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國友政府委員 自動車に関しましては最近急激な増加の
状況を示しておりまして、最近すでにもう二百六十万両を突破いたしまして、最近でも月に三万両程度ふえております。この自動車の激増ぶりがすなわち自動車行政に関しまする問題点を非常にはらんでおるわけでありまして、この激増します自動車に関しまする行政をやっていきます上において人員等におきましては、
陸運事所の職員は
昭和二十六年に比べますとむしろ減っておる。従って、自動車は五倍にも六倍にもなっておるのに、人員はむしろ前よりも減っておるというような
状況でございまして、これらについては私
どもも大いに努力をいたしておりますが、人員等の急激な増加ということは望めない。ことにまた、先ほど申し上げましたように、
陸運事務所の職員が中途半端な機構のもとに仕事をするということが非常に士気の阻喪、低下を来たしているというような
状況でございますので、先ほど来申し上げましたように、これを何とか解決をしなければならないとわれわれ考えまして、大臣以下その方向で努力しておるわけであります。これは、むしろ先生のおっしやいますように従前からその努力を続けてきたわけでございますが、積極的にはまず一番当面の折衝の相手方といたしましては、自治庁が地方の機構を所掌しておりますので、自治庁に対しまして昨年の夏ごろから、
陸運事務所を
運輸省に戻して一本化された完全な地方の
陸運局の下部機関としたい、そういうことで
交渉をいたしたわけでございます。書面に関しましては、昨年の夏、
陸運事務所について
運輸省から自治庁に移管されたいという申し入れをいたしまして、それに対して自治庁から返事をよこしたわけでありますが、さらにそれに対して
運輸省の
意見を述べ、さらに自治庁からそれについてのまた反駁の
意見を述べてきた。これが昨年の十二月までの
交渉経過でありまして、四回にわたりまして
交渉を続けましたし、私も当面の行政局長その他とも十数回
交渉をいたしましたが、われわれの
段階では片がつきませんので、ことしに入りましてから
事務次官同士の
話し合いもいたしました。これに関しましても具体的な解決はしなかった。と申しますのは、
運輸省側の主張といたしましては、自動車行政は広域行政であるから、国による統一的、一元的な行政が必要であると考える。しこうして海陸空の総合的な行政がなさるべきであるが、これについては
運輸省の中の統一的な機構のもとにおいて初めて可能である。さらに自動車
輸送行政、車検登録に関すること等は一元的、総合的に行なわれる必要がある。さらに職員の士気の向上と
事務の能率化のためには名実ともに
運輸省の支分局とする必要があるというような観点から、むしろ現在のように都道府県知事が指揮監督いたしますよりは、自動車の行動半径というものはもうすでに府県の単位を越えて活動をいたしておるような
状況でありますから、もっと広域の行政をすベきであるということを考えまして、自動車の
輸送管理の行政につきましては、そのような総合的、一元的な
運輸省、
陸運局、
陸運事務所というような
段階的な行政でやるべきであるというふうに考えております。さらに登録等におきましても、これは自動車の所有権及び抵当権の所有を国が証明してこれに登記的な効力を持たせるものでもありますので、これらいわゆる準司法行政
事務というような観点から、不動産の登記
事務と同じように国の
事務とすべきである。また車両検査にいたしましても、これが事故防止対策の上から申しましても、事故を起こさない根本策は、やはり車両の保安というものが確保されなければいけない。このためには
運輸省としてその保安の基準を作りますことはもちろんでありますが、これを実施します上においてやはり一元的に統一をとって実施をいたしませんと、たとえば車検等におきましても、むしろゆるやかな都道府県に自動車の検査が流れる、こういうような形にもなりますので、これら保安基準の点及びその実施につきましても
運輸省に一元的にすべきであるという主張をいたしておるわけでありますが、自治庁といたしましては、これを最も端的に申しますと、
昭和二十四年の地方移譲というものは今でもその趣旨は生きておる。しこうして都道府県の総合行政というものを考えた場合には、やはり自動車というものははずせないものであるから都道府県の所管にしておくべきである。
陸運事務所というような現在の
制度で今まで十年間やってきたのだが、これをこの際早急に解決をしなければならないという
必要性をわれわれは認めない。むしろこの
状況下において、
運輸省の方で不便だというならば、その不便を除去するような具体的な方途を相談し合ったらいいではないかというのが自治庁の主張でございまして、いまだ自治庁との
関係におきましては、解決を見ておりませんが、これに関しましては、しかし私
どもとしては、もう早急にこの問題を解決いたしませんければ、こういう自動車の激増の状態に対処するためには、非常に因る。ことに白タク、もぐりトラックの取り締まり等の場合におきましても、
陸運事務所の職員は
陸運局からも連絡を受けるし、都道府県知事の指揮監督にも服さなければならないので、非常に仕事がやりにくい。これを一元化しますれば、むしろ今の
陸運局の職に一人の力が二人分にも活用できるのではないかと考えておりますので、これらのことにつきましても、ぜひ大臣の
段階においても折衝してもらおうと思っておりますが、大臣の
段階になりますと、これは最終的な
段階になりますので、現在もっと広範な
交渉を続けておるという
状況でございます。