○三池
委員 支社制度を作られて線別あるいは地方別の責任体制を確立するということがおそらく趣旨であったと思いますが、実情は、私
どもが民間の人たちから承るところによりますと、必ずしも当局が当初意図しておられたような結果になっていないんじゃないかというふうに
考える。ある意味においては屋上屋を架したような結果になった。たとえば九州ですと、門司に支社があり
管理局がある。いろいろの問題はすべて門司に行きます。私、佐賀ですから、佐賀から門司に行きまして、
管理局にも行き支社にも行き、さらに
管理局の方は国鉄本社につながっておるというようなこと。また支社自体のあの機構では、九州全体の
管理局を一手に掌握して、そうした責任体制で、人事から、
予算から、すべての技術の面から、あるいは
運転の面から実質的にそれを掌握するということは、あの機構では不可能に近いと私は
考える。そういうような支社の出張所は福岡にもあるようでありますが、ほとんど福岡市の渉外
関係にのみ従事しておる。実際の日常
業務にはそうタッチしない。また権限も持たないというのが実情じゃないかと私は
考えておる。もし出張所というものが福岡のような
業務をやるところであるならば、これは幾らふやしても、地方のほんとうに血の出るような陳情をしておられるあの要望にこたえることはできないと
考えておる。たとえば昨年の十月ごろの
委員会で田口君が発言しておられることに、長崎は何があっても一ぺん一ぺん泊まりがけで門司まで行かなければならないということを言っておられる。それはたとえば、貨車操りにしましても、あるいは観光団、観光事業の問題にしましても、長崎駅では話にならないから
一つ一つ泊まりがけで門司まで行かなければならない。これが田口君の言われる地方からの強い要望を受けての代弁だということだと思うのでありますが、そういう意味におきますと日常
業務をやる
一つの施設がほしい。
昭和二十五、六年ごろにありました営業所的なもので、貨車操りにしましても、あるいは観光の問題にしましても、一ぺん一ぺん何か事があると門司の
管理局まで飛んで行かなければならないというようなことがないようにしてもらいたいというのが私は要望の趣旨だと思うのでありますから、出張所が支社の出張所であって
管理局との
関係を直接持たないようなことでありますと、私はそういうほんとうに猛烈な地方からの要望にこたえる機構の創設にならないのではないか。こういう点は、ぜひ
一つ考えていただきたい点でありまして、おそらく
委員長も、この新聞記事にあるようなことは、新聞記者とも会っていないということでありますし、副総裁もおそらく副総裁談としておることについては御存じない、関知されないことだろうと私は
考えております。そうでないならば、この副総裁の談として発表された新聞記事なんというものは、まことに奇怪きわまるものである。支社の出張所の形の
管理局の増設なんというような表現というものは、何を意味するんだか、とんとわからぬ。しかも、それは国鉄としてはそういうことを必要としないんだ、必要としないけれ
ども、政治的な意味もあって、客観的に必要だ——政治的に意味があって客観的に必要だというのは、国鉄の必要じゃなくて、客観的な必要だということでありますから、ほとんどこれは意味をなさないんで、おそらく練達の副総裁がそういうような談話を新聞記者にされるわけがない。私自身もこれは不問に付するわけであります。しかしながら、
管理局の増設ということが、あの附帯決議にある機構の再検討ということと増設ということがシノニムであるというような
考えは、お持ちになる必要はない。むしろ国鉄は、先ほ
ども申されたように、
一つの企業体であります。運輸事業そのものに専念するのではなくて、企業体になっておるのでありますから、むろん経営の合理化なんということは必要でありましょう、
人員の問題もまた非常にむずかしい問題でありましょうから、そういうことは、国鉄自体の立場に立って、そうして企業体としての責任を果たし、また公共であるがために、国民大衆のあるいは地方地方の人たちの要望にこたえるようなそのあんばいをされることが私は一番必要だと思う。また、おそらく
委員会のこの前の附帯決議というものも、
管理局の再検討をしろということであって、いたずらに数さえふやして、われわれ地方は因っているんだから数をふやせと、経済ということも何も
考えないで言っているとは私は
考えない。
委員会がそういう不見識な権威のないことを言うはずがない。再検討しろということは、最も合理的に、最も能率よく運営をするように検討しろということでありますから、そういう点では、増設々々ということでなくて、むしろ先ほど申しましたような日常
業務において、地方の人たちが困らないようなことを、国鉄自体の立場において慎重に検討されたい、むしろこういう附帯決議があったから、
運輸行政におけるところの
委員会というものは、端的に言うと、まことにこうるさいところでございますから、
一つ委員長に相談をしろというようなことはあったかもしれませんけれ
ども、国鉄の権威においては、むしろそれは
委員会の方をあなた方専門家がリードするくらいな気魄をもって運営に当ってもらいたい、こういうことを私は
考えておるわけであります。たまたまこういう新聞記事が出ますと、地方では大騒動しているわけです。しかもこれは五カ所に限定したというようなこと自体が、私はおかしいと思う。
吾孫子副総裁のさっきの話のように、二、三カ所くらいは仕方がないというようなことですけれ
ども、二、三カ所も何もそういうことは問題じゃない。五カ所なら五カ所、十カ所なら十カ所、
一つの基本方針に従って、確固たる信念のもとに、私は国鉄という国民のものである企業体をできるだけ合理的に運営してもらいたい。そうしてまた公共のためにぜひなるように、地方は非常に産業開発その他の面で国鉄に依存しているところが多いのでありますからこういう点は、
一つぜひ考慮の上に立ってやってもらいたいと思うのであります。この新聞記事が真相を伝えないものであるということで、私の
質問があるいはピントはずれになって、
委員長を困惑させたかもわかりませんけれ
ども、この点は
一つあしからず御了承をお願いしておくわけであります。
ただ、私はここで
一つ地方の立場から申し上げたいのですが、地方の人たちの要望は、官理局がありますと、どうしてもその所在地を中心として施設、行政が行なわれる、そういう傾向はやむを得ないが、あるのであります。従って、九州でありますと、長崎支線というものはとかく虐待されがちである。実際の例が、たとえば時間割の変更にいたしましても、佐賀地方におきましても、時間割が適当でないために、勤務しているところの従業員が、二時間も三時間も汽車に乗るために、汽車通勤の人が駅で待たされておる。そのために、会社はそれだけの時間外勤務手当を支給しなければならないというようなこともあるわけであります。また夜勤の場合でも、汽車の時間がないために泊まらなければならない、朝でも、三時間も早く起きていかなければ出勤時間に間に合わない、そういうようないろいろな面が出てくるわけであります。だから、そういうことに対する配慮が、
管理局でもあるならば十分にしてもらえるだろうというような
考えも多分にあるわけであります。これは私自身のことを言って非常におかしいのですが、あの特急のさくらの寝台車が一台とられてしまって、われわれは非常に困るのだという地方の要望で、これは長崎もそうでありますけれ
ども、私はそれを代表して国鉄に陳情に行った。ところが、いやそれは御心配なさらなくてもよろしい、福岡までのお客さんにはあさかぜを御利用していただくようにしていただきまずから、そういう御心配はなくて、さくらを利用する人は福岡以西の人だからいい、ということであります。私は非常に奇怪な
説明を聞いたと思った。あなたは福岡までだから、あさかぜにして下さい、さくらはやめてくれということを窓口で
一つ一つ交渉ができるか、できやしない。いろいろ寝台車の編成の時間等の問題があって困難な事情もあるらしいのでありますが、現在どうかといいますと、私たちが一週間も前に寝台を申し込んでも、ない、それくらいな実情になっておる。これはお調べになったらわかると思いますが、非常に困難をしているということがある。こういう点から、やはり
管理局でもあったら、そういう困難な問題が解消されるのではないかというような、いろいろの産業の問題、経済の問題、観光の問題などで不便をこうむるので、
管理局をぜひ置いてもらいたいというような要望が強いと私は思う。そういうことがないように、機会均等の趣旨から、地方公共のためになるような配慮を特にしてもらいたい。それには、私はむしろ二十四年のころにありましたような営業所的なものを行政区域ごとに置かれると非常に能率のいい運営ができるのではないかということを
考えておるわけであります。
管理局
管理局といいますから、たとえば門司の
管理局とかあるいは大分の
管理局とかというような膨大な組織をみんなが予想するわけでありますが、国鉄としては、そういうものを置くことは、私はおそらく困難じゃないかと思います。私自身が
考えておる。門司のごとく組織が大き過ぎるというところは別でありますけれ
ども、一般にはそういうようなことははなはだ困難であります。私自身そう
考える。
いろいろ私の
意見などを申して恐縮でありますが、
一つできるだけ政治的な介入を避けて、そうして国鉄独自の立場に立って、ほんとうのよき意味の国鉄運営ができて、むしろ
委員会よりも国民に対しての期待に沿われるような御努力をお願いして、私の
質問を、また
意見を終わりたいと思います。