○
佐々木(盛)
委員 池田さんの一方的な御
意見だけだったら私も黙って拝聴しようと思ったのですけれ
ども、
記録にとどめておいて、今後、
池田さんの
主張する
原則に従ってやれという
お話でありますから、私は
池田さんの御
主張に
賛成することはできませんので、この際、これまた、私
たちの基本的な
態度を明確にしておきたいと思います。
まず、私
たちは、ただいまの
池田さんの御
主張に、二つの
原則から
反対いたしたいと思います。
一つは、今日、
与党と
政府が
一心同体であるから、従って、
与党が
政府に向かって
質問することはおかしいじゃないか、それは
八百長ではないか、こういうお説のようであります。もし、さようなお
考え方を敷衍していきますならば、今後、
国会においては、
与党は
政府に対して
質問しなくてもいいというところにまで、
理論上は発展をしてくるわけです。私は、今日、この重大な
安保条約の問題につきましても、
社会党によっても代表されていない、あるいは民社党によっても代表されていない
意見が、
国民の間にたくさんあると思うのです。それらの問題について、
国民の
一番たくさんの信任を受け、その委託を受けておる天下第一党が、
まつ先に立って、
国民を代表する
立場から、
政府の
所信を究明するということは、当然
政党としてやるべきことだと
考える。
与党と
政府は
一体であるから、
与党が
政府に
質問することはそもそも間違いであるというような
原則論には、私は
賛成することはできません。
もう一点は、そういうような御
主張であると、従来の
国会運営の
原則を根底からくつがえしていかなければならぬ。従来、
国会運営につきましては、やはり多数党の
順位に従って、今日まで
原則や比率を設けて
運営をして参ったわけなんです。それが、ただいまの
池田君の御
意見によって、今後、
池田君の御
主張に従って
国会運営をやっていけ、
発言順位をきめていけ、こういうことにわれわれが
原則的に
了承いたしますならば、従来の根本的な
原則をくつがえすことになるわけであります。ですから、今申したような理由によって、私
たちは、
池田君のせっかくの御提案でありますが、
原則論としては
賛成することはできません。しかし、
池田さんのおっしゃることが全然意味のないことかと言うと、そうではない。私
たちは、
労派をかえた
立場から、
池田君の御説にも、耳を傾けなければならぬ根拠は十分あると思います。従って、私は、そういう
原則論がどうこうという
理論の対立で戦わすよりも、
国会運営においては、
お互いが良識をもって
話し合いをして、場合によっては
野党に先にやってもらうこともある、しかし、
原則としては
与党が先にやるのが
順序だ、こういうふうな
考えで円満にやることにして、
与党がやるから
八百長であるというような、そういう断定的なことは今後おっしゃらないようにしていただきたい。
結論として、
池田さんの御
主張には今後十分われわれも善処いたしたい、そのことはお
約束申し上げます。しかし、
原則論としては、
池田さんの御説にはわが党としては承服することができないということを明らかにしておきます。