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長谷川(峻)
委員 大体
箱根山の問題については、前に
限定免許に対する
法制局の
解釈、その当時この
委員会において二、三議論されたのでありますが、何しろ
天下の耳目を沸かしておる
箱根山でもありますし、
委員会として何かしゃべると、やれ
西武側だの
東急側だのというふうに、正しい
政治家の発言がゆがめられて
解釈され、そうしてわれわれが二十八日に
神奈川県、さらにまた
運輸常任委員会の方の
あっせんで
現地を
視察したつもりであるけれ
ども、やはり今日は
資本主義の
世の中でありますから、
両方の
会社から昼飯を食うところに大ぜい来ておって、
陳情あるいは
名刺交換などを自然せざるを得ない。そうしてその
あと帰ってみますと、
国会議員が
視察したこと
自体が何か大きな疑惑の中に包まれているということが、私はまず本日
箱根の問題について
視察の
報告を
委員公にするにあたって、一番先に申し上げたい不愉快なことであります。これというのも、
運輸委員会が
決定事項を出すわけでもなければ何でもなくて、要するに従来
行政官庁がはっきりした信念で
法規に基づいてやれるものをやらないでおって、それが
箱根山一帯に暗雲を低迷さして、いかにも悪
資本が踊っているような姿を出している。そこに、ただいま
菊川委員が言われたように、
バスの問題あるいは学童の
乗車拒否の
問題等がある。私は、せんだって行った模様について簡単に
一つ見解を申し上げながら、将来の善処をお願いしたいと思うのです。
まず私は、ずっと歩いてみまして、一体
自動車局、どうですか、ああいう
天下の
観光地で
切符が一枚で通用しないということがあり得ますか。小田原の駅に行ったら、
両方の
会社がお客さんを奪い合いをしている。こんなばかなことはない。しかも、それがところどころで切れておって、
自分の
会社の
切符でほかの
バスや船に乗れないというふうなことが
考えられるかどうか。
行政指導をしておるあなた方としては非常に怠慢じゃないか、これをまず私は思うのであります。
その次には、
しろうと論でありますけれ
ども、とにかく
限定免許か、
有料道路か、あるいは
自分で作った
自動車道路か知らぬけれ
ども、そこを歩いていった瞬間に、
国会議員は全部この
悪路に驚いた。こちらかと思うと、一方の
会社の方では
自分の方の
所有地であるということを麗々しく立て看板に掲げておる。あの
自動車道路が、今まで
限定免許になっており、これから先されようとするようなあの
一般的な
自動車道路がああいう
悪路で放置されておってよかろうか。そうして、それを一社で持っているという話であるが、一体それを認可したのはいつであるか。今日の
道路行政からいたしますと、
有料道路でさえも二十年、三十年、ペイした
あとでは
一般にただで公開されるときに、何かしら割り切れざるものを感じている。こういう
常識論について
皆さん方はどういうふうに
解釈してわれわれに御答弁をされるか。私はその場で聞いた、一体一年間にここでどれだけ金が上がってくるか。
保存費はどれだけかかっているか。あなた方に原則的にお尋ねしたいのは、今日
バスの
免許可ということをやっている理由のものは、
一般公衆に対して、
公益事業を許可し、しこうして
公益事業をやっている
方々が今度は
自分の私益もはからなければいかぬという今の
世の中である。そうして、その
道路で
採算がとれるということのためにいろいろ特権を与えているとするならば、一体今までの
収支決算がどうなっているかということを第一に疑問に思って、並みいる
国会議員の
方々にこれを申し上げたのであります。さらにもう
一つ、その
根本といたしまして、
山県神奈川県知事と
白根静岡県知事から、できて
免許になったときの三十年の
期限を付した
命令書がありますが、一体この効力はどうなっているか。
官選知事の
時代であったけれ
ども、そういう
法律が生きているとするならば、これな
ども将来
道路の問題について判定を下す大きな材料になると思う。
政府当局はそのあったことを認められて、こういうことについてわずかに
運輸委員会だけでなく、
地方行政委員会などとも相談される必要があるのではないか。これは三十年の
期限が過ぎたら無効になるというふうな書類のように私は調べて参りました。これが一体どうなっているか。さらにまた、今、
菊川さんが申し上げたような例がたくさんありますが、原則としまして、
箱根の山というものは
国立公園で、今から大きく開発しなければならぬ。今のままでは私は伸びないと思う。たとえばスカイライン、ドライブ・ウエーという話もあるし、
東海道本線に
有料道路ができてそちらを回って大きくこれを取り囲むというふうな
計画など、すでに
免許もされ工事に着手されている部面もある。しかし、その間に
限定免許の線があるとするならばこれはどうにもならぬ。大きな円の中に
一つだけがはっきりしているということになるならば
交通が途絶される。そういう大きな政治問題について一体どういうふうにお
考えになっているか。
自動車道を作った場合に、
投下資本がある程度
採算がとれるように
考えてやらなければならない。そのために
限定免許をして
バス事業を
独占させるというのが今までの御主張のようであるが、それなら
採算がとれた場合にどうなる。実を言うと、一緒に行った
運輸省の
方々にその場で認可して以来今日までの
採算関係などについてもお伺いしたのであります。さらに
県道の問題でありますが、
湖尻と
桃源台の間の
県道はすばらしい
道路だ。しかしそこに一社が
無料バスを出しておる。
切符は
両方で争奪しておるというふうな醜態をさらしておる。しかも今
菊川君が言われたように、
県道の幅は十二尺でなくてはならぬと
委員長があの場で発言されたが、それが今日まで九尺のままに放置されておる。これは
一般の
県道の用をなしていない。また県の
土木部長の話であれば、
神奈川県としては、そういうふうな紛争をなくするために、これを買収してでも何か明朗なものにしたいという交渉などをされておるやにわれわれは
報告を聞いたのでありますが、こういうことについても、あなた方が問題の
根本的解決のために、それらに対してどういうふうに協力し、どういうふうにして
指導していくかということな
どもお尋ねしたいと思うのであります。
さらに、見た
最後の印象といたしますと、私は今までの
事業というものは、
日本のありとあらゆる
資本主義の発達というものは、一人々々が奮闘したことによって
発展した。最近の
電気機械にいたしましても、このようにして、それが
日本の産業になったりなんかする。そういう
先進者の先駆的な御苦労は私は認めます。しかし、これはまた
公共事業の場合には、またいろいろ
考えがあるんじゃないか、こういう問題に対する
見解はどうなのか。たとえば、昨年
国際会館を、京都と近江であれだけ猛烈な
誘致運動を始めた。私は当時
陳情書をもらいながら、実を言うと、
日本において
国際会館などという
国際的事業をやる場合にには、これは公平に見て、
箱根の方がよろしい。なぜかなれば、
外国から来た
諸君が、一時間か二時間くらいで
自動車で飛べる
箱根に行って、そうして
外国から来た
諸君であるから不安がある、
東京に大使館、領事館があるならば、すぐかけつけて、何かの場合に相談に乗ってもらえる。こういうときに、あそこの山全体かもめておるということが、いかにあの
土地全体の将来の大きな
発展の阻害を来たしておるか。そういうことからいたしましても、私は
行政官庁が、従来、今まで
法制局のこの
限定免許に対する
解釈の問題をめぐり、さらにまた最近は
高知県あたりの
限定免許、
早雲山の
限定免許等々から、いろいろ新しい話題を提供しておる今日においては、この
国際観光時代において、どうしてもこれは
行政官庁にしっかりした態度を願わなければならない。たとえばその
一つの例は、
宮沢運輸大臣が、
昭和三十二年七月九日に、
両方の
会社の
諸君を呼んで、いろいろ
あっせん案、
調停案を出した。その間において、いろいろまた話が進んでおり、また有力なる
方々もその間に
関係しておる。しかしながら、こういうことが全然御破算になって、依然としてもめ続けておる。であるから、私はこの際に、
一つ楢橋運輸大臣に、
大臣在職中に、今まではタクシーの問題で白星を上げたから、こういう大きな問題について、公平無私に、将来に悔いを残さざるような大きな
行政上の効果を上げていただきたい。私はせんだって二十八日に、
法制局、
運輸省、
建設省あるいは
神奈川県の
諸君の御案内をいただいて、
現地を
視察して、そのいただいた地図などを拝見しながら、将来の
発展のためには、何とかこの際に
一つ御奮発を願わなければ、いつまでたっても、この
運輸行政の中に悪
資本主義の花がいつでも咲いているような格好で、このために
運輸省も迷惑でしょう、あるいは
建設省も迷惑でしょう、あるいは
神奈川県も迷惑でしょう、大臣、
諸君も迷惑なはずです。こういうことから、私は
一つ公平な公正な裁断というものを下されんことを心からお願い申しまして、私のせんだっての
視察、さらにまたそれに対する
政府委員の御所見をお伺いして、ここで
皆さんに解明していただければ、私は非常に問題の討議の参考になると思う次第であります。