役を暴力をふるってなぐったという事実もある。これはなぐられた
重役が言ってきているのだから事実だ。そういうような争いまでして、結論にどんなことをしたかと申しますと、
佐藤社長が上京して、築地の
栄屋という
料亭に彼が行って、そこで
池田通産大臣と五回ないし六回会りた。そこで今度の
一ツ瀬ダムの
最低価格は
幾らかということを
電話でもって
栄屋からかけて聞いておる。そこで
土木部長が
幾らだということを言ったけれ
ども、重要だと思うから上京してきておる。その上京した翌日、
鹿島建設の原という
九州の
支社長が上京してきておる。そして
最低価格のものを出して、これから五分切り落とすから、これの線において入れろというので
入札をさせた事実は、これは間違いございません。これは
委員長が
お許しになるなら、この話を全部聞いた者をここへ
証人として喚問してよろしい。そこで
松永安左衛門が、
前田建設を世話した
責任があるからというので、これが
佐藤に会いたいと言ったが、なかなか会わなかった。けれ
どもこれも二、三回会って、いろいろ
相談をした結果、この
松永さんには
ほんとうのことを言わなかった。そこで
熊谷が妥協をするといったものだから、その
熊谷にはその線を知らした。だから、
熊谷の
入札は、
会社の
予定価格と一銭も違わず、ぴしっと入っておる。そして
前田建設も
松永に言われて
——松永は、おれがお前を紹介したのは欲得だけで紹介したのではない、
有明ダムの
アーチ・
ダムに使った機械があるから、それを持っていってやれば安くできると思っておったのと、
九州電力の生みの親はおれだ、だから
九州電力にいい
仕事、安い
仕事をしてもらえばいいというのでおれが紹介した、しかるに、どうも
佐藤の
やり方がおかしい、だから、お前が思い切って安く入れろというので、
前田が一億七千万ばかりの安いところに入れておる。そこでこの
入札を終えて開いてみたところが、
前田が思ったより安く入れたものだから、どうしたらこの安い
前田をけって
鹿島にきめられるかというので、
バンド制というものを
入札してからきめたものだ。これは
公益事業局長、よく聞いておかれた方がいい。
開発銀行もよく聞いておかれた方がいい。私はそれを聞いたから、この間
会計検査院のここにおられる
事務総長のところにお伺いして、一日も早く
会計検査院の手で、この九電の四百二十何億の
責任ある
国民の金の
乱脈ぶりを
調べていただきたいということを言ったのだが、この
会計検査院にもどんな手が回っているのか、どんなことをしているのか知らないが、なかなか
調べていない。そこにこういうものが行なわれておる。これが事実とするならば、時の
通産大臣である
監督権を持った者が
料亭で会って、そしてこの
入札の
内容をきめて、そこから
献金をとったというような
——私は
献金をとったのは見たことがないが、これは二億やったという
うわさだ。そういうものが事実とするならば、僕はこれは大
へんな問題だと思う。しかるに、
資料を出せといって
要求したら、
公益事業局長はここでずいぶんうまいことを言われたが、こんな赤ん坊が見るような
資料で一体いいと思いますか。あなたが
資料を出すときに、
監督官庁として少なくとも
決算委員会に呼ばれたのだから、私にあれだけのことを言われておるのですから、あなたがもう少し
監督を正しくやられれば、こんなうわべの
資料は出ないはずだ。また、
開発銀行もその
通りだ。政策的に
日平産業なんかに金を貸すときに、ああいうような厳重な
調べ方をし、その他にも、何か
政府から干渉があると、金を貸したところの
会社に対しては、国税庁も及ばぬような
調べ方をするにかかわらず、私が
決算委員会で
資料を
要求するときに、あれだけの
資料要求には少し過ぎたような弁明をしているにかかわらず、この
開発銀行から出てきた
資料は一体何ですか。あなたの方でこれしか出ないというなら、今日まで
開発銀行が金の取り立てをするために、あるいはいろいろなことを整理するためにやられたその調査の
内容を、ここで暴露してもいい。これは
国家の問題になりますよ。こんなものを出されて
——委員長が幸いにしておとなしい人だからこれで済むだろうが、私が
委員長をしたのでは許さない。何ですか。それであなた方がこれより
資料をとれない、これより何もできないのだ、これより
監督できないのだと言われるならば、ここでそういうことに対して回答していただきたい。私は、あなた方の
答弁によっては、これに対して生命を賭して闘う。また、
会計検査院もその
通りだ。
会計検査院が独立してああやっておるのは、
国民の
責任ある金、こういうものがこうやって乱費されていろいろなことをされておるときに、これを公正な
立場に立って
調べるのが
会計検査院だ。
もう
一つ、私は
公益事業局長に申し上げておくが、こういう例があるということをはっきりさせるために、
公益事業局長から、
上椎葉の当時の請け負いした
契約、その
内容を
調べて報告していただきたい。
会計検査院でも、ここに一回
指摘されたことがあるのだから、当時の
指摘事項をここに報告していただきたい。これは少し古いけれ
ども、こういうことをして、こういう手段でやるのだという……。
もう
一つ、
公益事業局長に申し上げておきたい。わずか二十八億かそこらの
請負に、
重役が
相談して九億という金をよけてとっておる。この二十八億の
請負が今度
鹿島に落ちたら、
増し金をするために九億という金をよけておった。それもちゃんとわかっておる。
請負金額が、
会社の
予定額が二十八億八千万円、このむずかしい
ダムをやらせるのに九億の金をよけてとってある。そうしてきまったら、この九億を増し
工事に使うためにとってある。しかも、
公益事業局長が
御存じでありましょうが、
アーチ・
ダムというものは非常にむずかしい問題で、
フランスでこの
アーチ・
ダムが崩れた。
世界でも驚くような大きな
被害を出している。今、
世界でこの
アーチ・
ダムに対して問題が起きている。そういうむずかしい
ダムをやるのに、二十八億八千万円の
工事に九億の金を隠しておる。私の申し上げておることは、
世間から聞いた
うわさではございません。
会社の中にもりっぱな人間がおって、いざとなればこの
決算委員会に対して
証人になってもけっこうでございますという人が、私のところへ情報を持ってきているのだから、間違いありません。こういうようなことが行なわれていいのか、悪いのか。しかも、その
佐藤が今アメリカの
世銀へ行って、
公益事業局長を利用し、
通産省を利用し、
通産大臣を利用し、開銀を利用して、あたかも
電力料金を上げてもらうようなことを言って、そして金を借りることに奔走しておる。私は、日本の
国民の一人として、
国会議員として、あなた方の今日の返答によっては、きょう
長文電報で、この
国会で問題になっておる実態を
世銀に打ってやる。
委員長が
お許しにならなければ、
決算委員会理事田中彰治ではできませんが、
国会議員として、
国民の一員として
——国民が保証する金を借りに行っているのだから、
佐藤が
九州電力の
会社の
社長として借りたり、
佐藤個人が借りたりする金でない。
佐藤のこの借款が成立をすれば、
国民が
自分の税金で保証しなければならない。そういうことをさせられないから、私は
電報をきょう打ってやる。
そこで、
開発銀行の
方々は、これより
資料を出せないと言われるのか、もう少し
調べて出すと言われるのか。
公益事業局長も、これより出せないと言われるのか、もう少しその事情を
調べてと言われるのか。
池田通産大臣の
名前を出したのだから、おっしゃって下さい。いかに上司といえ
ども、
監督権のある人が、
請負をするのに、
栄屋という
料亭に何回も行って会って、そうして
最低金額を書いてその
請負をしたというようなことが、もし広がるならば、大
へんな問題だ。私は、これが問題になったら、君が
証人に出るかと言ったら、
決算委員会に呼んでいただけば、ちゃんと
証人に出ますとはっきり言っておる。また、
会計検査院の
事務総長も、このまま放任されるのか。さっそく九電のこの
国民の金に対して、
ほんとうに正確に調査されるのか。この三人の
方々の誠意ある
答弁をいただきたい。