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栗山良夫君 もう一点。それから私第三点として、今の国内販売が主でしょうけれども、非常な販売
競争が行なわれている
一つの現われとして、商品広告ですね、これに対して
中小企業庁はどういう見解を持っているかということを
一つ聞かしてもらいたい。実は最近のマスコミを通じての商品の広告、それからまた街頭にある立看板、こういうものは全く目に余るものがあるわけですね。私は去年だったか、大蔵
委員会にいたときに、最もひどいのは専売公社がテレビに広告を出したのですね。これは私は痛烈に批判した。そうしたらそれでやめましたが、たばこを吸え吸えという広告をテレビでやるわけだね。そうすると国民保健の方から言えば、なるべく吸わない方がいいし、青少年もなるべく慎んだ方がいいということになっているのに、片方ではどんどんやっている。そういう広告の問題は別として、国家が民放を通じて宣伝をするというのは、これは少し行きすぎじゃないかというのでだいぶ責めて、いまはたしかやっていないはずですがね。それと同じように、最近はもう広告合戦ですから、広告力のない
企業というものは自然に没落するということになってくる。それのはねかえりがどういうことが行なわれていると申しますと、大
企業が
一つの商標を使って、そして宣伝をする。まあそれは売れるわけでしょう。それで従来の
中小企業というのは、それぞれに
一つの商標を持って独自の販売ルートを持っていたわけですけれども、それじゃ対抗できないものですから、普通の下請
企業というものは部品メーカーなんです、大体が。ところが部品メーカーじゃなくて、そこの持っている
生産技術、
生産能力を、そっくりそのまま商標を持っている大
企業ヘプレゼントして、そして自分の商標は取り下げてしまって、大
企業のあたかも製品であるがごとくにして販売しているようなことが相当あるのです。そういう
実態把握を
中小企業庁でやってもらいたい。そういうことを今後どんどんやっていくということになれば、これを無制限に許しているということになれば、
中小企業などというものは、まとまった
仕事はほとんど消えてなくなってしまう。完全に大
企業の奴隷的な形に陥ってしまう。
中小企業というものは、
中小企業の権威もプライドもなくなってしまうでしょう。それがよってくる原因は何かということになれば、今言う広告の扱い方です。今度の十五号台風で私は非常に愉快に思っているのは、東海道線を汽車でいくと、浜松までは線路の両側にあります。ところが豊橋から、大垣までしか私は行ったことないのだが、両側の立看板がなくなってしまっている。非常にさっぱりしてよくなっている。ところがすぐ復活するでしょうけれども、復活するのは大
企業の看板と酒の看板だな。こういうことは立看板だけれども、一番ひどいのはテレビですね。民放のテレビ、民放のラジオ、新聞、雑誌等を通じて行なわれているわけですが、こういう広告が
中小企業の土台を相当ゆさぶっておりますが、これに対してこれは
中小企業庁だけの
仕事ではないと思いますが、
通産省あるいは他省との関連においてどういう工合にするか御検討を願っておきたいと思います。