○岩間正男君 私もまた関連して簡単にお聞きしたいと思う。それからこれに関連する資料もほしいと思う。
大臣には
日本の
文化財保護費というのが、これは全体の
予算の何%になっているか、それから世界各国の
文化財保護政策というのはこれはどうなっているか。従って、
予算ですね、この面で全体の国費の何%になっておるか、こういう
調査を一体
文化財保護委員会はやっておられるのか、やっておられないのか、こういう点でぜひこれは
調査をしてそのような資料を
一つこの次出してもらいたい。
その次に、やはり各国の
文化財保護政策というやつをもう少し具体的に調べて、これがどういうふうになっておるかという点ね。これは
日本の
文化財保護政策を進める上にはやはり非常に参考になると思うのです。こういう世界の情勢がわからないで、
日本の段階だけで井戸の中のカワズでは、この問題は私は非常に重要な問題だと思うのですが、こういうものが打開されるとは思われない。私最近中国に参りまして、中国を見たんですが、新中国の
文化財保護政策というものは実に聞きしにまさるものがあります。これは大へんなものです。第一に紫禁城の故宮を今大
復旧しておりますが、これは莫大なものです。それからあそこの西安に参りましたが、西安では、あそこに半破遺跡というやつが、最初何か工場を建てようと思って発掘を始めようとしたら、あそこに五千年前の遺跡が発掘された。それで驚いてその跡に今大きな外屋を建てて、そして雨ざらしにしない。ところが、私登呂の遺跡のことを聞いたのですが、登呂の方がもっとスケールが大きいそうですが、ここへ今水がたまってボウフラがわいて蚊の培養地になっておるということを聞いたんですが、これは大へんな違いだ。それから今度はあそこの十三陵のところに参りましたが、あそこでは最近紹介されました地下宮殿が――明時代のものですが、これも
相当大きな地下宮殿が発掘されて、ここを見る人だけでも一日に二万人近くの人が来ている。こういう実情を見て参りました。それから太原に参りましたが、太原で、やはり昔の王室時代の新祠といいますか、この新祠に対して、これも大
復旧工事をやっておりましたが、私たちの歩いたところは至るところでこういう
文化財保護の政策を見てきた。そうすると、これはやはり非常に国の政策の中で、民族の伝承された
文化というものは、今後の
文化建設の上に非常に取り入れられて、そしてこれが骨となり血となって民族の
文化の発展のために役立たされておるという実態を見たわけです。そういうものを見たときに、
日本の今までの
文化財をほんとうに保存し、発掘する、これをもっと発展させる
一つの原動力に使うというところに
文化財保護委員会の根本的な私は使命があると思う。世界各国これはどうなっておるか。アメリカはどうなっておるか、イギリスはどうなっておるか、フランスはどうなっておるか、それからアジアの諸国においては一体これはどうなっておるか、ソビエトはどうなっておるかというふうに、これは一応御検討されておると思う。そうでなければ
文化財保護政策なんというものは立てるわけにはいかぬと思う。これはどうなっておりますか。ただこの点をお聞きしたい。一体、そういう
調査機関があって、そういうものについても討議されて世界的な
一つのこの傾向、そういうものを把握されてその上に立って
日本の
文化財保護政策というものが立てられておるか。この点が先ほどの
吉江委員の
質問を聞いておりましても非常に重要な点だと思う。これと関連してやはりこのようなものを裏づけする
調査並びに研究というものは非常に重要だと思いますが、この点だけお聞きいたします。