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田中清一君 私は
東海道の沼津に
工場を持ち、住み、静岡県民としてこういった道ができることは、まことにけっこうなことはけっこうなことでございますが、御
承知のように静岡県のごときは、山から海へほとんど近いのでございまして、その間にある農耕地というのは非常に貴重なんであります。ことに由比、興津にしましても蒲原にしましても、ほとん
どもう通る余地のないようなところなんでありますから、さきに国会において超党派でこれが採択されて
法律になっている
中央道を作りますと、ただいま非常に混み合っているところは富士川以東、原、沼津、三島、箱根、それから小田原、横浜、
京浜でございますが、その付近が最も混み合っておりますので、静岡の南へ行きますと非常に閑散なんであります。それらの意味から考えまして、今度通常国会に提出されるであろうこの
中央自動車道の
予定路線がきまりまして、山梨県の富士の精進湖まで、これが通じますときには、これをバイパスに乗り込むことができる、それはなぜかと申しますと、精進湖から
東海道の富士駅までは、現在のあのいがいがのだんだら道でも、自動車で一時間で行けるのであります。御
承知のようにあそこは広い野っばらで、しかもほとんど国有地でありますから、百メーター
道路でもあの間はできるのでありますから、それへ舗装のたんたんたる
道路を作りましたら、おそらく三十分で精進湖から富士駅の付近まで行けるということは、これはもう明らかであります、距離からいきまして。それでそれを利用することになりますると、富士、吉原、富士官、猪之頭方面、あの付近へかけては、大体
東京へ一時間半で帰れるような道ができるわけであります。それでありますから、静岡、清水においては三十分、二時間あれば
東京へ楽々と、箱根の山を通らんでも入れるようになるのでありますから、
日本の財政が許せば何本でも作る方がいいが、一本の道もろくに作らんような国が、無理にそういうところへ割り込んでくるというようなことをするよりも、先ほど
お話があったように、農耕地の取得ということは、なかなか重要問題でありますから、そういうことの心配のないような方法を講じてもらいたい。
それからまた続きでありますけれ
ども、沼津とか三島とかというようなところは、現在の行政
道路によって御殿場を回って籠坂を通って富士吉田へ出て、富士吉田の
中央道の
予定さるべき吉田のインターチェンジまでは一時間四十分でございます。現在のああいった
道路でも一時間で行く、そうすると一時間四十分ぐらいで
東京へ入る道ができますので、こういった道を作れば神奈川県においても、静岡県においても、この
道路敷の獲得ということについては、少し大げさなことを言うならば、革命の起るほどの問題が起ろうと思うのであります。それは御
承知のように、砂川町のあのわずか二千坪足らずのところをとるのに、あれだけの十六万何千人の人が闘争して、たくさんの人が傷ついて、今日、
日本の重大問題になって、裁判ざたになって、今日もみ続けておるところを見ましても、この農耕地を——必要ならばいかなることもしなければならぬと必要もないようなことをして、社会不安を起こすことは、政治としてはまことに拙劣なものであると考えますによって、楽にできるという条件ならば大へんけっこうでございますが、それらこれらを合わせますと、国家の、
国民の血税をたくさん使うというようなことは大いに差し控えてもらわんというと、それにかわるものがなければいたし方がないが、それにかわるものがれっきとしてあって、しかも
法律が超党派で通ってそうして今日その
予定路線が決定されようとする矢先においては、少しこういったものは御遠慮願いたい、こういうことを考えます。