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国務大臣(
石原幹市郎君) 本年の発生
災害に、
自治庁としまして今日まで対処して参りました事項の概略を御
説明申し上げておきたいと思います。
本年度は相次ぐ
台風及び
豪雨によりまして、未曽有の大
災害を受けたのでありまするが、これらの
災害によりまする
罹災者が空然の多きに上り、また多数の犠牲者を
出しましたことは、まことに遺憾にたえないところでございます。
災害によりまする
被害額は、公共
施設関係のみでも約二千億円前後ということになっておるのであります。この
災害復旧事業その他の
災害諸
対策関係経費は著しく多額に上るものと
考えられます。
自治庁といたしましては、
災害発生直後、まず八月それから九月及び十月の三回にわたりまして、
被害府県に対しまして普通
交付税の繰り上げ
交付を行ないまして、二十三県に及んだかと思います。そうして
災害に伴う
応急の諸
措置に対する資金手当を講じたのでありまするが、さらにこの
災害関係経費の増高に対処いたしますために、これから申し上げるいろいろな
特別措置を講じて参りたいと思うのであります。
まず第一は、
災害特例債の
特別立法でございます。
その第一が、いわゆる歳入欠陥債及び
災害対策債の発行であります。
災害による地方税の減免等に基きまする財政収入の減少及び
災害救助、伝染病予防等の
災害対策費の財源に充てるために、地方債の発行を許可するということが
一つであります。
その次は公共土木
施設、公立学校
施設の小
災害にかかる地方債の元利補給であります。公共土木
施設の小
災害につきましては、一カ所の工事
費用が、
都道府県につきましては十万円以上十五万円未満のもの、
市町村につきましては五万円以上十万円未満のもの、それから公立学校
施設の小
災害としましては、一校当たりの
復旧事業費が十万円以上のもの、こういうものにかかる地方債について国が元利償還費の三八・二%、
被害激甚地域につきましては三分の二の元利補給を行なっていこう、こういう
考え方なのであります。
その次は
農地等火
災害にかかる地方債の元利補給でありまして、
農地及び
農林水産業施設の小
災害、これが一カ所の工事
費用が三万円以上十万円未満のものにつきましては、
農地が五割、
農林水産業施設は六判五分の範囲内でありまして、これも
被害激甚地域につきましては十分の九の範囲内で地方債の発行を認めまして、その元利償還費について国が元利補給をしよう、こういう
考え方を
一つ進めて参りたい。
それから次は地方債の
増額でありまするが、
災害復旧事業の地方
負担は、通常地方債で処理することとなっておるのでありまするが、今回地方債の総額を百六十億円——一般会計分として百四十億円、それから公営企業分といたしまして二十億円、計百六十億円を
増額したのであります。当初の地方債計画によるものが三十五億円あるのでありまするが、合わせて百九十五億円となるわけであります。これによって地方
負担をまかなうことができるようにしていきたいと
考えております。
その次は特別
交付税による
措置でありまするが、
災害による財政収入の減少または特別の財政需要の増高に充てるための財源につきましては、従来から特別
交付税の配分によって
措置することとしておるのでありまするが、今回の
予算補正によりまして、特別
交付税の総額は約四十一億円を増加することとなるのでありまするが、これが配分に当たりましては、被災団体の財政の
状況を十分勘案して遺憾なきを期していきたいと思っております。
その次は
災害復旧事業等の
国庫負担率の
引き上げでありまして、別途審議される予定の
災害関係の
特別立法、これは
関係各省からそれぞれ出てくると思うのでありまして、
特別立法によりまして、各種
災害復旧事業等について
国庫負担率を
引き上げまして、
復旧事業の円滑なる実施を期していくようにしたいと思っております。
これが
自治庁として今日までの
災害に対して対処していこうという
考え方の大筋でございます。