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1959-12-10 第33回国会 参議院 商工委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月十日(木曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君            栗山 良夫君            大竹平八郎君    委員            井川 伊平君            上原 正吉君            岸田 幸雄君            小林 英三君            鈴木 万平君            近藤 信一君            奥 むめお君            島   清君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君   政府委員    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞寿君   説明員    通商産業省通商    局長      松尾泰一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件経済自立発展に関する調査の件  (通商産業政策等に関する件)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより委員会を開会いたします。  本日の委員長及び理事打合会の結果について御報告いたします。  本日及び明日委員会を開会して、経済自立発展に関する調査並びに請願案件の審査をすることに決定いたしました。  質疑の通告がございます。順次これを許します。
  3. 島清

    島清君 韓国ノリ輸入についてお尋ねをしたいのですが、これは別にむずかしい問題でもなくて、非常に常識的なことだと思うのです。大体今までの輸入状況を見てみますというと、韓国ノリは、個々の生産業者からは韓国ノリ輸入を必要としないのではないかという輸入排除陳情等がなされておる。それにもかかわらず、ノリ輸入されておる。そして、それには、韓国諸君不法日本国内の方にノリを持ち込んで来て、あたかも韓国の領土のような思い上がった態度で、ここで入札をさせて値段をつり上げて不当に国内暴利をむさぼると、こういうようなことがしばしば行なわれてきたわけでございます。たとえば、ハワイあたりについては七十セントくらいに売られておりまする品物が、日本においてはそれの倍額で売られておるというような状態です。そこで、まあ過去におきましては、韓国ノリというものが、輸入することによって暴利をむさぼられたこともあるわけでございますけれども、しかしながら、そのような韓国側不法に持ち込んだものを日本において処理をしなければならぬというような実情等もあったりいたしまして、今ではむしろ輸入価格を下回っておると、こういうような実情だと承っております。もしそうであるといたしまするならば、何も韓国ノリというようなものを輸入をする必要はない、不当に国内の方に持ち込んで保税倉庫に入れておいて、そして韓国人が乗り込んできて業者に売りつける、こういったような不法の行為などをやらせる余地もなくなってくるのではないかと、こういうふうなことを考えておるわけですが、それに対して通商局長としてはどのように考えておるか、さらにこういったような事態に対してどのような処置をとっておられるのか、この点についてお尋ねをいたしたいと思います。この前いただきました資料によりますというと、輸入を扱っておられるのは二社ですか、東京食品株式会社三井物産と、こういうふうになっておりますけれども、過去においては私はそうじゃなかったような気がするのですが、三十三年度の部分については、こういったような二社の扱い方があったか知りませんけれども、ずっと以前は、そういうことはなかったような気がするのですが、そこらの事情を説明しながら、今日の事態に対するどのような考え方であるかということについてお尋ねをしたいと思います。
  4. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) ただいまの島先生お尋ねの点についてお答えをいたしますが、現在のところ日韓貿易が御承知のように半途絶の状況になっておりまするので、今すぐに韓国ノリ輸入を許可しないという問題は起こっておりません。将来日韓貿易が再開をされた暁に起こる問題であろうと存じておりまするが、若干従来の経緯を、今お尋ねの諸点にも関連をいたしましてお答えをいたしたいと思いまするが、御承知のように、日本国内にもノリ生産はあるわけであります。しかしながら、他方韓国ノリというものも、戦前は日本人が栽培といいますか、作りまして、ほとんど全部持ってきておったわけでございます。そういう関係から言いまして、韓国といたしましては、そのノリ輸出市場日本に求めざるを得ないというような状況にもあるし、日本需給関係からいきましても、国産ノリは若干ずつは生産の増加はみておりまするが、需給からいえばかなり逼迫いたしておりまして、ことにここ数年来のノリ価格というものが非常な騰貴をみていることは、御存じ通りであります。われわれ通商立場から言いますれば、まあ韓国ノリを買って需給逼迫を緩和すると同時に、輸入することによって、また韓国へわが輸出物資輸出ができるというような点からいたしまして、国産影響のない範囲内である程度輸入をいたしたいと、それが韓国との輸出貿易の拡大の上にも望ましいのだという態度を従来とって参っておったのでありますが、ところが、それでは具体的に何ほどの量を入れることがよいのか、あるいはまたその量がどの程度ならば国産影響があるのかというようなことで、いろいろ議論がありまして、これは御存じだと思いますが、参議院におかれましても、衆議院におかれましても、関係委員会でいろいろ議論になりまして、一応一億枚程度のものならばよかろうではないかというふうな御決定がありまして、行政府の方にもそういう通知をいただいたわけであります。従いまして、われわれは一億枚を一応メドといたしまして従来輸入をいたして参っておるのであります。ただ、いろいろ取引交渉にあたりましては、時間的な関係もありまして、国産ノリ生産時期であります十一月から三月までにかかるというようなこともありまするので、できるだけそういう時期を避けまして、通関は四月以降大体九月一ぱい、おそくとも十月一ぱいに終わるというような目途で従来やってきておるのであります。従いまして、これは消費者立場から言いますれば、ある程度輸入というものは今後とも私は必要ではなかろうかと思うのであります。  なお次に、韓国人によりましてノリ不法輸入をされたという御指摘がございましたが、これはあるいはこういうことを引用されておるのではないかと思うのでありますが、これまでその取引を見越しまして、輸入の許可を受けずに税関まで持ち込んでくる、そうしてそこで日本輸入業者取引して、役所なりその他の方面にいろいろな働きかけをするということがあったことは事実でありますが、不法輸入をした——これは密輸入の問題になりまするので、これは税関当局その他警察当局の取り締りの対象になりまするので、不法輸入はされておらないのでありますが、その輸入の意図を持ちまして税関までかなり持ってきたという事実は、これはあるのであります。しかし、それもおおむね通常輸入ワク内でやるということでいたしておりまして、先ほど申しました一億枚のワク内で従来処理をしております。そういう見越しをして税関へ持ってきましたものが、現在も税関にまだ相当量積まれておりますことは事実でございますが、これも今後の問題として残っておりますが、不法輸入をしたということはないわけであります。かように御承知を願いたいと思うのであります。  それから価格関係でありまするが、御存じのように、これまではどっちかといいますと、需給関係が非常に逼迫をした。特に日本ノリの作柄が冬の暖寒関係によりまして予定よりも非常に現実生産が下回るというようなことで、価格が暴騰いたすというふうなこともありまして、おおむね韓国ノリ輸入についてはもうかっております。もうかりましたので、また輸入の誘惑といいますか、輸入に対するプレッシャーも強かったのではなかろうかと思うのであります。そういうことを繰り返しておるらちに、本年の四月に輸入しました分につきましては、これはまあ韓国側が私は上手になったのだろうと思うのでありまするが、非常に値をつり上げてきたわけであります。過去の価格を、詳細な私記憶をいたしておりませんが、たしかにことしの春の価格では百束ですかが一ドル二十四セントというような価格でありまして、過去の例から見ますと、これは倍以上の価格になっておるのであります。そのかわりに韓国側の言いますのには、輸入業者なり、あるいは出産者に対しまして生産協力費というものを従来の輸入におきましても出すことになっておりましたが、それらの分をみんな見まして、もし日本側で損があれば補償を、コンペンセーションをするというふうな約束で四月の輸入が行なわれたのであります。従って、確かに一ドル二十四セントというのは、交渉の初期におきましては高いという感じもあり、果してどうかという向きもあったようでありまするが、業界の方も、まあ向こう輸入業者マージンなり、あるいは生産協力費、これは前者が三%、後者が三・五%でありますが、見てやるということならやってみて、もし損があれば、向こうがまるまる引き受けてやろうというのならやってみようということで輸入がされたのでありますが、果してその通りに売れないということになりまして、今韓国側から幾ら補償を取るかという問題が実は起こっておりまして、つまり業界向こう代表者の間で交渉中であります。契約に従えば、かなりの補償金向こうからもらえることになろうかと思うのであります。これは今先生も御指摘がありましたが、そんなに輸入価格が変動をしておれば、輸入の必要はないじゃないかというお話もありますが、これはそれでも向こうがたまたま高く売ってきたから、そういう結果になったのでありまして、従来のあれからいいますと、若干の利益というものは当然これは見込めるものではなかろうかと思うのであります。  それからもら一つ輸入業者の問題でありますが、従来こまかく実績割当という方式をとってきております。これが百人内外に及んだ実績業者になっておるわけであります。ところがこの伸びというものは、こまかく実績割当をしてそれぞれが買えるかといいますと、向こう輸入機関が一本になっておりまして、それから品種、銘柄その他からいいまして、そういうふうにこまかく分けては取引ができない。どうしても一括輸入ということが望ましいということでありまして、たくさんの業者輸入実績割当をいたしましたときにおきましても、一本ないし数本に分けて向こう取引をいたしておったのでありますが、昨年の輸入といいましても、昨年の輸入の一部の輸入以来、それからことしの輸入にかけまして、向うからどうしても業者のそういうマージン補償するから一本取引にいたしたいというような要望があり、私どもとしても業界がそれを承知するなら、だれか旗振りをきめまして、それでやるならいいじゃないかというようなことになったのであります。昨年度はその旗振り東京食品が選定されております。ことしは三井物産が選定されたということでありまして、一応取引の相手方としてそういうやや一人二人のものが頭を出しておりますが、実際のマージンの配分は実績に応じましてやっておるわけであります。ただ現実のトランゼクションを一本にしぼるというような状況であります。  経緯はそのようでありますが、だいぶ長くなりましたので終わりますが、今後の需給関係がどうなるかは存じませんが、従来のような状況でありますれば、需給関係から申しましても、また日韓輸入の増大という点から申しましても、ある程度輸入は依然望ましいのではないかというふうに考えております。
  5. 山本利壽

    委員長山本利壽君) ちょっとお願いいたします。島君初めその他の方にお願いいたしますが、通産大臣は午後参議院社会労働委員会の方に出席を強く、向こう法案を持っておりますので、要求をされておりますが、できるだけ大臣に対する質疑を先にお願いいたしたいと思います。
  6. 島清

    島清君 何時ごろまでおいでいただけますか。
  7. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 十二時過ぎまで出席されております。  それから局長以下は午後もよろしゅうございますから、大臣に対する質疑から先に一つ
  8. 島清

    島清君 ノリにつきましては、その間のことをいろいろと詳細についてお尋ねしたいのでありまするけれども、それは省略をいたしまして、それでは大臣に対して結論的にノリのことについてお尋ねをいたしたいと思います。  最近韓国日本に対する態度というものは非常に不遜きわまりないと私は思うのです。それはたとえば竹島の不法の占領であるとか、あるいは李ラインの設定であるとか、非常に不遜きわまりないと思うのですが、それにもかかわらず、貿易面等においてもそういうような態度が出てきておるのです。そういうものに対しまして政府当局が何か李承晩に対しては非常に低姿勢過ぎて、何といいますか、へっぴり腰なんです。私はこういうノリの問題を取り上げておりますが、今、局長がせっかく説明されたにもかかわらず、ハワイの方にはCIF七十セントで売っておるものを、日本に対してはFOBで一ドル二十四セントの値段要求しておるなんということは、とうていこれは常識では考えられないのですね。そういう商談が成り立つはずはございません。成り立ちませんので、八月の三日金元圭という人がみずから日本に乗り込んできまして、公開入札などを主張しておるわけなんです。そうしてみずから九月に入りましてからは、大阪の市場で三百三十七箱というものを関係仲買人に対して五百七十円という法外の値段で売りつけている。これは一体輸出入なのか。それは韓国が勝手に持ってきて、韓国人が勝手に売りつけているのか、実際われわれの貿易の観念からいたしますと理解できないのですね。そうして片方の方が五百七十円で買ったというので、まだ残っております組合の諸君がわれ先にというのでこの品物を買い付けて、そうして値段は今四百円くらいでしょう、損をするのですから、売れなくて、この品物を抱えて倉庫で今四苦八苦をしているのでしょう。私たちはこれはとうてい常識では考えられないのです。ですから過去におきましては、私は、いろいろ相当政治的な知名の方々がこれに関係しておられたということも承知をいたしておりまするけれども、名誉の建前から申しませんけれども、そういうことで韓国ノリを輸人してそうして損をする、そうしてその貿易の面からも考えられないということは、私は非常に、何か国家意識でそういうことを申し上げるわけじゃありませんが、国民良識というものが私は許さないと思うのです。国民良識にも、その寛容にもおのずから限度があると思うのです。ですから、私はノリ一つの例にとっておりまするけれども、韓国に対しては、貿易の面からいたしましても、あらゆる面からいたしましても、やっぱり日本はきぜんたる態度をお示しにならないと、こういったような、一事が万事、ノリに見られるような、全く国家の体面を失するようなことがあらゆる方面に出てきておるということについて私は非常に遺憾だと思うのです。この点については大臣はどのようにお考えになるか。私はノリの問題で、結論的にもっと韓国との関係大臣の所信を承りたいと思っておりましたが、お急ぎのようでございますので、ノリのこらいったような問題と関連をいたしまして、貿易の面からもあるいはあらゆる面からいたしまして、日韓の間の、日本国家を否定するような韓国人の傍若無人な不遜な態度に対して大臣はどう考えられるか。そういうような状態であっても、将来といえどもこういう韓国ノリというものを輸入されようとするのか。いろいろこれには過去において、農林省であるとかあるいは通産省等関係各省の間でもいろいろ協議をいたしまして、なかなか協議が一決しなかったというような経過もございます。私は、東京湾ノリ業者保護しなければならぬという建前をとっておりますので、生産者側建前からいたしまして、とにかく今は日本国民食生活も変わりましたので、朝はお茶づけということになっておりましたけれども、過去は、われわれを初めとして……。今はお茶づけなんかは食べやしません。牛乳とパンで済ましております。おそらく食生活からいたしましても、私は韓国ノリはそんなに輸入する必要がないのじゃないか、そういうふうに考えております。そういうふうな建前からいたしまして、そうして韓国人の傍若無人の密輸入みたいな状態で持ってきた物を、そうして日本市場に高い値段で叱りつけるというような不遜な態度に対しては、どうも私の日本国民としての感情と良識というものが許さない。だからそういうことについて大臣どのようにお考えであるか、一つ所見を承りたい。
  9. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 日韓の間の問題につきましては、お話ノリの問題のみならず、わが国から輸出しようとする硫安その他につきましても、なかなか両者の間に、何と申しますか、ほんとうに気持よくいっていない事柄が多いのでございます。われわれといたしましては一日も早く日韓の間が正常化していくことを念願しているわけであります。だが、お話ノリの問題、実は以前にも聞いたことがございますが、どういう状況になっているか、申しわけない話でございますが、あまりよく存じません。今お話を伺いましたので、今後やはり国内産を保護し、また不当な取引に対しましては、われわれといたしましても、その改善策考えていきたいと思います。
  10. 島清

    島清君 ノリのことについてはこの程度にいたしまして、石油の問題について大臣に御答弁をわずらわしたいと思います。  これは今日の石炭の問題とも関連いたしまして、総合的なエネルギー対策といたしまして当然にお考えのことだと思います。それできのう社会労働委員会石炭離職者法案関連いたしまして審議が行なわれましたので、あるいはきのうの委員会の席上において、この種の問題については当然に質疑が行なわれたのではないかと、こういうふうに考えますけれども、もし重複しておるようなことがございますならば、後日速記録を拝見させていただきたいと思いますので、御答弁を願わなくてうよろしゅうございます。しかしこの問題について触れていない点がございますならば、御答弁をわずらわしたいと思います。  私がお尋ねしようと思いますことは、石油資源保護とその開発増産についてでございますが、申すまでもございませんが、昭和三十三年の十一月に経済企画庁が策定をいたしました長期エネルギー対策といたしまして、そうして石油資源開発株式会社というのが発足をいたしたわけでございますが、五ヵ年計画立てまして、その当時確かに生産目標を三十六年度までに百万六千キロリットルを上げる、今は四十万キロリットルぐらいでございましょうか、そういうふうな生産目標立ててやって参ったと思いますけれども、私が今日現在において承知している限りにおきましては、必ずしもとの生産計画というものが所期の目的の通り達成されているとは言えないと思います。私みたようなしろうとが専門家の話を聞いてみますというと、石油資源開発というものは、そうそう一年や二年で成果が上がるものではない、外国の例を見てみても、五年か六年ぐらい後でないと、その成果が上がるものではないと、まあこういうようなことを聞くわけでございます。従いまして、今までに私が承知する限りにおきましては、確かに昭和三十三年度までに、国家財政から四十八億五千六百万円でございましょうか、三十三年度までに政府資金出資されたと思いますが、昭和三十四年度が二十億でごさいましょうか、そのように出資をされておると思いますが、そこで、そういうような実績を示しながら、やがて、来年でございましょうか、第一次五ヵ年計画は終わろうとしておりますが、政府長期エネルギー対策といたしまして、当然に国内資源保護をしながら、この増産をはかっていかなければならない政策を、強力に推し進めていかれなければならないと私は思うんですが、しかしながら、今日まで、政府がそういったような御意向をお持ちであるということの公表に、私たちは寡聞にいたしまして接しておりません。そこで、この五ヵ年計画が終了いたしました場合に、政府は第二次五ヵ年というようなものをお立てになりまして、長期エネルギー開発をおやりになる予定であるかどうかですね。もし、そういう御計画がございますならば、その御計画内容、それがまた、まだ作業り途中であって、内容公表ずる段階ではないとおっしゃいまするならば、それはまた後日拝聴いたしたいと思いまするが、一体、その第一次五ヵ年計画に引き続きまして、長期エネルギー開発計画をお立てになる予定であるのかどうかですね。その点について、所見を承りたいと思います。
  11. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 昭和三十年だったと思いますが、石油資源総合開発五ヵ年計画立てまして、政府も、今お話し通り出資し、また民間関係業者からも出資を願いまして、過去四年間やってきておるわけで、お話し通り政府の方では六十八億円、今年度を入れて、出ております。民間の方からも、三十八億円入れてやっておるのであります。何分にも石油資源の乏しい所でございまして、われわれは相当期待を持ってできるだけの予算を組んだのでございまするが、大体、計画におきまして、計画のまだ六割程度しかいっておりません。そうしてまた、採油量にいたしましても、計画ほど出ていないのでございます。で、総括的に申しますると、努力はいたしておるが計画通りにまだいっていない。そうして、先の望みも、必ずしも楽観を許さぬという状況でございます。従って、今後どうしていくかという問題でございまするが、三十五年度の予算を、ただいま三十億程度大蔵省要求いたしております。で、三十五年度で五ヵ年計画は済むのでございまするが、三十六年度からどうするか。また、第二次五ヵ年計画立てるか立てないかということは、実はまだ検討いたしておりません。しかし、国内資源の活用の必要なことは申すまでもないことで、私は、この第二次五ヵ年計画一つ作ってみようという気持は持っておりまするが、まだその作業には移っておりません。私は、この石油もそうでございまするが、最近のこのガス関係のことを考えまして、今までは水溶性ガスの方を相当とっておりましたが、やっぱり地盤沈下関係等で、今度は構造性ガス採掘につきまして、一つ格段努力をしていきたいという気持を持っておるのであります。
  12. 島清

    島清君 今、大臣、三十五年度の資金要求幾らとおっしゃいましたですかな。
  13. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 三十二億九千万円出しております。しかしなかなか今までの結果を見まして、今年は非常に財政が苦しいときでございまするから、私は三十四年度並みの二十億円を確保するのには、よほどの努力が要るのじゃないかと思っております。
  14. 島清

    島清君 まあ三十五年度のこの所要資金要求も、大臣のお力によって、ぜひ一つ充足をさせていただきたいと思いますが、大臣は非常に——何といいますか、弱音を言っておられたのですが、私はいつか大臣が長いこと大蔵大臣をやっておられまして、通産大臣に最初になられたときに、まああなたは大蔵大臣としてかなり実績を上げられて、ドルの保有高も、そのとき、たしか十四億ドルくらいあったときだと思いますが、大いにその蓄積の財産を、今度は産業開発のためにお使いをいただきたい、こういうことを、委員会の席ではございませんでしたが、お話を申し上げたところ、自分も実はその気でいるのだ、それで通産大臣にきたのだというような御返事等がございまして、私は自来、大臣通産大臣になってこられるということについては、そういうような夢を持ちまして、実は池田通産行政に対しましては非常な期待を寄せているわけでございます。また世間の見る目も、何さま次の自民党の総裁をもって衆目に見られておりますし、総理大臣をいつかはおやりになる方だというふうにも期待申し上げておりますので、私は通産行政に対しまするわれわれが期待を申し上げまするのも、必ずしも夢ではなくして、実際だと思うのです。現実性があると思っておりますが、どうぞそういう意味において、わずか三十二億九千万円の要求なのでございまするから、ぜひ一つ大臣の政治力によりまして、これは確保していただきたいと、こう思いますが、さらに私は日本国内原油は、わずか二・六%でございましょうか、三%足らずでございますので、私はいつまでも国内産の石油がこういったような低いパーセンテージを示しておりますのは、私は日本政府に責任があると思うのです。これは日本とちょうど類似な立場にありまする西ドイツであるとか、イタリアとか、フランス、こういう国々のあの石油資源開発に入れておりまするところの熱意のほどを、私たちは伺いまする場合に、西ドイツのごときは、四、五年の間にもう約五倍の増産を実は示しているのです。フランスにおきましても、イタリアにおきましても、それに近いような実績を示しておるにかかわらず、わが国だけは、不幸にいたしまして、一向にその国内資源開発を国際的なテンポに合わせていくことができないということは、私は非常に悲しいことだと思うのです。しかもフランス、イタリア、西ドイツあたりよりは、日本の埋蔵量というものは、専門家の話によりますというと、たとえば第三紀層であるとか、白亜紀層であるとかということで、石油を埋蔵しておる。その地質からいたしますというと、西ドイツ、フランス、イタリアの比じゃないと、こう言われておるのですね。足りないのは日本の熱意だと、こう言われておりますので、ぜひ一つ石油資源開発について、格段のお力を入れていただきたいと思いますが、それと関連をいたしまして、私は、外国から輸入して参りますその輸入原価とそれから国内産の原価とは非常に開きがございますので、これについても格段の保護を私は与えないと、国内資源開発といろ所期の目的を達成することができないのではないかと思います。私は、いつか委員会におきましてもこういうことを発言したことがございますが、石油資本というのは国際的な非常に独占資本である。この独占資本の圧迫のもとに国内石油資源開発というものが遅々として進まぬのではないか、こういうものをはねのけて私は国内資源開発をやらなければならぬのではないかと、こういうことを申し上げたことがございますけれども、今でもその考え方に変わりはございません。従いまして今単価で三千円くらい違っておるようでございますが、それに対しましては格段の保護政策をやっぱり遂行していかなければならないのです。この前の決定をいたしましたときにですが、昨年の十一月の十八日付の鉱山局長のあっせんによって、国産原油の価格がきまりました場合に、何か国際価格に非常に近づけるようにというようなととも条件になっておるようでございまして、もちろん近づけていかなければならない努力をしなければならぬことは当然申し上げるまでもございませんけれども、今のような増産もしなければ資源開発もしなければならぬ、単価も引き下げなければならぬというようなことは、私は非常に困難があるのではないかと、そういうような観点からいたしまして、やっぱり保護政策というものが当然に行なわれなければならないのじゃないかと、こういうふうに考えておりますので、この点について大臣どのようにお考えであるか、御答弁をわずらわしたいと思います。
  15. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話のように国産原油は大体五割程度——輸入原油が六千一、二百円、国産原油が九千二百円くらいに相なっておると思います。通産省といたしましてもできるだけ価格を下げるように努力をいたしておりまするが、これまた無理はできない。私はやはり島委員お話通り国内資源、ことに石油あるいは鉄鉱等につきましては、極力開発活用をはかりたいと考えておるのであります。しかし何分にもただいまのところではいろいろな予算関係もございますし、三十二億は要求いたしておりまするが、見通しとしてなかなか困難じゃないかという気持を持っております。しかし通産省といたしましては、大きい問題は国内資源の活用ということであり、片方は貿易の推進ということでございますので、こういう点から見まして、できるだけの石油資源開発についての努力はいたしたいと考えております。
  16. 島清

    島清君 もっとお尋ねをしたいのでございますけれども、時間の関係で今度はレモンの方に一つ質問を移らしていただきたいと存じます。  私は先般三十一国会で特定物資輸入臨時措置法の法案を審議いたしましたときに、一体この特定物資に指定される対象物資で、どれくらいの利潤を上げれば特定物資に指定するのかというようなことをお尋ねしましたときに、局長答弁は二〇%以上だというふうな御答弁があったように記憶をいたしております。そのときに私はこのレモンの問題と、それからノリの問題にちょっと触れておったわけでございますが、自来何かノリにおきましてもレモンにいたしましても、改善をされております跡がございませんので、そこで私は非常にそのことについては遺憾だと思うのです。そこで私が今日調べたところによりますというと、レモンはことしの夏までは倍額の一〇〇%の利潤を上げておりました。ところが最近になりましてから幾らか安くなったようでございますけれども、しかしながらそれにいたしましても四〇%から五〇%の利潤を上げているようでございます。なぜこういったような利潤をむさぼっておりまするところの品物に対しまして、それほど必要でもないようなものに対して、七十万ドルも八十万ドルもドルの割当をやって、そうして輸入をしなければならないかということが私には理解できません。輸入をするといたしまするならば、やはり消費者のための輸入でなければならないと思います。ただ外貨を割り当てて、そうして消費者が必ずしも必要としないようなもので、業者が法外な利潤をあげていくというようなことについては、私はやはり政治家といたしまして考えなければならないことだと思います。そういうような前提の上に立ちまして、それで私はレモンの二十六年以来今日までの、あるいは割当をしてみたり、あるいは自由にしてみたりするような変遷を眺めてみますというと、やはりその法外な利潤を追求されるというその制度の中には、やはり世間が納得しないようなことがからまれておるというふうに思えてしょうがないわけでございます。従いましてまず大臣お尋ねをいたしたいことは、事務官僚の諸君は、それだけの暴利をむさぼっておりながらも、アメリカのものであるからこれは指定物資にするわけにはいかぬ、じゃ指定物資にしなければ、自由に輸入をしてそれで価格を下げたらいいじゃないかと、まあこういうことになるわけでございますが、今のレモンの外貨の割当輸入状態大臣はよろしいと思われているかどうかということをまずお尋ねしたいわけでございますが、しかしながら大臣はおそらくこの問題については深くは御存じないと思います。また御存じないのが当たりまえだと思うのです。私がこの問題を特に大臣からお尋ねしたいと思いまするのは、こういったような業者が法外な利潤を上げますので、この法外な利潤を確保するためにはやはりその政治力というものが結びつかなければならない。その政治力と結びつついたものが、私はこれらの不正なものとして裏において行なわれて表面に出ない場今日は、これはある問題については私たちもこれは見て見ぬ振りをするということもあり得るかも知れませんけれども、しかしながら、この問題は非常に為替管理法の違反を犯してみたり、いろいろな問題と結びついて、国民の疑惑の日を一そう深くしておるのです。で、そこの根源をなしておりますので、私はこの際レモンをAAにするか、そうじゃなければ輸入を禁止するか、そうじゃなければ、特定物資の指定をすべきだと思いますが、まあ大臣は事務的なことはさておきまして、こういったような過去の歴史を持っておりまするレモンの現状について、どのようにお考えであるか、もし御答弁願えるならば御答弁をいただきたいと思いますし、もし今また御答弁が願えなければ、私は大臣が御答弁を願う材料にもなろうかと思いますので、事務の諸君にもっと大臣にレモンの実情を知っていただくという意味において、事務的な面からまた質問をしてもようございますので、どちらでも大臣の御都合のよろしいように御答弁を願いたいと思います。
  17. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 前にお話のありました韓国ノリと同様に、レモンにつきましてもいろいろの問題があることは耳にしたことがございます。そうして私は、自分のことを申して恐締てございまするが、レモンが好きでござりいます。しかも国がレモンの産地でございます。ある会合のときに、レモンを自由化したらいいじじゃないか、僕は必需品のように思っている、そしたら国の者が、それは大へんなことだといって騒いでおりましたが、何といたしましても、今お話通り、AA制にするか、あるいはとにかく暴利をむさぼらないような制度にするか、何としてもやはりそこに合理性を持つことが私は必要であると考えております。従いまして、今お話を承りましたので、この問題につきまして検討して御納得のいくような方法を一つ考え出したいと思っております。
  18. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは大臣にそれでよろしゅうございますか。
  19. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ちょっと大臣一つ
  20. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それじゃまた大臣の時間が少なくなりましたから、他の方があったら譲ってよろしいですか。レモンのことはまたあとから継続していただいてよろしゅうございますか。
  21. 島清

    島清君 どうぞ。
  22. 山本利壽

    委員長山本利壽君) それでは特に大臣にこの際御質問のある方はどうぞ。
  23. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 ほかでもありませんが、予算の最後の集約期に入って参ったようでありまするから、そこで私から申し上げるまでもありませんが、三十一国会で特許四法を審議をいたしましたときに、特許庁関係の行政能力を高めるためのいろいろな施策を各方面にわたって実行せられたいという強い当委員会の要請があったのであります。それについて具体的に通産大臣が御努力をしておられることは承知いたしておりますが、実際に今日までの経過がいかがに相なったか、その見通し等について伺いたいと思うのであります。  問題点は人分けにいたしますと、まず第一に、行政能力推進の中心であるあそこの審査会ですか、この技術官の議員の問題が一つでありまして、第二番首には技術官の待遇改善の問題、これは行政管理庁と、それから人事院、それから特許庁の営繕の問題、それら引っくるめてどういうようなことになっておりますか、お伺いしたいと思います。
  24. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) 先般、本委員会におきまして栗山委員よりいろいろの御注意がございました。私は就任早々特許庁を新しく視察いたしまして、非常に驚きました。しかしてあのやっている仕事の重大さと職員の熱心なことに打たれたのでございます。従いまして、先般御議決いただきましたあの四法案の結果において特許庁の収入も倍になりまして、九億円程度に相なりまする関係上、増加した分につきまして、これを極力特許庁日体で使おうというので予算要求をいたしております。大体昨年の倍程度、九億円程度要求を今いたしております。  内容は、今九百六十人くらいおりまするが、二百二十二人の増員を要求いたしております。それから、職員の待遇改善でございまするが、非常に技術者も多いのでございまして、私は自分で人事院総裁に話しまして、特別の待遇改善の措置、いわゆる俸給表の適用改正を話をいたしまして了解を得ております。それから環境の改善、いわゆる執務につきましてのいろんな利便、これは通産省自体が今度他へかわりますので、しかも特許庁には公益事業局その他の局が入っております。従って、それがあいて参ります。こういう点から申しまして、よほど改善できるのではないかと思っております。それから、印刷その他につきましても、私はもっと近代的なやり方をやりまして、とにかく非常に、技術の革新とか、産業の振興は私の想像以上に実は重大であるということを考えまして、今回の予算要求につきましては、最も力を入れておる次第でございます。
  25. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 あと、大蔵省からどなたか来ておられるようですから、最近の動きはお尋ねをすればわかると思いますが、これは何といっても通産大臣大蔵大臣との間で、ある一つの今までの官庁ルールを破らないというと実現しない問題でありますから、せっかく一つ努力をせられたいと思います。  それから、最後に、実はこの間私ども商工委員の者が外の視察に行きましたときに、電子計算機センターですか、それを見せてもらった。私も実は若干書物で読んだことがありますが、現物を見せてもらったことは初めてでありまして、国産機が四台、実にみごとな仕事をしていたわけであります。そのときに、最近株主が一万とか二万とかあるような、それからそれを越える大きな会社などでは、株式のいろんな整理とか、株主一人々々は非常に権利を主張する、ところが、大ぜい集めてしまうというとなかなかうまくいかないというようなことについての統計整理、その他株式事務なんかについては、証券会社の間ですが、全部IBMの電子計算機で非常に事務能率を上げておるようです。ところが、特許庁はごらんのように、申請者は気違いのようにやってくる。しかも年に十万件以上も出てくる。これの整理だけでも大へんなことです。従って、現物を見てから気づくのでは、私自身も非常にじくじたるものがありますが、とにかく特許庁あたりは率先してああいう新鋭の機械というものを利用して、事務能率を徹底的に向上することが必要ではないかということをそのとき感じたわけなんです。そういう点についても、これは特許庁の内部のことではありますが、さらに意を用いて外国の特許関係の役所と見劣りのしないレベルまで急速に一つ上げていただくことをお願いをしたいと思います。
  26. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) お話通りでございまして、証券関係業者におきましても、従来は一日五、六百万株のあれ、千株といったら処理に大へんだという状態であったのでございますが、このごろは一億数千万株でもさっと処理できることになったのは電子計算機その他の機械化でございます。私は、今特許庁の方に電子計算機を要求しておるのではないかと聞いたら、そこまではいっていないそうでございますが、私は、個人としてはああいう事務の状態ではそのくらいのものはやってもいいのではないかという気持を持っておる、まだ要求はいたしていないそうですが。ほかの合理化の機械化はやっておるそうでございます。将来官庁におきましても、必要なところにはそういうものを置くべきだと私は考えております。
  27. 山本利壽

    委員長山本利壽君) そのほかに大臣に御質疑はございませんか。
  28. 池田勇人

    国務大臣池田勇人君) まだよろしゅうございますよ。
  29. 栗山良夫

    ○栗山良夫君 それではもう一点。実は別にこだわるわけでも何でもありませんけれども、電子計算機の利用というものは、機械そのものが長足の進歩をしていることも一つ手伝っていると思う。ですから、実業界では、今、はやりになっておりまして、どこの会社も一生懸命やっているのです。これは今の計算だけでなくて、技術部門の内部にわたる計算から整理まで全部IBMでやろう。実に簡単ですからやっているわけです。そこで私は考えるのは、特許庁なんかほんとうにああやったら一番簡単にいくのじゃないかという気がするものですから、今、本年度の予算にはあるいは間に合わないかもしれませんが、私が聞いたところによるというと、電子計算機センターはやはり若干の技術者の養成も要るし、官庁の下請もやっているようです。仕事としては要するにカードを作る仕事です。今すぐ機械を買ってあしたから動かすということもできるわけではないですから、この一年間くらいはみっちり電子計算機による特許庁の事務能率化ということをテーマにして、実地の訓練、教育そういうものを検討されて、再来年度の予算には表に出てきて、そして実施に入らしていく。そのくらいの腹がまえでなさることが必要じゃないかと私は思うのです。
  30. 島清

    島清君 私が先日の委員会でレモンの問題をとり上げましたところが、何か通産省の事務当局の方で非常にあわてまして、三十四年度の下半期の外貨割当というのは、大体私たち常識では来年の一月なんでございますけれども、これは国会の問題としてとり上げられたので、何を割り当てたか知りませんけれども、その割当を急いだことがあるのです。それで農林省の事務当局の諸君と相談をいろいろいたしまして、発券は来年じゃなきゃあいけないけれども、しかし割当については通産省側の方が要求があるならばというので、そういうふうに農林省の係官も了解を与えたことがあるようです。私がこの問題を、大臣にお越しいただいて、その私の事務当局に対する質疑を十分に一つお聞きをいただいてから御答弁を願いたいという趣旨も、何か私たち常識では考えられないようなことが行なわれている。私はあえてこれが不正だとまでは申し上げませんけれども、国会で問題になりますと、国会でこの問題が解明されたあとで十分な処置をとってしかるべきだと思うのですが、国会で問題になったから時期を早めてそして割当をしなければならぬ、その割当をするけれども、しかしながら発券の方はまた例年によって一月だというに至っては、これは私は国会に対する挑戦というよりも、自分の既成事実にしようとするような一つのあわれむべき憎むべき、行政官にあるまじき行為だと思うのです。ですからそういうことを一々私は私の納得のいくような形で、質疑をいたしまして、その質疑応答の中から最終的な大臣の判断と結論に基いて御答弁を願いたいと思っておったわけですが、それでその趣旨において事務的なことをお尋ねをいたします。それで大臣の時間もあることでございますので、どうぞ質疑最中でございましても御退席になってかまいません。しかしながらそういったような含みの質疑をやりますので、一ぺん、速記録等をお読みになる時間もないでしょから、秘書官に読んでいただいて、その結論的なものを一つあとでお聞き取りをいただいて、一つ監督を厳重にお願いをしたい、こう思います。それできょうでどうせ終わるわけではございませんので、また後日大臣に対してもこの問題については、綱紀粛正の面からも、一ぺん一つお尋ねをいたしまする時間を持ちたいと思っております。委員長にもお取りはからいをお願いいたしたいと思います。  それで、この前資料を要求いたしまして、昭和三十三年度から三十四年度の上半期にわたります外貨割当の各商社別の割当額、なお資料をいただいたわけでございますが、その資料によりますというと、多分今までこの種の割当というものは実績主義に基いて割り当てられておったと思うのですが、しかしながらこの資料によりますというと、実績主義というものがこの資料には踏みにじられております。実績主義でないということが、とれによって証拠立てられておるのです。たとえばいただきました九十一番の割当昭和三十三年度の上期と下期と、昭和三十四年度の上期の割当のパーセンテージとさらに七十三番のこの割当とは非常に違っておるんです。七十三の商社の三十三年度上期の割当は一千九百九十三ドルです。さらに三十三年度の下期は一千八百四十七ドル、これは昭和三十三年度の上期が四十一万一千ドルあったときです。そうして下期は減っておりますから、二十一万八千ドルでありますから、これは減るのがあたりまえでありまして、大体パーセンテージによって減っているんです。ところが昭和三十四年度の上期になりますというと非常にふえているんです。三千八百三十七ドルになっているんです。しかしながら九十一番を見ますというと、大体実績主義というようなものが現われてきておりますが、七十三番はこういうものが比率が合わないんですね。これは実績主義でやってないということなんです。ということは、役人の手かげんいかんによってこの割当がなされておるということの証拠なんですね。そこで私は、ここに示されておりますところの実績主義というものについても非常に疑いなきを得ないんです。私たちは今までこの種の割当というものは、実績に基いて実績主義だということを通産省の事務当局はおっしゃいまするので、大体そういう工合に行なわれているんだろうと思っておったんですが、この喪を見まして、一つの例ではございますけれども、やはり実績主義が書かれていないということがはっきりわかるんです。そういたしますと、この一枚の表によってもこれがわかるのでありまするから、この三十三年度をさかのぼりまして昭和二十六年から、あるいは側当をしたりあるいはAAにしたりしておりまするその間においても、その実績主義というものは非常に怪しくなるわけでございます。そこでこういうふうにわれわれが実績主義でないということが表に出て現われておりますけれども、これについて通商局長から御説明が願えるかどうか、そうして一体その実績主義というものがどういったような基準と、どういう根拠に基いてレモンの実績というものが作られているか、その点について御説明を願いたいと思います。
  31. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) まず第一点の三十三年度の上、下、三十四年度の上期でありまする場合、確かにこの数字でごらん願いますと、いわゆる総額に対するプロラタになっておりません。それは原則といたしましてはももろんその実績割当もございまするが、三十三年度上期におきましてはAAから急にこの割当制をいたしたために、何と申しますか、最初の割当期でありましたがために、FOBのとり方あるいはCIFのとり方なり、そのインヴィジブルで運賃をとったものというようなものが現われまして、いわば役所の方で最初でありましたために、抜け道を防ぐことを考えつかなかったがために、実は上期におきましてはかなり抜け道があったのであります。それが業界の間で問題になりましたがために、そのインヴィジブルを使った人たちは下期においては遠慮願う、その他の人たち実績でその穴埋めをするというような要因をかなりこの下期に入れましたので、この数字だけを単純比較をなさいますと、今のような御指摘の点、御疑問も起こるかと思うのでございますが、われわれは公正を期するためにこのようなやり方をいたしたのであります。なにならば、私自身もこの計算のこまかいこのやり方については存じませんので、別途先生のところに担当官を伺わせまして計算の御説明をさせてもいいのでありますが、私たちといたしましては、そういう情実その他に基きます不正的な要因でこの数字を動かしていないということだけは断言をさせていただこうと思うのでございます。公平のためにこの三十三年下期においては若干の調整をいたしておるということでございまして、それ以後は従来通り実績主義を踏襲いたしております。御存じのようにこの種のものの実績割当ということになりますと、いろいろ問題の多いことは先生もバナナその他でいろいろ私ども従来御質問もいただきましたので、身にしみておりまするが、議論をすれば切りがないわけであります。で、レモンにつきましては、私たちといたしましてはできるだけ広く実績をとろうと、当初一年半ばかりAAを実施いたしましたのでAA時代の実績をとるのが一番すっきりしておるのではないかという意見もあったのであります。が他方この数年間バナナというものは制度こそ違えいろいろな方式で計算しておる。そうすると一年半だけの実績でとりますと、またその前の人たちをどうしてくれるか、またその前をどうしてくれるかというような議論が起こりますので、まあ最初でもありますし、われわれもその新規業者といいますか、かつてやった人たちで漏れた人たちの不満というものの調整に非常に悩んでおった次第でありますので、できるだけ広くとろうということで、ちょっとこういう種類のものについては異例でございましたが、二十八年にさかのぼりまして実績をとりたわけでございます。二十八年から自動承認制を実施しました時期までと二つに分けて実績を配置いたしたわけであります。すなわち第一は二十八年の一月一日から三十一年の十月の二十日まで、それから三十一年の十月二十一日から三十三年の三月二十一日まで輸入実績を二つとりまして、それを等額に見るかどうかという議論があったのでありますが、一方は期間的には長いが、非常に輸入制限をいたしておりましたので、金額は少ない。一方は輸入を自由にいたしましたので、期間は短いが、非常に過当輸入競争等もありまして、輸入量はふえているというような状況もありましたので、この画期を半々に見まして、五〇と五〇に見まして機械的な計算をいたしたのであります。その機械的計算の過程におきまして、私は誤りが絶対なかろうと思っておりますが、それを今日まで三十三年上期、下期、三十四年上期、三期にわたって踏襲をして参っておるわけであります。しかも三十四年下期におきましても、この方針をしばらく続けていく、こういうふうに考えております。今、先生の御指摘にあるような疑惑をいただくというような点は、われわれは豪も考えつきもいたしません。絶対そういうことはないと確信をいたしております。また先生の御質問がある矢先に、われわれの方を急いで発表をどうこうというような御意見がございましたが、そういうことは全然ございません。農林当局とも十分打ち合せをいたしまして、最初からこの十二月中に発表をいたしたい。しかし国産との関係もございますので、通関の時期は二月以降にするということであります。その間若干の期間はございますが、これは商売でありますので、また相場の事情等もございますので、そう今、輸入を考慮し、割当事務も若干時間もかかりますので、そうあすからというものでもございませんので、二、三ヵ月のアローアンスを見るというのは当然の従来やっているやり万でありまして、決してあわてておるというわけではありません。下期というものは三月までございまして、今ちょうど期の最中であります。おそいくらいに実は考えておるような状況でございます。
  32. 島清

    島清君 そういうことはあとで農林省に聞きますけれども、今あなたがおっしゃったことと関連をして、実績というものは私は不当に作られたという事実を知っているのです。たとえば某社がマカオあたりから牛をバーターで見合わせて輸入をしたのですね、そういうものが実績になっております。それから広東からこれはバーターで某社が輸入した、これが実績になっている。これはマカオとか広東からの輸入に対する外貨割当をするというのがこれが実績になるかもしれませんが、しかしながら米国製のレモンを輸入するのに広東とかあるいはマカオのものが実績になるということもわれわれには納得がいかない一つの理由なんですね。それから今あなたのおっしゃいましたものの中で実績になっておりますもので、三十三年度の夏に某社がFOBで輸入をいたしまして、運賃の外割を受けた事実がございますね、ところがこの種の輸入というものは、CIF、C&Fかどっちかなんです。これが常識なんですね、ところが法の盲点といいましょうか、何といいましょうか、そういうものをついて、そして運賃を外割で受けたことが、そういうことが実績になっているのですね。これは、通産省としては、よしんば法の不備があろうとも、こういうこの種の不正輸入をした者に対しては、おきゅうをすえてしかるべきなんですね。しかも、そういう者に対して外貨割当をしてそしてそれが実績となっていく。しかも、こういうこの種の不正輸入をやった人が、あるいはマカオの牛とバーターした輸入が米国製のレモンの輸入実績になっておるということがあるとするなれば、一応はあなたたちの方は説明が通用するにしても、説明を聞きますわれわれの方は納得しないと思うのです。これは常識上納得できないと思うのですよ。ですから、私は、この種のようなものが行政官のあるいはそのときどきの感情によって実績というものが作られているんじゃないか、こう思うのです。  それからもう一つ、さらにこういう法の盲点によって運賃を外割をしなければならなかったという事態が発生をしましたので、あなたたちの方では、これはやっぱり禁止しておりますね。これは公表をもって禁止しておるのです。それにもかかわらず、今度、あとの者が押しかけてくると大へんだというので、この会社だけのこの不正輸入を認めておいて、外割をやっておいて、さらにこれが済みましてそのあとに、こういう会社が運賃割引でできるような外貨割当の措置を禁止をしておりながら、またやっておるのですね。その会社がまた加わっておるのです。こういうことは、私は、このあなたたちが実積と言われておりますものの実体について、やっぱり世間は納得しないのじゃないかと、こう思うのです。その点について御説明を願えるかどうか、御説明を聞きたいと思います。
  33. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) このレモンの外割につきましては、これはグローバル・ベースの割当にいたしておりまして、別段アメリカのレモンでなければ輸入はできないというやり方をいたしておりません。ギリシャにしましても、あるいはその他の地域にしましても、輸入ができるものならば業者の自由に輸入をさせる、割当の金額の範囲内で自由にやらすという建前をとっておるのでありまして、何も地域をアメリカに限っておらないわけであります。まあ、そういうグローバル・ベースの割当でございまするので、今御指摘がありましたが、アメリカからだけの輸入実績というわけにいきませんので、われわれは全世界からの輸入実績を採用したわけでありまして、確かに、御指摘のように、香港からのものもありました。マカオからもあったかもしれぬと思います。ともかく、あらゆる実績を考慮した。ただ、先ほども申し上げましたように、制度がたびたび変わっておりましたので、どの制度によって輸入をしたものであるかということが、事実問題として非常にチェックしにくいということで、輸入実績といたしましては税関長の証明をする輸入通関実績ということで、日を、先ほど申しましたように、二十八年の一月一日から三十三年の三月末までということでいたしましたので、まあ税関におきまして証明書類にもし間違いがあれば別でございまするが、われわれの方はそれを唯一のたよりにしてやっておりますので、われわれに関する限りは間違いはないと、こういうふうに思っております。  それから、第二点の、三十三年度夏に不正輸入ないし法の盲点をういた輸入をやった者があるんじゃないか、それをなぜおきゅうをすえないかというお話でございますが、率直申しまして、この割当を三十三年上期からやりましたために、その正確な記載をいたすことを担当の者がぬかっておりまして、はっきりCIFならCIFというつもりであったのでありまするが、書いておらなかった。たぶんこれは全部業界にもそういうつもりで了解を願っておるというつもりであったのでありまするが、私もあとで驚いたのでありまするが、書類を取り寄せて見ますと、なるほど書いてない。そうなると、これは違法であるというわけにはいかないわけで、たまたまその人は非常に利口に立ち回ったといいますか、それをFOBでやっておりまして、運賃を貿易外の為替の許可をもらって輸入をした人が実はあったわけでございます。実はそういううわさが飛びましたので、これはたいへんだということで、そういうことは許さないという輸入公表をいたしたのでありまするが、もうすでに輸入公表をいたしたときには、その人は運賃の分の為替の許可を地方の通産局を通しまして得てしまっておるということになりましたので、そのまま輸入公表をいたしておきますと、法の盲点をついた人のみを利して善意の人たちがばかをみたという結果になりまするので、さきほど御指摘にありましたが、若干方針を変更をしまして、次期において、さきほど数字上若干実績割になっておらんじゃないかという御指摘がありましたが、三十三年下期において数字上の調整をするという覚悟でもちまして、再びそのインヴィジブルの運賃の外割を修正したい者はやってくれ、それは許可しましょう、そのかわりにそれは下期においてその分は差し引きますぞという発表をいたしたのでありまして、われわれといたしましては、あくまでもこの原則に忠実にするつもりでありましたが、そういうふうな法の盲点をついた非常に利口な人のために、一ぺん出した輸入公表をまた変更したというようなことでありますが、あくまでこれは弾力的な運用によりまして、より公正を期そらという本心からやったのでありまして、ただその一定の人たちを利益するためにその輸入公表をしたりやめたりというわけではないということだけは一つ御了解を願いたいと思うのであります。われわれもその当時非常に苦心をいたしまして、どうしたらいいか。法律違反ということでやれれば、もちろんいいのでありますが、それもできないといたしますれば、次善の策をとるほかいたし方ないということで、そういう措置をとりました。それは三十三年下期において調整をして、従いまして、業界でも何らの不満なくそれは済んでおるとでございます。その点は一つ御了解を願いたいと、こう思っておるわけであります。
  34. 島清

    島清君 私がけげんに思いますことは、そういう工合にして実績を作られてくるものだから、この表で見ますというと、四社で五〇%以上の実績ということになっておるですね。これは、私が調べたところによりますというと、この種の青果物を扱っておるもので四社や五社で五〇%以上の実績というものはまずないんです。あったら局長説明していただきたいと思うのですが、ありゃしません。そしてこの九十一社というのに扱わしておりますけれぎも、四社で五三%というものを扱って、あとの四七%が八十数社に割り当てられているのですね。これはこういう工合に雪だるま式に実績が作られた一つの証拠だと思うのですが、それが一つと。そういうものこそ私は行政官の良識によってそれこそ調整をしなければならぬ筋合いのものだと思うのですね。かつてどこにもないような、許可にないような姿が出ておって、バナナにつきましても一番最高が五%でありましょう。一社が扱っているのは最高五%ですよ。四社でこういう外貨割当の倍ももうかるというような仕事を五三%も実績として認めておいて、それにますます雪だるま式にふえていくという形はやはりこれは納得いかないと思う。それから今あなたがおっしゃいましたところのどこからでも輸入してよろしい、しかしそれは輸入するのに原産地証明というのを得なければならないでしょう。原産地証明がなくてもどこからでも輸入してよろしいことになっているのですか。やはり輸入というものは、特に青果物というものは原産地から輸入するということが建前じゃないのですか、この点について一つ御説明を願いたいと思います。
  35. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 私の申しましたのは、外貨割当制度というもの、レモンについての外貨割当というものは、アメリカのレモンの輸入に対して外貨割当をするという角度ではなしに、日本としてはレモンの輸入の外貨割当をする、だから、従いましてアメリカ以外の国から割当を受けた人たちが買いたいという場合には、その割当の範囲内において自由にお買いなさいという制度で今やっておるのであります。従いまして、アメリカだけの輸入実績をとるということは、これはおかしいわけで、われわれとしましては、できるだけそういう特別な割当というか、今シングル・クォーターといっておりますが、そういうやり方は最近のIMF、ガット等からいきましても、その他の国に対する差別待遇ということになりますので、できるだけやめる、通商協定上やむを得ない場合はいたし方ありませんが、できるだけやめるということになっておりまして、割当をいたします場合にはそういう綿花にしましても羊毛にしましても、自由にどの地域を選んでもよろしい、割当を順次拡大をいたしておるのであります。従って、レモンもその一つとして世界のどの地減からも輸入してよろしいことにいたしたのであります。その点は一つ御了解願えると思うのであります。ただその実積の取り方をアメリカからの輸入実績ということだけでは足らずに、やはりその他の加減からも輸入実績をとったかという問題があるんでありますが、それは確かにマカオなり御指摘の広東からの輸入というものが事実そこの原産でありましたか、あるいはアメリカからのものがそこに回ってきて入っておったかということになりますと、これはわれわれ通産当局としてはチェックのしようがないわけでありまして、これは税関の方で取り締まってくれる問題であります。われわれはマカオならマカオ、香港なら香港ということでやっておるわけであります。われわれといたしましては、大よそ税関輸入通関実績かくかくといって証明してきたものを採用せざるを得なかったということを申し上げておるのであります。まあ草の根を分けてまでその原産地を追及をいたしますれば、できないことはないかもしれぬのでありますが、今のわれわれの行政能力から申しまして、また相当過去にさかのぼって書数を調べるというわけでございますので、とてもできないということで、二十八年度以降の各地からのそれらの輸入実績を若干の証明書によってとった。それで先生の御指摘のように、たまたま一、二アジア値域からのものが入っておる、それは少しおかしいじゃないかというような御質問であると思います。私もあれはちょっとおかしいじゃないかという感じは確かにいたします。が、しかしこれは決定的にだめだと言い切るだけの証拠もなければ説明もできないのでそれを採用した、こういうわけであります。それから四社で五〇%以上の実績を占めておる、これがまた雪だるま式にふえはせぬかというあれでありますが、御存じのように、割当制をとりましたのは三十三年の上期からでありまして、それ以来は全然雪だるまにいたしておりません。一定の——これがいいか悪いかの議論は今後研究いたさなければならないと思いまするが、過去の実績をそのまま総額を掛けまして比率を出しておるわけであります。三十三年下期において若干の調整をいたしたということは先ほど申し上げた通りでありますが、いわゆる一般割当になりまして以来は、全然雪だるまというだるまをする余地がないように、二十八年から三十三年の三月末までの実績で割り当てて——これのいい悪いの議論一つあろうかと思いますが、やっておるのであります。で、まあ四社が五〇%以上占めておるということ、確かに私も多いように思うのでありますが、これまた今後の研究課題としてわれわれも勉強いたしたいと思いますが、二十八年というときをとって約五ヵ年間の実績をとりましたがために、その間継続的に非常に熱心にやっておった人たちが比較的大きな実績者になって大きな割当を得たということにはなっておりまするが、これもやはり専門商社育成という立場から考えてみますると、ちょっと思いつきで千ドルや二千ドルを扱った人たちと違いまして、これはよく専門商社育成という立場の主張も強いのでありますが、私は不当に少数商社が独占をしてしまうという場合は、これは考慮をいたすべきでありますが、たしかこういう商社は大資本の商社ではなしに、専門の中小の商社ではなかろうかと私は思っております。従いまして、専門商社育成という立場から考えましても、これを急に不当だとして言うのはいかがかという感じをいたしておりますが、なお、この点につきましては今後研究をさしていただきたいと、こら思っております。
  36. 島清

    島清君 それはあれですね、原産地証明がなくても輸入が可能である、必ずしもアメリカばかりではないと、こういうことですね。そろすると今まで私はこれだけの暴利をむさぼっておりながら、特定物資にできないというのは、アメリカのサンキストというレモンが入れられるので、やはりアメリカに対する日本経済的な関係からしても、やはりいろいろと国家的な配慮が必要なので、これはやはりレモンは入れなければならないということで、アメリカの製品だから特定物資に指定するわけにもいかぬというところに、なかなかあなたたちの苦心のほどがあると思っておったのですが、どこからでも入れてよろしいということであるならば、必ずしも私はこれを特定物資にしないというふうに固執する必要がないと思いますが、どうですか。それを原産地証明がなくても輸入できるわけですね。
  37. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 特定物資の問題はこれはまた別の問題でありまして、アメリカから輸入するということであろうと世界のどの国から輸入しようと、実際の影響を及ぼす国との問題であります。たまたましモンにつきましては、先般のアメリカとの関税譲許の交渉の際に関税譲許品目ということになっておるわけです。ということは、レモンの関税を何ぼにするかわりに日本品に対するアメリカの輸入関税も引き下げないし据え置きをしてもらって、要するにバーゲンでもってそういう関税交渉というものができておるその品目でありまするので、関税引き上げに該当するような再許をいたすということになりますと、外交交渉をいたさなければならぬわけです。レモンのかりに関税類似の再許をとるという話をして、向こうが文句がなければ、それはもちろんいいわけでありますが、従来の例からいいますと、それならば、その身がわりにどういう関税を引き下げてくれるかということで、今度アメリカがインタレストを持っている日本への輸入品につきまして、この関税を何ぼに引き下げるから、これで話をつけましょうということができますれば、必ずしも不可能とは言えないのでありますが、譲許品目であるがために黙って特定物資にしてやるということができにくいということが一点と、それから日本御存じのように、最近自由化の傾向に従いまして関税障壁というものが比較的低いわけです。どちらかというと、もう少し高めたいという気運で、今いろいろ研究をいたしておる際でありまするので、今の関税をまた引き下げるという、ほかの物資でもって引き下げるものを探すということは非常に困難を伴なうということで、われわれといたしましては、急にこれを特定物資にして再許をするということが非常にむずかしいと申し上げておるわけです。外交交渉その他によってやるという決意をいたしますれば不可能なものではもちろんないわけであります。しかしそれにはかなりの代償を伴ないもいたしますために、それほどいたす価値もまたあるかないかという価値判断もいたさなければならないというわけであります。
  38. 島清

    島清君 原産地はどうなんですか。
  39. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 原産地はこれは物によりまして税関当局の方でとっております。御存じのように、日本はガット加入をいたしておりますし、それから何と申しますか、ガット加盟国に対しては低い関税を与える、またガット加盟国でなくとも、日本に対してガット関係の発生していない国でも、日本に最恵国待遇を与えている国からの輸入品についても最恵国待遇を与えておりますが、その他の国からの輸入品につきましては税率を若干高くいたしておりまするものがありまするので、そういうふうな物資については原産地証明をとっておるわけであります。全物資についてはとっていない。それは税関がその原産地を認定するわけでありますから、もし、原産地証明があろうとなかろうと、原産地を偽っておるということになりますと、関税法上の原産地詐称ということになりまして、関税法第何条でありましたか、罰則問題になりまして、ときどき、最近もそういう問題が起こっておるのであります。税関当局でそれは原産地というものは十分チェックいたすということでありまして、証明書をとっておるかどうか、私はレモンについてはっきり知りません。原則論を申し上げれば先ほどの通りであります。
  40. 島清

    島清君 やっぱり青果物というものはくされものですから、原産地以外から輸入されるということは常識考えられませんね。やっぱりそれは原産地から直接に輸入するというのが常識だと思うのですね。それでマカオとか、広東というところは原産地になっていませんわな、それがわからぬというなら、あなたのところで出したととろの雑輸入便覧というものにはないのです。原産地としては書いてないのです。ですからマカオだとか、広東というところが原産地でないということははっきりしておるわけなんです。それで原産地証明をとるかとらないかということは、これは大蔵省の税関行政であって、われわれの関知するところじゃないといえば、それまでかもしれませんよ。しかしながら、そのときに入ったということは、それは大蔵省のあるいはミスになったにしても、大蔵省のやっぱり税関行政の範囲であるにしても、その原産地でないものから入れたことが実績になるということは、国民常識上納得がいかぬのじゃないか、やっぱり青果物というものは原産地から入って、そうしてこれが正常に取引されておるのだということが実績にならなければならないのじゃないかと、こういっておるわけだ、どうなんです。
  41. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) まあ青果物でありましょうから、あまりぐるぐる回っておれば途中でくさっちまいまするので、原産地から直送するというのが、これは普通の場合だと私は思います。思いますが、全然回ってきていけないという、何というか指定をしておるものは別でありますが、そうでない場合はいいわけでありますので、かりに数年前にマカオとのバーター等を認めた場合に、どういう基準で認めましたか、ちょっと私も記憶わかりませんが、マカオにあるということで認めたのじゃないかとも思うのであります。そのときにかりに入ってきたものがマカオ原産でないということならば、税関当局において、通産省の許可はマカオ原産のレモンとこっちの輸出物資のバーターじゃないか、これはおかしいじゃないか、そこで問題が起こるはずなんでありまして、われわれがそこまで追及をいたしかねまするので、まあ常識的に考えますれば、若干の疑問もあろうかと思いますが、かりにあるのだという場合に、若干の生産があるかもしれませんが、ああいう南国でありますし、日本にもレモンはできておるような工合でありますので、絶対に物理的にないという証明も、これはできかねるかとも思うのであります。従ってわれわれはあくまでやはり分業でやっておりまするので、もしそれがマカオ産でないということであれば、税関がそのときにチェックをしたではないかと、入れた以上は税関が一応マカオ産と認定をして入れたと、またその証明書が出ておる以上は、それをそう見ざるを得ないということを申し上げておるわけであります。
  42. 島清

    島清君 私が聞いておるのは、私は入ったということがいけないといっちゃいないのです。それはそのときに入れるだけの可能性を持っておったでしょう。それはあなたがいうように、大蔵省の税関行政であればやむを得ないでしょう。しかしながらあなたのところで広東とか、マカオというものは原産地とは認めていないのですね。ですから広東とか、マカオから青果物が入るということは常識上は正常の姿じゃないのですね。正常な姿でないけれども、ただ一回ぐらいの取引をしたからというて、それが実績の中に入ってくるということが私はおかしいと、こういうのです。そのときになぜ入れたかというのじゃないのです、なぜああいうことをやったのだということを言っているのじゃない。取引というものはやっぱりノーマルな姿において行なわれて、そうしてノーマルな姿において行なわれたものが、やっぱり実績として国の役所が認めるというふうな形のものではなかろうかと、こう言っておるのです。ただ一時例外的なものが入ったということの、そのただ一時の例外的な、しかも疑えば疑える取引の内外を持っておるものが、そうして実績の中に通産省が認めるということがおかしいのではないか、こういうことなんです。
  43. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) これは見解の相違になろうかと思うのでありますが、また実績を査定するにあたりまして、これはいい、これは悪いというような厳密な審査をいたすべきものもあろうかと思うのでありまするが、レモンにつきましては、ともかく非常に古い実績を、不平不満をなからしむるために、五年間の実績を急拠とったということで、御指摘のようにこまかく分析をいたしますれば、あるいは落とすべきものもあったかと思いまするが、私は、その当時としては、私自身もこれは非常に苦しんだのでありますが、いろいろ議論もありました。これはどれがいい、どれが悪いといっておったんじゃ、一年二年議論しておっても、これは収拾がつかぬ。たとえば、ホテル業者輸入にしましても、これは観光客の需要のために輸入したんじゃないか、これは一般消費用じゃないじゃないか、そんなものは落とせというような議論もありますし、いろいろそういう議論もあったのでありますが、もうともかくそういうむずかしいことを言わずに、全世界からのグローバル割当なんだから、若干の利害関係は起ろうかもしれぬが、突っ込みで全部みたらどうかということで、先生今そこにお持ちの本は、最近の本でありまして、われわれ最近数年間の、そういう積んだりくずしたりのいろいろな資料を得まして、そういう本もでき上がっているのでありまして、数年前からそういう明確な認識を持ってやっておったわけでもございませんので、その点は一つ御了承願いたいと思っております。
  44. 島清

    島清君 そういうことであれば、たとえばあなたたちの方が、昭和三十三年度のレモンに対する外貨割当は、私が当時聞いたところによると、もちろん秘密でございますから、あなたたちがそんなことは発表したことはないといえばそれまでのことですが、確かに上期が三十万ドルで、下期が十七万ドルだったはずであります。それが四十七万ドル。しかも私が先ほどお尋ねをしたように、FOBで入れておいて、それは運賃の外割を受けたりなんかしたので、そこで今、あなたたちの方から資料でお出しになっていただいておりますように、上期が四十一万一千ドル、下期の方が二十一万ドルというので、外貨が非常にふえてきている。とれだけの外貨をふやすのだったら、AAにしてそれを入れたら非常に安くなるのですよ、これだけの外貨を割り当てるのだったら……。そうすると、消費者も高いものを買わなくて済むということになる、そのかわり、商人は、輸入業者暴利をむさぼることはできなくなりますけれども……、私はそう言っているんです。そこで、あなたが、そういうことがないのだとおっしゃれば、——私は、だからこの実績について非常に疑問を持っているのです。ですから、あなたたちの方が、この実績というものを、どのようにしてお作りになったか、お認めになったかを、私はきょうあたりで大体事務的な質問であらまし了解ができるのじゃないかと思っておりましたが、あなたの説明を聞いておりすすと、ますます疑問が深くなってくるので、そこで私は、この三十三年度以前の——三十三年度は実績に基いて割当をしていますけれども、三十三年度以前ですね、さかのぼってこの実績をお認めになったというその経過と、その根拠について、そうして、その前の、各商社の外貨割当をしたこともありますので、外貨割当の額、それから商店の名前ですね、そういうものについての一切の資料を一つ出していただきたいと思います。それから検討した後で、果して私の疑問というものが氷解できるかどうか、あらためてあなたにお尋ねをしたいと思います。で、委員長の方で資料の提…出をそのようにお取り計らいを願いたいと思います。  それから、その問題と関連をいたしまして、二十六年以降、そうして三十三年の外貨割当をするというまで、資料は後ほど出していただきますけれども、今、そのことについて、その変遷についてちょっと御説明を願いたいと思うのです。
  45. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 先ほど要求の資料よろしゅうございますか。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  46. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記をつけて。
  47. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 御存じのように、昨年の四月からはこの今表でお示しいたしましたような外貨割当でありまするが、その前の一年半が……。
  48. 島清

    島清君 いつからいつまでですか。
  49. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 三十一年の十月二十一日から三十三年の三月二十一日までは自動承認制に基づく輸入をいたしております。それからその以前はいろいろな制度が重なり合って輸入をしておるのでありまするが、まず〇SS、それからSPSの外貨割当に基づく輸入というのが二十六年の一月一日から二十八年の八月三十一日まで行われております。それからそれと同じ、ほとんどほぼ同時期でありまするが、いわゆろ優先外貨による輸入であります。輸出業者輸出をした場合に、何%かの輸入が認められるというのがそれでありますが、優先外貨割当に基づく輸入が二十六年の十二月一日から二十八年の四月十五日までいたしております。それから第三の制度といたしましては、ホテル用品、要するに観光客を泊めるホテル用といたしましての外貨割当に基づく輸入が二十八年の九月一日から三十一年の九月三十日までにやっております。まあ制席的なものとしましてそれに引き続きまして、三十一年の十月二十一日からAA制による輸入、三十四年の四月からは外貨割当、その間バーター、いわゆる求償貿易に基づくこの輸入、あるいは無為替による輸入許可というものが若干行なわれておる。こういうことでありまして、従いまして、制度といたしましては七つばかりのものが順次行われたり、あるいはまた並列的に行われたりして参っておる、こういう状況でございます。
  50. 島清

    島清君 それで、僕のいう、不思議に思いますのは、要するに優先外貨ですね。一体この九十一の外貨割当をやっております輸入業者が優先外貨を割り当てられる資格があったかどうかということについて疑問を持っているのです。そこで、私が知りたいというのはそこなんです。それから、あなたから説明がございました通り、二十八年以降三十一年まで割り当てられたホテル用のものですね。それが不正に横流れをしたというので、あなたたちの方で問題にして、そうしてAA——自動承認制に一時改めた理由になっているのですね。理由になっております。そして、そういうものの不正を指摘をして、自動承認制というものに改めておりながら、そういうものが実績の中に組み入れられていると疑われる節が多分にあるのです。それが、私が三十三年度以前の実績をどのようにお認めになったかということを知りたいという問題点なんです。それは、不正は不正として排除すべきものであるにもかかわらず、しかもまたホテル用として、例外的な特別のケースというもの、あるいは一時的例外的な特別のケースというものがかりに永続的な外貨割当の基準の基本になったとするならば、それはやっぱり採用の仕方においては妥当性を欠くものといわなければならないと思うのですね。ですから、私がその意味においても、今説明をして、これは納得のいくあれじゃないから、やっぱり資料を見ないと。こういう工合に不正として拒否しておりながら、そしてこれが実績の中に採用されてあるというようなことがあってはいけないと思うのです。ところが、私はあったと、こういうふうに信じておりますけれども、あったかなかったかということは、資料によらなければわからないわけです。資料に基づいてわれわれ質疑応答をしてみないとわからないから、だから資料を出してもらいたいと、こういうことなんです。
  51. 松尾泰一郎

    説明員松尾泰一郎君) 今の御指摘の点でございますが、優先外貨に基づく輸入、これが過去における一番一般輸入に近いものなんであります。従って、これを云々するという人は比較的なかったのであります。ホテル用品等につきましては、今先生指摘のように、これはホテル用としてやったのだから、これは除くべきではないだろうかという議論もあったのであります。しかし、われわれといたしましては、一般的な外貨割当の道がない際にホテル用としてホテルに割当をしたわけであります。ところが、ホテルに割当をしたが、実際の輸入輸入業者に委託をして輸入をしておる。従いましてわれわれの認定をするのは、その用途別というよりも、その当時ともかく何らかの制度によりまして輸入が認められている際に、その輸入の意欲を持ち、海外のエイジェントと契約をして、努力をした者、輸入業務を営んだ者が、これが意味があるわけなのでありまして、その当時としましては、ホテル用以外には許可をしておらぬのでありますから、それはいけないということになれば、だれも実績業者がないという格好になるわけで、従いましてわれわれといたしましては、OSSであろうと、優先外貨であろうと、ホテル用であろうと何であろうと、要するに輸入がその当時としては認められた制度下において、輸入意欲を持ち、実際に輸入の業務を営んだ人、その人とその実績ということを重要視せざるを得なかったという点がまず第一点でありまして、それから実は許可別に見れば、これは優先外貨で許可した、何で許可したということはわかるのでありますが、五ヵ年間に、長期になりますと、税関の窓口では古い書類が実はございません。ある商社では、五年すら長過ぎて困るという議論もあったのであります。ともかく税関に行って頼んで証明書をとってくれということでやったのでありまして、税関の窓口の証明書といたしましては、これは何でどういう制度で許可されて輸入をしたかということではなしに、ただ要するに、何月何日どこから何箱輸入されたかという証明書だけで、しさいに、何といいますか、制度別の輸入実績を、血管の細胞を区別するようにやることは物理的に不可能であったということも、一つはそういういろんな制度から輸入されたものを一種のこみで見ざるを得なかったということなんであります。従いまして今制度別に輸入した額を出せと言われましても、実は今、昨年の四月から外貨割当をいたしておりますから、各社の出してきた帳面というものはありますから、それを集計しますれば、各社の割当基準になった実績というものはわかりますが、これが優先外貨であれしたか、ホテル用であれしたか、あるいは無為替でやったのか、求償貿易でやったのかということはわからぬわけです。われわれの許可書類と、税関の書類とつき合わせましても、これは何ら関連がないわけです。そういうような行政事務上の困難さというものも、一つ御了解を願いたいと思うのであります。
  52. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記とめて。    〔速記中止〕
  53. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 速記始めて。  それでは暫時休憩いたします。    午後一時六分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕