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1959-11-17 第33回国会 参議院 建設委員会 第3号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十四年十一月十七日(火曜日) 午後一時三十七分開会
—————————————
出席者
は左の
通り
。
委員長
岩沢
忠恭
君 理事
稲浦
鹿藏
君 松野 孝一君 武藤 常介君
田中
一君
委員
小沢久太郎
君
小山邦太郎
君 櫻井 三郎君
田中
清一君 内村 清次君 久保 等君 武内
五郎
君 永岡 光治君 小平 芳平君 田上
松衞
君 村上 義一君 須藤
五郎
君
政府委員
建設政務次官
大沢 雄一君
建設大臣官房長
鬼丸
勝之
君
建設省計画局長
関盛
吉雄君
建設省河川局次
長 曽田 忠君
事務局側
常任委員会専門
員 武井 篤君
—————————————
本日の会議に付した案件 ○
建設事業
並びに
建設
諸
計画
に関する 調査の件 (
建設関係法律案
に関する件)
—————————————
岩沢忠恭
1
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) これより
建設委員会
を開会いたします。
建設関係法律案
に関する件を議題といたします。
災害関係
の
法律案
はいずれも
風水害対策特別委員会
に付託せられておりますが、そのうち、
昭和
三十四年八月の
水害
又は同年八月及び九月の
風水害
に伴う
公営住宅法
の
特例等
に関する
法律案
、
昭和
三十四年
台風
第十五号により
災害
を受けた
伊勢湾等
に面する
地域
における
高潮対策事業
に関する
特別措置法案
、
昭和
三十四年八月及び九月の
暴風雨
による堆(たい)
積土砂
及び湛(たん)水の
排除
に関する
特別措置法案
、
昭和
三十四年七月及び八月の
水害
又は同年八月及び九月の
風水害
を受けた
公共土木施設等
の
災害復旧等
に関する
特別措置法案
については、本
委員会
にも密接な
関係
がありますので、その
内容
を
承知
しておく必要がありますので、この際四
法案
の
内容
の説明を
建設省当局
より聴取することにいたします。
鬼丸勝之
2
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
建設省関係
の
災害関係法
といたしましてすでに提出されておりまする四
法案
につきまして、お
手元
に配付されておりまする
法案
の
要綱
に即しながら概略を御説明申し上げたいと思います。 まず最初は
公共土木施設等
の
災害復旧等
に関する
特別措置法案要綱
、便宜上これから先に申し上げたいと思います。これはすでに御
案内
のように、
昭和
三十四年七月及び八月の
水害
又は同年八月及び九月の
風水害
を受けた
公共土木施設等
の
災害復旧等
に関する
特別措置法案
の
要綱
でございますが、この第一は、この該当の
水害
または
風水害
でありまして
政令
で定める
地域
に発生したものについての国の
負担率
を
規定
いたしたものでございます。これはちょっとこのまま読んではわかりにくい点もありますが、要するに
昭和
三十四年七月及び八月の
水害
または八月、九月の
風水害
の
災害復旧事業費
の
総額
を次に掲げてありまする三号の額に
区分
いたしまして、
逓次
にそれぞれ各号に定めてある率を乗じてはじき出しました額の、
当該災害復旧事業費
の
総額
に対する率によると、こういうことでございますが、そこで
逓次
に各号に定める率を乗ずるその率がまず一号といたしまして「
当該地方公共団体
の
昭和
三十四年度の
標準税収入
の三分の一に相当する額までの額については、十分の八」、八割。二番目には同じく、
標準税収入
の二分の一をこえる
税収
に達するまでの額については、十分の九。三番目は、
標準税収
をこえる額に相当する額につきましては、十分の十、こういうことでございますから、いわゆる
激甚地
と称しておりまする
政令
で定めた
地域
に発生いたしました
事業費
の
負担率
は、まあ最高の場合は相当、九十数パーセントまではいくわけでございます。まあ百パーセントにはならないわけでございます。
逓次
ではじき出しますのでそういうことになります。 それから次の二項は、これは国が
直轄
で行ないます場合の
地方公共団体
の
負担
の
割合
の問題でございますが、先ほど申し上げました国の
負担率
のこの
規定
の裏の
規定
になりまして、国が
負担
すべき
割合
を除いた
割合
ということで、これは当然でございます。 第二点は、
地方公共団体
またはその
機関
が、やはり
政令
で定めた
地域
に発生したものにつきまして、
災害復旧事業
と合併して再度
災害防止
のために
災害関連事業
を行なう、いわゆる
改良事業
を行ないます場合に、ほかの
法令
の
規定
によりまして国の
負担率
なり
補助率
が三分の二以上であるものはそれによることとして、三分の二に満たないものは三分の二を
負担
する、あるいは
補助
する、こういう
規定
でございまして、この
政令
で定める
地域
を第一の
地域
と同様に考えております。これは今回特に
復旧事業
を
改良
的にあるいは
改良
の要素を入れてやるという
必要性
にかんがみまして、こういう
規定
を今回
規定
いたしたわけでございますが、特に
河川関係
につきましては現在
災害関連事業
が二分の一になっておりますので、この面で
高率
の
負担
なり
補助
ということに相なるわけでございます。 第三点は、これは
水防資材
に対する
補助
の
特例
の
規定
でございますが、これはやはり
政令
で定める
地域
に発生したものにつきまして、都道府県あるいは
水防管理団体
が
水防
のために使用した
資材
に関する
費用
で、
政令
で定めるものについては、国が
予算
の
範囲
内で三分の二を
補助
することができるという
規定
でございますが、この
政令
で定める
地域
につきましては、第一と第二の
地域
とは別に考えております。御
案内
のように、
水防活動
と
被害激甚地域
というものは、必ずしも
水防活動
の
程度
と一致しない場合がありますので、これは現実に
水防活動
に使用した
資材
に関する
費用
について
高率補助
をいたそうという趣旨でございますから、別の
基準
で
政令地域
をきめたいとかように考えております。 次に、
伊勢湾等
に面する
地域
における
高潮対策事業
に関する
特別措置法案
の
要綱
につきまして、御説明申し上げます。「
昭和
三十四年
台風
第十五号により
災害
を受けた
伊勢湾等
に面する
地域
における
高潮対策事業
に関する
特別措置法案要綱
」というのがお
手元
にごございますが、この第一は、
地方公共団体等
が、
伊勢湾等
に面する
政令
で定める
地域
において、
昭和
三十四年
台風
第十五号によって著しい
災害
を受けた
海岸
または
河川
、及びこれらに接続し、これらと同様の効用を有する
海岸
または
河川
につきまして、
高潮等
によって生ずる
災害
を防ぐために必要な
新設改良
及び
災害復旧
に関する
事業
、つまり
改良
、さっき
関連事業
と申しましたが、
伊勢湾等
のこの
高潮対策事業
といたしましては、
新設改良事業
と
災害復旧事業
を合わせまして
伊勢湾等高潮対策事業
といたしております。これを施行する場合におきまして国が
事業費
の一部を
負担
するものとし、その
負担率
は、要するに、
復旧事業
につきましては、
国庫負担法
なりあるいは先ほど申し上げました
特例法
の
規定
によるということにいたしまして、その他の
新設改良部分
につきましては最低十分の八の
負担率
にいたそうと、こういうわけでございます。 それから二番目は、国が
直轄
で施行する場合の
事業費
に対する
地方公共団体
の
負担
の問題で、先ほど申し上げました一項の裏の
規定
に相なるのでございます。 第二点といたしまして、
建設省中部地方建設局
に
臨時
に
海岸部
を設置するとともに、
建設省
の
定員
を二百人増員する、これは本年度はこの
高潮対策事業
につきましては、県から
委託
を受けまして、まだ
委託
の
範囲
の仕事の量も今
検討
中でございますが、相当
部分委託
を受けて
中部地方建設局
において施行するという考えでありますので、それに必要な組織、人員の増加をこの際お願いするということにいたしまして、第二点は、
建設省設置法
の一部
改正
で
海岸部
を設置する、
定員
は御
承知
のように
行政機関職員定員法
の一部
改正
ということで、この
法案
の付則におきましてその
改正
を提案いたしている次第でございます。 それから次に「
昭和
三十四年八月及び九月の
暴風雨
による
堆積土砂
及び
湛水
の
排除
に関する
特別措置法案要綱
」につきまして申し上げますが、第一は
堆積土砂
あるいは
湛水
の概念をここに
規定
いたしておりますが、「『
堆積土砂
』とは、
昭和
三十四年八月及び九月の
暴風雨
に伴い発生した
土砂等
の流入、
崩壊等
により
政令
で定める
地域
内に堆積した
政令
で定める
程度
に達する異常に多量の泥土、砂礫、岩石、
樹木等
をいい、『
湛水
』とは、
昭和
三十四年八月及び九月の
暴風雨
に伴い
政令
で定める
地域
内に浸入した水で、
浸水状態
が
政令
で定める
程度
に達するものをいう」ということでございまして、具体的には、
地域
につきましてもあるいは
土砂
の量、
湛水
の
面積
なり
期間
というものを
政令
に委任されております。これは今なお一、二
検討
中の段階でございまして、まだこの
政令
の
内容
が固まっておりませんが、大体
地域指定
は、この
土砂等
の量が非常に多量か、その
程度
を
政令
できめます、こういう
土砂等
がある
地域
。
湛水
につきましても
政令
で定める
程度
に達する
浸水状態
、これは
面積
と
期間
で考えておりますが、そういうもののある
地域
を考えております。 第二点は
補助率
の
規定
でございますが、まず「
地方公共団体等
が
河川
、道路、公園、
林業用施設
、漁場その他の
施設等
で
政令
で定めるものの
区域
内の
堆積土砂
の
排除事業
を施行する場合」におきましては、他の
法令
に別段の
規定
がある場合は除きまして
予算
の
範囲
内でその
事業費
の十分の九を
補助
することができるということが第一でありますが、これは他の
法令
によりまして、たとえば
公共施設等
にある
土砂
は、その
公共施設
の
復旧
で国が
負担
し、あるいは
補助
してやるということになっておりますのは、それによってやるという
建前
をとっておりますので、こういう
規定
の
内容
になっておるわけであります。つまりそういう
施設
の
復旧
に付随して
堆積土砂
も除かれるというものは、その
施設復旧
に関する
法令
の
規定
によるというわけでございます。 二番目は、国が
市町村
に、「第一項に
規定
する
底域外
の
堆積土砂
で、
市町村長
が
指定
した
場所
に集積されたもの」、あるいは「
市町村長
がこれを放置することが
公益
上重大な
支障
があると認めたものについて
排除事業
を」行ないます場合には、
予算
の
範囲
内で「その
事業費
の十分の九を
補助
する」というものでございますが、これは
一般
の民地、民間の
宅地等
にありますものも、
一定
の
場所
に集積したもの、あるいはそうでなくとも
公益
上非常な
支障
があると認められるものについて、
市町村
が
排除事業
を行ないます場合に、同様に九割の
補助
をしようというものでございます。 三項は
農林大臣
と
建設大臣
の
所管区分
に関する
規定
でございまして、ここに書いてある
通り
でございます。 第三は
湛水排除事業
に関する
補助率
の
規定
でございまするが、
地方公共団体等
が
湛水排除事業
を行ないます場合におきまして、やはり
事業費
の十分の九を
予算
の
範囲
内で
補助
しようというものでございます。 二項は、これも
政令
で定める
区分
に従って、
農林大臣
と
建設大臣
の
事務
の
所管区分
を定めようというものでございます。 次に最後に、「
昭和
三十四年八月の
水害
又は同年八月及び九月の
風水害
に伴う
公営住宅法
の
特例等
に関する
法律案要綱
」につきまして申し上げます。 この第一点は
公営住宅法
の
特例
に関する
規定
でございますが、
昭和
三十四年八月の
水害
または同年八月及び九月の
風水害
で、
政令
で定める
地域
に発生したものにつきまして今回
公営住宅法
の
特例
を定めようというものでございます。この
政令
で定める
地域
につきましては大体まとまりまして、今回は
市町村
の
区域
内で
滅失戸数
が二百戸以上になるか、あるいは
滅失戸数
が
当該市町村区域
の総
戸数
の一割以上という場合に考える。ただその
割合
につきまして旧
市町村
の
区域
によってもよろしいというふうに、まあ一応考えております。その
内容
といたしましては
一つ
は、いわゆる
災害公営住宅
といわれておりまする、新たな第二種
公営住宅
を建てる場合の
補助率
を引き上げる
規定
と、それから特に
滅失戸数
の五割まで
高率補助
の対象にして認めようという
内容
でございまして、すなわち
災害公営住宅
につきましては、
親法
では第二種
公営住宅
三分の二ということになっておりますが、これを四分の三にいたそう。それから
現行
の
親法
では、
滅失戸数
に対する
建設
の
割合
が三割を限度といたしておりますものを、五割にしようという点でございます。 二番目は、
公営住宅そのもの
が今度の
災害
で
滅失
いたしましたものについて、その
滅失
した
公営住宅
に
災害
当時住んでおった者に賃貸するため、
公営住宅
を建てかえるという場合、あるいは
災害
によりまして
滅失
はしなかったけれ
ども
非常に損傷した
公営住宅
、これを補修しようという場合に、これもそれぞれの
公営住宅
の種別に応じまして、
高率補助
をいたそうというものでございます。つまり第一種につきましては二分の一を三分の二にする、第二種につきましては三分の二を四分の三にいたしまして、
補助
しようというわけでございます。 第二点は
産業労働者住宅
の
資金融通法
の
特例
でございますが、これは要するに今回の
災害
で
産業労働者
の
住宅
を失った者が非常に多いという
地域
につきまして、これは東海三県を考えておりますが、この
政令
で定める
地域
に発生した
災害
によりまして、
滅失
した
住宅
に住んでおった
産業労働者
に貸しつけるために、
事業主
が二年以内に
産業労働者住宅
の建てようという場合、
一定
の
条件
はございますが、ここにありますように「
主務大臣
の定める
条件
に該当し」というのは、まあそういう特別な
償還条件
を認める必要がないというものもございますし、それからやはり
労働者
の
住宅
あるいは
事業場
に相当な損害があるというような
条件
に、はまっておるものに対しまして
資金
を貸し付けるという場合に、
償還期間
を三年間延長するということと、その延長されました
償還期間
内で、三年以内の
据置期間
を設けようというものでございます。でまあこの点は、
災害復興住宅
あるいは
一般
の
個人融資
の
特別ワク
で融通しておる公庫の他の制度におきまして、同様の
償還期間
の延長なり
据置期間
を認めるということが
現行法
で
規定
されておりますので、それとの兼ね合い上も今回
産業労働者住宅資金融通法
の
特例
を提案したというわけでございます。 以上でございます。
岩沢忠恭
3
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) それではこれより
質疑
に入ります。四
法案
について御
質疑
のおありの方は順次御発言を願います。
田中一
4
○
田中一
君
鬼丸
君、これちょっと
法案
に直接
関係
ないけれ
ども
、
住宅金融公庫
の
融資
が幅を広げて今度やるようになっておりますけれ
ども
、
地主
と、
賃貸業者
といいますか
家主
と、
居住者
という三つの
関係
で、今度の
災害地
には特に
了解点
に入らない問題がたくさん残っておるのです。たとえば
地主
が
借地権者
に対して再びそこに
住宅
を建てることを認めない、
自分
が
資金
を持っていればかまわず
借地権
があるのだから建ててしまえばいいのだけれ
ども
、
住宅金融公庫
から
融資
を受けてやろうという場合には、
住宅金融公庫
の
貸付
の
条件
としては、
地主
の
承諾書
がなければならぬということがあったでしょう。従ってこれ、できないわけですね。これについて何か便法が考えられているかどうか聞いておきたいのですが、むろん率直に言えば
関係
はおのずから違うのですよ。問題は
家主
対
借家人
、あるいは
地主
対
借地人
という
関係
と、
住宅金融公庫
の
融資
というものとは全然異なっておると思う。ただ
融資
の
条件
として
地主
の
承諾
を受けなければならぬということになっていると、これは
融資
が受けられなくなる。
鬼丸勝之
5
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
住宅金融公庫
が
融資
をいたします場合には、やはりこの借り受けようという人が
土地
についての正当な権限を持っておるかどうかということは、確認いたしませんと実際に
貸付契約
を締結するわけに参りません。そこで今回の特に
中京地区
におきましては、あの
災害
によって非常に
借地人
あるいは
借家人
の
権利
は不安定な
状態
になっておる事例が多いと思われますので、私
ども
といたしましては先生の御
承知
の、
罹災都市借地借家臨時処理法
によりまする
地域
の
指定
を、これはまあ
公共団体
からの申し出に基いてやることになっておりまして、
公共団体
を督励いたしましてだいぶ前にいつごろでしたか、その
臨時処理法
による
地域指定
をいたしまして、そこでこれによりまして
借地人
さらに
借家人
も二年の間に優先的にこれが保護される、つまり
借地人
なり
借家人
が
地主
に対してあるいは
大家
に対して、
自分
の
権利
を申し出れば優先的にこれは
権利
が保全される、こういうことになっておりますので、その
運用面
の指導を今徹底させるようにいたしておるわけでございます。
田中一
6
○
田中一
君 そうするとたとえば、何と言ったかな、
個人
にかかる
税金
、居住する者に対する
税金——、固定資産税
を払っておる者、これは
固定資産税
の書類でも持っていけばそれは認めるということになる。どこが認めるんですか、
住宅金融公庫
が認めるんですか、
市町村
がそれを認めて
住宅金融公庫
にそれを持っていくというんですか。
鬼丸勝之
7
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
貸付
に関する
事務
は直接は
住宅金融機関
において処理しておりますが、
設計等
は
公共団体
に
委託
して処理させておりますから、そこで今の正当な
権利
を持っておるかどうかという点は、やはり出先の
機関
におきましてそれを確認するわけでございます。
田中一
8
○
田中一
君 確認するものとしては、たとえば
土地
を借りておって家を持った者なら、
固定資産税
の
納税証明
でもあればこれを認めるのか。ことに
貸家
を持っておった
家主
に対しては、
家賃
の支払いの
証明
、この
通り当該家屋
をその時期まで
家賃
を払っておったと、そういうものを持っていけばそれを認めようとするのか。それからかりにすっかり流失してしまって何もないという場合には、何でそれを
証明
させるのか。そういうケースは非常に多いんですね、今回の
災害
では。
鬼丸勝之
9
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) 私も今ここであまり詳しい完全なお答えはあるいはできかねるかと思いますが、
通常
は今の
地主
なり
大家——借家
の場合
大家
ですが
——
からの
承諾書
といいますか、その
証明
ですね、
証明
をとるというのが
通常
だろうと思います。
田中一
10
○
田中一
君 そんなことは
融資
の
条件
に書いてあるんだよ、
住宅金融公庫法
には、ちゃんと
事業計画書
に入っているんだから。それを言っているんです。そういうものがとれない場合はどうするかと言っているんです。
鬼丸勝之
11
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) そこでそういう
証明
がとりやすいように、私
ども
としましては、
借地人
なり
借家人
の
権利保護
の
措置
を講じたということをさっき申し上げたわけでございます。
田中一
12
○
田中一
君 それは具体的にどういうことかと伺っておるんです。今度は具体的にどういう方法かと聞いておるんです、
借地借家
……。
鬼丸勝之
13
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
罹災都市借地借家臨時処理法
という
法律
でございまして、普通の
借地権
の場合、
借地
にある建物が
滅失
してしまいますと一応
借地権
は消えるというような場合が多ございます、期限を特に定めてない場合。そういうものをまず保護する必要がある。そこでたとえば
地主
がこの際ほかの
借地人
と契約しようとする、あるいは
自分
がそこに住もうとする、
自分
が
貸家
を建てようというようなことを考える。普通ならそういう人がかなりあるわけです。それから
借家
に住んでおった人も、
大家
が新たに家を建てましても元の
借家人
を入れないというおそれが多分にあるわけですから、そういう
借地人
と
借家人
に対して、まず優先的に従来の
借地
なりあるいは
借家
を認めさせる。こういう
措置
が必要なわけですから、この
法律
によりまして
地域
を
指定
いたしますと、二年以内に申し出た場合は従来の
借地人
、
借家人
が優先する。そういうことによりまして
権利
が保全されるわけです。そういう
措置
ができるような発動をいたしたものですから、これの実際の
内容
を徹底するなり、あるいは
借地借家人
によくこれをわからして
権利
を主張させる。こういう面を先ほど申し上げましたように
運用
上指導いたしております。
田中一
14
○
田中一
君 それは
通牒
が出ておると言っておるけれ
ども
、それを
指定
するのは
地方自治体
だとこういうんですね。
鬼丸勝之
15
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
指定
いたしますのは今
建設大臣
でございますから、ただ申し上げたように、
地方自治体
から
指定
してもらいたいという
意思表示
がないとできない
建前
になっておりますから、実はそれを督促いたしましてなるべく早く
指定
した上で処置いたしたい。
田中一
16
○
田中一
君 十五日現在で
指定
をしてくれと言ってきている
——
その
法律
を発動してくれと言ってきておる府県があれば、その
資料
を出して下さい。現在のでもいいんですがね。
鬼丸勝之
17
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) 現在で
指定
いたしました
地方公共団体
の名前を、
資料
として提出させていただきます。
田中一
18
○
田中一
君 それはあるんですか。
鬼丸勝之
19
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) ございます。
田中一
20
○
田中一
君 もう
一つ
お願いしたいのは、先だっても他の
委員
からも
質問
があった、
建築基準法
に基づく
危険区域
の
指定
、これは
通牒
が出ておるといっておりまして
住宅局長
読み上げたけれ
ども
、そんなこと頭に入るものじゃないですよ。これを
資料
として出してほしいんです。これに基づく
指定地
、どこどこを
危険区域
に
指定
したか、これを
一つ
やっぱり
資料
として出してほしいんです。それと
指定地
の
地図
、どの
地区
をやったがその
地域
はどういう
状態
か、それがわれわれに理解できるような
地図
を添えていただきたい。
鬼丸勝之
21
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
建築基準法
に基づく
危険区域
の
指定
の問題は、これは
地方公共団体
の
条例
で
指定
するということになっておりますので、私
ども
といたしましては、先般差し上げましたような通達によりましてこれを強力に指導いたしております。まだ今のところはそうきめたという所はないようでございますが、漸次準備を進めておると思っております。
田中一
22
○
田中一
君 そこでこの
危険区域
を
条例
できめた場合、
建策基準法
を見ると、ただ
指定
することができるということになっておるに過ぎないと記憶しておるんですが、具体的にどういうことになるのか。 それからこれはむろん
私権
の一種の
侵害
です。
私権
の
侵害
ということになると、これに対して反対な訴訟でも起せば、これは勝手に
危険区域
と
指定
して
条例
できめたこと、
禁止
したことを侵してもいいのかどうか。侵した場合にはどういう
罰則
があるのか、
基準法
に詳しく書いてありますか、そいつがあるならばあるで、
自分
で調べますから。 それから
条例
の
内容
というものは、どういう
範囲
のものをどう
禁止
しようとするのか。それはみんな
基準法
の
政令
か何かあるいは
施行法
にありますか。
鬼丸勝之
23
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) ただいまのお尋ねでございますが、これは
基準法
におきましては、
災害危険区域
につきまして、
地方公共団体
が
条例
で
指定
することができるということと、それから「住居の用に供する
建築物
の
建築
の
禁止
その他
建築物
の
建築
に関する
制限
で
災害防止
上必要なものは、」やはり
条例
で定める。この
区域
内のそういう
制限
は、こういうことだけでございまして、これは違反に対する
罰則
、制裁の
措置
は
条例自体
できめる。
条例
に認められている
範囲
のものをきめるということになるわけです。そこでもちろん相当な
制限
、
禁止
になりますが、
条例
でそれがまとまれば
条例
として有効なわけでございますから、別に
私権
の
制限
が違法とか不当だということにはならぬと考えております。
田中一
24
○
田中一
君
危険区域
というものは、危険という観念というか、それはそこに家を作る
基準法
ですから、家を作るということが危険だというのですか。その家があるということによって
第三者
が危険だというのですか。どっちなんです。危険という言葉は、家を建てて住んでは本人が危険だからということと、それとその家を建てることによって
第三者
が危険を感ずるから
禁止
しようというのか、どういう考え方なんです。
鬼丸勝之
25
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) なかなかむずかしい御
質問
で、ちょっと
住宅局長
がお答えすることが私は適当なことだと思いますが、この
基準法
の第三十九条の
規定
をさっき、はしょって申し上げましたが、よく読みますと「
地方公共団体
は、
条例
で、津波、
高潮
、
出水等
による危険の著しい
区域
を
災害危険区域
として
指定
することができる。」ということと、先ほど申し上げましたような個々の
建築
の
禁止
、
制限
の
規定
、二つを
危険区域
の条項として
指定
しております。そこで
建築基準法
は、先生もよく御
承知
のように、都市
計画
的な
一つ
の集団
規定
と、それから
建築物
個々の単体
規定
と、まあ大きく分けまして二
通り
の規制
内容
を持っておりまするが、この場合の趣旨から申しますと、おそらくやはりこの個々の建物に住む人に対して、その住居の用に供する
建築物
ということを
制限
しようというのですから、個々の建物に住む人の被害をなるべく防ごうという趣旨から
規定
されていると考えられるのでございます。
田中一
26
○
田中一
君 今津波とか出水とか
高潮
とか、いろいろ
条件
がありましたけれ
ども
、その場合には
高潮
がきても
自分
の所は守れるという
施設
ならば、その除外例というふうなものは考えられるのですか。たとえば
海岸
から見るとマイナス〇・五メートルだ、五十だ、だからその五十を上げて地盛りしてやればいいのだというふうなことの
条件
は、おのずから
条例
につくのですか。こういうことは考えたことがあるのか。 それからもう
一つ
は、今まで
危険区域
として
指定
した
条例
を作った
区域
は、日本全国にあるのか、あるならあるでこういう
条例
を作っておるということを
資料
として出していただきたい。
鬼丸勝之
27
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) これまでに
基準法
に基づく
災害危険区域
の
指定
、あるいはその
制限
をいたしておりますのは大阪市にございます。そこで先般御披露いたしました通達の
内容
も、その
条例
の
内容
を参考にいたしまして、まああまりシビアな無理なものにならぬようにというわけであの通達を出したわけでございまして、今後この
指定
をしていこうという
地方公共団体
におきましても、この前の通達の
内容
程度
の
制限
内容
に持っていってもらいたいということで、一種の指導
基準
にいたしておる次第でございます。
田中一
28
○
田中一
君 それでは大阪の
条例
の
資料
を出して下さい。そして、ただ
法律
事項を
条例
にまかすというてまかしきりでもって、大阪で作った
条例
をもとにして指導
要綱
というものを作ったということは、はなはだ政府としては自主性がないことなんですよ。事、
私権
に関する問題そういう問題を、
自分
の方で
一つ
の試案というようなものも作らないで、今のような官房長の答弁のようなことでは、はなはだわれわれは納得できないのですよ。従って、こういう問題についてはむろん、危険という定義は本人の危険を言っているのだというならば本人の危険でいいのだけれ
ども
、本人が危険を
承知
してやった場合にはどうなんだということがある。それに対して、御
承知
のように日本は
土地
が狭いのですよ、まあ山を切るか海面に進出しなければならないのですね。従って、そういう
危険区域
をきめる場合にも、相当な、何と言いますか、電力会社その他投資家は埋め立てをどんどんやっています。現に東京湾なんかひどいものですよ。金を持っているやつは埋め立ての許可をとって、利権をとってやっておりますよ。そういう所に将来を予想して水面の埋め立てをするなら埋め立てする高さ、堤防の高さとか地盤の高さというものを一面立法化して、そして危険を招来しないという形のものを持ちながら
制限
するのが正しいのじゃないかと思うのです。従って、海面埋め立ての場合、現在でも全国各地で埋め立て
事業
を許可しております。都道府県知事は、むろん大きなものについては
建設大臣
にも相談があって認可していると思いますけれ
ども
、そういうものに対する
基準
はおのずからそこに作ってあって、そうして
禁止
区域
というものを
規定
するならまだいいけれ
ども
、野放しにしておいて、そうしてただ
禁止
するだけであっては、これはならぬと思うのですよ。何といっても
個人
の持つ
権利
というものを
侵害
するのです。今度の愛知県、名古屋市の
湛水
地帯なんというものも、おおむね
公共団体
が埋め立てをやったのです。ところがそれは財源にするためにどんどんそれを売ってしまっている。従って
個人
の所有になっていますよ、
土地
は、おおむね。そうすると、名古屋市というものは、不十分な危険な
土地
を、安いか高いか知らぬけれ
ども
とにかく売却して、そうして今度
危険区域
として
権利
を
制限
しようということになると、これは単に
土地
を買った者が損失を
負担
するだけじゃとどまらないのですよ。そういうものを築造させ、そういうものを埋め立てさして、商品なら商品として売却して利潤を生んでいるというような
公共団体
があるならば、それに対しては、これは小さなものは都道府県知事、大きなものは
建設大臣
の方に相談に来なければならないだろうと思います。水面埋め立ての問題は、そうでない、都道府県知事だけなら今度
法律
です。五十町歩ですか、そういうように記憶しているのですが、大きなものは
建設大臣
の許可を受けなければならぬ。そうなればやはり埋め立てをする立法
措置
を講じなければならぬということです。そういうものをうっちゃっておいて、今度そういう
災害
があって愛知県、三重県等でそれを
指定
しようとする場合には、これはもう国なり
地方公共団体
なりが、そういうものに対して不備な
状態
に放置しておきながら、今度
権利
を
制限
するということになるとこれはこのままよう済まない。そういう点については官房長に伺う筋合いのものじゃないかもしれぬ。政務次官がおられるから、政務次官、そういう点についてははっきり答弁してほしいと思う。そういうものであっちゃなりません。
田上松衞
29
○田上
松衞
君 関連して。
田中
さんの御
質問
に対する当局の説明は、すでにここに提出されたこの
資料
から見ましても食い違っておるのじゃないか。どうもおかしいですよ、私
ども
が感ずる
範囲
では。もちろんこういう場合に
個人
個人
の危険を防止するのだということも、それはあるに違いないけれ
ども
、もっと重要な点は、これから生じた
災害
を他に大きく波及せしめるというところを食いとめる、そこに重要な点があるのじゃないか。同時に、
建築
等に対しては、今までのこういう過去の幾多の大きなあれにかんがみて、とにかく避難の
施設
をうんと整備させなければいかぬ、そのことに用立てたい、というのが私は大きな趣旨じゃなかったか、こう考えるのですよ。どうもその点が根本から食い違っておるようですがね。そこの考え方を
一つ
あわせて……。
田中一
30
○
田中一
君 政務次官、いいかげんな答弁をされちゃ困るから、今のところは答弁できなければ答弁できないで、残しておいて下さい。よく調べて答弁するようにして下さい。そうせぬと、あなた、とんでもないこと言われても困るですよ。
大沢雄一
31
○
政府委員
(大沢雄一君) ただいまのお尋ねの筋、非常にごもっともに存ずる次第でございます。もとより、ただ単に
建築基準法
は直接には
居住者
の保護ということが考えられておりますが、その背後には、やはり当然公共の問題でございまして、その
地区
におきまするいろいろな公共の利益ということを考えておるに相違ないと、その点は考えるわけでございます。 なお、
危険区域
の
指定
なり
制限
の附加なりに関連いたしまして、ただいま埋め立て等の場合につきましての御意見でございまするが、これまたごもっともでございまして、そういう点に関しましては埋め立ての許可の際に十分考えまして、必要な
条件
を付するということを考えていたすべきものであることは当然と思うのであります。ただし、今までかような伊勢湾のような
災害
が十分に予想されてそういうことを従来やってきたかどうかということをおっしゃられますると、その点につきましては、必ずしも十分にやっておったかどうかということは、私なかなか実際問題として断言できないかと思いますが、少なくとも将来にわたりましては、今回の
災害
の状況、様相にかんがみまして、埋め立ての許可の際におきましては、ただいまの御意見の趣旨を十分尊重して認可をしなければならないものと考えております次第でございます。
田中一
32
○
田中一
君 この公有水面埋立法を見ると大正十年にできたのです。一部
昭和
二十九年に
改正
していますけれ
ども
、主要なるところの目的等の
改正
はないと思うのですよ。私は最近いろいろ見ているのですが、公有水面埋立法にしても大正十年ごろに作った
法律
がそのまま生きている。たとえば砂防法を見ても明治三十年にできているのですよ。それが昔の天皇制時代の憲法下におけるべしとかべからずとかいうふうな取締法になっている。こういうものがそのままあって、そうして今度はあらためてこの
災害
にかんがみて、またこれを根にして通知を出すなんてことは考えられないのですよ。従って今政務次官の答弁を答弁として伺いますが、どうか
一つ
その点は
——
現在着々として全国的に広がってくる、投機家、金持、資本家は埋め立てをやっておるのです、どんどん。その場合に相当広く水面を埋め立ててくれば、やっぱり波の抵抗というものは強くなってくるわけですね。そういう点は、これからするものは当然のこと、
法律
を
改正
するなり何なりして
危険区域
に
指定
するという指導を、許可のときに生かして完全にすること、同時に今までそういうものを
公共団体
が分譲した場合に、これは日本全体の国土の
計画
から見た場合に、水面に
土地
が延びるのは非常に好ましいことなんですよ。だからそれに対する現在の、今度の
台風
によって、そういう
指定
された
区域
があるとするならば、その
指定
された
区域
に対するところの国、
公共団体
もその責任を分担して、これに対する
措置
をとるように
一つ
お考え願いたいと思うのですよ。単に
公共団体
から分譲を受けた所有者だけの責任じゃないということを考えてそういう
禁止
区域
なんていうものは一刻も早く中止して、そういう
土地
を
危険区域
などと言って
条件
つけて
制限
することは必要ないです。それを生かすような、
建設
的な方面にそれを生かして
——
生かすには金がかかりますが、それは国並びに
公共団体
がどうすればいいかということを十分御
検討
の善処していただきたいと思います。お願いいたします。
田上松衞
33
○田上
松衞
君 やはり今の関連のあることですけれ
ども
、どうもさっきの官房長のお話をお聞きしても、こういう工合の指導だとその
範囲
を越えないものなのですか、これは。
鬼丸勝之
34
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君)
現行法
の体系におきましては、これは
条例
に委任されておる事柄でございますので、行政指導でそういう必要なことはやってもらいたいということしかできないわけでございます。
田上松衞
35
○田上
松衞
君 一面においては
災害危険区域
の
指定
を積極的に行なうという言葉を使っておるのです。それであとになってみると今のようなただ指導の
範囲
を出てない、これじゃ何にもならぬじゃないですか。
地方公共団体
の意向に基いてどうでもいいという
程度
のものであるならば、たとえ
指定
や指導を受けても、工事をしなくても差しつかえないということになるわけです。そういうものを重ねて何べんもお出しになっても何の権威もないじゃないですか。 そこで次のお考えをお聞きしたいのですが、こういうことを積極的に
指定
を行なって、そうしてこういう指導を強くしていく、そこに何かのこの前申し上げたことですけれ
ども
、何かそれに裏づけになる補償とか
補助
だとかというようなことの約束できないですか。それがなくしては何のきき目もないし、狙っておる目的を達成することができないのじゃないか、こんなことを考えますならば、大まかに申し上げまして、ただ起こった
災害
のあと始末をするだけではこれは非常に将来危いことであって、予防するという大きな目的が達成できないのじゃないかと考えられますが、これについてお考えを聞いておきたい。
鬼丸勝之
36
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) 現在の
建築基準法
の
規定
の
内容
といたしましては、これは御
承知
のように規制をするのを目的としておる
法律
でございますので、しかもこの場合
災害
危険、
区域
の
指定
をいたしました場合には、これは
条例
でやるということになっておりますから、補償の問題は考えられていないわけでございますが、なおそのほかに建物の敷地につきまして別の
規定
がございまして、これは
建築物
の敷地として最低限こういう
条件
でなければならぬというような趣旨で
規定
されております。これの方も実は行政上その指導が徹底しておらぬ面もございますので、この敷地の
制限
規定
につきましても、今後これを守られるように徹底いたして参りたいということを考えております。 それから直接
危険区域
内の
建築物
についての補償、
補助
の問題ではございませんが、別に
住宅金融公庫
あたりの
融資
の
条件
といたしまして、そういう敷地の
条件
が悪い所、あるいは地盤の悪い所、こういう
災害
を受けやすいような悪
条件
の敷地に建つ場合につきましての
融資
につきましては、金額をもう少し上げたらどうかというような点を今具体的に
検討
中でございます。 なお、行政上の指導でははなはだ不徹底ではないかというおしかりをちょうだいいたしたわけでございますが、この点もごもっともでございますが、
基準法
上の問題といたしましては、今回の
災害
にかんがみまして積極的に活用するように指導しようという、こういう考え方で先般の通達を出したような次第でございますので、
基準法
上の問題といたしましてはその趣旨を
一つ
御了承いただきたいと思います。
田上松衞
37
○田上
松衞
君 このことで時間をとって相済まぬと思いますから、それじゃ要望だけ申し上げます。 大体初めのこれを出された趣旨、これについてはりっぱなことを言っておるわけですよ。ことしは特に愛知あり三重あり岐阜ありで、こういう所にこういうものがあったのだ、単に
風水害
のみでなくしてこういう問題を起こしておるのだ、この書き出しはりぱなものであったのです。そこで私
ども
は、こういう今度は危険
地域
が
指定
されたというので非常に大きな、まあ何と言いますか、いいことだとして大きな期待をかけておったのです。この前
住宅局長
からのお話で、ただ読まれたときに棒読みを聞いただけであって時間がなかったのですが、これを見てみますとあとの方になってくるとちょっとがっかりしますが、今官房長のお話を承わっても何のことはない、単なる指導だというようなこと、しかも今一番杞憂をいたします問題は、今度の
激甚地
の
指定
ですね、あの
指定
を受けない
地域
において、今後予想されるこういうようなものが、今度の伊勢湾と同じようなことを心配する国民がたくさんあるわけなんで、そこでこういうものをしてもらって
一つ
何か
災害
を少しでも少なくするように、ということを皆それぞれ考えているわけなんですけれ
ども
、何の裏づけも出てこないということ。 それから特に強調しておきたいことは、
伊勢湾等
の場合に防波堤等がくずされたのは、
住宅
等の
関係
が多かったと思いますけれ
ども
、あの中で建物が流されてしまった被害が相当にあるはずだと聞いております。こういうことを考えてみますと、及びこの低い
土地
におきまして避難所がなかったというような問題、あっちこっちのいろいろな問題を考え合わせまして、今後の
災害
をできるだけ少ない
程度
に食いとめたいというこの考えは、今こういうものを出されてこの中に織り込まれるのがほんとうじゃないか、こう考えます。これがもっと積極的に活用できるようにいろいろ仏だけ作って魂を入れぬようなことではなしに、魂をぶち込むようなことを
一つ
考えていただきたいと思うのです。今からでもおそくはないからこれこそ何かそういうことを真剣に御考究願いたい、ということの要望をいたしておきます。
岩沢忠恭
38
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) それでは僕からも
一つ
お聞きしたいのですが、
堆積土砂
及び
湛水
の
排除
に関する
法律案
において、
予算
の
範囲
内という言葉を使っておるがこれはどういう意味なんですか、
予算
は限定しているのですか、
鬼丸勝之
39
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) これはお尋ねの点は、いわゆる公共土木
施設
の
負担
法
関係
のものは別といたしまして、ほかの
一般
の
補助
事業
につきましては
予算
の
範囲
内においてという言葉が入っておるわけでございますが、実はこの
法案
をまとめる過程におきまして政府部内でいろいろ議論がありましたが、
予算
の
範囲
内においてというのを入れてくれという大蔵当局の強い要望もありまして、各省
関係
皆入ったような結果になりました。と申しますのは
補助率
はこれはもうはっきり定率で
規定
する、そうしますと、あとは
予算
は御
承知
のように当該年度の単年度の
予算
でございますから、当該年度の
予算
が無
制限
に、
事業
職の点において、あるいは単価の点から
事業
予算
が無
制限
に非常にふくれる、ということを大蔵当局が心配したわけでございます。そこで
予算
の
範囲
内においてということをかぶせたわけでございまして、そういうようなことになっております。従って
補助率
は影響はないというように考えております。
岩沢忠恭
40
○
委員長
(
岩沢忠恭
君)
補助率
は影響はないけれ
ども
、そうなると大蔵省の考え方というものは
災害
の金額、
総額
は大体それで抑えて、そうして
補助率
はきまっておるのだからどんどん早くやった者ほどその恩典を受けるけれ
ども
、ぐずぐずしておくれた場合にはもう金がないのだからできないんじゃないか、ということが起り得るのじゃないですか。今までの公共
事業
のやつは、これはもう要るものだけどんどん国が国費を出して補てんをするということになっていて、どうも
予算
の
範囲
内というと、ある
一定
のものだけ早い者勝ちにいっておくれた者には金がないから、
予算
がないからがまんをしてくれということになって、大蔵省としてはできるだけ
災害
費をしぼるというような、こういうところにもってきているのじゃないかと思うが、これでは不公平じゃないですか。また早い者勝ちという非常に悪い影響を与えるというきらいがあるのじゃないかと思うのですがどうですか。
鬼丸勝之
41
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) それは
予算
の
範囲
内と申しますのは、これは当該年度の
予算
という意味でございますから、全体の
事業
量といたしまして一年ではやり終えない、二年にまたがる、あるいは三年にわたるという場合もあり得るわけでございますが、これはお話のようにしり切れトンボになって、早い者は得するけれ
ども
、おくれてぼやぼやしている者は損しちまいやせぬかという御懸念もごもっともとは思いますけれ
ども
、そこは
予算
獲得上のやはりこれは実力の戦いと申しますか、その年度の
予算
では一応
予算
の
範囲
内においてと、こういうふうに私
ども
は理解をいたしまして、その後年度にさらにまた
予算
の要求ができる、必要な
事業
につきましては
予算
が獲得できる、こういうことで納得したようなわけでございます。
岩沢忠恭
42
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) そうすると、この
予算
の
範囲
内というのは、なんですか、当該年度だけをさしているのですか。そうすると次年度のやつは、やはり
予算
がきまれば、その
予算
の
範囲
内だということになってだんだんふくれても、こういう
堆積土砂
とか、
湛水
がある限りはずっと
予算
を継続的に補てんする、こういうふうに読めますか、この点。
鬼丸勝之
43
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) 御
承知
のように単年度
予算
でございますから、継続費は別といたしまして、まあこういう
補助
事業
は単年度
予算
で計上されておりますから、必要な
事業
につきましてはさらに翌年度においても要求いたしまして
予算
を計上する。ですから私
ども
といたしましては、これは大蔵当局の気休め的な、全体の気持としてはなるべくしぼろう、抑えようという気持があることはわかりますけれ
ども
、実害はないのじゃないかというふうに考えまして、ただ今後の
予算
獲得上の努力はもちろん必要でございますが、直接必要な
事業
がこれで押えられる、あるいはしり切れトンボになってしまう、こういうふうには考えられないということで
承知
いたしているわけでございます。
岩沢忠恭
44
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) どうも三カ年でやるので、次々にずっと年度々々に
予算
を要求するというなら、あいまいな
予算
の
範囲
内でという用語を取った方がすっきりするのじゃないですか。なぜこれをあなた方は了承したのかどうも不思議でしょうがない。ほかの方の公共
事業
はそのままの
予算
、同じような
予算
獲得上の手続をして、
堆積土砂
と
湛水
と
公営住宅
、これらのみ
予算
の
範囲
内という言葉を使っているのだな、どうもその辺のところは大蔵省にしてやられたような感じがすると思うのだ。
久保等
45
○久保等君 その問題ですね。
法律
で少なくとも
条件
が定められ、それから
補助率
がきまっているのだが、しかし実際は
予算
面で拘束せられるということになると、
法律
でせっかく定めをしておきながら、大蔵省のさじかげん
一つ
で
法律
が実は現実に実施できない。こういうことになって、
法律
のあり方としてもちょっと変ちくりんなものになるのじゃないかと思うんですがね。だから今官房長の言われるように、さして何というか、大した
支障
はないのだということならば、むしろこれは
予算
の
範囲
内という字句なんかはない方が、それこそすっきりするので、
法律
ではっきり
条件
も定めてあるのだし、
補助率
も明確にきめているのだから、そういったような事実があれば、それに対して当然法の定めるところによって私は
予算
に計上されていかなければいかぬと思うのですが。それから行政
措置
的に、
予算
の金額の面でまず
一つ
の大きなワクに入れてしまったのじゃ、せっかく定められた
条件
そのものに該当するものであっても適用せられない、現実に
予算
の
範囲
内ということで制肘を受けるということになるのです。ですから
予算
の
範囲
内ということは、きわめて不明確なというか、行政
措置
によって適当に、この
法律
そのものが骨抜きになってしまうということが、現実の問題として十分考えられると思うのですがね。だから、そういう点で、大蔵当局は、そういったことを主張するのは立場としてあるいは理解できるかもしらんけれ
ども
、しかしやはり
建設省関係
としてこの
法案
を提出するに当たっては、私は、こういうものをやはり掲げるということはおかしいのじゃないかと思うのです。それから、今言われるような軽い意味で、官房長の言われるようなふうには、理解できないと思うのですがね。
鬼丸勝之
46
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) まあ私
ども
といたしましては、
予算
の編成に当たりまして必要な
事業費
に対する
予算
は、非常な努力をして獲得交渉をいたして参っておりますから、まあ、その上その年度におきまして、その年度の
予算
の
範囲
内においてという意味においてのまくら言葉がつくことはやむを得ないのじゃないか、御懸念のような実害は、まあ私
ども
も努力いたしまして、まず生じないようにやっていきたいと考えております。 この点はさらに、この
法律
の書き方といたしましては、いろいろ議論がありまして、「
予算
の
範囲
内において」と入れますと、率を三分の二以下というふうにしなければおかしいのじゃないかという議論もありましたが、この点は、もうそれは、大へんなことだと、
補助率
をさらに下げてもいいような
規定
にすれば、根本がくずれるということで、この点を努力いたしまして折衝した結果、率につきましては、まあ動かないということで落ちつきまして、こういう条文の書き方になったわけでございます。 ですから、まあ今後、各
委員
の御支援のもとに、実際のやり方につきましては、十分
一つ
、一そうの努力をいたしたい、どうぞよろしく。
久保等
47
○久保等君 要するに、大蔵省の
予算
措置
を
法律
的に合法化させるために、
予算
の
範囲
内というような字句が入れられたとしか理解できないので、もちろん
予算
がなければ、
法律
があっても、それは実際問題として、それぞれの率を適用するということはできないと思うのですが、それを、ことさらに
法律
の中にうたって合法化をする必要は私はないと思うのです。
法律
に定めたところをやらないからけしからぬじゃないかといって、しりをたたくにしても、
法律
そのものに「
予算
の
範囲
内」ということで明記してしまうということは、私は、せっかく作ったこの
法律
が、それこそ仏作って魂入れずというようなことに、わずかばかりのこの「
予算
の
範囲
内」という字句を書くごとによって、全く骨抜きにしてしまうような結果になるのじゃないか、しかも、それを明文にまでうたうものだから、
法律
化されているのだから、文句の言いようがないということで、せっかくそこまで努力せられて、率をできるだけ
高率
ということにせられたならば、そこのところを、ぴしっとしない限り、全くざる
法案
みたいな結果になってしまうと思うのですが、何か、非常に大蔵省にしてやられたというような印象を持つのですが、どうですかね。
大沢雄一
48
○
政府委員
(大沢雄一君) 御意見の次第、条文の、文面からの条文解釈としては、私
ども
によくわかるのでございますが、私
ども
といたしましては、実際、被害報告に基づきまして
予算
獲得に十分努力をいたしておりますので、現在判明しております被害報告以外に予想しなかったような大きな被害が、あとで発見されるということになりますれば、確かにただいま御懸念のように、これは後年度で
予算
をもらうという事態が、それは絶対に起こらぬということは今申し上げられませんが、しかしもう、私
ども
としては、被害が激増して追加報告があるということは、まず考えられない、そうしてみますれば、私
ども
予算
折衝の過程におきまして、これでこの
補助率
に基づいた
補助
は大丈夫でき得るもの、こういうふうに考えまして、私
ども
としては不満ながら、今官房長から申し上げましたような事情で、折り合ったような実は
関係
でございます。しかし、確かに文面解釈といたしまして、ただいまの御意見は、私
ども
も、決してそれで満足しておるわけではありません、よくわかる次第でございまするが、実際におきましてこれでおさまりがつき得ると、現在におきましては、確信のもとに
措置
している次第でございます。
田上松衞
49
○田上
松衞
君 これを見ると、
補助
するものとするとか、
補助
しなければならぬとかいう文句じゃないですね。
補助
することができるものとするという文句が使ってありますね。 それから、同様に今度は、
政令
で定める
地域
以外の場合におけるときですね、これがあってみたり、いろいろ以下ありますが、
市町村長
が勝手に
指定
した
場所
でもと……、ところが不思議なことには、いずれも十分の九ばかりでしょう、なるほど
予算
の
範囲
内でという文句を私
ども
が気を曲げないで、このまますなおに受け取っていきますならば、特に国が
指定
しなかった場合に、
市町村長
が勝手にやったという場合においては、
予算
の
範囲
内において九割を
補助
することができると、ここでうまくごまかしたのじゃないかという気がします。前段の場合においてのときは、今、いろいろ各
委員
からお話がありましたように、国がする場合においては、この場合に
予算
の
範囲
内という文句を置くということは非常におかしい、この点、どう考えられるのですか。 もう一ぺん、繰り返すようですが、「
予算
の
範囲
内」という文句について、何かここにごまかしがあるような気がしてしょうがないのですが、それはそれといたしまして、第二条の二項、
市町村長
がする場合。それから第三条の
湛水
の場合というようなときには、九割を
補助
することができるだけのことであって、
予算
がなかったなら
補助
しなくてもいいということですか、どう解釈したらいいか、これが一点。 次は、私まだ勉強が足りなくて、この点については申しわけないのですが、
政令
で定める
地域
内
——
ことごとくこういう言葉が使ってあるのですが、この
政令
で定められた
地域
内というもの、さらには
政令
で定める
程度
に達する異常に多量の泥土はこうだとか、あるいはそのほかの場合でも、みんな
政令
で定める
程度
に達するという文句が使ってあるのですが、この
政令
で定めた
程度
というのは、どの
程度
のことか、これが二点。 それからもう一点、この場合の、
河川
、道路、公園、
林業用施設
、漁場その他の
施設
」
——
「その他」というのは、たとえばどういうものをさして言うのですか。 以上三点について
質問
をいたします。
関盛吉雄
50
○
政府委員
(
関盛
吉雄君) いろいろ私の方の所管の
堆積土砂
の問題で御
質問
がございましたが、ただいまの「
予算
の
範囲
内」という問題につきましては、
公共土木施設等
の立て方と違ったいわゆる字句が入っておりますことについての御
質問
でございまして、われわれも
堆積土砂
及び排水はもとより、諸般の特別
措置
に関する査定が行なわれました結果、
地方公共団体
に対して、ことに排水排土のごときは、単年度で急速に片づけなければならないので、いささかも、
予算
がそのことによって不足だということで、
復旧
がおくれるということがあっては毛頭ならぬと思っておりますので、御心配の点は、一にそこにかかっておると思うのでございます。
補助
事業
に関しましては、大体最近できました国の立法例は、このような、「
予算
の
範囲
内において、」「
補助
することができる。」という例をとっておるものですから、もう
災害
立法ではなしに、ほかの立法
措置
、
水防
関係
の管理
資材
の問題でありましても、
現行
の母法が、あるいはまた下水道
関係
にいたしましても、そういう立法例をとっておるものですから、精神は結局、
災害
の事態でありますので、現われました
復旧
に要する経費は、必要なものは貸し付けてもらう、こういう形で実質上話をいたしまして、この用字例を結局最終的に取り入れることになったのでございます。従ってその問題につきましては、十分の
措置
を皆さんと一緒に考えて参らなければならぬと思っております。 第二の、ただいまお話になりました第二条の問題につきましての御
質問
でございますが、第二条の第一項と申しますのは、これは、排土
事業
を行ないます
地域
のうちで、この
公共施設等
において堆積した
土砂
で、
負担
法その他
災害
の
復旧事業
として、他の
法令
その他でもって行なう以外の部分に関する公共土木に該当する部分の排土のことをいっております。それから第二項の方は、これはいわゆる
宅地等
に該当する部分の排土
事業
のことをいっておりまして、
建前
といたしまして、第二項の方は、もよりの
場所
に集められた場合を、まあそれから先、
排除
する工事を
補助
するわけでございますが、たとえばそれが
個人
の敷地の中でありましてあるいは管理者がとうていそれを片づけることが困難である、あるいはまた、それを放置しておくことが、
公益
上
支障
があるという場合には、すでに私有地の場合におきましても、市・町村長がその中に入って行きまして排土
事業
を行なうことができると、こういう意味で、この第二項の「
公益
上重大な
支障
がある」という場合について、条文を、排土
事業
を拡張していくという道を開いたわけでございます。そういう意味で御理解を願いたいのでございます。 それから第一条の点につきまして御
質問
がございましたが、これは
堆積土砂
あるいは
湛水
ということにつきまして
指定
をいたします場合に、まず
地域指定
というのが、
政令
で
一つ
ございます。その次には、
堆積土砂
につきましては、「異常に多量の」いわゆる
土砂等
の
指定
、この二つの形になっております。目下、この
地域
の
指定
の
基準
でございますが、
関係
各省と相談をいたしておりますが、土量の点につきましても、ある
程度
まとまった土量、それからまたそれを
排除
いたします場合の
市町村
の財政力等も勘案いたしまして、この
堆積土砂
の排土を行なう
基準
の
地域
の
規定
をいたしたい。それからまた異常の土量につきましても、同様に異常の土量の量を考えると、こういう形で、
政令
事項にそれがなっておるわけでございますが、大体において、
堆積土砂
の量といたしましては、おおむね三万、またはその
堆積土砂
の排土に要する経費が当該
市町村
の法人
税収
入額の一割をこえるような場合におきましては、当該
市町村
を、
堆積土砂
の方から見ますと
激甚地
というふうな形で
指定
をすることができるのじゃないかという見通しをつけております。 なお、それらの細目につきましては、目下協議をいたしております。
田上松衞
51
○田上
松衞
君 それから、「その他の
施設
」は。
関盛吉雄
52
○
政府委員
(
関盛
吉雄君) もう
一つ
抜かしましたが、第二条の「その他の
施設
」と申しますのは、これはたとえば公共水道でありますとか、あるいは都市下水道、そういったようなものを考えております。
内村清次
53
○内村清次君 ただいまのこの
特例法
によりますると、二十八年災のときには、全額国庫
負担
になっておるのですな。ところがこのたびは、まあ十分の九だと、そうすると、これは
予算
の
関係
で、そうなったのか。あるいはその二十八年災の際の何か弊害
関係
があったために、こうなったのか。特にまた、
建設省
の方で、私たちに
委員会
で提出されました問題では、もうおそらく努力事項としては全額国庫
負担
、こういった努力が、一応提出されておるようですが、その間の
予算
折衝の過程で、こういった
法律
になったのは、どういうわけですか。この点を
一つ
説明して下さい。
関盛吉雄
54
○
政府委員
(
関盛
吉雄君)
昭和
二十八年災の場合の
堆積土砂
の立法例と、今回の立法例が特に違っております点につきましては、
補助率
が、まず
一つ
問題であります。 これはただいまお話が出ましたように、二十八年災のときにおきましては、全額ということで排土
事業
が行なわれた。しかも知事が、その
事業
を行なう
機関
として
指定
されたわけでございますが、この
事業
の実施の結果から見ましてやはりいろいろ
検討
された結果、今回のようなことになったのでございます。 事情が違っております点は、
堆積土砂
の
排除
という制度は、あの二十八年災を契機にいたしまして、
予算
でもって、ときどき大きな
地域
に、大きな排土が特定
地域
にたまった場合に実施いたしております。形は、
市町村
の
市町村長
が都市
災害
といたしまして実施をいたしておったのでございます。これは
予算
でもって二分の一の
補助
を行なう場合が、予備金支出等で若干ございました。 従って、今回の
特例
関係
は、その
現行
制度というものを、とにかく拡充いたしまして、そうして
補助率
を高めよう、こういう形で出発することになったのでございまして、当初はやはり二十八年災と同様に、全額でもって行なう折衝をいたしたのでございますが、地方財政のことも、またその議論に出ましたし、また一面におきましては、十分の九というものであれば、ほとんど全額に近いものである。同時に、地方
負担
額につきましては、
災害
救助債を
負担
額について充当いたしましては、そうして元利補給の一部についても、これを見ようという地方財政との
関係
も考慮いたしました結果が、政府の考え方といたしましては、このようなことになったようでございます。
内村清次
55
○内村清次君 で、そういった形で、十分の九になりながら、またさらに、その
予算
の状況によってはと、こういうような
法律
内に字句が載っておるのですから、これがまあ相当、今後実際において、堆積土壌の
排除
をやった場合のときにおいて、
予算
の都合でしぼられやしないか、こういったことが心配になってくるわけですが、この点は、あなたとしては、あるいは政府
機関
として、断じてそういうことはしませんというようなことがはっきり言い切れますか。
関盛吉雄
56
○
政府委員
(
関盛
吉雄君) この
堆積土砂
につきましては、
堆積土砂
の被害を受けました
市町村
はもとより、かなりこの正確と申しますか、被害の
程度
を報告して参ってきております。従って、この
予算
の際におきましても、それを
一つ
の参考といたしまして、従来の実績等も考慮いたしまして、いろいろ
予算
の折衝をいたしたのでございます。 従って、その全体の計数的な観察におきましては、財務当局と、あまり意見の食い違いはなかったのでございまして、今後は、
災害
の査定をいたしまして、そうしてすみやかに支給をいたしますことによってこの「
予算
の
範囲
内」という事柄の意味は、当該年度の
予算
ということであって、もし万一片づかないということのないように、われわれもいたし、また大蔵省も、その気持でおりますので、この案を承認いたしたような次第でございます。
内村清次
57
○内村清次君 そうすると、これはまあ、たとえば今後政府の
政令
で御
指定
になるような
災害
激甚地
関係
ですね、これは
資金
関係
におきましても、特別にこの
激甚地
関係
の分には、「
予算
の
範囲
内」においてこれは完全にやる、あるいは
激甚地
関係
でないでも、
予算
はこうやっておるのだけれ
ども
、「
予算
の
範囲
内」というのが、ひどく当たるということはありませんですか、どうですか。
関盛吉雄
58
○
政府委員
(
関盛
吉雄君) この
法律
の「
予算
の
範囲
内」というのは、「十分の九」の場合のことを特に特別の
措置
として
規定
いたしたわけでございます。排土
事業
につきましては、二分の一の
補助率
で行なう
市町村
の排土
事業
もございますので、これらを含めまして、実質上は、相談をいたしております。従って、この特別立法の対象といたしましては、
激甚地
であります。
激甚地
のおよその
内容
は、大体相談がまとまっておるのでございますが、
政令
の
内容
の表現になりますと、若干もう少し字句の体裁を時間をかけさせてもらえませんと申し上げられませんので、今のようなことで御説明を申し上げておった次第でございます。
内村清次
59
○内村清次君 それから政務次官にちょっとお尋ねしますが、これは、今回のこの
災害関係
が、六号、七号、十四号、十五号を通じまして、まだ未調査ということは適当な言葉じゃないのですが、査定の済んでおらない所がある。この補正
予算
は出ておるけれ
ども
、まだ補正
予算
に加わらないところの
災害地
が残っておるのである。この
災害地
が、
建設省関係
で、一体どれくらいの額が残っておるというような想定をしておられますか。
曽田忠
60
○
政府委員
(曽田忠君) 私からお答え申し上げます。
補助
事業
の問題を先に申し上げますが、
補助
災害
の各府県からの御報告があったのでございますが、大体千三十億ございます。で、これにつきましては、一応緊急査定をやっておりまして、緊急査定を終わりました分につきましては、一部本査定を始めておりますが、大体、現在のところは六〇%
程度
査定が終わっておるようなわけでございます。
内村清次
61
○内村清次君 査定の終わった分は、みな補正
予算
の対象になっておりますか、どうですか。
曽田忠
62
○
政府委員
(曽田忠君) お答えいたします。
予算
の編成時におきましては、大体、過去の査定の率というのがございます。過去三年間なら三年間の平均いたしました査定の率がございます。大ざっぱな推定になっておりますけれ
ども
、過去の査定率を
基準
にいたしまして、
予算
を計上しております。
内村清次
63
○内村清次君 そうすると、これは大蔵大臣も、
予算
委員会
その他で発言しておるようですけれ
ども
、まあ三十五年度の
予算
の中には、これは政府の基本原則としては、応急対策に加える、そのうちでも、
災害
のまだ残っておる分に対して、査定の済んでおらない分に対しては、当然優先的にこの
予算
を組んでいく、これは当然なことでしょうが、そういった形で、いわゆる第二次補正
予算
というものが出るか出ないかという問題が論議されているのですが、あなたの方で四〇%の問題は、第二次補正
予算
のときにやっていくつもりかですね、あるいはまた、本
予算
に組み入れて、
災害
の
復旧事業
をやっていくのか、そういう点は、どういうお考え方ですか。
大沢雄一
64
○
政府委員
(大沢雄一君) ただいま
河川
局次長からお答えを一応申し上げましたが、この本査定を終わりました六〇%だけで
予算
を組みました次第ではございませず、今申し上げましたように、あとに残っておりまする部分につきましては、従来の査定率を
基準
として、その分も一応含んでおりますわけでございます。しかしなお、予備費八十億の中の五十億は、やはり
災害関係
のものとして予備費にありまするので、私
ども
といたしましては、
激甚地
指定
の
基準
もきまりましたが、それを考えましても、現在のこの
予算
で、これから、いつ予期しないような、さらに問題が今後起こりますれば別でございまするが、目下の
状態
におきましては、第二次補正
予算
は、その必要なく処理できるものと考えております次第でございます。
内村清次
65
○内村清次君 そうしますと、この点は、これは将来残る問題として重要ですから承っておきますが、そこで第二次補正
予算
をお組みにならないとすれば、今予備費の問題で何とか片づくのだと、そうすれば、政府の考え方では、従来の例の
通り
三・五・二ではいけない、あるいはもう要求は、これはそれを逆に五・三・二で
復旧
をやってくれ、こうやった強い要望があるのですけれ
ども
、
建設省関係
には、全体どれくらい初年度は
復旧
の率になってきますか。
大沢雄一
66
○
政府委員
(大沢雄一君) 緊要工事につきましては、いわゆる三・五・二の三、これは、もう十分にできることを確信いたしておりまする次第でございます。
内村清次
67
○内村清次君 そうすると、これはまあ
建設省関係
は、三の方はできるとおっしゃるのですけれ
ども
、
災害復旧
としての全般的な問題は、どれくらいですか、
建設省
は連絡はありましょう、
災害
本部とはですね、政府の方針として、どれくらいになりますか。
鬼丸勝之
68
○
政府委員
(
鬼丸勝之
君) 今回の
災害復旧
については、まあいろいろな
施設
がございますので、他の省の
関係
につきましては、今ちょっとここに
資料
も持ち合わせておりませんので、はっきりお答えいたしかねますが、公共土木
施設
関係
につきましては、農林省所管のものであろうと、運輸省所管のものであろうと、大体政務次官から今お答えいたしましたように、初年度三割ということでいっておるというふうに
承知
いたしております。三・五・二の三でいっておる。で、
建設省
所管の今回の
予算
に計上されました土木
施設
関係
は、むしろ三割を上回るように組んであるということでございまして、なお
補助
災害
全体といたしましては、国庫債務
負担
行為を加えて、この
建設省関係
の分だけでございますが、進捗率を二八・五というふうに考えて
予算
を編成されておるわけでございます。
内村清次
69
○内村清次君 これはまあ、衆議院の
予算
委員会
ですけれ
ども
、主計局長が
——
大蔵省の方は二五%ということなのですが、主計局長の方でも、やっぱり二五%と、こういった発言をやっていますね。で、これは、私は今
建設省関係
ばかりの問題よりも、もちろんそれも必要ですが、全体的に、どれくらい初年度に、その率がなっていくかということは、
一つ
政務次官、お打ちあけいただきまして、教えていただきたいと思うのですが、その点を
一つ
。
大沢雄一
70
○
政府委員
(大沢雄一君) 他の省の
関係
も調べましてお答え申し上げることにいたしたいと思います。
田上松衞
71
○田上
松衞
君 それは、
災害
激甚地
の
指定
の該当の府県名、あるいは
市町村
名というようなものは、まだきまっていないのですか。
大沢雄一
72
○
政府委員
(大沢雄一君) まだ正確にはきまっておりません。一応の予想
指定
府県につきましては十六、間違いのなく入るという県が。これは大蔵大臣からも、他の
委員会
でお答えがされておりまするが、なお県につきましても一、二県、そのボーダー・ラインのところの県がありまして、これにつきましては、いろいろ計算が複雑でございますので、その点、まだはっきりいたしませんようでございます。
市町村
につきましても、いろいろと
資料
によりまして、
検討
はいたしておりますが、まだ、これを公表のできる域までには確定をいたしておりませんような状況でございます。
田上松衞
73
○田上
松衞
君 該当の率だけは
——
該当率は、何かプリントがあるのじゃないですか。
曽田忠
74
○
政府委員
(曽田忠君) 今政務次官からお答えいたしましたように、正確な数字は、実は具体的な査定が終わりませんと出ないわけでございまして、一応まあ先ほど申し上げましたように、
予算
におきましては、過去の数年の査定の実績、そういうものを計上してあるわけでございますが、そういう過去の実績から出しまして計算をしました結果によりますと、大体六七%
程度
が
高率
適用を受ける
割合
かと思っております。いろいろ、これも査定が実際終わりませんと、正確な数字はないわけでございまして先ほど該当の府県が、大体十六
程度
ということもございましたが、これも若干ふえるか、あるいは最後的にどういうふうになりますか、いろいろ実際の査定が終りませんと、これは申し上げない方がいいかと思います。
田上松衞
75
○田上
松衞
君 それではいいです。
予算
委員会
では、
委員会
の要求によりまして、大蔵省が十一月十四日に作成した公共土木
施設
特例法
地域指定
基準
該当率という。プリントを出しておるわけなんです。
建設委員会
が、これの本家本元が、こういうものを知らされないということは、ちょっとあれだと思いますので、お差しつかえなければ、その
資料
を
一つ
いただきたいと思います。
岩沢忠恭
76
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) 大沢政務次官、この
激甚地
の
指定
とか、まだ最後の決定にはなっていないようにも聞いておりますが、これができ上がりましたら、今田上
委員
の御発言の
通り
、
一つ
資料
として、当
委員会
に提出願いたいと思います。
大沢雄一
77
○
政府委員
(大沢雄一君)
承知
いたしました。大蔵省の発表したもので差しつかえなければ、こちらの方にも、プリントしまして差し上げたいと思います。
岩沢忠恭
78
○
委員長
(
岩沢忠恭
君) それでは、本日は、これをもって散会いたします。 午後三時二十五分散会