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1960-01-28 第34回国会 衆議院 議院運営委員会図書館運営小委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    本小委員会昭和三十五年一月二十七日(水曜 日)設置することに決した。  一月二十七日  本小委員委員長指名で次の通り選任された。       飯塚 定輔君    池田正之輔君       佐々木盛雄君    長谷川 峻君       長谷川四郎君    栗原 俊夫君       下半 正一君    池田 禎治君       木下  哲君 同日  長谷川峻君が委員長指名で小委員長選任さ  れた。 昭和三十五年一月二十八日(木曜日)     午後二時二十七分開議  出席小委員    小委員長 長谷川 峻君       佐々木盛雄君    下平 正一君       池田 禎治君    木下  哲君  小委員外出席者         議院運営委員  天野 公義君         国立国会図書館         副館長     岡部 史郎君     ————————————— 本日の会議に付した案件  昭和三十五年度国立国会図書館予算要求の件      ————◇—————
  2. 長谷川峻

    長谷川委員長 これより図書館運営小委員会を開会いたします。  きょうは、昭和三十五年度国立国会図書館予定経費要求書について審査を願いたいと思います。     〔昭和三十五年度国立国会図書館予定経費要求書本号末尾に掲載〕     —————————————
  3. 長谷川峻

    長谷川委員長 まず、岡部館長から御説明を願います。
  4. 岡部史郎

    岡部国立国会図書館館長 国立国会図書館昭和三十五年度予算要求額につきまして御説明申し上げます。  国立国会図書館の三十五年度予算確保につきましては、長谷川委員長初め各議員の諸先生から格段の御配慮、お骨折りをいただきまして、図書館員一同深く感銘いたしております。厚く御礼申し上げる次第でございます。おかげさまをもちまして、ここ数年来ない充実した予算確保し得たような次第でございます。それでは、予算案内容のおもなものにつきまして簡単に御説明申し上げます。  第一は、図書館庁舎建築に必要な経費でございますが、これは既定の計画を実現いたしますためには、三十五年度におきまして七億八千万円を必要とするということで、努力いたしたのでございますが、結局、昭和三十五年度予算におきましては六億一千万円を認められまして、残りの一億七千万円につきましては、当然大蔵省はその必要を認めるが、これは三十六年度当初において十分使えるようにする、従って、予定通り三十六年度の夏までには新建築の第一期工事が完了し、秋までには開館できるようにするからというようなことにつきまして、その他のいきさつにつきましても、長谷川先生にも特別の御配慮をいただいた次第でございます。そういうことで、新館運営につきましては、六億一千百八十九万円、本年度に比較いたしまして二億一千万円の増ということに相なります。私どももこれで一応既定計画通りやっていけるものと考えております。  それから第二は、重点部門といたしまして、科学技術関係資料整備拡充に必要な経費でございますが、これも結局、新年度におきましては二千二百万円の増で、合わせて五千五百万円ということになります。資料整備のために必要な人件費も十人分認められることになりましたので、当図書館の重点的の事業として、第一年度は何とかこれでやっていけるような形になるのではないかと思います。  第三番目には、図書購入に必要な経費、これも毎年二千万円ずつついておるのでございますが、ことしは新たに百万円がつきます。  第四番目は、製本に必要な経費といたしまして、百八十六万三千円ふえまして、四百九十九万四千円ということになります。  その他、人件費庁費におきまして、総額三千四百五十三万四千円ふえまして、四億五百万円ということに相なっております。  以上がおもな内容でございます。その結果、本年度の八億二千五百万円に会議録第一号比しまして、二億七千二百万円増の十億九千八百万円ということになります。  なお、国会図書館予算ではございませんけれども国会図書館構成分子でございます各省各庁の支部図書館経費につきましても、二百九十万円、約三百万円の増加が認められまして、結局一千七百四十七万円ということになります。これも各省各庁一応これで非常に満足しておるような状況でございます。  これが予算のおもな内容でございますが、なお、現在、今申し上げました各省支部図書館は二十九館ございますが、行政管理庁には今まで支部図書館がございませんでしたのが、今度はやっと予算がつきまして、行政管理庁支部図書館を設けるという態勢になりましたので、支部図書館設置する法律案を今年度通常国会にお出しいただきたい、これもお願いいたす次第でございます。何とぞよろしくお願いいたします。
  5. 長谷川峻

    長谷川委員長 これで副館長説明は終わりましたが、何か御質問はございませんか。
  6. 岡部史郎

    岡部国立国会図書館館長 なお、安員長のお許しを得まするならば、三十六年度新館に引き移ることになりますと、今まで図書館建物赤坂と二宅坂上野三つに分かれておりまして、非常に不便でありましたのが、型できまして、非常に能率が上がることと存じます。そのうち、上野図書館につきましては、これも支部でございますが、新館に合併すれば問題はないようなものの、今の国立国会図書館法には、上野図書館東京都に移管するということになっておりますので、はたしてそれがどういう意味を持つのか、あるいは、はたしてそれがよいかということにつきまして若干問題がございまして、私ども事務的に検討いたしました案がございますので、それをお時間がございますればお耳に入れたいと存じます。——一、二分時間をちょうだいいたしまして、ちょっと読んでみます。   国立国会図書館新館建築が進捗し、昭和三十六年度から新館に移転することが予定されるに従って、支部上野図書館をいかに取り扱うべきかをあらためて慎重に検討する必要に迫られて参りました。   支部上野図書館は、国立国会図書館昭和二十三年に設置されてから今日に至るまでその支部図書館として赤坂本館と統一的に管理運営されてきたのでございますが、国立国会図書館法第二十二条の規定によれば、上野図書館は「できる限り速かに、東京都に移管し、移管前に制定される法律及び諸規程に従って運用される。」こととなっております。   この規定は、もともとアメリカ図書館使節団勧告に基づいて設けられたものでありまして、東京都その他関係方面と十分打ち合せの上で定められたものでありませんから、その趣旨は必ずしも明らかでありませんが、この際過去十余年の経験と現状とを検討してあらためて本条の取り扱いをきめるのが適当であると考えるのであります。  今日、国立国会図書館の使命から見て支部上野図書館がその中で果している役割考えますと、現在上野図書館に収蔵されている資料は、国家が八十余年の歳月をかけて明治、大正、昭和の三代にわたり収集した貴重な国家的文化財であるとともに、その時代の研究調査のためには欠くことのできない国家的コレクションであり、国の中央図書館が当然保存すべき重要な資料であります。従って現在上野図書館の収蔵する資料約百万冊のうち、本館との重複図書を除く約八十万冊は新館へ移転しさらに整備充実することが当然であり、新館の設計もこの計画に従って行われております。新館建築は、上野図書館に比し蔵書の保管利用の点から見てもはるかに近代的な完備した施設を有しており、これら資料を現在上野図書館に勤務する職員とともに移転することによって、よりすぐれた図書館サービスを行ない得ることとなると思われます。  ただ、右の措置がとられました場合、前述の国立国会図書館法第二十二条を実施するとすれば、現在上野図書館の保管する本館との重複図書約二十万冊を建物とともに東京都へ移管することとなります。しかしながら、現在各省庁にあります国立国会図書館支部図書館書庫が狭隆で、その円滑な活動にすら支障を来たす状況にあり、これら書庫面積を急速に拡充する必要があること、内外の図書館界が強く要望する重複図書交換センター設置も早急に実現する必要に迫られ、そのための書庫確保が必要であること、立法府及び行政・司法各省庁の公文書を一括保存する公文書館設置の世論も次第に活発となりつつあること、この点については学術会議からの申し入れもございます。図書館施設の貧困な現下の諸事情から見て上野施設新館補完的役割を持たせ国の文化施設の一環として運用する必要があること、こういうような事情考え合わせますと、上野図書館東京都へ移管することは大局的に見て必ずしも適切な措置とは一言えないので、この際むしろ国立国会図書館法第二十二条を削除して、これを国の施設として活用の道を講ずることが適当ではなかろうか、こういうふうに考えております。ことに、この二十二条ができました当時は、東京都の日比谷図書館が焼けて復興の道もなかったものでありますから、国立国会図書館ができれば、至急都民のための公立図書館として上野図書館を充当したらいいという考えが主だったようでございますが、現在日比谷図書館も復興しておるというような事情もございますので、そういう点も考えまして、このような考え図書館事務当局としてまとめたわけでございますが、これは相手のあることでございますから、こういうことにつきまして御方針をお示しいただきますれば、やがて東京都とも折衝しなければならぬと思います。何とぞよろしくお願いいたす次第でございます。
  7. 長谷川峻

    長谷川委員長 御意見ございませんか。
  8. 下平正一

    下平委員 二つばかり………。今の二十二条の問題は、図書館側の意向もよくわかりますけれども、いろいろ問題点もありますので、私ども検討をしておきましょう、こういう程度にしておきたいと思います。  それから、今、副館長から御説明がありましたように、新しい副館長のもとに部課長以下職員皆さん方が大へん努力せられて、なおかつ小委員長努力も加わって、図書館が、われわれが本来願っていたような方向へ、財政的にも、あるいは機構的にも、あるいは運営の面でも進んでいっておるような気がして、非常にうれしく思っております。ただ、私はもう一歩進めて三十六年の秋には、このままでいくと完成をされますので、完成されたら、より一そう効果的な運用なり、成果が上がるようにしてもらいたい、そのためには三つほど問題点があると思うのですが、一つは、昨年国会図書館機構改革をやりましたが、この機構改革等について、ことし一年間まるまる運用をしてみた結果からして、再検討すべきものは再検討して、新館に移るときには、ほんとうにコンクリートされた機構にしていくという点が一つあると思います。  もう一つの点は、人事の問題があると思うのですが、最も大きな問題は、われわれにも十分責任がありますが、館長を早くきめて、専任館長のもとに、やはり統一された意思でやっていくということが必要だろうと思うのです。同時にまた、人事面におきましてもやや暫定だという感を免かれない部面も多少あると思うのです。そこで新館長選任、これはもちろんわれわれ里大責任を持っておりますので、やりますが、それらを含めた人事問題をやはりすっきりして、新体制に即応できるような形にしていく、この三点、大きく言えば二点、これがこれから一年間に課せられた任務じゃないかと思います。そういう点については、もちろん皆さん方も御努力願っておりますし、今日までの御努力成果については、非常に感謝を、たしておりますが、さらに、三十六年度新館に移転するのをめどにして、これらの点についても一そうの御努力をお願いをいたしたいと考えます。きょうは予算の一般的な説明でありますので、詳しく私ども勉強しておりませんので、細部の問題等については、また機会を見ていろいろお話をしたり御注文をいたしたいと思います。
  9. 長谷川峻

    長谷川委員長 ほかに御質問、御意見はございませんか。——それでは、昭和三十五年度国立国会図書館予定経費要求書につきましては、お手元に配付の印刷物の通り決定し、また、国立国会図書館法第二十八条の規定によりますと、本予定経費要求書は、議院運営委員会において審査をするに際しては、勧告を付し、または付さないで議長に送付することになっておりますが、今回は、勧告を付さないで議長に送付すべきものとし、次の議院運営委員会において、以上の審議の経過及び結果を私から報告いたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 長谷川峻

    長谷川委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決定いたしました。ありがとうございました。  本日は、これにて散会いたします。     午後二時四十二分散会