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鈴木強君 お二人とも何を
考えて答弁されておるのか、私には逆にわからないのです。
大臣の答弁は、これは全く的はずれであって、私は、そういうことを言っておるのじゃない。従来から――よく聞いてもらいたいのですが、問題になっておったのは、
放送法によって、
政府が
命令をする。従ってその
命令に基づいて
NHKは
国際放送をやる、こういう
建前になっておった
ところが、実際にその
予算の点でわれわれが追及をすれば、
NHKになるほど
命令はする。
命令をするのだが、その中で
NHKが
努力をしてやってもらう分と、それから
政府が
交付する金と合わせてやっていただければいいのだと、こういうふうな逃げ答弁をしておったわけです。それで私は、たしか田中角榮
大臣のときに、あなたは
NHKに対してどういう
命令書を出しているか、その
命令書の写しを出してくれと
要求してこの
委員会に出してもらいました。そうしたら当時は十四
方向十六時間、こういう点を明らかに
命令しておるわけです。十四
方向十六時間ということになれば、その時間内で
NHKが
ほんとうに海外に居住する人たちに祖国の
ニュースを送り、また
日本の政治、経済、文化の
ニュースをどんどん送って国際的な親善と交流に役立つようにする、こういうことが
協会の使命であるから、そういうような
方法でおやりになる。それが
建前であるから、
予算を出さぬのはおかしいじゃないか、こう言って追及したら、田中さんは、その
命令はまずかった。従って来年から
命令を変えますと、こう言っておられた。私はその後どうなったかと思いまして、さらにその
命令を
要求してみましたが、今度はこう書いてある。たしかそのときに十五
方向であったと思いますが、十五
方向十五時間の中で
政府が
交付する金の範囲でやってくれ、こういうことに逃げてきた。だからその前の
命令書というのは十四
方向十六時間でやりなさいと、こう言っているのですから、少なくとも十四
方向十六時間でやったものに対する費用は
政府が全額出すべきだ、こういう追及に対して、それは逆に
政府の
交付する
予算の中でやれというふうに逃げて
命令を出しておる。私は、ことしはどういう
命令を出しておるか知りませんけれ
ども、
放送法の盲点といいますか、その辺が非常に論議のある
ところなんです。私たちがはっきり、
放送法を改正したときにわれわれの主張を入れろと、こう言ったのですが、なかなか
政府側は言を左右にして今でもあいまいもことして、非常に解釈に苦しむような法律改正になっている。しかし私は、立場としては
大臣の言われていることもよくわかります、答弁なされたことも。こういうことよりもむしろ郵政
大臣自体が、
NHKからたとえば二億という
要求が出る。それを一億五千万なら一億五千万必要だとして大蔵省に
要求する。そうすると大蔵省が一億円にへずってしまう。そして五千万円というものが毎年々々五千、六千、七千と、とにかくあなたの前の
大臣が必要だと思って
要求したものすら削られる。これは大蔵省ではわからないから、とにかく金を減らすことを
考えればいいのだから、多く出そうということでなしに少なく出そうという
考え方でありますから、大蔵省が
放送業務というものはどういうものか知っているかどうか私は知りませ、んが、われわれから見れば、まるきり
仕事を知らないで、ただ頭から査定してくる、こういう行き方があると思います。だから私は、郵政
大臣が少なくとも
放送法を受けている
命令の当事者ですから、
命令をされる場合に、
協会から上がってきたものを検討されるでしょう。そしてこれだけは
政府が出してやらなければならぬ、こういう立場に立って、
一つできるだけ多く
予算を取って、そして
協会が
国内の聴取者の金によって
国際放送に使うようなことのないようにやるのがあなたの一番大事な責任なんです。私はそこを
質問しているのです。だからこういうふうな
協会に半分より以上の負担をさせてやるということは、あなたの言われるように、
協会の
努力によっていいものをやってもらうということは、私も今の段階で否定しません。否定しませんけれ
ども、そのウエートについては八〇%―二〇%とか、あるいは九〇%―一〇%というふうに少なくともこの十六
方向十六時間という時間を限定してやるわけですから、そういう思想に立ってできるだけ
予算の
要求を認め、なおかつこれを大蔵省に
要求していくということにならなければ、これは筋が通らぬでしょう。その辺を私は
質問しておったわけです。