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1959-11-17 第33回国会 参議院 農林水産委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十一月十七日(火曜日)    午前十時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     堀本 宜実君    理事            櫻井 志郎君            仲原 善一君           小笠原二三男君            戸叶  武君            森 八三一君    委員            植垣弥一郎君            岡村文四郎君            重政 庸徳君            田中 啓一君            藤野 繁雄君            大河原一次君            清澤 俊英君            中田 吉雄君            千田  正君            北條 雋八君            棚橋 小虎君   政府委員    農林政務次官  小枝 一雄君    農林省農林経済    局長      坂村 吉正君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    農林省農林経済   局農業保険課長  森本  修君    農林省農地局参    事官      正井 保之君    農林省農地局災    害復旧課長   中村 武夫君    建設省計画局総    務課長     川島  博君    建設省河川局水    政課長     井上 義光君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査の件  (農林水産関係法律案に関する件)   —————————————
  2. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまから農林水産委員会を開きます。  風水吾対策特別委員会予備付託になっております災害関係法律案のうち、農林水産関係のものにつき、引き続き御検討願うことにいたします。  昭和三十四年八月及び九月の風水害による任意共済に係る保険金支払等にあてるための資金融通に関する特別措置法案議題にいたします。当局説明を求めます。  なお、当局からの出席は、坂村農林経済局長でございます。
  3. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) それでは、ただいま議題になりました昭和三十四年八月及び九月の風水害による任意共済に係る保険金支払等にあてるための資金融通に関する特別措置法案内容を御説明申し上げます。  このたびの八月及び九月の風水書によりまして、農業共済同体が行なっておりますところの任意共済にかかる保険金支払いができなくなったという事情が起こりましたわけでございます。今回の第七号台風及び伊勢湾台風等によりまして、農家建物に非常に大きな損害をこうむりまして、農家建物につきまして、農業共済組合連合会建物共済をやっておるのでございますが、これが風水害事故対象といたしておるのでございまして、被害が非常に甚大なために保険金支払いができなくなったというような事情になりましたわけでありまして、その県は、愛知三重岐阜及び山梨群馬の五県の連合会でございます。政府といたしましては、この事業が御承知のように任意共済でございまして、農作物等必須共済とは違うような関係もございまして、できる限り自分の力でこれについては対処するようにということで、いろいろ指導を加えて参りましたのでございますが、非常に被害が甚大なために、自主的な解決は非常に困難な実情でございます。これは被災農家のためにも、何とかできるだけすみやかに共済保険が支払えるような措置を講じなければ、被災農家のためにも非常に気の毒である、こういうような事情がございましたので、そのために特別な特例的な措置を講じまして、そうして何とか資金融通の道をつけよう、こういうことを考えましたわけでございます。その場合に、御案内の通り農業共済基金というのがございまして、農業共済基金法という法律がございまして、農作物蚕繭家畜等必須共済に充てるために連合会資金不足しました場合に、農業共済基金から融資をする、こういう制度がありますわけでございます。この基金は全体で三十億の出資金がございまして、そのうち十五億が政府出資、それから十五億が各県の共済組合連合会出資をいたしておりますというような実情でございます。で、いろいろ今度の風水害についての共済保険支払いの道をつけるということを考えました場合に、暫定的な臨時応急措置といたしまして、この基金から融資をするということが一番手っ取り早い方法であろうというふうに考えました。そういうようなことで、今回の災害特例といたしまして、特別に法律を作りまして、この基金から融資をつける、こういう道を講じようと思っておりますわけでございます。この任意共済につきましては御承知通りでございますが、現在、農業災害補償法では、共済組合があり、それから共済組合連合会県単位にございましてそしてそれが中心になって、農作物蚕繭家畜についての必須共済を行なっておりますわけでございます。で、これに対しまして国は再保険をやっておる。こういう組織に相なっております。この必須共済事業と同時に、農業災害補償法によりまして、共済組合及び共済組合連合会任意共済が行なえる、こういう規定があるのでございましてこの規定に基づいてやっておりますのが、大体おもなものは建物共済でございます。そのほか建物につきましては、農業協同組合共済事業を行なっております。これも協口組合法に基づきまして行なっておりますわけでございますが、これは農業協同組合、それから県におきましては連合会を作り、それから全国には全国連合会がございまして、そういう組織で行なっておりますわけでございます。で、この両方団体が行なっております事業につきましては、いろいろ事業分野につきましても調整を要する問題もございまして、政府といたしましては、今まで各県におきまして両団体が知事を中心といたしまして事業調整をはかるようにと、こういうことで指導して参りまして、今のところ、大体全国的には両団体事業分野調整も行なわれておりまして、非常に調整がとれた形で大体において行なわれているというふうに私たち考えておりますわけでございます。そういう状況でございまして、いずれにいたしましても、農家建物が非常な不測の災害を受けました場合に、これに対する共済をやっていくというようなものでございますので、両方が円満に一つ今後の事業もやっていけるというようにということが、私たちの大体の念願でございます。  次に、被害状況について申し上げたいと思いますが、今度の八月、九月の風水害によって建物共済が、農業共済団体の行なっております建物共済被害を受けました状況は、件数にいたしまして、全国で十二万八千件でございます。それから総支払金額の見込みが全体で七億七千八百万円というような状況でございまして、そのうち特にひどかったが、群馬山梨、それから岐阜愛知三重等でございます。この五県についてみますると、被害件数は七万六千六百件でございまして、支払保険金額等見込額は大体六億でございます。で、この六億のうちこの五県があらゆる手持資金を動員いたしまして、そうして支払いに充て得る金が二億八百万円でございまして、残りの三億九千三百万円というものが大体融資をしなければならない、こういう状況になっておるのでございます。これは十一月一日現在の調査でございまして、その後これらの金額等につきましては、あるいは、ある程度変更はあるかもしれませんが、大体そういう状況に相なっております。  それから一方、農業共済基金状況ほどういう状況であるかと申し上げますと、先ほど申し上げましたように、出資金は三十億でございまして、これは全額払込済みでございます。そのほかに約四億程度積立金がございまして、それを中心にいたしまして運営をいたしておりますわけでございます。最近の数年間におきましては、大体資金の何といいますか、年度末の状況で見ますると、融資をしております総額は、大体三十数億程度でございまして、今の状況ではこの建物共済に対しまする融資をいたしましても、農作物その他の必須共済に対しまする資金繰りは困るというような状況でもないというふうに考えられる状況でございます。  一応この法案につきまして、大体のところを御説明申し上げたわけでございますが、なお、御質問によってお答え申し上げたいと思います。
  4. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまの御説明に対し御質問の向きは御質疑を願います。
  5. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 少しくさかのぼってお尋ねしたいと思っておるのでありまするが、農業共済基金は、農業共済基金法によって、今、お話があったように、農作物蚕繭家畜必須共済にかかる保険金支払いであって、会員である農業共済組合連合会が必要とする資金以外には貸し付けることができないと、こういうふうになっておるのでありますが、過去において、この必須の事業以外に貸し付けられたことがあったかどうか、これをお尋ねしたいと思います。
  6. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) お話通り、必須の事業に対してのみ貸し付けるということになっておるのが法律の建前でございまするが、昭和二十八年の災害のときに、福岡県で行なっておりました菜種任意共済、これが非常に阿った状況に、至りまして、これをとにかく一応共済しなければならないという状況がありましたので、やむを得ずこの場合にも、特例といたしまして、農業共済基金から融資をいたしております。特例法でございます。
  7. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今お話のあったように、昭和二十八年台風第二号による被害農家及び被害漁業象に対する資金融通に関する特別措置法、この法律によって、福岡県では菜種対象として貸し付けられておるのでありますが、その当時の福岡県の菜種被害状況はどのぐらいの程度であったか、また、福岡県の共済連合会不足命填補準備金積立金の額はどのくらいであったか、また、貸し付けられた金額、利率、償還期限保証人等はどういうふうなものであったか、こういうふうなことをお尋ねしたいと思っております。
  8. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 昭和二十入牢の、これは被害ということでございませんで、今の資料では支払い保険金の額でございますが、これは大体まあ被守と同じように考えていただいてけっこうだと思います。支払い保険金の額か三千五百万円でございます。で、これに対しまして貸付をいたしました金額が三千二百万円でございます。その条件は、金利は六分五厘、償還期限は五年でございまして、その後、これに対しましては県で保証をいたしておりまして、その後、この金は期限内にいろいろやりくりをいたしまして、きちんと返済をいたしております。
  9. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今、保険金支払いを要するものが三千五百万円、そのうちで貸し付けたのが三千二百万円ということであれば、さっき私がお尋ねしました県農済連の持っておった不足金填補準備金積立金はその差額でありましたか。どのくらいの金額を持っておったのでありますか。
  10. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 福岡県の菜種共済事業は、二十五年にわずかに着手をいたしまして、その後ほとんど休業状態で、二十八年になりましてから、一応本格的に始めた、こういう状況でございまするので、二十八年の収入保険料が三百二十四万円という金額になっておりますが、おそらくこの当時は第一年目というような状況でございまして、積立金等もほとんどないというような状況でございます。
  11. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 さっき、借り得たところのものは三千二百万円で、期限内にやりくりをやって払ったということですが、それはどういうふうなやりくりをやられたのですか。
  12. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) これにつきましては、県で保証をいたしておりましたので、県当局からも補助金が出ましたし、それから、あるいは基本財産売却とか、あるいは建物売却とか、いろいろそういうようなことで非常に苦労をされて償還を完了したようでございます。
  13. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、三千二百万円のうち、県の補助金はどのくらいですか。
  14. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 四割でございます。
  15. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、今度は、昭和二十八年の台風第二号の場合には、福岡県では建物被害はなかったのですか。また建物共済事業福岡県の農済込ではやっていなかったのですか。
  16. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 昭和二十八年におきましては、福岡県の共済連は、建物につきましても事業をやっておりまして、このときにも、建物の部面でも不足をいたしまして、約一千万、これを借金をいたしまして、これは三年で返済をいたしております。
  17. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、一千万円はどこから借りたのですか。そうして金利は幾らです。
  18. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) その点、今、正確な資料がございませんが、おそらく信連であろうと思います。だから、金利も結局信連金利で借りておるというふうに考えられます。
  19. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから、昭和二十八年の台風は、和歌山県の農家被害が非常に甚大であったんですが、和歌山県の建物に対する農家被害がどのくらいのものであって、それに対しては政府はどういうふうな手を打ったのか。さらに、これは基金から出していないとするならば、福岡県には基金から出し、和歌山県には基金から出さなかった理由はどこにあるのですか。
  20. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 昭和二十八年の和歌山県における建物被害は一億二千六百万円でございまして、これに対しましては、手持資金が六百万円しかございませんでして、一億二千万円の融資をいたしております。で、この場合は、福岡県の場合と同じように、これに対しましても特別法を作りまして、ちようど現在の天災融資法と同じような方式でございまするが、金融機関から金を借りました場合に、それに対する国による利子補給と、それから国と県等による損失補償というものを規定いたしました特別法を特別立法いたしまして、そして救済しましたわけでございます。ですから、先ほどの福岡県の一千万円というのも、そういう措置のもとに金融の道が講じられておるという状況でございます。
  21. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、菜種に対してはこの基金から出し、和歌山県に対しては基金から出さなかったという理由は、どこにあるのですか。
  22. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そこら辺の事情は、はなはだ不明確でございますが、この際の立法議員立法でございまして、その菜種建物とを基金とそれから天災融資方式というものに振り分けたというような事情も、私どもどらも今になって正確には把握していない状況でございますが、おそらく、その感じといたしましては、菜種農作物であるというようなことでその基金に持っていったということじゃないだろうかというふうな、これは想像でございますけれども、そういう想像をいたしております。
  23. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、和歌山県の一億二千万円は、どこから融通したのです七
  24. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) これは、初めはいろいろ農林中金その他から融資をするようにということでお願いをしておったようでございますが、なかなか融資も困難でございまして、結局、その県の信連から融資をされておるということでございます。
  25. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、信連から融資したのについて金利は普通の金利ですね、信連の。それからその金利に対して県と政府保証したのですか。
  26. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 金利は、現在の天災融資法と同じように、県と国で六分五厘まで補給をいたしております。それから損失補償は、国と県でおのおの二割ずつ四割の補償をするという法律でございます。
  27. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、このときの貸付期限は、やはり五年ですか。
  28. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 五年でございます。
  29. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから保証人は。
  30. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) このときは国と県とが損失補償をしておりますので、その場合、特別に別の保証人というものはなかったと思います。
  31. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、一億二千万円信連から貸して、そうして国と県とが二割ずつの損失補償をやり、それで金利保証をやって、現在償還はどういうふうになっているんです。国あるいは県が二割の損失補償の金を女共して、償還は完了しているんですか。
  32. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 実際の償還状況は、国も県も保証の実行はいたさないで済みまして、期限内に完済をいたしております。
  33. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、国と県とは信連の普通の貸付金利に対して年六分丁度までの金利助成をやった、国と県とで金利助成をやったんですね。
  34. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そうでございます。
  35. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、その助成の割合は、国と県とどうなっているんです。
  36. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 国と県とは半分ずつでございます。
  37. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それで農業基金の運用の過去の模様、また、災害を受けた場合の菜種建物に対する模様、これは過去のものは大体わかりました。そうするというと、政府は二十八年災の体験からいたしまして、農業共済組合連合会が行なうところの農業共済をどう改善しようと思っておられるのであるか、また、現在の法律そのままでいいと考えておられるのであるか。改善する必要があるか現在のままでいいか、そういうふうな点についてお考えをお伺いしたいと思うのであります。
  38. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) この建物共済の日額につきましては、非常に童女な問題でございまして、すでに二十八年のときに、今申し上げましたような状態になっておりまするし、また、今回こういう状態になりましたということは、非常に遺憾でございまして、これにつきましては、建物共済、特に風水害対象とする建物共済について、技術的にも十分再検討をしなければいけないのじゃないかというふうに考えております。従いまして、今回の災害経験に照らしまして、支払金不足をいたしました五県はもちろんのことでございますが、その他の県につきましても、いろいろ財務状況等を精査をいたしまして、今までの発行状況、特に掛金料率の問題であるとか、それからつ金額最高限度の問題であるとか、そういうような問題につきましても十分検討いたしまして、こういう事態が今後起こりませんように、一つ安全性を高めていくというようなことで、現在もそういう方針指導をいたしておりますわけでございます。実は、この該当県の五県につきましては、すでに県の当局、それから共済連合会責任者等農林省に招致をいたしまして、実情を詳しく調査し、今後、償還計画との関連もございまするので、十分その償還が完全にできますように、料率その他の問題につきましても十分の指導を加え、検討いたしておるわけでございます。
  39. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 支払いが困難になったのは、災害が重大であったからでもありえますけれども、一方の方においては、共済掛金が適正であるかどうか、こういうふうなことであろうと思うのであります。そこで、農業災害補償法施行規則第十九条の二の第四号の、農林大臣の指定する任意共済農業者建物共済掛金というものが、現在やっているのが適正であると考えておられるのであるか。また、今度の風水害にあったってたとえば例をとって申し上げますと、山梨県の某共済組合が文案で出しているようなことは、いろいろと掛金のことも書いてありますがこれでいいという考えであるかどうか。まず、一番大きい問題は、掛金の問題であろうと思うのでありますが、掛金について現在やっているところのものが、繰り返して申し上げると、適正であると考えておられるかどうか。これは、もちろん本省で監督しておるのであるから、適正であるとしてやっておられるであろうと思うのでありまするが、その点についてお伺いいたします。
  40. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) その問題につきましては、御承知のように、事故風水害でございまするので、いろいろ、これの危険率算定等につきましても非常にむずかしい問題があるのでございます。と同時に、今回の災雲におきましては、五県はこういう状態になりまして、支払い不能の状態になりましたけれども、その他の県におきましては、相当被害がありましても、これを十分に切り抜けてやってきている県もありまするので、全部が全部、すべての県が現在の状態がいけないというようなことじゃないと思うのでありまして、いろいろその県々の実情、それから県の連合会財務状況、そういうものを十分検討いたしまして、それから危険率等も、できるだけ今までの経験を十分織り込んで、安全割増しというようなものも十分考えて運用していきますことが必要であろうというふうに考えておるのでございまして、そういう考え方で各県の連合会指導していきたいというふうに考えております。
  41. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから、さっきから申し上げておる農林大臣が指定いたす任意共済不足金填補準備金の積み立ての状況を過去において調査されたことがあるか。調査されたならば、それで適正であると考えておられるのであるか、不足を来たすと考えておられたのであるか、その点お伺いしておきたいと思います。
  42. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) これは昭和三十四年の三月三十一日現在の調査でございますが、全国にわたりまして調査をいたしました責任準備金建物支払い備準金、それから法定積立金、無事戻し積立金特別積立金、こういう積立金備金——準備金でございますが、これが総額で二十億三千七百万円ございます。これを県別に見ますると、比較的、何といいますか、安定した状況にあります県もございますが、中には非常に心配であるというような財務状況の県もあるのでございまして、こういう資料を基礎にいたしまして、農林省でも、できるだけ安全性を確保して参りますように、現在までも指導して参っておるのでございます。また、今後もそういうことで、できる限りの指導を加えて参りたいというふうに考えております。
  43. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから今回対象になった愛知三重岐阜山梨群馬の五県、これの共済金支払い見込額、それから県の農災連が持っておる積立額、今度の融資予定額、これを承りたいと思っております。あるいは、説明をしていただくと同時に、あとで資料として提出していただきたいと京います。
  44. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 今度の五県の融資総額は、先ほど三億九千三百万円と申し上げまして、これは十一月一日現在でございますので、ある程度、これについては変更があるかもしれません。この県別内容は、群馬が一千八百万円でございまして、それから山梨が八千四百万円、岐阜が六千五百四十万円、愛知が一億、それから三重が一億二千五百万円、こういう内容でございます。被害額に対しまして手持ち資金を全部使い果たしてその残りでございまして、手持ち資金と申しまするのは、群馬が三千七百万円、それから山梨が四千六百万円、岐阜が六千百七十万円、愛知が四千八百万円、それから三重が一千四百万円という状況でございます。
  45. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 そうすると、各県の共済連手持資金を出してしまうというようなことになれば、次に起こるところの災害対策として非常に支障を来たすようなことに陥りはしないかと考えておるのでありますが、手持資金を全部こういうふうな方面に今お話全額を出してでも次に起こるところの災害には支障ないのですか。
  46. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 仰せの通り、その点は非常に心配でございますが、できる限り今後の運営等にも安全性考えて参りまして、今後の災害に対しまして、こういうような事態が起こりませんように一つ十分連合会でも気をつけてやっていただくし、農林省でもそういう方針指導をしていきたいというふうに考えておりますわけでございます。  なお、通常の状態被害の場合におきましては、大体収入金額に対しまして、今までの実績より見ますると四割くらいの支払いで済んでおるというのが実情でございまして、今回のような、これは非常に異常な災害でございまして、こういう災害でございますので、特にこういう困難な状態が起こったというふうに考えます。
  47. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 それから、これが私の聞いたのが誤りであるかどうかわかりませんけれども、聞くところによれば、台風が来る、あるいは来た前後において非常に加入者が激増したというようなことも聞いておるのであるが、一体、今度の建物共済に加入の最近における状況調査されたことありますか。
  48. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そういうことがかりにあったといたしますれば、これは非常に困ることでございまして、おそらく、私たちはそういうようなことはあるいはないのじゃないかというふうに考えておりまするが、今までもいろいろ県当局あるいは連合会当局に対しましても、そういう事情をいろいろ調査をいたしておりました。そういう点、十分こまかく調査をいたしました上でいろいろ対処いたしたいと思っております。
  49. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 だいぶ長くなるから結論を出しますが、愛知県等の五県に対した今度の処置は、今回の特別指貫法で一応は救済される、また、非常に農家被害を受けたのであるから、これらの方に対しては一日も早く支払って救済していただかなければいけない。しかし、こういうふうなことを繰り返さないためには、一体どうすればいいかということが考えられなくちゃいけないのでありますが、政府としては、県及び県農済連の幹部の人を集めて適当な行政措置をとったというようなことでありますが、これをできるだけすみやかに適当な措置を講じなかったらば、また、同じことを繰り返さぬとも限らぬのであります。それであるから、こういうふうなことを繰り返さないためには、政府はどういうふうな措置をとられるお考えであるか、幸い政務次官がお見えでありますから、政務次官にお尋ねしたいと思います。
  50. 小枝一雄

    政府委員(小枝一雄君) まあこの共済の問題につきましては、藤野委員から御心配になっておりますような問題が非常にたくさん含まれておるわけであります。従いまして、われわれの方といたしましては、でき得る限りこれを合理化いたしまして将来の災害に備えまして一方においては、農家共済を十分にやっていき、一方においては、また、制度そのものについても合理性を持たしていくという、こういう方向に向かって今後行政的にとりあえず進めていかなきゃならぬと考えまして、当面の問題といたしましては、今今回のこの処直に呼応いたしまして一方においては、一つこれらの問題について限度の問題、料率の問題等について、それぞれ、あるいは限度の引き下げ、あるいは料率の改訂というようなことについて、とりあえずこの五県の問題についてはこれをやっていくと、それから他の各県の連合会につきましては、三月がちょうどこれの改訂の期限になっておりますので、それまでにそれぞれの経済状態、いろいろそれらに関連するところの諸情勢をよく調査いたしまして三月までにその結論を得て、その改訂を機にこれを合理化していきたいと、かように考えておる次第であります。
  51. 藤野繁雄

    藤野繁雄君 今、小枝政務次官からいろいろお話かあったのでありますが、ぜひ政府において急いで対策を紋っていただきたいと思います。  それから、いよいよこれを貸し出すという場合になったらば、急いでまた貸し出さなくちゃいけない、そういうふうなことになれば、農業基金の業務方法書というようなものを改めていかなくもゃいけないと思っておるのでありますが、いつ業務方法書を改めて実際の貸付の手続をとられるお考えであるか、できるだけ早く貸し付けることができるようにしてもらいたいと思っておるのでありますが、いかがです。
  52. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 仰せの通りでございまして、この法律が国会で承認を得ましたら業務方法書の改訂をいたしまして、至急に貸し出しができるようにいろいろ準備を進めております。
  53. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 時間がありませんから簡単にお尋ねいたしますが、全国建物共済をやっている連合会はもう全部だろうと思うんですが、それは全農家戸数の何ぼ入っておるか。
  54. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 約二百万戸でございます。
  55. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 六百万のうちの二百万。
  56. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そうです。
  57. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それでこの共済の条件ですか、どういう場合ということでは風水害、火災、地震も入りますか。
  58. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 大体主体は火災でごございまして、それに風水害、それから地震は入っておりません。それから一部長期のものもございます。
  59. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それらの条件で保険金額に対する掛金率が違いますか、選択して入るのですか。
  60. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 火災だけを対象にしているもの、それから火災と風水害を一緒にしまして対象にしているというものとは料率金額が違っております。
  61. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで全国連合会は一律ですか。
  62. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) この共済団体には連合会というものがございませんで、県単位でございまして、各県によって違っております。
  63. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 風水害等の場合、各県によって掛金額が違っても、最高保険金額は同じというような場合がありますか、ありませんか。
  64. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) おのおのの県によって、鼻高の金額は同じところもありますし、違っておるところもございますが、それに応じて掛金の率も同じところも、あるいは違うところもございます。それらはいろいろすべてが農林省の認可にかかっておりますので、共済規定については、農林省で認可をしております。
  65. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 民間の全損保等は、風水害は入らぬのですね。火災一本でしょう、大体。
  66. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 民間の損保の場合にも、一部風水害対象にしておるものがあるようでございますが、これは実際問題として、加入者はきわめて少ないと思います。
  67. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 先ほどのお話通り、風水吾等の計算がむずかしくて、めんどうだということだったのですが、何か客観的な、全国のそういう県連合会に指令し得るような計算の基礎というものが農林省にありますか。火災の場合は、民間に一応の基準があるから、あるいは実際過去の実績もあるから、地域なりなんなりによって適当なあれがきまるでしょうが、風水害のっ場合はどういうことになるのですか。台風常襲地帯並びに常聖地帯でないところでも違うでしょうし、客観的な、なるほどと思われるような基準で、科学的なものというものがあるのですか、農林省には。
  68. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) これは仰せのように非常にむずかしい問題でございますが、今まで農林省といたしましては、過去の長い間の経験的な被害率等を十分考えまして、そういうところを基礎にいたしまして、そうして調査規定認可をしておるわけでございます。もちろんこれが風水害のような事故につきまして非常に純粋な客観的なものである、こういう被害率であれば、危険率であれば間違いないのだというようなことは、十分であるとは申せないと思います。しかし、一面からいいますと、農家建物についての共済でございまするので、そういう点も農家の方からの要望というものは、あるいは非常に強いのでございまするので、そういう点も十分考えまして入済をやっております。団体の方でも安全にやっていけますように、それから農家の方にいたしましても、できるだけ共済措置になってできますようにというような気持で、いろいろ苦心をしながら認可をいたしておりますわけでございます。
  69. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも私にはわからぬので、抽象的に話をしておっても、どうも理解がいかないので、三重県の場合を例にとってお示しを願いたい。三重県における農家戸数は幾らで、これに加盟しておる農家は何戸か。それから火災だけの最高保険金額は幾らで、それに対する掛金額は幾らで、風水害とともに合したものは幾らであるか、それぞれそれに加盟しておる戸数は幾らであるか、お示し願いたい。
  70. 森本修

    説明員(森本修君) ちょっと今、災害だけと、それから風水害を含めたものとの戸数ははっきりいたしておりませんが、三十三年度の実績によりますと、全体で三重県におきましては加入戸数が四万一千五百軒ということになっております。それから料率でございますが、料率は、比較的風水害が従来において三重県は少なかったものですから、火災ではこれは一万円につき三十円、それから風水害を含めたものは一万円につき三十円ということになっております。御参考のために申し上げますと、風水害が非常に多い地帯におきましては、たとえば徳島県等でございますが、火災だけでは一万円につき二十五円、風水害を含めたものは一万円につき九十川、こういうふうに地帯別によって非常に違っております。
  71. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 四万一千五百軒が加入戸数、加入しないものは……。
  72. 森本修

    説明員(森本修君) 加入しないものの戸数ははっきりいたしませんが、加入率が出ておりますので、加入率は過去の五年間の平均は二五%という程度になっております。
  73. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで、三重県の年間の支払いはあれですが、こういう料率で年間収入は幾らになるのですか。
  74. 森本修

    説明員(森本修君) 三十三年では約七百十万円程度になっております。
  75. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうして支払いは……。
  76. 森本修

    説明員(森本修君) 支払いは、三十三年度の実績では三百五十万ということになっております。
  77. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 火災で一万円について二十円、風水害込みで三十円。そうすると、純然たる風水害が十円。本年の災害融資が一億二千万、手持資金が一千四百万。そうすると、一億三千四百万も支払い、これを風水害の方の掛金額償還するということになればどうなのか。と申しますのは、火災単独で入っておる部分もあるのですから、火災と風水害とを、これはこの連合会は収入を一緒にして、そうしてその都度々々の災害へ出すという仕組みならいざ知らず、そうでなくてあるワクを、それぞれ経理上はワクを考えてやっておるというならこれは大へんなことになると思うのですが、運用はどうするか。火災専門に入っているのと風水害の方に入っているのと、その連合会の金の使い方は。
  78. 森本修

    説明員(森本修君) 勘定の方は短期の共済と、先ほど言いましたように、ごくわずかでございますが、長期の共済と二つあるのでございまして、短期の方は火災のみと風水害を含めたものと、これは込みにして経理をいたしております。短期と長期ということで経理をいたしております。
  79. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 掛金料率状況がそういう状況でございますから、まあこれは今まで三重県にはあまり大きな風水害がなかった、こういうようなことから、過去の経験からそういうものが今までのやつが出てきておると思うのでございます。まあ今度のような災害を受けまして、こういうものを危険率に織り込んでいきますと相当高いものでとっていかなきゃならぬという状況になろうと思いますので、そういう点は、たとえば、先ほどありましたように、徳島等においては風水害等を含めた共済については九十円の掛金をとっておるというような状況でございますので、そういう点を十分考えまして料率の改訂等を指導していきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
  80. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 三重正県の場合は一億二千万円借りて五年償還では不う能ですね。この勘定で七百十万の収入で二百五十万も、年間支払いが五百万円ずつ出しても十年かかれば五千万です。二十四、五年もかかる仕事になりますね。
  81. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 今のままで参りますとそういうようなことになろうと思いまするので、先ほどから申し上げておりますように料率の改訂をいたしまして、料率も上げまして、まあ大体償還期限も同じですし、無理のないように十年前後くらいを考えて今検討をいたしておるわけでございます。
  82. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ところが、そのいわゆる任意建物共済は、今の農業共済だけがやっておるのじゃないのでしょう。農協もやっているのですか。そしてさっきのあなたのお話では、この二本建が、地域的に円満にやるように、知事等の何ですか、扱い等で、それを望んでいるのだ、将来はそうなんだということですが、こういう三重のような場合を考えると、これは理屈の上でいえば二本建というようなことは、一農家にとってみれば不便ではないですか、どういうことなのですか。
  83. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) お話のように農業共済でもやっておりまするし、それから農業協同組合の方でもやっておるわけでございますが、ただ現在農業協同組合の方では風水害対象にした任意共済はやっていないわけでございまして、農業共済団体のやっている任意共済風水害対象にしているというような状況でございます。もちろん、こういう二本建で建物についての任意共済をやっていくということにつきましては、いろいろまあ今までも問題もございまするし、それから現在もいろいろむずかしい問題がございまして、こういう点につきましては、現在のところ、先ほど申し上げましたように知事が中心になって事業分野をおのおの調査をいたしまして、そうして両方とも穏やかに農家のために共済をやっていく、こういう態勢をとっておりますのでございます。
  84. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 今、市町村地方公共団体そのものが地域住民の建物共済をやった方がいいという意見もあって、民間損保の団体と衝突しているが、こういう農村、農家の問題は、そういうところでやるということについては、農林省はどういうお考えを持っているのですか。
  85. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 風水害建物共済等につきましてはいろいろ問題がございまして、どこでやったらいいかというような議論もいろいろ出ているわけでございます。いずれにいたしましても、これとは別でございまするが、農業災害補償制度というものについても、いろいろ最近においては批判もございまして、そういう点も十分できるだけ早く一つ何らかの方向を検討いたしまして、そして現在の農業災害補償制度について、農家の間からも、その他の各方面から出ております不満とか批判とかいうものもできるだけすみやかに解消するという方向で考えなければならぬと思うのでございます。そういうことで農林省におきましても、この前の国会に参議院の農林水産委員会、それから衆議院の農林水産委員会において、できるだけすみやかに抜本的な改訂をするようにというような決議もございますので、そういう御趣旨にも沿いまして、すみやかに一つ根本的な改訂をするための検討を進めたいと思っていろいろ準備をいたしておるわけでありまして、そういう問題の根本問題とも関連をいたしまして、この任息共済の問題等につきましても、何らかのはっきりした方向をつけたい、こういう工合に考えておるわけでございます。
  86. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私、回り回ってごたごた申し上げましたが、焦点をしぼって申し上げますと、火災共済、こういうものは全国的にあるものであって、一県連合会等でそれぞれ自主的ということはいいのですけれども、掛金率もなにも適宜農林省の示すワクの中できめて、県内の責任だけで処理するというよりは全国プールされる方が農家個々にとっては利益であるという原則は、これは曲げられないと思うのですね。その際に、農協のそれとどうするかということも、これは重要な問題ですし、あるいは町村火災共済等の問題が起これば、それらとの関連もどうするかということが問題でしょう。が、しかし、少なくとも今の段階で地方で望んでいる状況からいえば、任意共済というような形ではもうないのではないかと思うのですが、これは私が暴論でしょうか。  それからもう一つは風水雪、これを火災のそれと込みにして支払いをする、経理をする、これは私は疑義がある。それは危険負担からいって料率等が客観的に示されるならそれはプールされてもいいかもしれませんが、しかもまた、地域的にはこれは偏在するもので、あるいはこれを全国的に押しなべてやるという理由もあります。常識からいってどこに回ってくるかわからぬ回り合わせである。従って、お互いがわずかな掛金でも出し合っておいて集中的に来た地域の農家共済に充てる、そのかわり百年に一ぺん来るか五十年に一ぺん来るかしらぬが、自分のところに来たときには、全国的なやはり応援の手を差し伸べてもらう、そういう意味ではやはり全国的にやるという理由もあるでしょう。少なくとも三重県とか愛知県とか、独自に県内のものを県でまかなっていくというような、こういうあり方は、風水害の場合はあまりにこれは極端なひどい打撃になるであろうということはいわれると思うのですね。それでもう、それでも私は一般に火災のような場合ならそれぞれの基準も示されるだろうが、風水害というようなものについては、これは相当な計数的な計算も必要であろうと思うし、そのためにはやはり広域な地域で、零細な掛金でそういう事態に対処するという方式の方がいいのではないか、まあ常識的にはそう考える。いずれにしても、任意共済という姿で進んでいくということは、これはもう今の段階では許されないのじゃないか。また、任意共済でかりに暫定的にやるとするならば、それがもう少し各府県連合の資金の持ち寄り、あるいは政府の援助、こういうものがあっていいのではないか。こういう臨時な基金の運用という形で便宜措置されるという問題ではないのじゃないか、こういうふうに思うのです。私のは全くしろうと論なんですが、局長の事務的な御意見を承り、先ほどの答弁では抜本的に今後云々ということですから、政務次官、通常国会等に外部の圧力を排除してでも、ちゃんとした制度確立の法律案を御提出になるか、お伺いしたい。  何しろ、何かこの法が拡大していくことは、民間会社は大反対なんでしょうから、それやこれやの抵抗もあってごたごたするだろうが、まあ少なくとも同じ農業団体の間での競合があることを農林省自身が処理できないというようなことでは、何を指導しているかと書いたくなるくらいのものなんで、あとは質問しませんから、懇切丁寧に御意見を承りたい。
  87. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) それでは、きわめて技術的な、あるいは事務的な観点から、ただいまの小笠原委員の御質問にお答え申し上げたいと思いますが、私たちも、風水害のような事故対象とした共済県単位でプールができるというようなことは、これは非常にむずかしい問題だろうというふうに考えておるのでございまして、そういうことからいたしまして、何とかこういう制度につきまして、農家建物がほんとうに風水害のときに救済されるというような制度に、すっきりした制度に一つ持っていったらいいのじゃないかというような気持は十分あるのでございまして、そういう意味でいろいろ研究をいたしておるのでございまするが、いろいろむずかしい問題がございまして、非常にお含みのある御指摘のような問題もございまして、なかなか思うようにこの問題はすっきりとは片づかないというような状況に相なっておるのでございまして、この点は遺憾に思っておりますわけでございます。先ほども申し上げましたように、いずれにいたしましても、この農業災害補償法で、農作物とか、あるいは蚕繭とか、あるいは家畜とかいうようなものが、法律上の必須の共済になっておるのでございますが、これらについても根本的にいろいろ問題が起こっておるのでございまするので、そういう問題を検討いたしまする際に、一つ任意共済の問題もできるだけ根本的な検討を加えたいというふうに考えておりますわけでございます。
  88. 小枝一雄

    政府委員(小枝一雄君) ただいま小笠原委員の御質問によりまして、この共済制度の根本的な施策として、どういうふうにこれを改善していくかという問題につきましては、先ほどから事務当局からお答えをいたしましたように、きわめて複雑な問題と相なっておりまして、小笠原委員からも御指摘の通りに、なかなか容易ならざる問題があるのであります。ことに、まあこの共済制度そのものの精神は、まことにわれわれもりっぱなものだと考えておりますが、今日の実施の段階になりますというと、非常に問題点がたくさんありますことは御指摘の通りであります。そういう問題等に考えを及ぼしまして、先ほどから経済局長からお答えを申し上げましたように、抜本的な共済制度の改正を考えなければならぬということを申し上げておりますように、われわれといたしましても、これを非常に痛感をいたしておるわけでございまして、従って、省内におきましてもいろいろと検討を加えて、格関係局の間でもそれぞれ意見の交換をし、いろいろ事務的に再検討を加え、いたしておるのでありまするが、しかし、これはいつまでも放任をしておき得る段階でございませんので、これは何とか急いで結論を出さなければならぬ状況に辿られておるのであります。  そういう意味におきまして、それでは次の通常国会にでも、これを抜本的改正の用意をして提案するのであるかという御質問に対しましては、われわれのところといたしましていろいろと考えてみたのでありますが、何分こういうきわめて重大な問題でありますし、この問題は、わが国の社会情勢から考えましても、現行の制度の運用のいかんにかかわらず、共済制度を合理的にさらに進歩さしていくということについては、考えを持って進まねばならぬ問題でございますので、いろいろやっておりまするが、しかし、そういう重要な問題でありまするだけに、その準備といたしましても、これは実際問題として相当の時日を要しまするし、これをそこまでやるとすれば、よほど慎重に、しかも検討を加えていかなければならぬというようなことで、ただいまの私どもの考えといたしましては、これはでき得る限りの努力をするといたしましても、次の通常国会の提案にはなかなか間に合いかねるのではなかろうか。そういうふうになるというと、そのままで放任していくわけには参りませんので、あるいはこれを政府部内だけにとどまらず、さらに民間の識者も加えて調査会でも作るとか、どういう方法がよかろうということで、今実はいろいろと検討をいたしておるところでございます。従いまして、この際次の通常国会にこれを改正案を提案するという段階には行きかねると考えまするけれども、その間に、一つ調査会を設けて積極的にこの改正に着手をいたしますとかいうような一つの具体的の段階に行きたいと、かように考えておる次第でございます。
  89. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 事情はよくわかりましたが、ただ、その調査会というようなものを、このごろ農林省は審議会ぱやりで、いろいろのものを作っておるようですけれども、ちっとも取り運びがない。話は余談になりますけれども、市場の問題でも何かの委員会があったんですが、ちっともわれわれのところには中間的な報告もなければ、何がどうなるものやらもわからぬ。そんなことより、有為有能の方々がいるのだから、もう少し結束して、さっさと部内の意見をまとめておやりになった方が、かえって能率的だと思うのですがね。かえって、審議会だ何だというようなものは、これは民主主義のベールはかぶっておっても、ちっともその動きがとれない。業界のそれぞれの利害関係で衝突しておるのを、農林省は傍観しておるというような状況もあるじゃないですか。あまりこの種のものにりっぱな学識経験者やその方面の亜門家と称する業界代表なんてものを入れたら、にっちもさっちもいくもんじゃないように思うので、一つ自己の責任でおやりになるようにがんばってやっていただきたいと思うんですね。終わります。
  90. 田中啓一

    ○田中啓一君 今、藤野さんと小笠原さんから、まことに適切な御質問でございまして、また御答弁も大いに誠意を持ってやっておられた。で、私は、農林省が大いに元気を出してこの問題の解決に当たるということをおっしゃっても、やはり今日の時勢から申しまして、何らかの調査会にかけていくというようなことは必要でないかと思いますので、何でもこの通常国会に出せというほど迫るつもりはございません。ございませんが、そのかわりに、実は眼前の行政指導ということが非常に大事になる。これはまあ先ほどの御答弁を伺いましても、大いにおやりになるということで、大へんけっこうに思うのでありますが、そこで、実は行政指導と申しましても、中身をざっくばらんに申しますと、風水害保険料率を上げるか上げないかということなんですよ。これは上げれば加入者はなかなかふえますまい、あるいは減るでしょう。そうすると、今政府があの基金から貸したって、政府から貸したようなものです。大部分は政府出資した金であります。でありますから、これが返せぬ、こういうことになるわけです。私は、実は農業災害補償法に基づく共済団体に生命保険とか火災保険とかということを、任意共済をやる道を開くということをやった。実はあれは議員立法のことでございますから、それの張本人に違いないのです。ところが、もう少しこの団体保険知識があると思っておったんです。それは保険の専門家だと思っておった。また、農林省の方も相当そこはしっかりと指導監督をなさるかと思っておったんですが、何分にも、とにかく保険には問題が多くて、農業保険課一課の手に余ることも私は察せぬじゃございません。だから、責めるつもりはあまりございませんがね。実は漫然としてやってきたということは、これはどうも今日否定できないと思います。  そこで、これは仕方がないんです、できたことは。だから、この政府のお出しになる今度の何億という資金は、これは未練を残されぬがいいと思うんです。補助金を出しちゃったと、こう思えばいい。そうでないと、行政指導は的確にいきませんよ。金は返せ、返すには大いに事業を発展せしむるよりほかにない。ところが、合理化するといえば、それは料金を上げるほかないですよ、保険というものはそういう矛盾した要素を含んでおるんですから。これは物事はあきらめが肝心なんです。あきらめがないと、先の根本問題の解決に非常に支障を来たす。大きな問題を解決するためには、国がそれくらいのことは、そう表立っては言われぬでしょうと思いますけれども、まあ和歌山福岡県のときには命を現実にお出しになったんです。今度は現実に出さないで片づけようということで、一向——そういうふうになっても、私はそれでもけっこうだと思いますけれども、そのかわりに、もうあきらめが肝心で、一つぜひそのような腹のもとに行政指導をやっていただきたい。そうでないと、これはますます泥沼に陥っていく、根本問題の解決は何もできゃせぬという、こういうおそれが多分にあると思うのでございますから、まあ質問に名をかりて意見を多分に申し上げましたが、従って、一つ政務次官からでもその辺の含みのある御答弁でけっこうでありますから、御答弁を願っておいたらと思うのでございます。
  91. 小枝一雄

    政府委員(小枝一雄君) ただいま田中委員からの御質問なり、いろいろわれわれに対する御忠告だと思いますが、何と申しましても、農業災害の特質から申しまして、弱い農民に対する一つ共済事業でありますから、ある程度相当の含みを持った行政指導をやりませんと、なかなかうまくいかないと思います。そこで、お話のように、農民の実情をよく考えながら、ただまあ一つのこれは法律制度に基づくものでございますが、しかし、筋を立てながら一つ相当の含みを持って行政指導に当たりたい、かように考える次第でございます。
  92. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 必須共済任意共済適用の地域ですね、必須の方は全国的に保険される、その点。
  93. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 必須の方は大体市町村単位の農業共済組合農家から共済をいたしまして、その共済が県の連合会に補てんされまして、その連合会に対しまして国が再保険をしておる、こういうものでございますから、全国的に、何といいますか、保険されておる、こういう形でございます。
  94. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 そうすると、任意共済だけはそういう全国的な保険制度はないわけですね。
  95. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そうでございます。
  96. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 協同組合のやっている建物共済はどういうことなんですか。
  97. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 協同組合のやっております建物共済は、協同組合単位の、農業協同組合から県の連合会がございまして、それが全国農業共済——全国連合会を作っておりまして、そこで再共済がきれております。    〔委員長退席、理事仲原善一君着席〕
  98. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、そこに田中さんの言われたような問題があって、これはもうさっき、小笠原、田中委員等も言われましたが、三重でも一億四千しか金がないというようなことでは、とてもこれはもら返すということはできぬので、一体どういうわけで任意共済というものを——もうほとんど不時の火災、風水害等に対して県単位災害補償するということは、これは不可能なのに、どういうわけでこういう制度を……。必須共済全国的に補償しているが、これはどういうわけでこうなっているか。
  99. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) これは、必須共済につきましては、法律上国の再保険、こういう機構が法律上ございまして、それに従ってやっておるわけでございますが、その中で、今の法律におきましては、農業共済団体任意共済というものは国の再保険という組織も機構も考えられていないわけでございまするので、今まで県単位共済事業をやるというものに対しまして、農林省が認可をいたしまして、実施をしてきたわけであります。
  100. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 私は、これをうがった考えをすれば、実際はもう百姓から掛金をとって、そして個々の、必須を含んでの、経営の役には立つが、実際はもう万一の際には補償しないということを予測されての……。そういうことになっていませんか。個々の保険経済を、経営の足し前にしてやるというような、これはどうしても国の再保険なしには、局地的な、村全体が焼けるというようなことでありましたら、とうてい、農家全体が焼けたりすれば、とても今のような掛金で、ほんとうに火災オンリーだってこれは保険できない。なお、それでもこういうことを許しているというのは、一体どういうわけなんですか。    〔理事仲原善一君退席、委員長着席〕
  101. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) この点は、先ほども申し上げましたように、今までの実績を見ますというと、保険の収入に対しまして、実際の支払い金額というものはわずかなもので済んでおるわけであります。たとえば三重のものをとりましても、七百万円の収入に対しまして保険支払いは二百万円というような状況でございまして、全体的に見ますると、いろいろ風水害もございましても、とにかく大体やってきておるというような状況でございまして二十八年に非常な和歌山の大風水害のために問題が起こりました。ここ八年の間、いろいろ風水害もございましたが、どうやらやっておるわけでございまして、こういう超異常の災害のために、やはり問題が大きくなったということが言えるのではないかと思いますが、やはり根本は危険率とか、そういうようなものをどのくらい考えていくかというところに、技術的には相当問題があろうと思うのでございまして、これは根本問題である。風水害対象とする保険なり、共済なりというものが、むづかしい問題であるということは言えると思いますが、今までのところ、従来、過去の危険率等を検討いたしまして、どうやらこの程度ならやってきておるというのが大部分でございましたので、その点は私たちの方にも、そういう頭で見ておった点については遺憾の点もあったと思っておりまするが、十分今後もそういう点を頭に置いて、危険率その他についても十分安全度を見込んで指導していくというふうに考えたらいいのではないかというふうに考えております。
  102. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この三重ですか、さっき言われたのは、三十三年度の掛金が七百十万円で、支払ったのが二百五十万。
  103. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) そうです。
  104. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 こういうのは、これまでずっと、年々、組合を作ってからあるわけですが、支払い掛金の差額は割戻しなんかをやっておるのですが、それはそこの組全日の経理との関係はどうなんですか。
  105. 森本修

    説明員(森本修君) 三重県の例をとりますと、単位の協同組合では、いわゆる保険責任といいますか、支払い責任は全然持っておりません。従って、支払いの責任は県単位連合会が実質的に負う、こういう形になっております。  参考のために申し上げますと、過去五年間におきまして、一年間の平均をとりますと、支払い共済金が収入に対しましてどの程度の割合になっておるかといいますと、約二六%ということになっておりまして、逆に収入に対して支払いが、過去の実績によりますと、二六%ぐらいに当たっておる、こういうふうな状況でございます。
  106. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 だから、五ヵ年平均で、収入に対する支払いの削合が二六%ということなんですが、七四%というものはどうなっているかということなんです。差額です。掛金と収入との差額。収入に対して支払ったのは二六%であったわけですね。そうすると、差額はどうなっているか。
  107. 森本修

    説明員(森本修君) 差額が結局、連合会積立金として経理されているということになります。
  108. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 やはりこれは、火災にしても、風水害にしても、それをほんとうに保険作用を有効にするには、これはどうしてもこういう小さい単位では背負い切れないと思う。そういう点で、農協の共済全国的にプールしてやるというのなら、これはやはり今回でも相当役割を果たしていると思うのです。  そこで、その関係調整するという、これはさきに小枝次官も言われたのですが、全国的なブール作用ができないのなら、もう必須だけにするか、これはやはりもう英断を下す時期に今回のこの問題は来ていると思うのですよ。大体、小枝次官は、来国会はめんどうじゃないかと言われておったが、通常国会に、福田農林大臣は、大体この問題を重要な何にしたいということだったのですが、どうなんですか。次官はおられないのですが……。
  109. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 仰せのように、非常に大事な問題でございましてこれは先ほどから申し上げましたように、この任意共済の問題に限りませんで、災害補償制度根本の問題でございまして、その問題につきまして、先ほど政務次官も答弁がありましたように、私どもの方でもできるだけ早く一つ方向ぐらいはつけたいというふうに考えておるのでございまして、農林大臣も、できるだけ早く一つこの問題をある程度方向づけなければいかぬというようなことを常におっしゃっておりますわけでございます。現在、この根本制度の問題につきましては、各方面からいろいろの意見がございます。それから、地方におきましても、非常に、場合によっては共済組合を解散するというような事態まで起こっておりますところもございまして、そういう事態をほうっておくというわけにも参りませんので、私たちも今そういう問題を、いろいろ方向づけのために準備をいたして研究をいたしておりますわけでございます。近い機会に一つ農林省でも、学識経験者をまじえましてその方向づけのための研究会でも一つ作ろうか、こういうようなことを考えておりまして、そういたしまして、いろいろ大きな方向についてできるだけ早く一つ何か農林省考え方を出したい、こういう考え方を持っておりますわけでございます。通常国会に法案としてこれを出すという段階には、なかなかいかぬと思いますが、通常国会中におきましても、あるいは方向づけができましたら、一つ農林省考え方はある程度出すことができますような段階にまで、一つできるだけ持っていきたいというつもりで、一生懸命勉強いたしておりますわけでございます。
  110. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 この農災法の八十三条ですけれども、農産物と建物というような全く異質なものを入れて、しかも必須と任意に分けて全国的な再保険なしにはやれないものをそういうようにしているというところに、私は一つの問題もあると思うのです。局地的に保険作川を果たすというようなことは、危険の度合言いからいっても、これはもう不可能だと思う。不可能なことをここに入れてあるということが、今回の特別措置が必要だということになってきておると思うのです。まあそれは別にしまして、三重県の一億二千万を穴埋めするために、このために料率を上げたいといったって、実際その穴埋めのためにというようなことじゃ、これは今局長の言われたような目的を達するほど、百姓の人が全員が政府の政策に協力するようなことは、私はやはり不可能じゃないかと思うのですが、その辺はどうなんですか。
  111. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 仰せの通り、いろいろ心配がございます。そしてまあ償還計画等につきましても、なかなかこれは容易でないというふうに私たち考えておるのでございまして、従いまして、県の連合会の財務の状況、それから県のその他のいろいろの事情等もよく考えまして、そしてできるだけ無理のないように確実に償還ができますように、しかも、それによってまたいろいろ問題を起こすというようなことがありませんように、一つ指導していきたいというように考えておりますわけでございます。
  112. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 あまりどうもこの問題でしゃべりますと、妙に感じが悪いようになるので、しゃべらないつもりでおりました。それじゃ相ならぬので、一つお聞きしたいと思います。前に各委員から非常ないい御質問がございました。どの質問も当を得た質問でございますが、どうも農林省の方で根本的に誤っておりますものを誤っておるとお考えになっておらぬことに、大きな間違いがございます。農業災害補償法は、山添さんが経済局長の時代にできたものでございます。それから、今度の任意共済は、小官氏が経済局長のときにやったのでございます。これは、農業災害補償法でやっておりまする仕事がどうも経理その他の都合で足らない、そこでこれでもやったら何とかなるだろうというのでやったところが、誤ったのでございます。そこで、本筋から申し上げますと、全部政府補償をしてやられる形にするべきでございますが、なかなかそうもしない。それで、いろいろお尋ねがたくさんございますと、なかなかはかどるようでございません。なかなか手間どるようで、今度の通常国会にもめんどうだ、なかなか出せぬとおっしゃるようでございますが、それではいつまでたっても直らぬと思いますが、この際、農林省は、局長も御迷惑だが、どうも今当たっておるのだから仕方がないので、前の罪をしょって一つやらなければならぬと思う。  そこで、非常にいかぬことは、作業災害補慣法は、これだけいろんな而で政府は見ておりますが、これは国民の血の出るような税金から見てもらっておるわけでございますが、再保険の報告を見ておりまするが、監査の報告を見ますると、まことに残念でございます。私は今度の決算委員会には出ないでおこらかと考えております。と申し上げますことは、農林省が一番会計検査の不正事項が多い。ことに、農業災害補償法なんというものは、平均二十万も末端の協同組合が使途不明なものに使っておると書いてある。そこで、調べたものもございますが、そういうわけで、非常に残念であり、私は純粋の百姓でございまするから、農林省に向かって悪口は言いたくはございません。ところが、今度はやむを得ずそういうことを言わざるを得なくなるのじゃないかというのですから、非常に残念でございます。そこで、こういうことは何も間違いでもございませんから、大臣や次行は、そのときのお役目で、またかわればおられません。ところが、局長は、農林省から出て通産省に行くということはめったにございませんので、職場は変わりましても農林省におります。でございまするから、同違っておりまする点は、はっきり、いけない、こうやらなきゃだめだというふうにならぬ以上は、とてもこれは直らぬと思います。  そこで、ここに上がりましたものはこれだけでございまして、今の足らぬ部分の貸し出しはけっこうでございます。ところが、今まで借りて使っておるというこの保険金、これが相当にあります。私、実は北海道の負債の調べをしてもらったのでございますが、その調べの負債の総額が、その年度に払えないというその信金が、二十万戸の農家のうちで七万九千円ございます。ところが、その七万九千円のうちで、土地改良と共済事業掛金、負掛金のものは、合わせてみて二万五千円ございます。これではどうにもならぬと困っておりまするが、そういうわけで、今政府の方でいろいろと御心配になるのは、なかなか始末がつかぬと思うからそうおっしゃっておると思いますが、それではいつまでたってもだめでございまするから、この際五、六十億、百億くらい出したらよいというので、さらっと洗ってきれいにして、そうしてほんとうに丸がかえにかかえた公的なものにならなければ直らぬと思います。ただ、いろいろなことを言って延ばすだけでございまするが、そのときの責任になった局長や次官、大臣は非常に御迷惑でございますが、そう一挙にやりませんと、これは何年たっても罪を作る一方でございます。どうぞそのつもりで、ほんとうに、しんからきれいなものにしてやっていこう、農業災害補償法は大事だからこれをやっていこら、また、もし任意共済が必要ならこれは全部損害は政府が持つというのでございませんと、民間でさえもやることができなくて、あの金もうけの好きな連中がやらないでおるのが現状でございます。  そこで、共済農業協同組合でも法律ではやれますが、同じ局長の管下にある協同組合法はだめだと、こうおっしゃって、やらせぬのが現状でございます。それはもっともだと思います。帳面になりますと、積立金は四百七十億から持っておりますが、少々お借りになっても払えぬでおりますが、それは各県にいろいろございますが、それをまたやるかやらぬかわかりませんが、そういうわけでございますので、この際は大乗的の見地で、日本の農村、また農家を明るくしようというので、一つ局長がこうせにゃだめだという案を立てれば、次官も大臣もよろしいと、こうおっしゃると思います。ところが、局長がやるとかやらないとか言っておるものだから、どらも次官も大臣もはっきり言えないでおるわけでございますから、一つこいつはふんどしを締めて、ほんとうにきれいにして、今までの小倉のしりをぬぐうつもりでやってもらわにゃいかぬと思いますが、どうです。やらぬというなら、私、考えがございますから……。
  113. 坂村吉正

    政府委員坂村吉正君) 岡村委員から、何といいますか、非常に御親切なお言葉をいただきまして、感銘いたしております。今まで、農業災害補償制度、それから任意共済の問題、こういう問題につきましても、農林省でも、御承知のように、一世懸命にいろいろ考えてきておったのでございますが、なかなかむずかしくて、片づかなかった。しかし、今もうそういう状態でほうっておける状態じゃないということは、私もよくこれは認識をいたしておるのでございまして、これも、岡村委員のおっしゃるように、一つのめぐり合わせだと思いますので、一つこれは政務次官、大臣の御指導のもとに、ふんどしを締めて一生懸命やっていきたいと思いますので、一つよろしくお願いいたしたいと思います。
  114. 岡村文四郎

    岡村文四郎君 次官にお願いを申し上げますが、まことに御迷惑でございます。あなたも農村人で、やむを得ませんから、この際、一つ何とか、との腐ったものを大手術をやる、そうして健康なからだにするように、部下に命じて仕事をしてもらえば、できると思います。どうぞそういうふうにやってもらわなければならぬと思いまするから、ぜひ一つ御協力願いたいと思いましすが、いかがでございますか。
  115. 小枝一雄

    政府委員(小枝一雄君) ただいま岡村委員からお話のありましたように、非常に今は重大な段階だと思いますし、重大な問題でもあるのでございまして、お話のように、事務当局としても、でき得る限りすみやかに一つ成案を得て合理化するつもりでございます。今後とも皆さんの一そうの御指導をお願いいたしたいと考えております。
  116. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。  ここでしばらく休憩し、午後は一時三十分から再開をいたします。    午後零時三十一分休憩    —————・—————    午後二時十一分開会
  117. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 委員会を再開いたします。  昭和三十四年七月及び八月の水害又は同年八月及び九月の風水害を牽けた公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案議題にいたします。  当局説明を求めます。なお、当局からの出席は、建設省河川局水政課長井上沼、林野庁林産課長森田君でございます。
  118. 井上義光

    説明員(井上義光君) 御指名によりまして、ただいま議題となりました、公共土木施設等の災害復旧等に関する特別措置法案の概要につきまして御説明いたします。  第一条におきまして、現在の公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の特例的原則を定めておりまして、今年七月及び八月の水雷在たは八月及び九月の風水害につきまして、政令で定める地域に発生したものに関しましては、地方公共団体に対しまして、国が負担法に定められておりますところの率よりも高率の国庫負担をするという趣旨でございまして、この法律案の第二ページにございますが、ここに一、二、三とございまして、地方公共団体の標準税収入の二分の一に相当する額までにつきましては、その額の十分の八を国庫負担にする。二分の一をこえ標準税収入に達するまでについては十分の九の国庫負担をする。標準税収入をこえる額につきましては全額国庫負担をする、こういう趣旨でございまして、現行の負担法によりますと、第一号に相当します標準税収入の二分の一に達するまでの分につきましては三分の二でございます。それから第二号の十分の九とございますが、現行法におきましては、標準税収入の二分の一をこえ、標準税収入の二倍に相当する額までは四分の三という規定でございます。それを、標準税収入までは十分の九、標準税収入をこえるまでは全額国車負担というふうに、国庫負担の率が上がっておるわけでございます。  次に、第一条の第二項におきまして、直轄で国が施行いたします場合の地方公共団体の負担につきましては、第一項とうらはらの関係にありまして、第一項によって計算いたしましたところの、国の負担率の差額が地方公共団体の負担の割合になる、こういう趣旨でございます。  それから、第三項は注意的な規定でございますが、この法律が七月、八月、九月の災害に限っております関係上、七月、八月、九月以外に大きな災害がございまして、それによりまして相当高率の国庫負担が一般法によって行なわれます場合には、この法律の適用によらないで、高率の方で、場合によりますと、七月、八月、九月だけの災害について、この特例法の計算になりますので、そのためにかえって不利益を招く場合もございますので、こういった不利益の場合には、この法律によらないで、一般法によるという規定でございます。  第二条につきましては、これは二十八年のときにはなかったのでございますが、災害関連事業につきまして、国庫負担の率を三分の二というふうに引き上げたわけでございます。ただ、これは他の法令によりまして三分の二以上といった例もございますので、二分の二以下の分については三分の二に引き上げるという趣旨でございます。これは第一条のいわゆる災実復旧事業をやります同じ地域というふうに考えておりますが、その地域に行なわれますところの再度災害を防止するために必要な災害復旧事業を合併してやる災害関連事業につきましては、三分の二という負担率を法定いたしまして、現在河川事業で申し上げますと二分の一というふうになっておりますが、この河川事業災害関連事業は三分の二になる、そういうふうに三分の二以下の国庫負担のものはすべて三分の二に引き上げられる、こういう趣旨でございます。  次に第三条は、これも二十八年の災害の場合にもこういった特例法がございましたが、二十八年では水防資材に関しましては水防管理団体、水防管理団体と申しますのは現在水害予防組合、市町村、市町村の水防事務組合、こういったものを管理団体と称しておりますが、これにつきまして全額の国庫負担をいたしましたが、今回は水防管理団体及び都道府県と両方につきまして三分の二の国庫負担をする、こういうふうになったわけでございます。なお、政令で定める地域というのは、現在のところ都道府県におきましては百万円以上、市町村等の水防管理団体につきましては二十万円以上の水防資材を使用した団体考えております。  附則に掲げておりますのは、この法律が施行される前にも災害復旧事業は行なわれておりますので、こういった法律施行前の事業につきましても、この災害にかかわりますものについては、特例法の適用があるという意味でございます。  以上非常に簡単でございますが、説明を終わらしていただきます。
  119. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまの説明に対し、御質疑の向きは御質疑を願います。
  120. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 建設省が最初考えておったといいますか、大蔵省と話し合いをなすって、一応の線としては、今回の災害のおおむね六割に該当する程度の高率適用にする、こういう傾向かと思いますが、間違いありませんか。
  121. 井上義光

    説明員(井上義光君) 六割につきましては、当初大蔵省の方面からそういう話もございましたし、当方といたしましても、十分な現地の査定も終わらず六割というふうで、建設省といたしましては確約をしたわけではございませんが、一応そういった線でどのような結果が出るかということで検討いたしまして、やや不十分ではないかというふうに考えておった次第でございます。
  122. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 その後いろいろ国会各委員会の審議、あるいは党との協議等を経られましてここに提案なすっておられるような標準税収との関連においての高率適用というふうに、多少内容は変わったかと思いますが、この政令でいきますとどの程度の高率適用になりますか。
  123. 井上義光

    説明員(井上義光君) 実はこの第一条の第一行目にございます「政令で定める地域」につきましては、先般内閣の方で骨子が発表になっておりましたが、実はまだ詳細な点につきまして、私どもの方及び農林省及び大蔵省の方におきまして協議をいたしておる部面がございまして、最終的に政令による高率適用分が災害復旧事業費の何割になるかということは、確定いたしておりませんが、現在のところ、当初考えておりました六割を六、七%あるいは七、八%上回るのではないかというふうに考えております。
  124. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 その程度かりに変わるという推定が確かだといたしますと、ことしの補正予算で出しておられる分について増額分がどのくらいになりましょうか。
  125. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの増額分でございますが、大体一〇%程度高率適用を引き上げますと、初年度分といたしましては、国庫負担は三億円弱というふうに考えております。従いまして災害復旧事業が三年ないし四年程度で復旧するといたしますと、全体としましては十億あるいは十二、三億というものが増額されるかもしれないというふうに考えております。
  126. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 ただいまの説明は、この公共土木と、それからもう一つ伊勢湾等に面する地域における高潮対策に関する特別措置法案を含めてでありますか。
  127. 井上義光

    説明員(井上義光君) 今こ仰せの通りでございます。
  128. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 今の御説明総額で十億程度、初年度として三億程度の増額という算定の根拠ですわ。もしそこで、水政課長わかっておられたら簡単に説明して下さい。
  129. 井上義光

    説明員(井上義光君) 実は私どもが一〇%程度高率適用を上げますと、三億弱初年度分で国庫負担がふえると申し上げておりますのは、きわめて概算の計算でございましてそれぞれの公共団体について需要ごとに推定いたしませんと、詳細な数字が出ませんが、概略のところ、今までの経験等によりまして一〇%程度引きしげれば三億程度当年度分の支出になる、こういうふうに考えておりまして、詳細な積算につきましてはただいま申し上げる資料がございませんので御了承願いたいと思います。
  130. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 今資料がなければ、いずれあとで荒聞かせ願ってもいいのですが、かりに三億程度といたしますと、それは予備金で補てんできますか。
  131. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまのところは、補正予算に計上しておりますところの補正予備費八十億円の中で、この政令案がきまりました場合の増額分は、当年度分としては措置できると思っております。
  132. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 もう一点伺いますが、私は参議院を代表して滋賀県その他に災害視察に行ったのでありますが、たとえば滋賀県の日野川、これは相当以前に準用河川に指定されております。いつごろ指定されたか、県の案内者に聞いたけれども、それは確実ではなかったのでありますが、いずれにいたしましても準用河川に指止されておる現場に行ってみると、堤外地、つまり河川敷内に非常にたくさんの民有地があって、河川の中が、極端な言い方をすれば、森林の形態をなしておる。民有地の中に、樹齢が若いもので二、三十年から数十年を数える松林が繁茂しておる、あるいは竹林が繁茂しておる。そういうような状態のままにしておいて、そうして水害が起こった起こったといって大騒ぎをしておる。これは、私は直接の責任者はもちろん県であることは承知をいたしておるのでありますけれども、何しろ災害復旧といえば、言うまでもなく国民の血税によってまかなわれるものであるし、そういう災害を未然に防止するということが行政として最も肝要なことであるはずなのでありますが、建設省としてはこういうような、たとえ準用河川といえども、このような管理状態にあるのに対してそうした、たとえば民有地の買収そのものが困難であるならば、河川敷内におけるさような立木、竹林というものを伐採する命令権というものはないのですか。
  133. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの準用河川におきますところの管理の問題でございますが、実は管理につきましては、行政管理庁からも私の方へ行政管理庁の監察による監察の結果につきまして意見番が参っておりますが、実は河川管理につきましては費用の点その他によりまして、私どもが考えておりますような管理が十分できずに、たとえば今おっしゃいました河川敷、堤外地に民有地がありまして、そこを占用しておる、場合によっては工作物を作っておる、もっとひどい場合には掘さくをしたり、あるいは土を盛ったりしまして、河状に影響を及ぼしておると、こういった例がございますので、機会あるごとに建設省としては各都道府県に管理の強化につきまして指示ないし指導をいたしておりますが、管理費用の少ない点等から非常に管理につきましては不十分な面が見られる次第でございます。この河川法の適用河川につきましては私権が規定されました関係上、当方といたしましても極力これを買収し管理規制をはかっておりますが、準用河川につきましては、もともと制度が行為をやるというよりも行為を規制し、その取り締まりをするということを主眼点に置いて法律が制定されました趣旨にかんがみまして、その取り締まりにつきましては、たとえば河川附近地制限令、こういった制限令の活用によりまして、付近地につきましては行為を制限するといった方向も考えておりますが、何分にも非常な私権の制限を伴います関係上、できるだけこれを買収いたしまして適正な管理をしたいと、このように存じまして、現在河川の維持管理につきましても国庫補助をするようにといったような、予算面におきましても明年度からは大蔵省に予算を要求いたしまして河川管理の適正を期したいと、このように存じております。
  134. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 御趣旨は大体わかるのですが、もっと端的に、今私が申し上げたような実例に対して民有地を、堤外地における民有地を買収して適当な措置を講ずることは望ましいけれども、予算の都合その他によって買収そのものが困難な場合には、せめて洪水の流下を非常に阻害するそうした立木等の伐採について建設者に命令権はないのですか。
  135. 井上義光

    説明員(井上義光君) 河川管理権は現在都道府県知下にあるのでございますから、都道府県知事にそういったことを考慮するように指導をいたしましても、建設省としてはそういう命令する権限は今のところございません。
  136. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 過去においてこの、たとえば私は日野川の例を申し上げておるのだが、そうした問題について治水上、はなはだだれが見ても非常な障害になっている。現実にそうしたことが今度の日野川の災害、ひいては付近の農耕地住宅、干拓地等に大へんな災害を及ぼしている、こういうものについては、法律上命令権はなくても、強力な勧告をなさる意思はありませんか、建設省として。
  137. 井上義光

    説明員(井上義光君) その点につきましては、現在立木等を伐採するといったことにつきまして、法定根拠はございませんが、河川附近地制限令の活用によりまして、耕作物等を制限し、立木等につきましては、補償を伴おずに、そういった私有財産の消滅ないしは除却ができませんので、できるだけ予算を計上してそういったものを除却するというふうに努めたいと思います。それで、今おっしゃいました点につきましては、各都道府県と十分連結いたしまして、そういった行為を勧告するというふうには持って参りたいと思いますが、単に補慣なくして、命令でそういったことをするのは現在の状況では困難かとも存じます。
  138. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 実際問題としてもちろん予算という問題が伴うでありましょうけれども、そうしたことを兄のがすことによって何十倍あるいは何百倍という災害復旧もしくは改良費というものが必要になってきておる実例があえて日野川だけではなしに、私はほかにもあると思うのでありますが、こうした問題はやはり災害復旧を促進すると同時に、やはり建設省として妥当と思われる行政措置を急速におとりになることを希望して私の質問を終ります。
  139. 仲原善一

    ○仲原善一君 あるいはお尋ねする点が自治庁関係になるかもしれませんけれども、この法案を研究される経過においてよく打ち合わせできていると思いますので、お伺いいたしたいと思いますが、問題は起債の関係であります。それで第一条の第一項一号、二号につきましても高率補助がありまして、一号は十分の八、二号は十分の九とありますが、三号は全額でございますから、これは問題ありませんけれども、補助したあとの補助残というものがあるわけですが、この補助残について、起伏はどういうふうな関係で認められていくのか、それが第一点。  それから第二条、これは災害関連事業でございますが、これは三分の二の補助でありますので、残り三分の一を負担することになりましょうけれども、とれについても起債が認められるかどうか。この起債関係です。それがどういう割合で認めていくのか。それから、その起債があとで元利補給が、国がめんどうを見てくれるのか、あるいは交付税でめんどうを見てくれるのか、その点について詳しく御説明をいただきます。
  140. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの起債関係につきまして、建設省といたしまして了知しておる範囲で御説明申し上げます。災害復旧事業費につきましては、例年地方負担分につきましては九〇%を原則とし、もしくはそれ以上の起債措置が講ぜられております。今年発生の起債につきましても九〇%の、地方負担分の九〇%の起債措置が講ぜられるように聞いております。それからこの起債をいたしました額につきましては、一円につき九十工銭でございますから、九五%が地方交付税の算定の測定単位の基礎に算入されておると、このように聞いております。  それから災害関連事業につきましては、昭和三十三年度の実績で申し上げますと、地方負担分の八三%が起債の措置を受けております。で、今年度におきましては、建設省からも自治庁に申し入れもいたしましたし、自治庁の方でも考慮が払われまして、現存災害関連事業につきましても災等復旧事業と同程度、ほぼ九〇%の起債を見ようというふうに聞いております。  それから砂防事業につきましては災害復旧のみならず、緊急砂防というふうに申しておりますが、当年の災害によりまして砂防施設そのものは被害を受けなくても、大きな被害を生ずるおそれがあるところに今後砂防事業をやるといった、災害に準ずるような砂防事業につきましては、起債を九〇%見、その起債の五七%を地方交付税の算定基礎に入れるというふうになっております。  それから、災害復旧事業豊国床負担法の対象から除外されまする都道府県事業につきましては、十万円以上十五万円以下、市町村工事につきましては、五万円以上十万円以下のものにつきまして、その起債した分につきまして二八・五%が地方交付税の算定要素に入れられ、今次災害につきましては、特に公共土木施設の復旧事業と公立学校の復旧事業、それから農業関係の復旧事業の額が標準税収入を上阿ります場合におきましては、その諸災害の起債分の三八・二%が元利補給され、それからいわゆるこの公共土木の特例法で政令で指定します地域を起債特例法に基き指定の上、この地域につきましては、激甚地として元利償還金の三分の二が補給される、このように聞いております。
  141. 仲原善一

    ○仲原善一君 ただいまの御説明の中で、関連事業の起債九〇%というのはわかりましたけれども、それの跡始末の問題、例の交付税で見るとか、あるいは元利補給をするとか、それはどういうことになっておりますか。災害関連事業の起債分の跡始末、それは今お話がなかったですね。
  142. 井上義光

    説明員(井上義光君) 災害関連市煮につきましては、現在のところ、建設省といたしましては災害復旧事業並みに地方交付税の算定基準で考慮してほしいという申し入れをいたしてはおりますが、現在それにつきまして確答は得ておりません。
  143. 仲原善一

    ○仲原善一君 これは自治庁にいずれあとでお伺いするつもりですから、その程度にいたしますが、最後に具体的な問題でございますが、第三条の水防に要した資材に要する経費という問題がありますが、この具体的な問題として、実は河口が砂によって閉鎖して、そのために非常に湛水をして、その辺に被弁が非常にたくさんできたと、そういう事例がございまして、そこの砂を除去するためのブルドーザーというものがあるわけなんですが、それは水切の資材という関係で認められるものになるかどうかですね。はなはだ具体的な問題で恐縮ですが、どういう御見解ですか。私の県でそういう問題がありますので、特にお伺いします。
  144. 井上義光

    説明員(井上義光君) この三条の規定いたします水防資材と申しますのは、現在のところは俵とか、むしろ、竹木、くぎといったような水防に直接使用する資材のことを考えておりますので、ただいまのその河口が土砂で閉鎖した場合の、それを除去するためのブルドーザーの使用といったものは水防資材の中に入らぬと存じます。ただ、河川の埋没にかかります事業は、国庫負担法におきましても、原則としては災害復旧事業としては採択をしないで、公益上特に必要がある場合に災害復旧事業として見る。つまり、河川の川底の浚渫といったような事業は、通常の維持管理に属する事業であるので、特に災害復旧事業としては見ない。こういう趣旨でございますが、たとえば川の断面の三割程度以上が堆積している、こういったような場合で再度災害を起こす危険があるといったような場合には、災害復旧事業としてその堆積した土砂の排除は国庫負担の対象になる、このように考えます。
  145. 仲原善一

    ○仲原善一君 あと自治庁が来てからいろいろ聞くことにいたします。
  146. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この法律が公布以前の七月、八月の事態にさかのぼって適用になるということは、結局今話をしたブルドーザーを使った、あるいは土砂を運搬した、締め切りのために請負事業としてやった、そういう暫定復旧の事業費というものも、この法律による災害復旧予算の中から使う、前に一般会計である予備費をもって使うのではない、こういうことですか。
  147. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの小笠原先生の御質問の趣旨は、この法律適用前、応急的にブルドーザー等で河口に関して工事をしたといった場合の予算の費目のことでございましょうか。
  148. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ええ。
  149. 井上義光

    説明員(井上義光君) 実はこの工事費につきましては、国庫負担法に災害復旧事業事業費として「木工事費、付帯工事費、用地費、補償費、機械器具費及び工事雑費」とございまして、工事費と申します中には、「主務大臣が特別の事情があると認める応急工事費、応急工事に使用した材料で復旧工事に使用できるものに要した費用及び仮締切、瀬替その他復旧工事に必要な仮設工事に要する費用を含む」ということで、その応急的なものも、災害復旧工事に使用できる場合、また災害復旧工事としては役に立たなくても、主務大臣が特別に応急工事として必要と認めたというときには国庫負担の対象になるのでございまして、現在既定予備費から今次台風に関しまして四十一億円ばかり支出されておりますが、今の河口の閉鎖あるいは締め切り工事に関する応急的措置のためにとられた工事につきましても、既定予備費から支出される分もあれば、将来国庫負担金として支出される分も含まれるものと存じます。
  150. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 水防管理団体と申しますか、水切作業に従事した者の食糧の補給、これは何でまかなうのですか。
  151. 井上義光

    説明員(井上義光君) 水防に要します費用は、水防法によりまして原則としまして水防管理団体の食掛とございますので、水防団員のそういった食糧とか、たき出しとか、あるいは水防活動に要した燃料費といったものは、水防管理団体の負担になるわけでございます。
  152. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 名古屋市や海部郡等長期湛水区域の各種の作業というのは、水防作業と、暫定的な災害復旧工事というようなものとはどういうところで区別するのですか。あれは水防事業ではないのですか。湛水地域の仮締め切りをやるとか、あるいは排水するとか、これはどっちの方に入るのですか。また、もしもそれが水防事業だとなれば、ああいう長期な仕事に対して一切管理団体の負担だというようなことはちょっと異例のようにも思われますし、また、技術を要するとして請負に渡してやったというようなものは、これはどういうことになるのです。水防事業なのか、復旧事業なのか。ここら辺の関連を私知らぬものだから、丁寧に教えてもらいたい。
  153. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの水防活動と災害復旧国庫質担法で申しますところの応急工事の区分でございますが、水防活動として考えておりますのは、河川の堤防等が破堤の危険があり、あるいは部分的に決壊を始めているとこういった場合に、この水を防御するために俵、むしろ、竹木等を利用してこれを防止する部分までが水防でございまして、堤防が決壊いたした後において、これを仮締め切りをしたり、あるいは応急工事をするといったものは国庫負担法の対象になるところの災害復旧事業の中に含まれるわけでございます。
  154. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そろすると、名古屋市や海部郡、長島、この方面で行なわれた仮締め切りのために要した土のう、こういうようなものは水防活動ではないから水防管理団体が工事をするような第三条の問題ではないわけですね。
  155. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの点、私の明快なお答えができずにまことに申しわけございませんが、今小笠原先生のおっしゃいました、現に水が流出しつつある、こういった場合の応急工事につきましては、水防川資材として備蓄いたしました資材を使う場合がございます。こういった場合には、これがもし国庫負担法で申します応急工事に使用した材料で復旧工事に使用できるものと申しますので、その場合土砂等は復旧工事に使用できる易合がございますし、土のう場合のむしろにつきましては再度使えない、こういった場合のむしろは水防の方でやる。土砂につきましては、それが仮締め切りに役立つならば、その方は災害復旧事業費の中に込めて国庫負担の対象にすると、いずれかで大部分は取り上げられると、かように存じます。
  156. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 私の聞いているのは、あなたの答弁からして水防活動の範囲において土のうを使うというのが常識ですわね。ところが、今回の場合に大量な土のうを買っているのは、現に今日においても使っておるのは、それは水切活動ではもらない。恒久復旧工事の方なんだね。だから、それは水防管理団体に対する補助という第三条の適用ではなくて、別途購入されて使用されておるものかどうかという点なんです。大体はそうではなくて、何ということなしに、どんどん、実際上は水防活動の一環として使っておる形があるんじゃないかと思われたのでお尋ねしたのです。まあその点はそれでようございます。  その次に、改良工事と災害復旧工事とは、特に激甚地、高率補助の地域における大災害にかんがみて十分検討する必要があると思うのですが、改良工事の方の工事予算と災害復旧の方の予算とは、今後どういうふうにからめてやっていこうとしておられるのですか。
  157. 井上義光

    説明員(井上義光君) この災害復旧事業費と災害関連事業費の関係につきさましては、伊勢湾の場合を除きまして御説明いたしますと、建設省におきましては広義の災害関連事業を、災害関連事業災害助成事業というふうに予算で区別いたしておりますが、災害復旧事業と、災害復旧事業と同時になされる事業とが合わして五千万円以下の場合にこれを関連事業、五千万四をこえる場合に助成事業と申しまして当年度は災害関連事業、狭義の災害関連事業を予算でつけまして、今年度について申し上げますと、大体災害復日事業費の八%程度災害関連事業としてとりあえず施工し、翌年度以降におきまして助成事業を、災害復日事業費を上回らない範囲におきまして必要な個所に災害復旧事業とあわせて実施できるように予算をつけております。伊勢湾の場合につきましては、予算上は災害復旧事業、あるいは災害関連事業というふうに区別しないで、伊勢湾の高潮対策事業として実施いたしておりますが、この場合には現在計画は、全体計画はきまっておりませんが、災害復旧事業を相当上回る関連的な助成事業が行なわれる、このように考えております。
  158. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その関連事業ですが、そういう意味で結局伊勢湾における高潮正対策としてりっぱな海岸堤防を作るという趣旨が一方にあるにかかわらず、この第一条においては三分の二補助で、三分の一は起債なり何なりの地元負担だというふうに、ことさらに高率補助の本工事分と区別した理由はどこにあるのですか。
  159. 井上義光

    説明員(井上義光君) 災害関連事業災害復旧事業と合わせて施工し、その必要性におきましては何ら変わるところはないと存じますが、災害復旧事業はいわば国の義務的な経費になっておりまして、一定の割合で国が負担するというふうに義務づけられており、また一日もすみやかに復旧する必要があるという関係で、復旧事業につきましては高率の適用がなされておりますが、災害関連事業につきましては、従来は一般の改良事業と同じ負担になっておりまして、われわれ事業をやる官庁といたしますれば、災害関連事業につきましては、災害復旧事業に準じて考えてもらって、一般の改良事業よりは率をよくしてもらうという希望がございますが、財政の事情等もあるかと存じますが、災害関連事業につきましては、災害復旧事業と一般の改良事業との中間的なところで、今回はそうなった次第でございます。
  160. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 課長に言うてもこれはどういうものかわかりませんが、じゃ改良工事はやらない、原形復旧だけでいいのだというようなことが、国の責任においてできない地域、河川なりその他あると思うのですね。それを圏の方は原形復旧が建前、これが国の義務なんだからというので、その分は高率補助、そしてあとの分は地元に負担を相当額させることで、改良してやるのだという恩恵的な措置というのは、私は観念としてはおかしいと思うのですね。当然原形復旧では次の災害にはまた持てないのだと客観的に明らかになっているところは、国の責任において実施すべきが至当であって、その場合に、その補助率なり負担率が違うということは、これは観念としてもおかしいし、一体的な工事を施工するという場合に、なおおかしいと思うのです。何か地元の要請があるので、原形復旧で問に合うのだけれども、改良工事を施してやるのだというような観念が日来のようにあるとするなら、この災害対策が万全を期せられないと思うのです。そういう意味で、私はこの補助率の逢う関連事業、特に改良工事、このものには疑義があるのですがね、省内でこれは議論はなかったのですか。
  161. 井上義光

    説明員(井上義光君) 災害関連事業をどういうふうにするかという点につきましては、方針としてはきまりませんが、災害復旧の効果を万全ならしめるために必要な費用であるので、国の負担率も引き上げ、あるいは地方負担分についての財源措置についても、一般の改修事業よりもよくしようということにつきましては、いろいろと論議されまして、そういった結果、今次災害につきましてはこうした措置になった次第でございます。災害復旧事業は、やはり災害を受けた市町村の財政が災害によって著しく疲弊するといった点から高率適用があるのでございますが、災害関連事業災害復旧事業と同時に施行されるわけでございますが、その実態におきましては、従来からも改良事業に近いという点もございまして、こういった一般の改良事業災害復旧事業との中間的な国庫負担、このようになっておりましていろいろ今小笠原先生から御質疑のあったような点、改良的復旧といったような点についても議論がございましたが、現在の負担の建前をあまりにもくずすということから、第二条にある程度に落ちついた次第でございます。
  162. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは金に糸目をつけんと言った岸総理や、村上さんに出てきてもらってほんとうはお尋ねしたいところで、課長にこういうことをごねるのは全くその筋でないということは十分わかるのですよ。しかし、伊勢湾に面する海岸堤防については、そういう立て分けはしないでりっぱな堤防を作ろう、原形復旧などにとらわれないでりっぱな堤防を作ろう、これこそがほんとうの次の災害に備える災害対策だと思うのです。また、そういうことを政府自身がお認めになったということは、原形復旧という考え方だけではもうやっていけないのだという点を認めたのだ、それを海岸堤防だけは原形復旧ではいかぬのだということを認め、河川についてはそういうことを認めないというこの考え方は、私はおかしいと思う、観念として。もう原形復旧という負担法の建前や、あるいは従来会計検査院から指摘せられたような、そういうようなことはもう乗り越えてでも抜本的な国土保全の対策というものが考えられるべきで、そのためにはやっぱり海岸堤防が二つのそれを一体化して万全の堤防復旧をやろうとしておるこの道を選ぶべきだと思う。だから、もしも全部が全部改良を加える必要がない河川等にあっては、この法律のように一条、二条の立て分けをすることはするとしましても、少なくとも補助率、負担率は同様でなければならぬことで、地元のこれによって益する国民の立場からいえば、こういう観念的な仕分けについてはどういうことやら了解できないだろうと思うのですね。改良だって国の責任で、それでなければ持てないというところに実施するのでしょう。政治的に、あるいは地元の要請で、単に金があるからやってくれというところに改良を加えるという、そういうものではないはずなんですから、どうしても私は、一方で海岸堤防がこういうまことに抜本的な措置に出られたこの機会に、幾多河川関係についてそのことが適用にならぬということについては不満なんです。特に糸目をつけないと言われる岸内閣がこういう態度であるということについては不満なんです。従ってこれは、この次にでも関連のある問題が議題になる場合には、政府側の責任のある立場の人にお尋ねしたいと思います。で、この程度にします。
  163. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。   —————————————
  164. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 昭和三十四年台風第十五号により災害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する特別措置法案議題にいたします。  当局説明を求めます。
  165. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいま議題となりました台風十五号により被害を受けた伊勢湾等に面する地域における高潮対策事業に関する部分につきまして、概要を御説明申し上げます。  第一項で申しておりますのが高潮対策事業に対する国の負担の基本的な基準でございまして、港湾、漁港、河川、海岸等の事業を高潮対策事業として政令で定める地域において実施いたします場合におきましては、その国序負担につきましては、本法案災害復旧事業とそれから改良的な事業とを区分せずに高潮対策事業と称しております関係上、その出庫負担の率につきましては一つの率を算定することになるのでございますが、その算定方法としましては、事業災害復旧事業に相当する分と、それから改良的な部分に相当する事業との二つになりますので、それぞれに区分して率を出した次第でございます。で第一項の第一号が災害復旧に相当する部分の事業費に対する国の負担率の算定の基準でございまして公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法または農林水産業施設災害復旧事業費国庫補助の暫定措置に関する法律、この法律によりましてそれぞれ算定した額が災害復旧に相当する部分の事業費に対する国の負担率になる。ただ、今国会に提案されておりまするところの特別措置法、先ほど議題になりました特別措置法あるいは別途農林省の方から提出されておりますいわゆる農林水産関係特別措置法に適合するような部分につきましてはその高い率で算定する、それに適合しない地域については一般の国庫負担法なり暫定措置法の率で計算をする。  それから第二号によりまして、その災害復旧に相当する部分以外の部分につきましては、国の負担率あるいは補助率が十分の八以上である場合は別といたしまして、すべて十分の八の国庫負担をする、こういう趣旨でございます。なお、現在特定重要港湾——名古屋あるいは四日市港につきましては部分的に十分の十といったような率もございますので、そういったものを除外して、すべて十分の八にする、こういう趣旨でございます。  第二項は第一項とうらはらの規定でございまして、直轄でやる場合には、その地方の負担分につきましては、それぞれその第一項で算定した率の、国が負担するものを差し引いた割合を地方が負担するといううらはらの規定でございます。で、現在木曾川下流あるいは鍋田干拓といったようなところで国の直轄の分がございますので、その場合に適用する条文でございます。  あとの第三項は、この法律によりまして国が負担をするわけでございますから、他の法令によるところの国の負担は行なわない、あるいは地方公共団体は他の規定によるところの負担をしないという一時的な規定でございます。  それから第四項も、普通、災害復旧事業はその年の一月一日から十二月末日までの間の災害復旧事業費を合計しまして、これと標準税収入と比較しまして負担率を出すのでございますが、伊勢湾高潮対策事業が、災害復旧事業と改良事業とを一緒にして高潮対策事業というふうな表現をとりました関係上、災害復旧事業に相当する部分が災害復旧手業費に算入されませんと、それだけ国庫の負担率が下がりますので、これを防止するために特に災害復旧事業に相当する部分は、これは災害復旧事業費とみなして負担率算定の基礎にするという趣旨でございます。  第五項は農林省の方から御説明される方が適当と存じますが、土地改良法第九十条第一項によりまして国営の土地改良事業の一部を関係都道府県が負担した場合に、その都道府県が受益者から負担金をとれるという規定が、この法律によるところの負担をした公共団体では第二項あるいは第三項の関係から受益者負担金がとれなくなるように書かれておりますので、これを排除して土地改良法九十条第二項の規定によって受益者負担金は高潮対策事業についても徴収できるといった趣旨の規定でございます。  なお、附則の第一項は台風の襲来いたしました期日以後の事業について適用いたしますために、この法律は九月二十六日以降にかかる事業について適用するといったことを明記したわけでございますも  なお、第二項で建設省設置法の一部の改正が行なわれておりまするが、これは、建設省の中部地方建設局に臨時に海岸部を設け、この海岸部によりまして、県から委託されますところの伊勢湾高潮対策事業としての海岸堤防事業を実施するための規定でございます。今年度は、県からの委託によりまして、中部地方建設局におきまして実施する予定でございます。なお、第三項の定員の二百名増も、この海岸堤防に関係する機構の改正に伴うところの増員の規定でございます。  以上、簡単でございまするが説明を終わらしていただきます。
  166. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまの説明に対しまして、御質疑のある向きは御質疑を願います。
  167. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 今の水政課長説明で、この三ページの「伊勢湾等高潮対策事業費のうち前号に掲げる部分以外の部分で、」というのは、これは何をさすのでしょうか。改良と関連の分をさすのでしょうか。
  168. 井上義光

    説明員(井上義光君) さようでございます。
  169. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 この法律案及び公共土木の先ほど説明受けた法律案でいう、災害復旧の限度について御説明下さい。といいますのは、原状——たとえば堤防なら堤防の高さが六メートルあった、その六メートルまでの高さで、もとのような構造で復旧することを災害復旧というのか、あるいは、六メートルでは、少なくとも今度の十五号台風はだめであった、だから、十五号台風程度台風あるいは高潮、豪雨に耐え得るものをもって災害復旧の限度とするか、その災害復旧の範疇について御説明下さい。
  170. 井上義光

    説明員(井上義光君) 災害復旧の限度につきましては、一般的には原形——現在の位置、形状、材質、寸法等を同じくして復旧するのが災害復旧でございまして、原形に復旧することが不可能な場合には、同一の機能までの施設を復旧する、それから原形復旧をすることが著しく不適当あるいは困難な場合、著しく不適当といたしまして、たとえば橋梁が流失した、流失前に道路の方が改良されておるといったような場合に、交通事情等を考慮しまして、橋梁を改良するといったような場合には、原形に復旧することが著しく不適当であったようなことから、災害復旧事業にしております。今回の災害復旧事業について申し上げますと、実は私、技術的によく存じませんが、断面の構造なり規模につきましては、まだ現在、農林省、運輸省あるいは建設省、科学技術庁といったような各省で協議会を作りまして決定するわけでございまするが、全壊部分につきましては、一応全断面が災害復旧にとられるのではないかと……。つまり、今次災害にかんがみまして、今次程度災害には耐え得る程度、そこまで上げるのは災害復旧事業としてとり得るのではないかというふうに考えております。ただ、全壊でない部分につきましては、必ずしも原形にとらわれずに復旧はいたしますが、全断面が災害復旧事業にはならないと考えております。
  171. 櫻井志郎

    ○櫻井志郎君 今度の災害に耐え得る程度、つまり、たとえば現在の堤防はかりに裏側が舗装してなかった、そうした堤防について、今度の災害に耐え得るように背、面の舗装もやるというところまで災害復旧だと、こう解釈していいですね。
  172. 井上義光

    説明員(井上義光君) ただいまの点につきましては、私、技術的に自信を持ってお答えできませんので、直ちに調べましてお答えしたいと存じます。
  173. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 どうも、私の質問するのも、建設省へというのはちょっと工合が悪いのですが、本法の最後にあります、十地改良法の規定の適用を妨げないということ、これは農林省との協議になった場合に、農林省側としては何を期待してこういう条項を残そうとしたのか、知っておられるならお伺いしたい。農林省当局が来ておられるなら、農林省当局に聞き直すことにいたします。
  174. 正井保之

    説明員(正井保之君) 先ほど御説明がございましたように、私どもの担当いたしております仕事につきまして、国営事業の場合に国が全額支出をいたしまして事業を実施いたしますが、そのうちの一部につきまして府県に対して負担をさせる、こういうことで、政令によりまして一般の場合には、全額国費の場合に四割以内で県に負担をさせるということができる建前になっておりますが、その場合に国がさらに受益する人からその一部を負担をさせるということの道が開けておりまして、一般の場合にはおおむね四割の府県の負担のうちの、その半分程度を負担させる、こういうふうな道が開かれております。そこで、今度の法律改正の際にも同様の九十条の第二項にそのことの規定がございまして、一部について受益者の負担というものの道を開いたわけでございます。
  175. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは、具体的にはどういう事業を予想せられてこういう条項を設けられたのですか。
  176. 正井保之

    説明員(正井保之君) 実は私どもの施設でもちまして、公共土木の負担法によって処理する場合というのは、海岸提防、この場合が農地局の私どもの批当の場合に考えられますが、海津法の適用を受ける海岸堤防につきましては、この規定によりまして受益者に、地元の人に負担させる場合はないのじゃないかと考えております。そのほかには農林省関係ですと林野の関係、あるいは漁港の関係があるかと思いますが、実はそれらにつきまして私存じておりませんので、私どもの農地局の所管の関係で申しますと、海岸堤防につきましては管理者が府県知事が原則でありまして、特定の場合には市町村ということで、それらの経費はそれぞれの団体で負担するという建前になっております。農地局主管の場合には該当がないわけでございます。
  177. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 ですから、これは高潮対策で、海岸堤防を作る法律の中にこれが入っていることは、海津堤防の背後地が土地改良法による国営事業なり何なりである。それは背後地というのではなくて、従来もその堤防自身を土地改良の事業としてやっておったというようなところをこれは対象にしておるんでないかと思います。一例をあげれば鍋田の干拓、こういうようなものでないかと思います。
  178. 正井保之

    説明員(正井保之君) 私ちょっと勘違いをいたしておりました。私どもの方の担当しております海岸の中で、海岸法の適用を受けて指定を受けましたものにつきましては、先ほど申し上げた通りでございまして、実は海岸法の適用を受けないで、その指定を受けないで、土地改良区が管理しておるというものがあるわけでございます。これにつきましては、災害復旧お業は農林漁業の災害復旧施設の災害復旧に関する暫定措置法律、暫定法によりまして、補助をするわけでございますが、災害復旧に関する部分はそれによって処理する。それに改良的なものがある。それにつきましては、この高潮の対策事業として処理する。こういうことになりまして、その場合の負担の区分につきましてこれは規定しておる。
  179. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 鍋田干拓の海岸堤防はこの対象ですね。
  180. 正井保之

    説明員(正井保之君) 鍋田干拓はただいま国営事業として実施中でございまして、これは、この災害復旧は全額国でもっていたすということになっております。まだ土地改良区その他の団体にまかすという段階に至っておりませんので、全部国が負担をして復旧並びに改良的なところも実施する、こういうことになっておりまして、こういう地元負掛の関係が出て参りますのは、海岸の堤防のうちで、海岸法による指定を受けないで土地改良区がやっておる、こういうものになるわけであります。
  181. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そこはどこですか、具体的には。例示して下さい。
  182. 正井保之

    説明員(正井保之君) 具体的な地名につきましては、ただいまちょっと調べておりますから、ちょっと……。土地改良区が管理しております施設が二十カ所余りあるようでございます。具体的に……。
  183. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 その距離は幾らぐらいあるんですか。また、改良に要する費用は幾らぐらいかかるんですか。
  184. 正井保之

    説明員(正井保之君) ただいま調べましてお答え申し上げます。
  185. 中村武夫

    説明員(中村武夫君) 十三号台風当時におきまして、愛知県におきましては、海岸樋門の二十九ヵ所、県条例によりまして土地改良区の管理にいたしておるものがあるわけでございます。従いまして、これを伊勢湾高潮対策事業といたしまして県管理に移管いたしますればそういう問題がないのでありますけれども、その問題が残っておりますのと、それからさらに同じく樋門で五十八ヵ所、河川部にあります。やはり土地改良の管理しております排水樋門がございます。従いまして、こういうものの取り扱いにつきまして問題があるわけでございます。金額につきましては、小さなものとして大した全額にはなっていないと思いますが……後刻ちょっと調べてお知らせいたします。
  186. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、この条項は、海岸堤防そのものの復旧とか、改良工事とかで関係ない。それに対する排水等の付帯設備と申しますか、十三号台風の樋門だけだ、あとはないということははっきりしていますね。
  187. 正井保之

    説明員(正井保之君) ただいま災害復旧課長から申し上げましたように、具体的な個所がわかっておりまして、先ほど申し上げた通りでございます。
  188. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 これは県管理なら問題はない。すなわち土地改良区の管理でなければ受益者負担ということも起こり得ないということで、非常に含みがある答弁のようですが、この条項もまた含みがある。「適用を妨げない。」などという歯切れの悪い文章表現になっている。前の4では、「総額中に算人することを妨げない。」こういう「妨げない」はけっこうですけれども、あるいは3の「負担は要しない。」こういろのもけっこうですけれども、5の「適用を妨げない。」という歯切れが悪いのは、何か行政指導でもして、県の方の負担にしてやってやろう。そして実際上は受益者負掛ではないようにもっていこうというような計画でもあるわけですか。
  189. 正井保之

    説明員(正井保之君) ただいま御質問の点につきましては、そういった取り扱いにつきましてただいま検討いたしております。できるだけそういうことのないようにということで、具体的にただいま検討いたしております。
  190. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、これは法律はまだ通らぬわけですが、空文にすると大体認めておいていいわけですね。
  191. 正井保之

    説明員(正井保之君) そういうふうな扱いにいたしたいと思って検討いたしております。
  192. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 技術的なことですが、これが高潮対策に関する負担区分のような規定なのですが、これまで、伊勢湾地帯で、農林省の干拓堤防、建設省の海岸堤防というものの構造は、一体どの程度の、年限の平均でもとって、そして安全率を出してやったものか。それで今後百度災害を防止したいということだが、先度の伊勢湾は未来永劫ないものとして、それを最高のものとしてやるのか、一体どれくらいな平均年次をとって、従来のこの災害を受けた地帯の海岸堤防は、あるいは干拓堤防はやったものであるか、そういうことについて一つ
  193. 正井保之

    説明員(正井保之君) 実は伊勢湾地帯につきましては、二十八年に十三号台風がございまして、当時私どもの所管しております干拓の堤防あるいは建設省の所管の海津堤防が相当の被害を受けたわけでございますが、その状況を勘案いたしまして、復旧いたしますに際しましては、当時十三号台風のときの気象条件というものは、非常にそれ以前には、大正元年ごろには非常に大きなものがあったわけでございますが、その後のものとしては最も大きゅうございまして、これに耐えるようにということで実は改訂をそれに合せております。たとえば、鍋田干拓等につきましても、施工の途中でございましたが、当時の潮位、あるいは波高、そういったものになお余裕をとりまして、設計をあらためて実施いたしたという状態でございます。今回の台風による潮位その他非常に、すでに御説明もお聞きになったと思いますが、台風の通過の時期、経路、こういったものを、非常に暴潮位を高めるような、過去に最も大きいようなものになって、及ばなかったわけでありますが、そういうふうな心がけで実は実施をいたしておったわけであります。
  194. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 じゃ、二十八年の十三号台風が一番大きかったと、大正元年のやつもあるが、まあ二十八年の十三号が大きかったということで、それを大体の標準にして、なお若干の余裕をみてやったということですね。そうすると、また今度は今回の十五号台風を基準にして、そうして、また若干余裕をみてです。そういうことは、これはもらそれより大きな災害が起きぬと、高潮はないということでないと、非常に不確実なんです、科学的な堤防の作り方で私はないと思うのですがね、この点がオランダの大干拓等をみても、どの程度の海岸堤防なり干拓堤防にしたら、将来起こり得るかもしれぬ大きな高潮は防ぎ得るかという、そういうこととしては、はなはだ、二十八年の十三号台風を基準として万全の措置と思って余裕をみてやったがだめだった。それから今度はまた昭和三十四年の十五号台風を基準にしてやるというのでは非常に不確かなのです。それではもう再度災害を防止するというような、過去の経験等からみても非常に不確かな要素に基いた復旧のような気がするのですがね、どうなんでしょう。
  195. 正井保之

    説明員(正井保之君) 私技術的なことを十分に存じておりませんが、現在の堤防の状態はそういうふうな考慮を払いまして、過去における潮位等も参考にいたしまして、なお余裕をもって実施いたしたわけでありますが、今後どのような堤防の設計にするかという点につきましては、もちろん過去における最大のもの、これも考慮されるわけでありますし、その他気象庁あるいは関係の運輸省、建設省等とも十分に検討いたしまして、理論的に起こり得る気象条件等をさらに検討いたしまして、その上で対処するというふうな考え方でただいまも打ち合わせをいたしておりまして、先ほど申し上げましたことが、まことにただ最近に経験した大きなもののみを対象にして措置をとったというふうなことでございまして、誤解がございましたかと思いますが、今度とろうとする対策につきましてはただいま申し上げましたように、もっと理論的に考えられるいろいろの条件をさらに検討をするということに、そういう線で進めております。
  196. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 これは伊勢湾地帯には建設省の方もあったのですが、姓設省は一体海岸堤防はどういう理論的な計算からこの程度にしたら、幅、高さ等は大体大丈夫だと、こういう計算はどうして出しているのですか。
  197. 井上義光

    説明員(井上義光君) 今度の災害によりますところの高潮対策としての堤防につきましては、先ほど少し御説明をいたしましたが、三省、建設、農林、運輸及び科学技術庁で本日第一回の会議をやっておりますが、海岸堤防に関する協議会を設けまして、各省より案を持ち寄りまして、もちろん建設省の方は一般の海岸堤防でございますし、農林省の方には干拓堤防あるいは漁港、そういったものもございますし、運輸省の方は港湾がございますので、同じ設計構造というわけではございませんが、それぞれ高潮対策としての機能としては一貫したものにしようということで、それぞれ案を持ち寄って、本日より十二月中旬までに成案を得るように、その場合には今次の台風程度には十分耐え得るという範囲で、学識経験者あるいは農業土木学界、そういったところの先色方の意見も聞いて定めようということで、ただいまこうするという基準は定まっておりません。
  198. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 では今度被害を受けた伊勢湾地帯の農林省の海岸堤防はどういう基準であれは作ったのですか、今後のものは別にしまして。
  199. 井上義光

    説明員(井上義光君) 十三号台風による被災の際の復旧計画につきましては、申しわけございませんが、私説明する資料を持ち合わせておりませんので、ただいま私の方の防災課長の方に連絡をいたしましたので、後刻御説明申し上げます。
  200. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 さようですか、建設、運輸、農林、科学技術庁の合同会議をもって何か対策を練るということですが、今課長が言われたのは、少なくとも本年の台風程度には耐える、こういうことなのです。そのことは、統計的にももうこれ以上の大きな災害はないという断定なしには、そういうことでは、十三号台風があったときにはこれを基準にして少し余裕を見ていく、また、今度は今度のやつをというのでは、農林省の言われたのと同じように、幅をフリーケンシーをとってやるにしても、非科学的なもの、こういう感じがするのですね。私もオランダの二十二万ヘクタールの大干拓を見てきたのですが、とても百年ももっと長期の、そういう暴風、潮の満ち干きを計算して、非常に長い、ロング・ランな平均を出してやっているということを聞くのですが、日本のはもう二十年とか、三十年とかいううわざを聞くのですが、そういうことはないでしょうか。
  201. 井上義光

    説明員(井上義光君) 一般には河川堤防の場合には、主要河川につきましては百年確率とか、あるいはこれに準ずる河川につきましては五十年確率とか、そういうことを理論的に計算して実施をしておりますが、海岸堤防につきましては、起こり得る台風と潮の合成した最も大きな被害、こういったものを、別に五十年に一ぺんとか、百年に一ぺんとかいうふうにやらないでやっておるように聞いております。
  202. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 一つ資料なんですけれども、きようはまあ課長さんは技術方面でないようですから、この伊勢湾地帯の海外堤防の構造ですね、建設の年次、幅員、高さ、それからその単価、そうして一体今度被害を受けたのはどういう確率のもとにこれなら大丈夫ということで作られたものか、そういう資料一ついただきたいと思う次第であります。
  203. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。   —————————————
  204. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積上砂及び湛水の排除に関する特別措置法案議題にいたします。  当局説明を求めます。なお、当局からの出席は、建設省計画局総務課長川島君でございます。
  205. 川島博

    説明員(川島博君) 昭和三十四年八月及び九月の暴風雨による堆積上砂及び湛水の排除に関する特別措置法案要綱を御説明申し上げます。  第一に、この法律案におきまして堆積土砂と申しておりますのは、昭和三十四年八月及び九月の暴風雨に伴い発出した土砂等の流入、崩壊等により政令で定める地域内に堆積した、政令で定める程度の泥土、砂礫、岩石、樹木等をいい、湛水とは昭和三十四年八月及び九月の暴風雨に伴い政令で定める地域内に浸入した水で、浸水状態が政令で定める程度に達するものをいうものといたしております。ここでいわゆる激甚地と申しますのは、政令に譲っておるわけでございますが、その内君といたしましてはまだ完全に確定はしておりませんのでございますが、大体の考え方といたしましては、堆積土砂の排除に関する激甚地ほ、堆積上砂の土量で規定をする、また、湛水の排除に関します激甚地の指定につきましては、湛水日数と湛水面積、この二つで程度を押えて、その被害のはなはだしい地域を激甚地と政令で定めることにいたしております。  次、第二点は、地方公共団体等が、河川、道路、公園、林業用施設、漁場その他の施設等で政令で定めるものの区域内の堆積上砂の排除事業を施行する場合においては、国は、他の法令に国の負担または補助に関し別段の定めがある場合を除き、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものといたしております。河川、道路、その他のいわゆる公共土木施設につきましては、それぞれ公共土木施設復旧事業費国庫負担法という特別の法律がございますし、そのほかの各公共施設につきましても、それぞれ復旧に関する特別法なり、あるいは基本法なりの法令の規定がある場合がございますが、そういった根拠のございますものにつきましては、その本来の法律に基づく復旧事業といたしまして排土事業を実施いたしますので、この法律によります場合は、そういった他の法律に定めのない場合、また、そういった法律の定めがございませんでも、予算の措置で従来排土事業についての事業予算の計上が認められておるものでございまして、それらの本来の施設の復旧事業に付随して排土事業が行なわれる場合につきましては、それぞれその本来の復旧事業として行なうそれ以外の施設にかかわる排土事業につきましては、この法律規定を適用いたしまして、予算の範囲内において、十分の九の国庫補助をするというふうに規定をしておるわけでございます。  次に、国は、市町村が第一項に規定する区域外の堆積土砂で、市町村長が指定した場所に集積されたものまたは市町村長がこれを放置することが公益上重大な支障があると認めたものについて排除事業を施行する場合においては、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものといたしております。これはただいま申し上げました公共施設等を除きました一般の民有地でございますが——にたまりました堆積土砂等を市町村が取り片づけます費用、これについて十分の九の国庫補助をいたします根拠を規定したのでございますが、この場合にこの事業対象となりますものは、当該堆積土砂の堆積を見ました市町村におきまして、市町村長が指定した場所まで取り運んで取り集められたもの、または市町村長が公益上放置できないというようなものに限られておるわけでございます。  次に、このただいま申し上げました公共施設等、あるいは民有地等の土砂の取り片づけのための補助金の交付の事務につきましては、それぞれ農林大臣または建設大臣が行ならということを規定しております。  第三に、国は、地方公共団体等が湛水排除事業を施行する場合においては、予算の範囲内において、その事業費の十分の九を補助することができるものといたしております。今回は前回の二十八災と異なりまして、この災害地に海水あるいは河水が多量にたまったということが特徴でございますので、今回はこの湛水排除事業につきましても、特別に十分の九を国庫補助することができるという立法をいたしたわけでございますが、これらにつきましても排土事業の場合と同じく、政令で定める区分に従いまして、補助金の交付の事務は農林大臣、建設大臣がそれぞれ行ならということに規定しております。  法律案の骨子は以上の通りでございます。
  206. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) ただいまの説明に対し、御質問の向きは御質疑を願います。
  207. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この法案に関連して農林省にお尋ぬしますが、今回の応急復旧について、河川、海岸の締め切り等は建設省の分担、湛水排除は農林省の方の分担というような形でおやりになっておるように局長から聞いたのですが、昨日もテレビ等で見ますと、よろやく湛水排除のためのポンプをヘリコプターで運んでいるというような状況が見えたのですが、愛知県、あるいは三重県等いまだ湛水せられておる区域につきまして、重要地域については今後排水の作業はどうするのか、いつごろをめどとして排水せられ、その後排土事業等はどういうふうに行なって、堆積土砂の取り片づけ等はどういうふうなめどでやっていこうとするのか。現状について説明していただきたい。
  208. 正井保之

    説明員(正井保之君) 排水についてでございますが、海部郡北部、あるいは三重県等につきまして、締め切りの済み次第排水の作業を開始いたします。湛水地域につきましては、従来から当該地域の農地の排水用のポンプが相当数ございますが、それらにつきまして、湛水のために、浸水のために故障をいたしたり、使えない状態になっておるものにつきましては、早急にこれを修理して使えるような状態にする。そういうポンプの稼働能力を勘案いたしまして、先ほど予備費をもちまして百五十台のポンプの手当をいたしました。そのポンプの配置は、それぞれの締め切りの状況、すなわち排水作業の開始の可能の状態に応じて、各計画に合わせて進めて参るということで進めております。地区別の模様につきましては後ほど申し上げますが、考え方としてはそういうふうな考え方で処理をいたしております。  なお、排土につきましてでございますが、ただいま建設省の方から御説明がございましたが、農地あるいは農業用施設に堆積いたしました土砂につきましては、それぞれの農地あるいは農業用施設の復旧事業としてこれを取り扱います。従いまして、激甚地の指定を受けましたところにつきましては、九割の補助ということでそれぞれの復旧事業の中に含めて処理いたしております。  なお、宅地等につきましては、一般の市街地における住宅等に堆積しました土砂と同じように、その排除につきまして市町村等が行なった場合の所要経費について補助をする、つまり一般の住宅宅地並みに処理して参る、かように建設省とも了解がついておりまして、予算としては一括建設省の方へ計上せられる、こういうことになっております。  湛水の状況でございますが、湛水の状況は災害復旧課長から御説明申し上げます。
  209. 中村武夫

    説明員(中村武夫君) 湛水面積につきましては、愛知県につきまして、災害当時におきましては二万一千町歩程度湛水しておったわけでありますが、現在におきましては八千五百町歩程度に減少しております。それから岐阜県につきましては、二千八百町歩が湛水をしておったのでありますが、現在におきましてはほとんど湛水地がなくなっております。三重県につきましては、当時は四千三百五十町歩湛水しておりましたのですが、現在におきましては約千町歩ばかりに減少いたしております。  それからポンプにつきましては、今参事官説明されましたように、あの区域におきましては非常に多くの農業用のポンプがございますので、その既設のポンプ、愛知におきましては百四台、岐阜におきましては十五台、三重においては三十三台、全部におきまして百五十二台につきまして応急修理を加えまして動けるような状態にいたしております。その他農林省独自で二百五十ミリないし三百ミリのポンプを約百九十九台用意いたしまして、愛知県に百人台配置いたしております。それから三重県につきましては九十一台配置いたしております。そういうことによりまして、建設省関係で締め切りが完了いたし次第、直ちに一週間ぐらいな予定で排水ができるような手配を整えております。
  210. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 それで現場は最初われわれが聞いたような進捗率で仕事が進められておりますか。全部排水が終わるのはいつになりますか。
  211. 中村武夫

    説明員(中村武夫君) 全部排水が終わりますのは十二月の下旬、ということになりますが、さらに非常に被害を受けました鍋田干拓につきましては、その締め切りがおくれます関係上、明春になることと思っております。
  212. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 この前はそれぞれの責任者にお伺いしたら、十一月の下旬、おそくとも十二月の上旬——年を越すことがあるのじゃないかと言ったらとんでもないということだった。
  213. 中村武夫

    説明員(中村武夫君) ちょっと今私の説明がいささか不十分でございまして、非常に長くなりますのは、干拓堤防の切れたところを含んでお答えいたしましたからそういうことになったわけでございますが、従来の干拓堤防の一部、今申し上げましたのは平坂でございます。平坂がそういうふうにおくれるということを申しましたので、全部その他の地域につきましては十一月の末までに一応完了するような予定になっております。
  214. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 建設省の方でやっておる締め切りの方の作業は順調に進んでおるのですか。
  215. 川島博

    説明員(川島博君) 私担当が違いますのではっきりしたお答えはできかねます。後刻河川局の方からお聞き取りを願いたいと思います。
  216. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ農林省の方わかっていることだから、建設省がおくれれば農林省がおくれるのですから、あなたたちの方が文句を言うことなんで、おくれているのか進んでいるのか。
  217. 中村武夫

    説明員(中村武夫君) 私の手元にあります資料によりますと、一番建設省関係でお願いしています堤防の締め切りのおくれと申しますか、締め切られる時期の一番おそいのは十一月の二十日というのが海部郡南部になっておるところがございます。しかし、これは一応私の方の担当でございませんから確答はできませんが、そういうふうになっております。
  218. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 まあ参事官は農地高の方の重要責任者だから一応はわかっているのでしょうが、どうなんです。順調に行っているのですか。おくれているのですか。
  219. 正井保之

    説明員(正井保之君) 私まことに印しわけないのでありますが、的確に承知いたしておりませんが、順調に行っておるところと一部作業が予定通り運ばないところ、こういうところも若干あるように聞いております。なお、三重県等につきましては、むしろ予定よりも進んでいるところがあって、ポンプを回してくれというふうな要望等もございまして、これにつきましては、予定されておりました以外にポンプの手当を二十三台ばかりいたしました。これによって計画よりも数H早く排除が可能なところもございます。一々の地区につきましては、実はただいま資料を持ち合わせておりません。
  220. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そうすると、当面全力をあげているのは海部郡南部の地帯だというふうに想像していいと思うのですね。急いでやってもらうこととしますが、鍋田の干拓については明春だということですが、そこでついでに伺いますが、鍋田の干拓は、これは放棄するのですか。従来のようにまたやり直すのですか。
  221. 正井保之

    説明員(正井保之君) 鍋田干拓につきましては私ども放棄する気持はございませんで、また、入植しておられた方々も一日も早くこれを復旧してほしいというふうな非常に強い要望もございまして早急にこれを復旧するという建前で段取りを進め、復旧を取り急いでおります。
  222. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 鍋田の干拓につきましては前回の質問で明らかになり、また、先ほど答弁もあったように、海岸堤防については全額国庫負担でやる。従って、開拓者には分担させない転嫁させない、こういうことが明らかになったのですが、どこがどう負担をするにせよ、鍋田の干拓地の営農のためには海岸堤防改良工事が行なわれる。海洋堤防を作ってやるわけですから、総予算額としては膨大なものになり、転嫁させないにしても反当これを計算したならば、やはり従来かけた金は金として今後かける金というものは膨大になると思うのですね。どのくらいの見込みになるのですか。
  223. 正井保之

    説明員(正井保之君) 先ほどの建設省の万からも話がごさいましたように、最終的にどういう設計構造にするかという点につきましてはまだまとまっておりませんが、私どもがただいままでに検討いたしましたところでは、従来支出いたしました事業費を上回るということだけはこれは確実でございます。なお、入植施設等につきまして、住宅等につきましては従来とは異なった配慮が必要であるということでそういう予算措置をしたいということを考えております。
  224. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 そういう点から言えば、これは話がはずれてはなはだ恐縮ですが、非常に個人の被害としてもあるいは国の立場から言ってもその損害は大きいと言わなければならぬと思うのですね。従って、あの種の堤防は建設省が前回の災害対策として作った海岸堤防ほどに強化されたものでもない。あの種の堤防がそもそも設計施工せられたというところに技術士の欠点があったのかなかったのか。この点は私たちも率直に聞きたいところなんですね。どういうふうに農林省当局はお考えになっておるのですか。やはりあの程度の堤防では無理だったと思われるのですか。それほど不可抗力であったとお考えなのですか。
  225. 正井保之

    説明員(正井保之君) 先ほども御説明を申し上げましたように、実は鍋田干拓が最も代炎的な問題の地区だろうと思いますが、実は当初予定しておりました設計を、二十八年の十三号台風の体験をもとにしまして設計を変更いたしまして、さらに、堤高あるいは構造等につきましても、気象条件のより悪い状態を想定しまして設計実施いたしたわけでありますが、今回の気象条件というものが私どもが想定いたしました以上に大きなものが参りましたので、この点について、なおまた、一部鍋田干拓につきましては最終的な完成までには至らず、来年度完成というところで、たとえて申しますと堤防の被覆等につきましては、もう少し堤防が安定しましてからやるということで、実は最後まで手当が済んでおらなかったわけでありますが、総体的には私どもが予想しておりました以上の台風が参ったためにああいうふうな結果になったので、今後の対策あるいは措置につきましては、先ほども申し上げましたように気象条件等についてさらに検計を加えました上で、それらに対抗できるような構造にしたい、かように考えております。
  226. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 同じ二十八年十二号台風の教訓から愛知県の海岸堤防を建設省もやったわけです。ところが、建設省の海岸堤防はくずれない。農林省の施工した堤防はくずれた。そのことで視察に行くと、農林省には本物の技術者がいないのだ。だからくずれた。農林省所管のダムと建設告所管のダムでは、やはり農林省所管のダムの方が漏水その他いろいろな問題が起こる。技術スタッフが建設省に劣るのだというような、われわれ農林委員が聞くと何をと言いたくなって皆さんをかばいたくなるような本能があるものだからしゃくにさわって帰ってきたというようなこともあるのですが、実際建設省所管の海岸堤防はがっちりしておる。一部それは被害があったけれども、最近構築したものはがっちりしておる。農林省のものは相当長い距離にわたってむざんな決壊をしておる。これはもう技術上は何ら欠点がない。被覆等ができない未完成工事の部分から突破されて破堤個所が広がったのだ。それだけなんだというふうに言い得ますか。農林省の名誉のために私は聞いておるのだから、断固として答えてもらいたい、攻撃しておるのじゃないのだから。
  227. 正井保之

    説明員(正井保之君) 先ほど鍋田につきまして申し上げました点で、被覆も実は計画はされておりながら済んでいなかったという点を申し上げましたが、これは被覆をされておったならば破堤しなかったであろうと言うつもりではございませんので、たびたび申し上げておりますように、設計にあたって予想をいたしました条件をはるかに越える悪い事情が出現したということが一番の大きな原因じゃないかというっふうに考えております。  また、いろいろ農林省のやった仕事につきまして十分でない点等の御指摘がございましたが、これは私どもの研究が十分でない点もございましょうし、また、一部には実は私どもの方の仕事には地元負担というふうなもの等がございまして、そういったものの影響と申しますか、そういうものも考えられないでもないと思います。しかし、こういった肝心の施設をいたします際には十分に克服して総合的に安全度の十分なものを作るということでなければならないというふうに考えております。
  228. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 局長等が出て来ましたら根本的に私はまたお尋ねしますが、そこで排水、排土の関係の予算の見積もりは幾らですか。
  229. 川島博

    説明員(川島博君) 本法律案に基づきます予算措置は、建設省がいたしますのと、農林省がいたしますものと分かれておりますので、建設省分についてだけお答え申し上げます。排水事業の方でございますが、これは実は建設省が担当いたしますのは、主として市街地にかかわる部分、それから農林省が担当いたしますのは農地にかかわる部分でございます。この湛水につきまして、水というものは農地、市街地を問わず湛水いたしますので、主として市街地のございます部分を建設省で損当するということになりますので、予算措置といたしましては、名古屋市のうち庄内川以東の湛水区域についてのみ建設省が扱うというふうにいたしております。この費用は補正の予備費に認められておりますのが約二千三百万円でございます。  それから堆積土砂の排除手業でございますが、これは実は報告額は相当膨大な報告が参っておりますが、公共施設にたまっておりますものは、それぞれの法律で参ります。しかし、そういった土砂の仕分けをしなければなりませんし、また、実際に宅地等にたまったものにつきましても全量を排除する必要はない。一部分はそのままにして置いて何ら支障がないものもございますので、査定に非常に困難な面がございます。これは前回の三十八災のときにも非常に査定に困難を来たしましたのでございます。従いまして、この事業の査定が非常に問題になりますので、今回の予算措置におきましては一応補正予備金の中に計上されておりまして、追って査定の確保を待ちまして支出額を決定するということにいたしております。大体の見通しにおきましては、建設省は宅地等の堆積土砂の排除を実施いたします。その費用は大体八千万円から九千万円台で済むのではないかといふうに考えております。
  230. 正井保之

    説明員(正井保之君) 農林省関係につきましては、排土につきましては先ほど申し上げましたように、農地あるいは農業用施設にかかわるものにつきましては、それぞれの復旧事業費に含めて処理いたします。宅地につきましては、一般の住宅と同様に、建設省の方に計上されます予算によりまして処理いたします。排水につきましてはなおこれから地域の指定をする、それから復旧事業の査定を必要といたしますが、一億五千五百万円程度予定いたしております。
  231. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 排土の方は何ですが、排水の方はもう急ぐのですが、この法律はまだ通らぬのですが、実際やっておって、何らかの形で事前の了解を得てやっておるのをいろいろ助成するという形になるのですか。
  232. 川島博

    説明員(川島博君) この法律案におきましては、付則におきまして、付則の二項でございます。「この法律は、この法律の施行前に施行された堆積土砂又は湛水の排除事業についても適用する。」とございますが、すでに処理済みのものにつきましても、この法律に基づきます補助金の支出が可能でございます。
  233. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 もうすでにそれぞれの機関でこの法律の通ることを予想していろいろやらしているわけでしょう。そうせぬと実際間に合わぬ、どうなんです。
  234. 川島博

    説明員(川島博君) もちろん泥にいたしましても、水にいたしましても、法律のできるのを待っているわけに参りませんので、それぞれ地元の市町村等で処理をいたしております。これはすべて今回の予算の査定の対象に取り上げることになっております。
  235. 中田吉雄

    ○中田吉雄君 正井参事官にお願いしますが、資料ですけれども、伊勢湾地帯の干拓堤防ですね、あれのできた年次、延長とか幅員とか、構造ですね、単価、これ一つ知らして下さい。私の質問終わります。
  236. 小笠原二三男

    小笠原二三男君 一点だけ。建設省も農林省もこの公共十木災害関連事業、これらの令査定はいつまでに終わるということで仕事を進めておられるのですか。今国会にかかっているのは補正予算なんですから、今年度仕事をしていくものですから、いつまでに査定をされるのか、また、それが終わらぬければ、来年度の予算要求は、災害復旧予算というものは三・五・二なり、今回は二八・五じゃない、二王を下回るという予算委員会の言明があるようですが、そんな状況ならなお来年の予算要求とからんで、その前提たる査定は速急に進まなければならぬ、それだけお聞きしておきます。
  237. 正井保之

    説明員(正井保之君) 本年度内に査定を終了いたしますが、湛水地域の一部については若干おくれることがあるかと存じます。
  238. 川島博

    説明員(川島博君) 私はこの堆積土砂を湛水の排除に関する事業だけの担当でございますので、これだけについて申し上げますと、湛水の方は名古屋市内ですでに水の引いた所がございますので、すぐにでも査定ができるわけでございますが、堆積土砂につきましては、そういった土砂の仕分けなり、あるいは証拠書類の検査とか、非常にややこしい問題になりますので、一番あとになりますものは明年の一月末になるものが出てくると思います。なお、公共土木施設につきましては所管でございませんので、ちょっとお答えいたしかねます。
  239. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  240. 堀本宜実

    委員長堀本宜実君) 速記つけて。  他に御発言もないようでありますから、本件はこの程度にいたします。  残余の議案は後日に譲り、本日はこれをもって散会をいたします。    午後四時二十七分散会