○
政府委員(藤井貞夫君) 和歌山県の判決は地方裁判所の判決でございまして、まだ確定をいたしておらないように承っておるのであります。われわれといたしまして、判決の
内容について、こういう席上でとやかくの批判をいたしますることは、建前上からも適当でございませんので、これは差し控えさしていただく方が適当であろうと思うのであります。ただ一般的な感じを申し上げますと、最初に御
指摘になりました国家公務員法と
地方公務員法との
関係でございますが、これは国家公務員法が成立をいたしました時期と、それから
地方公務員法ができました時期の
相違の点が一点と、それからもう
一つは、地方公共団体というのは御承知のように多種多様であり、その数も非常に多いわけでございますので、これにつきましてはできる限りその自主性と、これと同町にその多様性に即応せしめた制度を
考えていかねばならぬのではないかというような点から、国家公務員法とは若干規定の建前を異にしておりまする点があるのでございます。しかし、今御
指摘になりましたような点が規定の形式上変わっておりまする点でございますけれども、しかしその本質におきましては、政治的行為の問題にいたしましても、あるいは書面協定というような形式につきましても、それほど、本質的な規制の建前
自身において、罰則その他の点もございますけれども、大きな本質的な
相違があるというふうにはわれわれとしては
考えておらないのであります。これは国家公務員も
地方公務員も同様に公務員である性格を持つものでございますので、それを規制をいたしまする法的
関係において、そう本質的差異があるべきはずはないというところから出てきて参っておると思うのであります。また、国家公務員の場合の専従について全然規制がないわけではないのでありまして、これは人事院規則に基づきまして、やはり専従の期間等につきましても、あるいは公務に支障のない限りというような点につきましても、それぞれの基準を示しておるのでありまして、そういうような点は当方の方から地方にお示しをいたしましたモデル条例案というものと、本質的に異なったところはないように
考えておるのであります。そこで、岐阜県の場合におきましてモデル条例と若干違った規制をいたして参ったことは事実でございますが、これも先刻鈴木
委員の御
質問にお答えを申し上げました
通り、一般的な問題としてではなくて、公務に支障のないということの認定について条例で
一つの基準を示していこう、期限についても、専従の期間についても、今までは一日を単位として一年を下らないということを原則としつつ更新をしてもかまわない。その点をしかし三年以上はこえてはならないというような点にしようということで、
一つの公務に支障があるかどうかの認定についての基準を条例で示すことにしたのであるというふうに
考えております。専従者の数につきましても大体同じような趣旨に出ているのではないかというふうに
考えておるのでありまして、このこと自体が
地方公務員法の精神に反するものであるというふうには私は
考えておらないのであります。
それからもう
一つ、第二の点でございますが、これは特に義務教育の教職員につきましては、給与等につきましては府県で負担をいたします、そういうような
関係から、若干府県
関係の関与というものが多くなっており、任命権もまた府県の教育
委員会がこれを把握しておるということでございますが、
お話のございました服務の監督面等につきましては、これは
市町村の教育
委員会が大体主体となっていろいろなことをやっているというのが建前でございます。従いまして専従許可、専従休暇の許可というようなことにつきましても、これは一般原則に従いまして、
市町村の教育
委員会というものが専従許可をいたすということは、今度の条例の制定において、別に影響を受けるわけではございません。