○田中啓一君 私は、ひとり農林漁業だけではなくて、他の建設
関係あるいは文部あるいは厚生
関係にも及ぶことだと思います。それはいわゆる
激甚地の
指定の原理でございます、問題は。実は二十八年災のときにはいろいろ
考えて、今、
重政さんの御質問に対して官房長から
説明がありましたように、いろいろなその
標準を持ち出しまして、とにかく、ほとんど常識的に
激甚と見える所は全部
激甚地になる、つまりいろいろなものさしを持ち出して、そうしてやっておったわけです。そしてそうやれば結局は、これは全
被害の、全国の県
市町村に対して九割くらいまではかかる、こういう結果になっている。ところが、今度は予算を立てる際におきまして、これは九割も
激甚地とすることはそれは不適当であろう、六割くらいというところが大見当でいいのじゃないか、こういうことで進んできておるわけです。そこで、結局いろいろやり方はございますが、一方やらなきゃならぬ、
復旧しなければならぬものの
復旧費を見積もる、
他方は県
市町村の
標準課税収入というものが見積もられて、その比較でいっているのが一つの大きい原理です。ところが、
標準課税収入というやつは、
災害にかかわらず普通の年ならばこれだけの収入はある、こういう数字なんです。従って、普通の年ならばそれだけの工事の施行能力がある、それに対する
補助だから、能力の大きいところは
補助は少なくてもよろしい、こういう行き方になっておるように思います。ところが、私は、
災害を受けました府県、
市町村は現実にもう税収入が今年から減るわけです。で、その水没地帯などというものはもう米は皆無です。農村においては、もう国税も県税も
市町村税も全免をしなければならないほどです。その影響は来年にも及び、あるいは再来年にも及ぶ、実はこういうことになって、
災害復旧をとにかく三年でやってしまおう、こういうのでありますから、その三年間の一体その公共団体の工事施行能力、すなわち、現実のこれくらいしかないと思われるその税収入というものにたよってやっていかなければならない。でありますから、どうも、どこまでも
政府側が六割くらいのところでけじめをつけてということであるならば、これは要求の方はもっともっとやってくれということに結果的にはなるような要求に、どうしても議員側からなると思う。それぞれ皆地元を代表していればおれのところは
激甚地だからやってくれということになるのですが、それがほんとうにだれが
考えても
激甚だ、だれが
考えてもそれは割合軽微で済んで、それくらいのことはそれほど
高率の
補助でなくても施行能力がある、これはまあ公平に私はものさしを当てがってやって、しかも、それが常識に合わぬとまことに変なことになって、そうしてまあいろいろまたものさしを持ち出すことになると思う。でありますから、どうも私はこの前のようにあの程度で全部救えるならば別だけれども、そうじゃなくて、
激甚地が六割くらいでがまんするということならば、そのものさしは実情に当てはまらなければいかぬと思う。そこで、実情に当てはまる当てはまらぬは課税の
標準的な収入でいくか、あるいは今後三年間の現実に見込まれる――そう何もきちんとせぬでもいいんですから、これくらいの税収入しかないという……、あるいはまた、それに対する
政府の特別
交付税というようなものでも勘定はできましょうが、そういうことで私はものさしをお作りにならぬと、これはもういつまでたっても要求はやまないのではないかというふうに思うので、どうも二十八年のときと今回とは、そういった少し――少しじゃない、大いに根本的なことを
考えないと、
国会としても非常に困ることになるのじゃないかというふうに実は思いますので、一つ政務次官、官房長の御意見を伺いたいと思います。