○
国務大臣(
佐藤榮作君)
市町村が、
自分の
市町村がどうなるかということに非常に心配であられる、これはよくわかります。よくわかりますが、
基本的に申しますと、
大蔵省はとにかく
予算をきめて
災害額をそれに押し込むのではないか、だからどんな
基準を設けても、その
基準は
基準で、おれの方に対しては
査定その他で適当なことをやるのじゃないか、こういう
ようなことが最後まで残るだろうと思います。
その
基本の問題についての
考え方でございますが、これは、あなたの方の
衆議院における
田中君の
質問に私も答えました
ように、普通の
予算と違いまして、金がないからこれはやらない、こういう筋のものではないのでございます。他の費目でございますと、しばしば
財政当局が、
財政の立場からこういうことはやれないということを申しますが、現実に起きた
災害、これは
予算におかまいなしに、
災害というものが現実に惹起するのでございますし、それの
復旧工事でございますから、
災害そのものが額をきめるということでありまして、
予算が先にきまって
災害額がきまるのじゃない。もうすでに
災害額がきまっておる。それを
予算化するのであります。この点では、重点が、在来の
ような
考え方、いわゆる
財政的立場だけで物事がきまるものではない。だからこそ、今回もいろいろ御批判はいただいておりますが、私
どもはあらゆる面で財源の調達をいたしたつもりであります。三十四年度の
予備費をほとんど全額これに投入したことももちろんでありますが、さらに今回は、本年度内の自然増収分を見込む。それだけでは不足であるということで、さらに税外収入におきましても十分
考えられるものを
考えるとか、あるいはまた、さらに
債務負担行為まで工夫するとか、あるいは既配付の
予算からも、各省から節減をしてもらって、所要の財源を捻出するとか、実はあらゆる努力をいたして参ったのでございます。ことに既配付
予算の節減をお願いしたことなどにつきましては、いろいろ御議論もあることだろうと思います。思いますが、現実に起きた
災害に対処するということが第一重要ポイントでございますから、私
どもはあらゆる工夫をいたしましても、必要な財源は確保するという努力をいたしました。この一事をもっていたしましても、いわゆる
予算をきめて、しかる後に
災害額をきめるとか、
工事費をきめるとか、こういう間違った
考え方は毛頭持っておりません。どうかこの点は、各
委員会を通じまして
政府の意のあるところを十分伝えていただきたいと思います。そういう観点に立っておりますからこそ、私
どもも将来の問題といたしまして、事実そのもの、冷厳な事実を無視する
考えは毛頭ない。事実の前には必ず私
ども頭を下げまして、必要な
措置を講じますということを
衆議院においても明確に申し上げた次第でございます。
そこで、それならば早く
市町村をきめろという問題になりますが、
市町村をきめることにつきまして、私
ども別におくらすとか、あるいは国会開会中にどうこう、間に合わさない
ように物事を
考えておるわけじゃございません。この
臨時国会中にできなくても、すぐ引き続いて
通常国会があるのでありますし、この
通常国会におきましても、いろいろな御批判を当然受けることだと思いますから、私
どもはどこまで公正な処置をとりたいと思っております。
先ほど申し上げました
ように、ただいまお
手元に配付しておる
程度では、推定の入っておる
資料にすぎませんし、また何といいましても、できるだけ早く
査定を終了しなければならない。この
査定を終了さすことにつきまして、非常に急いでおります。今回の伊勢湾
台風についての
査定がおくれておることはやむを得ないとしても、これまでに惹起された伊勢湾
台風前の
査定等もなおおくれておる。こういう状況でございますから、この
査定を急ぐことをまず第一に
考えております。
それからまた、こまかな問題になりますが、
市町村の
地域と申しましても、ただいま申し上げます
ように、
災害地を救うことが主体でありますから、新旧いずれでもよろしいという
ようなことを申しております。また、
標準税収入につきましても、これを按分する
方法、
一つの
基準がございますけれ
ども、新旧そのいずれをとるか等によりましても、計算上相当めんどうくさい問題がございます。そして、先ほどあげただけでも十六
府県がございますが、それ以外の県におきましても、〇・五以下の県でありましても、
市町村について
混合方式を採用いたします以上、やはり
被害激甚地というものが出て参るわけであります。そういう点を
考えますと、私非常に苦しい弁解めいたことを申し上げますが、一日も早くお
示ししたい
市町村ではございますが、そういう
意味では、いつまでにそれじゃやるのだ、こういうことを申し上げる段階ではございません。しかし私
どもは、ただいま
栗山委員が御指摘になりました
ように、これを明示することが非常に
審議も助けるし、また
罹災地の方々をして、これで一応の今後の
財政計画なり
工事進捗についての見通しが立つ、こういう
意味で、一応の目安にもなることでございますから、できるだけ急いで各
市町村をきめていく。こういう方向で進めたいと思います。