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1959-11-05 第33回国会 参議院 建設委員会 第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十一月五日(木曜日)    午前十時二十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小沢久太郎君            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            武内 五郎君            小平 芳平君            田上 松衞君            村上 義一君            須藤 五郎君   政府委員    自治庁税務局長 後藤田正晴君    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省計画局長 関盛 吉雄君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   説明員    行政管理庁行政    監察局長    原田  正君    建設省道路局次    長       前田 光嘉君   参考人    日本住宅公団総    裁       狭間  茂君    日本住宅公団副    総裁      渡辺喜久造君    日本住宅公団理    事       吉田安三郎君    日本住宅公団理    事       今泉 兼寛君    日本住宅公団理    事       武藤 文雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査の件  (昭和三十四年度建設省関係補正予  算に関する件)  (住宅に関する件) ○参考人出席要求に関する件   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより建設委員会を開会いたします。  昭和三十四年度建設省関係補正予算に関する件を議題といたします。まず建設省当局の御説明を願います。
  3. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) 昭和三十四年度建設省関係補正予算概要につきまして御説明申し上げます。  まず、総額について申し上げますと、追加額二百五億二千五百余万円、修正減少額三十九億三千四百余万円、差引額百六十五億九千余万円、でありまして、これをすでに成立いたしました三十四年度予算額一千五百二十四億二百余万円に加えますると一千六百八十九億九千三百余万円となります。  次にその内容について御説明申し上げます。まず、治山治水関係災害に対する追加額について申し上げますと、直轄河川改修等に一億九百余万円、緊急砂防に九億一千四百余万円、伊勢湾高潮対策に四十七億九百余万円、災害関連事業に六億二千八百余万円、河川等災害復旧に百二十六億余万円と相なっておりますが、このほか災害復旧促進をはかるため、昭和三十五年度において国庫負担となる国庫債務負担行為を、伊勢湾高潮対策について七億円、河川等災害復旧事業について十九億七千五百万円を予定しております。また、昭和三十四年度成立予算予備費中から公共土木災害復旧に対して十一億一千万円を支出することとしまして、今回の補正予算予備費中にもさらに各事業に対して、査定額確定特例法による高率補助区域確定等による増額分を相当額予定いたしております。  次に、その主なる内容について申し上げますと、直轄河川改修につきましては、台風第七号及び第十五号により被災した木曽川上流及び富士川河川改修工事並びに木曽川ほか四河川河川調査を行うものであります。  砂防事業費につきましては、本年の風水害によって生じました山地の崩壊等による被害を防除するため、山梨県、長野県、三重県、奈良県等の特に被害の甚大な地域重点をおきまして、緊急砂防工事実施するものであります。  公共土木施設災害復旧費につきましては、まず、直轄河川については、木曽川富士川、千曲川及び鬼怒川等復旧促進重点を置きまして二カ年間で復旧することを目途として、本年度におきましては、平均五五%程度復旧を行うこととし、補助災害につきましては、緊要工事は、本年度においては少くとも三〇%程度復旧をはかることとし、これを三カ年で完了する方針のもとに、その促進をはかることにいたしております。  また、これらの事業実施にあたりましては、必要あるものについては災害関連事業費を加え、できる限り改良的復旧に努めたいと存じております。  次に、今次台風第十五号により、特に甚大な被害を受けました伊勢湾等海岸堤防及びこれに接続する河川復旧につきましては、これを重点的に行いまするため伊勢湾高潮対策事業費を計上し、明年台風期までには少くとも原形の規模復旧する所在でございます。  なお、全体計画といたしましては、災害復旧工事改良工事をあわせ行ない根本的に高潮防除対策を講ずる方針であります。これらのうち重度地域については、補助事業についても国が受託して施行することとし、これに関連して中部地方建設局海岸部を設けるとともに、二百名の人員増加を行ない、必要な人件費事務費等として、四千七百余万円を計上しております。  なお、以上申し上げました公共土木施設災害復旧事業及び災害関連事業並びに伊勢湾等高潮対策事業については、立法措置を講じて特例を設け、国の補助率負担率を引き上げることといたしております。  次に、直轄道路関係災害復旧費について申し上げます。八月における集中豪雨及び九月における台風第十五号により被災した一級国道直轄災害復旧工事について、本年度中に支出予定される経費は一億六千万円でありますが、そのうち三千万円は昭和三十四年度成立予算中の予備費より支出することといたしておりますので、補正予算としては一億三千万円を計上しております。  次に、都市災害関係復旧事業費について御説明申し上げます。今回の補正予算により追加される都市災害関係経費は、都市災害復旧事業に二千余万円、風水害対策費に二千二百余万円、計四千二百余万円でありまして、都市災害復旧事業としては、被災都市都市下水路、街路、公園等復旧事業補助を行ない、風水害対策費は、被災都市緊急排水に要する経費について、地方公共団体等補助するものであります。  なお、排土事業公共下水道施設等復旧事業につきましては、現地査定を急速に実施した上、補正予算予備費から支出することにいたしております。  また、台風第十五号等による被害状況にかんがみ、排土事業及び排水事業につきましては、国の補助等について特別に考慮する必要があると考えられますのて別途立法措置を講ずることといたしております。  次に、住宅関係災害復旧費について申し上げます。このたびの台風第十五号による住宅関係被害激甚でありまして、住宅滅失したもの約三万九千戸、住宅の半壊したもの約十万五千戸に達しております。   これが復旧対策といたしましては、公営住宅建設住宅金融公庫による災害復興住宅融資措置請ずる所存であります。  まず、公営住宅建設につきましては、十二億一千九百余万円を計上しておりますが、これは、復旧のための建設予定戸数九千四十八戸のうち、既定経費により建設する二百戸を除き、昭和三十四年度建設する五千二百二十九戸の建設費及び既設公営住宅補修費に対して補助するに要する経費であります。  なお、公営住宅建設及び補修につきましては特例法を定め、特に被害の激しい地域につきましては、国の補助対象戸数滅失戸数に対する割合を引き上げるとともに、国の補助率も引き上げることといたしております。  また、滅失又は損傷した公営住宅の再建設及び補修につきましても、特例法により補助率を引き上げることといたしております。  なお、公営住宅建設にあたりましては、特に今次災害の経験にかんがみ堅牢な構造の住宅戸数増加をはかりました。  次に住宅金融公庫災害復興住宅融資につきましては、公庫に対して政府低利資金四十億円の融資を行ない、これに自己資金九億円を加えて計四十九億円をもって、災害復興住宅建設一万戸、補修六万五千戸に要する資金の貸付を行なうことといたしております。  次に、建設機械整備費について申し上げます。建設機械災害復旧に要する経費として一千百余万円を計上しておりますが、これは台風第十五号により被害を受けた浚渫船及び建設機械等の修理に要する経費であります。  次に、水防資材関係経費について申し上げます。水防資材緊急整備費として九千万円を計上しておりますが、これは水防管理団体等が、水防活動に使用した資材に要した経費に対して補助を行なうものであります。なお、被害の甚大であった地域については補助率を例年の率より引き上げることといたしております。  その他、災害に伴う事務費として一千八百余万円を計上しておりますが、これは災害復旧事業に伴う職員超過勤務手当職員旅費等であります。  以上が追加額概要でありますが、次に今回の補正予算による建設省関係既定予算修正減額について御説明申し上げます。  今回の補正予算により経費減額いたしますものは、建設省関係としては、総理府所管から当省へ移しかえて使用する北海道開発庁関係経費減額分も加えて、治山治水関係七億六千八百余万円、都市施設関係二千八百余万円、一般会計から道路整備特別会計へ繰り入れる経費二十七億三千余万円、公営住宅施設費関係二億一千八百余万円、官庁営繕費二億五千五百余万円、計四十億余万円でありますが、以上のうち道路整備特別会計へ繰り入れる経費減額分のうち十五億円については、揮発油税収見込額が当初見積より減少することに伴うものであり、それ以外のものについては、用地買収等の遅延により、工事進捗予定より遅れて翌年度へ繰り越すことが予想されているもの、被災地事業災害のため予定計画が実行できないもの等について、事業実施を後年度繰り延べることといたしたものでありまして、事業の執行上特に不都合はないものと存じております。なお、このほか当省関係のものとして、道路公団への政府融資計画額を十五億円減額することといたしております。  以上をもちまして昭和三十四年度建設省関係補正予算説明を終わりますが、よろしく御審議のほどをお願い申し上げます。
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) これより質疑に入ります。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  5. 田中一

    田中一君 この減額部分については、いろいろ苦心されて割愛されたものがあると思うのですが、道路公団が十五億、住宅公団は御承知のように用地費等繰り延べられる見込みのものはない、という推定減額をしなかったのですか。
  6. 稗田治

    政府委員稗田治君) 住宅公団事業計画につきましては、それぞれ年度内事業が着手されるような段階になっておりますので、今ここで計画を変更するということは、事業進捗度に非常に影響を与えますので考えなかったわけでございます。
  7. 田中一

    田中一君 そうすると、こういう工合に承知してよろしゅうございますね。  住宅公団宅地造成関係する予算は、全部買収その他が年度内に行われるから従ってその分は割愛できなかった、こういうのですね。三十四年度計画年度内に全部、まあしいて言えば資金の支払いが行われるからこれは割愛できない、こういうように理解してよいのですか。
  8. 関盛吉雄

    政府委員関盛吉雄君) 宅地造成につきましては、区画整理等でいろいろ事業実施計画進行途上で問題のある点もございますが、できるだけ当初計画を達成する方針のもとに進めるということで、今回の削減対象にはいたさなかったのでございます。
  9. 田中一

    田中一君 これは推定見込みでしょうから、あるいは従来ありますように、住宅公団が百億近い繰り延べをした例があるのです。繰り越しをした例もあるのです。私は今までの住宅公団実績からいって、そのように従来の運営と申しますか、宅地造成に対する事業というものがそうスムーズに進行してないという実態からみても、そういう推定が間違い——間違いよりも安易に考え過ぎているのではないかというような気持から申し上げているのですが、それは大体間違いないという見込みなんですね。
  10. 関盛吉雄

    政府委員関盛吉雄君) 区画整理方式によりまする宅地造成等は、公共事業につきましても、あるいは今の公団方式によります公団事業実施いたしますものにつきましても、田中先生のおっしゃる通りに、現実にはかなりの工事の難点があるわけでございますが、できるだけ当初計画を実行いたして進めていった上での実績は若干の繰り越しを残しております。しかし今回は宅地はやはり住宅建設に先行して進めていかなければなりませんので、今回の削減措置は講じてもらわないようにお願いした、こういうわけでございます。
  11. 田中一

    田中一君 それから道路公団の十五億は大体どこが該当するようになっているのですか。——道路局長見えないな。
  12. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 道路局長見えておりませんか。
  13. 田中一

    田中一君 でなければ監理官でもいい。ほんとうを言うと局長来てくれないと困るんだがな。
  14. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 官房長どうですか。
  15. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 道路公団有料道路事業につきましては、御案内のように、かねて相当の繰り越しをいたしておりまして、特に用地関係で延びております。まあ名神関係におきましてもなお多少の繰り越しが出るのではないかということで、十五億程度は間違いなく——間違いなくと言うと語弊がありますけれども、出そうだという判断で節約をいたしたような次第でございます。
  16. 田中一

    田中一君 大体どこですか。名神国道……。
  17. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) まあ名神国道がおもだと存じておりますが……。
  18. 田中一

    田中一君 道路局長これから来ますか。
  19. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) 今呼んです。
  20. 田中一

    田中一君 それじゃこの問題はあと回わしにして、もう少し詳しくしたいと思います。それから北海道開発庁関係の仕事、これをカットしたということは、どこのをどれくらいやったのですか。事業としてやったのか。事業が減ればやっぱり人件費にも影響があると思うのですが、それはどういう工合に北海道開発に関する問題を扱っているか。
  21. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 北海道開発庁建設省に移しかえて計上されておりまする、移しかえ分の事業費でございますが、六千六百二十万円、これはやはり用地問題等がおもで、繰り越されるということが明らかに予測されるものを、今回節約することにいたしたわけでございます。
  22. 田中一

    田中一君 これは事業費ですか。この国庫負担がどのぐらいになっておりますか、国の分は。事業費ですか。
  23. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 事業費でございます。
  24. 田中一

    田中一君 全部国庫負担ですね。
  25. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) はあ。事業費でございますから、一般人員等の定員ないし職員等には影響しないわけでございます。
  26. 田中一

    田中一君 揮発油税見込み額が当初見積りより減少することに伴うもの、これをもう少し詳しく。これも道路局長に聞きましょうかね。  それから国庫債務負担行為、これは総額幾らになっているんです。この七億と十九億七千五百万円と両方ですか。
  27. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) そうです。
  28. 田中一

    田中一君 この二つ合わせたものですね。
  29. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) そうです。
  30. 田中一

    田中一君 そうすると、ここに直轄河川改修費等、これはまあ今説明あったように木曽その他の調査に使う金だ。それから大体この伊勢湾高潮、これは七億はわかりますけれども、十九億七千万の河川等災害復旧費国庫債務負担行為は、どこに該当するものという見込みで計上されているんですか。これは山本君に聞きますが。
  31. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これは補正予算に組んでいる額と、予備費支出しておりますすでに支出したものと、今後予備費支出されるものを合計いたしますと、平均二五%、緊要工事は三〇%でございますが、それだけの事業ができる。しかしたとえば山梨長野等の地区におきまして、非常に災害の早い時期に参った所がございます。従って激甚地域におきまして、平均率よりもさらによけいやりたいという所があるのでございまして、それらについては国が来年度におきまして支出を約束をいたしまして、今年度中に着工してもらおう、こういうことでございまして、主として早い時期に参りました激甚地域を考えております。
  32. 田中一

    田中一君 そうすると、大体においてこういう理解でいいんでしょうかね。今度の減額分というものが、減額をしながら国庫債務負担行為というものを見ているということは、そのほかに、ここに現われていない、説明されていない、ほかに、予備費支出というものが相当あった。三十四年度予算上の予備費支出というものが、これはむろん計上されておらぬのですが、これが含まれると実際の三十四年度事業というものは、どういうプラスマイナスになるのですか。言いかえれば、ここに説明した各項目別に見まして、予備費支出はどのくらいであったかということ。三十四年度予備費支出というものはどのくらいであったか。それはもちろん災害復旧としての予備費であろうけれども、通常年度別事業にも関連しているかどうか。たとえば三十四年度河川改修をしようと思った所に災害が来る場合もあるわけですね。そういう場合には、三十四年度災害というものは一ぺん消えてしまってゼロになっても、災害復旧予算を組めば一応これで間に合う、そういう計画があるのではないか。そういう所がどこにどうあって、結局河川改修としてはプラスマイナスどうなっておるのかということを聞きたいのです。
  33. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) それでは、河川関係減少額と申しますか、そういう点が具体的にどういう所を考えておるかということをまず御説明申し上げまして、それらに災害なり災害関連が置きかわっていく状況を御説明したいと思います。  お手元に差し上げました資料のうち、節減額のうちで、治山治水の七億六千八百十四万円の次に、河水等一億一千八百万円という数字がございます。これは河川海岸を含んでおるわけでございまして、このうち河川が六千七百五十万円でございまして、この分は木曽川の下流、今回非常なる高潮災害を受けました分の、従来改修費を入れようと思っておった所が今回やられたわけであります。それで今度災害復旧災害関連に置きかわるものですから、その分の改修費はことしは要らないわけでございます。それを節減いたしております。  それから補助事業等におきましても、たとえば海岸に接続いたしまする日光川という川がございまするが、あれにつきまして水門工事をやっておったわけでございますが、これも非常に災害のために工事はことしはできない、あるいは水門災害に置きかえてやるというようなことも考えられますので、その分の節減というようなものを考えておるわけでございます。従いまして、河川節減の六千七百五十万というのは、今回の災害なり災害関連で置きかわるものでございますから、その分は不用といいますか、ほかに回せば使えるわけでございますけれども、そういう趣旨のものでございます。  次が海岸で二千八百万円予定しておりますが、これも同趣旨のものでございまして、海部海岸という所がございますが、これを本年度改良工事をやっておったわけでございますが、それが中途で災害を受けたわけでございまして、今後は災害災害関連事業実施するわけでございまして、今までやりました分は不用額にはなりませんけれども、まだ使わなかった分を節減しようということに相なっておるわけでございます。海部海岸あるいは三重県の海岸局部改良事業等によりまして、災害あるいは災害関連に置きかわった分でございます。そういうふうな状況でございます。  それからダムはちょっと話が違いますけれども、四番目に砂防というのがございますが、三千九百五十六万円節減しておりますが、これはやはり同様な趣旨でございまして、主として山梨県、三重県、長野県、和歌山県等におきまして、今度の災害によりまして、ことしやるべき所になっておりましたけれども、緊急砂防実施する区域になったということで、緊急砂防の先ほど御説明がありました七億数千万円の事業ができるわけでございます。国費で七億数千万円でございます。その事業が今度やることになりましたので、その分につきました従来の砂防費返上して置きかえたということでございます。  大体災害改修費との関係はそういうことでございますが、ダムは別の事情でございまして、六億一千五十八万円ということになっておりますが、これは主として用地費等関係で、本年度未解決になりそうだというような意味から繰り延べ減少をいたしておるわけでございまして、当然これは来年度解決いたします見通しのものが多いわけでございますから、その分は来年度追加要求をしようということに考えております。
  34. 田中一

    田中一君 ダムの場所は大体どこですか。
  35. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 大きいのは直轄では天ヶ瀬ダム、岐阜県の横山ダムというのがおもなものでございます。それから補助事業といたしましては、広島県と山口県の境にあります小瀬川、富山県の井田川等がおもなものでございます。
  36. 田中一

    田中一君 今、河川局長説明したような説明を、自分の所管修正減少額について各局長からしていただきたい。それから今の二千八百万というのは、海岸のやつは都市ですね、横須賀へいって……海部海岸……。
  37. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これは海岸堤防工事でございますから、私どもの所管になっております。
  38. 関盛吉雄

    政府委員関盛吉雄君) 計画局関係削減概要について申し上げますが、都市関係では二千八百万円ということになっておりますが、これは下水道公園及び都市災害関連事業、この三つにわたっておりますが、下水道関係では約二千三百万円でありまして、これはやはりこの災害地地域に行なわれます下水道事業の本年度実施困難になった事業と、それからその他本年度実施がおくれるということの確実なものを計上いたしております。なお、公園につきましては、国営公園及び公園事業補助を含めまして五百万程度でございますが、それぞれ小さな規模のものではございますけれども、本年度川地等関係で、これだけは繰り越しになるかもしれない、こういう見通しでございます。なお、災害関連事業といたしまして六十二万ほどございますが、これは不用額にさせなければならないと思っておったものでございます。
  39. 稗田治

    政府委員稗田治君) 公営住宅関係節約額の二億一千八百万円につきましては、一つは、昨年の暮に奄美大島で火災がございまして、災害公営住宅としまして百六十戸の建設の割当を行なったのでございますが、六十戸の建設を終りまして、百戸は罹災者が切ってしまいまして不必要になったというので、百戸の返上がある予定でございます。そのほか罹災地におきまして、本年度内にどうしても着手不可能になりましたものが七百戸程度あるわけでございます。あと百戸ほどは、これは中間監査におきまして、各事業主体のところで本年度着手不可能かどうかというのを調べたものの中に、これは全国各地でございますけれども、百戸ほどがぼつぼつ出ておるわけでございます。合わせまして全体で約九百戸弱の戸数を本年度内に着手不可能というよう見て、ここに節約をいたしたわけでございます。
  40. 田中一

    田中一君 初めの方の百戸は、奄美大島で人が離散しちゃったから要らなくなった、これはわかります。あとの百戸、これは、割り当てたところが返上になったという百戸ですか。で、七百戸いうのは、ちょっと聞き取れなかったんですが……。
  41. 稗田治

    政府委員稗田治君) 七百戸程度は、今回の十五号台風の最も被害のはなはだしかった愛知、三重等におきまして、年度内災害公営住宅建設をいたさなければなりませんので、七百戸程度、どうしても用地等関係から、本年度内に着手が不可能だということになる戸数でございます。  それから、あとの百戸程度につきましては、これは、全国各地進捗程度を監査いたしたわけでございますが、年度内にどうしても着手不可能だという見込みでございまして、返上してくるわけではございませんけれども、これは繰り延べということで、百戸ほど節約をいたしたわけでございます。
  42. 田中一

    田中一君 うまいこと言うけれども、結局返上じゃないか……。  で、七百戸の、災害地であるから、そのために特別立法で振りかえになるということ、これはいいです。——百戸ですね、これは、木造ですか、耐火建築ですか。
  43. 稗田治

    政府委員稗田治君) ただいま申し上げました大部分は、木造が主でございます。ただ、奄美大島……。
  44. 田中一

    田中一君 これはいいです、奄美大島は……。
  45. 稗田治

    政府委員稗田治君) 耐火のものもございます。それから、若干、不良住宅地区改良事業関係で、一棟ほどは鉄筋のアパートが、話がうまくまとまらないというもので、着手不可能のものがあるかと思います。
  46. 田中一

    田中一君 従来とも、一応、予算が通って公営住宅の配分をやりますね。大体、十二月ごろまでに着手不可能のものは不可能だと言ってくると、建設省住宅局としては、もっとほしいというところに振り向けるということはずっとやっておりましたね、今まで。——私は、住宅だけはなんといっても、絶対量が足りないんだから、七百戸の振りかえ、それから奄美大島のは別としても、奄美大島の分も、百戸百戸の分も、これは、どこかへ振り向けるという、希望地方がなかったんですか。
  47. 稗田治

    政府委員稗田治君) 住宅の絶対不足戸数が莫大な量でございますので、事業主体としましては、毎年、大都市等におきまして、なお要望の強い向きはたくさんございます。従いまして、そういう割り当ての変更はできる——節約をしなければ、できるわけでございますけれども、事業の実際の速度から考えまして、やはり繰り延べしても、同様な効果になるんではないかというふうに考えたわけでございます。
  48. 田中一

    田中一君 繰り延べすれば、来年三十五年度予算の場合に、一応きめたもののほかにプラス・アルファとして九百戸というものが計上される、プラスされるという見込みでやっておるのでしょうかね。
  49. 稗田治

    政府委員稗田治君) できるだけ、そういうようにしたいと思います。
  50. 田中一

    田中一君 官庁営繕の方は……。
  51. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 官庁営繕の節約は二億五千五百二十八万八千円でございますが、これの内訳は、大手町の合同庁舎の新営費から一億五千万円、それから大蔵省本省の施設整備費から三千三百万円、これは耐弾構造を取りはがすという工事だそうでございますが、まあ急ぎませんので、節約する。もう一つは、ユネスコの国内委員会庁舎の新営費というのが千九百万円でございます。もう一つございまして、これは国立国際会館の設計委託費五千万円、以上で二億五千五百万円余の節約になっております。
  52. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかにだれか、御質疑ありませんか。
  53. 田上松衞

    ○田上松衞君 今の公営住宅関係で、さっき田中さんからお話が出たのですが、奄美大島の百戸分、あるいはその次の本年度着手不可能だと見られる中間監査の結果で繰り延べになる百戸、こういうようなものを、ともかく今局長のお話の中にも、非常に要求しておる地方があるのだというようなことですが、これは、大ざっぱに考えて見ますと、とにかくこの関係は、建設省と大蔵省とだけの何か妥協の上で、何か今回の経費のひねり出しの上にしわ寄せを食った、これだけのことに終るのじゃないかと思います。概念的にいって。  そこで、こういうようなことは、まあ建設大臣と大蔵大臣との間における、何といいますか、押しの関係から、なっちゃったというようなことじゃないか、国民には、そういうような感じを強く与えておりますが、これはもっと、何か少し納得できるような説明はできないですか、どうなんですか。
  54. 稗田治

    政府委員稗田治君) われわれといたしましては、今次の十五号台風住宅災害が非常に莫大なことでございましたので、この罹災地に対する施策は、十分な手当をしなければならない、それを最重点に考えたというわけでございます。この二億一千八百万円の節約につきましても、これは最小限度にとどめたわけでございます。
  55. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 ちょっと私聞いておきたいのですが、奄美大島の古仁屋の火事の跡の問題でしょう。この百戸着手不可能になっておるというのは、古仁屋ですね。その予定していて、百戸着手不可能になっておるという原因は何ですか。私、ちょっと不思議に思うのですが。
  56. 稗田治

    政府委員稗田治君) 奄美大島の件につきましては、百六十戸の建設当初予定があったわけでございます。百六十戸の割当をしておったのでございますが、六十戸の建設をいたしまして罹災者を収容したわけでございますが、御承知のように、災害公営住宅というのは、罹災者でなければ正当な入居者にはならないわけでございます。それで、建設の速度の関係もございますけれども、往々にして長くかかっておりますと、罹災者が、それぞれ住居をどこかに見つけまして、需要として出てこなくなってしまうことがあるわけでございます。
  57. 田上松衞

    ○田上松衞君 いよいよわからなくなってしまうのですがね。奄美大島の人々が、とにかく百六十戸必要だった。それで、六十戸はしたが、百戸分は散ったからということでございますが、その人々は、日本にいないのですか、外国にでも行っちゃったのですか、どうなんです。どこかにそれが行っておるはずです。ただ散ったからというだけでは、私がさっき申し上げましたような、大蔵省との関係において、無理にここにしわ寄せを食ってしまった、それだけに終わるんじゃないですか。どう考えてみても、その点が、合点がいかない。
  58. 須藤五郎

    ○須藤五郎君 関連して。  私は、古仁屋に行ってきましたので、知っているのです。ああいう条件の中で、百六十戸要るものが百戸分要らなくなってしまった、そういうような条件は、どうして出てくるか、ちょっと不思議です。何かそこには、あなたの方の方針に無理な点があって、どうしても、資源がそこに入り切れぬような条件ができたんじゃないかという疑いを持つわけです。
  59. 稗田治

    政府委員稗田治君) 奄美大島の百戸の分につきましては、これは別段建設省の方から、百戸返上するようにというような無理じいをした点は全然ないわけでございます。百戸不要になるからという連絡があったわけでございます。  御承知のように、災害の場合に、住宅施策といたしましては、建設省関係では、公営住宅建設と、住宅金融公庫災害復興住宅資金の貸付とがございます。災害復興住宅資金の貸付は、これは、別にワク等は設けてございません。災害公営住宅につきましては、三割の限度までと、こういうことになっておるわけでございます。  なお、厚生省関係の応急仮設住宅建設というのが行なわれるわけでございます。これはもちろん、仮設住宅でございますので、われわれとしましては、住宅の恒久復旧対策には数えてないわけでございますけれども、耐用年限は、二年以上ということに相なっておるわけでございます。二年間これは家賃もとらない住宅でございますので、そういうような仮設住宅に入った罹災者等につきましては、なかなか家賃を払う公営住宅の方に入るという希望が出てこないというような面も、若干あるかと思います。いずれにいたしましても、無理じいに百戸を取り上げたということではないわけでございます。
  60. 田上松衞

    ○田上松衞君 ちょっと、今の説明の中で伺うことがあるのですが、この場合の一戸分の建設費は、どのくらいですか。
  61. 稗田治

    政府委員稗田治君) 奄美大島の簡易耐火構造の平家建の第二種でございますが、若干地域差がございますので、正確な数字は、ただいま承知しておりませんけれども、三十五万七千円程度ではないかと存じます。
  62. 田中一

    田中一君 道路局長、今の修正減少額の内訳ですね、資料に出ておりますけれども、あなたの方の道路公団の十五億、それから揮発油税収見込額が当初見込額より減少するということですね、この二つについての説明を聞かしていただきたい。
  63. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 道路の方は、御承知のように、緊急措置法によって整備を一年でも早く進めなければならないので、本年度予算によりましても、鋭意工事を進めているところでございます。  しかしながら、今次の災害の重大性にかんがみまして、道路の方におきましても、無理のない範囲において、できるだけ一つ財源を節約いたしまして、財源を出すように考えておる次第でございます。そこで、無理のない程度というのはどのくらいであるかということでございますが、数字といたしましては、御承知のように、二十七億三千万という数字を出したのでございますが、この根拠といたしましては、今年度予算のうち、御承知のように、ガソリン税の収入が、ガソリン税額の変更に伴いまして、当初の予算が御決定になりました当時から比べまして、若干数字に狂いがあるわけであります。これは、当初は約四十億近くそこに狂いがあるものという見通しを持っておったわけでございますが、その後、年度の進行に伴いまして、こまかく計算をいたし、推算をいたしますというと、十五億ほどのものが、この予定のいわば穴になるのではないかという、ただいま見通しでございます。従いまして、本来ならば、そのガソリン税の十五億の穴に対しまして、一般財源から、それを埋めていただいて、予定事業実施するはずでございますが、まあこうした財源の大事なときでもございますし、ガソリン税の穴になっている分は、これは、今年度の一つやりくりで、財源をさらに御心配願うということは、この際考え直そうというふうに考えておる次第でございます。  それから、そのほか公共事業公団事業——公共事業につきましては、これは、できるだけ進めたいのでございますが、たとえば用地交渉等の進捗が、必ずしも予定通り行っておらない、今後数カ月間に、さらに交渉を続けますが、あるいは繰り越しというようなことになるかもしれないと思われる非常に川地交渉等でむずかしいもの、それからまた、被災地におきまして、今回の災害に伴いまして、事業計画の変更を要するもの、具体的に申しますというと、名四国道の工事でございますが、ああいうふうに計画の変更を要するもの、それからまた、災害等のために府県におきまして事業実施が困難という事情になりまして、一部返上ということを考えているようなもの、そういうふうに無理なく調達できる分を合わせまして二十七億という数字を出したわけでございます。
  64. 田中一

    田中一君 それでは一つ、概算でいいから、おもなものガソリン税収の修正によって収入減となった十五億、これはいいですが、そのほかに名四国道がどのくらいあるか、それから災害に振りかえるものとかいうものを、ちょっと説明して下さい。
  65. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 各事業におきます節約内容は、ガソリン税の分を合わせまして、道路公団で約二十億ほど節約していこうかと考えております。そのほか先ほど申しましたようなものでございますが、名四国道で約二億ほど、それから三重県、愛知県、岐阜県こうした被災額の中でも激しい県で補助事業で合計いたしまして一億四千万ほどの……。
  66. 田中一

    田中一君 それは事業費ですか、国庫負担ですか。
  67. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 国費でございます。そういう内容でございます。一億四千万ほど。これは道路局の道路予算で申し上げましたが、それからなお同様の趣旨計画局関係にもございますし、北海道にも若干ございます。
  68. 田中一

    田中一君 そうすると三重、愛知、岐阜の分は災害地に関連するものは災害で見ている、一億四千万の費用で振りかえていくということになるのですか。災害地に接続する名四国道は、これはやはり今の状態ではできないからやめる、名四国道は。ほかのものは、愛知、三重、岐阜の被害甚大な県というのは、その中の一億四千万というものは、たとえば一号国道のような、ああいう所は災害特例法でそれをのっけてくるということなんですか。それはもう一号国道には今回の修正減少しようというものの中に入っておらないのですか、入っておるのですか、改修なら改修という形でもって。それが全然なくて、あれは災害復旧だと、——この三県の分は県下のどこの分なのですか。僕の言っているのはこういうことなんです、一億四千万の減少ということは、どの部分をさしているのかということなのです。
  69. 前田光嘉

    説明員(前田光嘉君) 今減少分につきましては、地元の県で場所を一応検討いたしております。具体的にまだきまっておりませんけれども、たとえば桑名市内における国道の改修その他、あるいは名古屋市における改修その他につきましては、災害地でありますので、直ちに従来の計画による改修計画実施できないものを計算いたしまして、ざっと一億四千万を減少いたしました。今おっしゃった災害復旧とは全然別でございます。
  70. 田中一

    田中一君 できないと言うところが……やはり桑名市の市内でも行ってみれば相当ひどいのです。これは計画局でやっておるのかどうか知らなぬけれども、そのままうっちゃっておいていいということにはならないのです。実際たとえばちょっと水が入れば、国道の大部分はすっかり冠水して、くるぶしの上まで水が来るのです、雨が降ると。それは、そういうものはしないのだということではないと思うのです。これは街路事業としてやっておるのか知らぬけれども、私が言っているのは一億四千万の節約というものが、三県の今度の災害に直接関係のある地区ということなのか、県下の災害関係ないものを節減しようとするのか、そこのところを明確にしてくれと言っているのです。説明してくれと言っているのです。要するに災害の分なら、災害に該当する道路なら、それは災害復旧でやればいいのだということなのです。そうすると、この予算を削っても新しく追加予算で見るところの分で振りかえられるということになるのだけれども、どこの地点のものをさしているのかということを聞いているのです。
  71. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) それはいろいろ……。
  72. 田中一

    田中一君 いろいろあるだろうけれども、そうすると道路整備というものの目的は、こっちに災害があったから全部やめていいというものではないのです。われわれは道路整備というものは何にも優先してやろうじゃないかということで各般の立法措置をとっているのです。そうでしょう。あの災害が起きたから、他の方で重要な道路整備をしなければならんという部分を削ろうという考え方は困るのです。もしも道路局がそういう考えを持っているならば、今度は何も道路に対する予算にこんなに熱を入れて働く必要はない。ほかに持っていってもいいと思うのです。そういうことじゃ困る。だからこれは、本年度はどうしてもできないものがあっても、それはいいのです。被災したところの道路ならば、これは今度の追加予算の方で新規に振り替えましたから、支障ございませんということなら支障ございませんと答弁してほしいのです。
  73. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) この内容はいろいろございますが、名四は先ほど申しましたように計画を変えなければならない。それからほかの方にもそういうものもやはりあるのでございます。今次の災害にかんがみまして、計画をもう少し考えたらいいというものもございます。それから災害とのかみ合いにおいて、これは災害の方の確定するのを待って、さらに改良を加えるなり何なりしてやっていった方がいいというものもございますし、実はまだこまかい箇所については県の意向によりまして保留してございますが、私どもとしてはさらに今検討しているところで、ちょっと個々について申し上げることはできませんですが、そういうようないろいろなものを含んでおりますが、御指摘のように道路の方は緊急措置法によって推進することになっておりますので、意味なくブレーキをかけるというようなものは一つもございません。
  74. 田中一

    田中一君 今とりあえずできないものを除くほかは既定方針通りやるということでいいのです、そういう答弁をもらえれば。そうなんですね。できないものはしょうがない。計画変更はしょうがない。しかしながらほかの緊急整備の目的の分は、全部、被災県の三県ともにやるのだということなんですね。
  75. 田上松衞

    ○田上松衞君 ちょっと説明のところで聞き落としたのですが、小さな金額ですが、災害関連の六十二万二千円ですか、これの不用というあれをもう少こし御説明願いたい。
  76. 関盛吉雄

    政府委員関盛吉雄君) 都市災害関連事業削減の件でございますが、これは都市災害事業の関連事業をやっておりまして、設計を立てまして補助金の交付決定をいたしました結果、執行残が残ることにはっきりいたしましたので、すべてそれを不用ということで申し上げたのでございます。執行残として予算実施上当然不用に立てるべきものとはっきりきまったもの、従って今回の削減のときにこれを削減ということにいたしたのであります。
  77. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 補正予算についての御質疑ございませんか。
  78. 米田正文

    ○米田正文君 今度の水害で特に桑名等では建設省職員が死亡しましたね。四名か公務執行中に死亡しましたね。ああいう死亡に対する給付金の特別の措置は考えておりますか。
  79. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 今回の災害で六名死亡いたしまして殉職者が五名だったと思います。一名は殉職でなかったと思いますが、この犠牲者の遺家族に対しましてはできるだけ手厚い処遇をいたしたいということで、共済制度におきまして給付金をフルに活用いたしまして交付の手続を進めております。と同時にこれは犠牲者を含めまして、地方建設局の被災者全体に対しまして、建設省職員一同で約百万円の見舞金を贈りました。そのほか救援物資も相当量すでに送りまして被災者を見舞っております。なお犠牲者の方には特に叙勲の措置を講じまして、最近確認された一名だけは現在申請中でございますので、そのほかの方はすでに勲章の伝達をいたしております。そういう状況でございます。
  80. 米田正文

    ○米田正文君 これは公務員の士気に関する問題でもあるし、それから建設省のみならず各省にも名古屋等においてはあると思うのです。この前の二十八年のときにはこれらに対する特別法を作ったと思うのです。その点についてどういう打ち合わせをやっておりますか。
  81. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 二十八災の場合特例があったことは事実でございますが、それと同様の特例措置を講ずることにつきましてはまだ実は進んでおりません。
  82. 米田正文

    ○米田正文君 これは建設省で一つ発動して、この前と同じ程度は少なくとも特例法をこしらえて、それらの給付金について遺憾のないようにやっていただきたい。今のいろいろの措置建設省だけとしてやっておることについては、これはけっこうですけれども、もう一般問題で公務員の公務死亡に対する措置ですから、一般的に特別な措置特例法で講ずる必要があると思うのです。その点を一つ建設省も発動の側に立ってもらいたいということを希望しておきます。  それからきょうの報告の中で木曽川ほか四河川河川調査をやっておるというのですが、四河川というのはどこですか。
  83. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 木曽川は揖斐川も含めて木曽川が入っております。今考えておりますのは木曽川、円山川、千曲川、紀ノ川、それから問題になります九頭龍川の上流につきましては、既定予算で流用いたしましてやろうというふうに考えております。
  84. 米田正文

    ○米田正文君 それから由良川は……
  85. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 由良川につきましては、下流部分をやってくれという非常に要望がございますので、これは来年度に考えようということで今考えております。
  86. 米田正文

    ○米田正文君 あそこも今度は非常にはんらんして、二回目で今年度福知山付近それから下流一帯非常なはんらんをした所で、ほかの地区でそういう被害を受けた所の調査をするならば、あの辺も特別な調査をするべきものだと私は思うのだが、まあそれは来年度早早からやってもいいと思うのですが、今度の水害の直轄河川のうちで必要なものをよく洗い出して十分調査をやるように、遺憾のないようにしてもらいたい。  それからもう一つ、今度の石炭離職者対策が出ておって、あの中に緊急就労事業をやることになっておる。それについて建設省の関連の事業は何を含んでおりますか。建設省との打ち合わせはあの中にないのですか。
  87. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 石炭離職者対策といたしましての緊急就労事業につきましては、ことしの夏ごろから労働省ともいろいろ打ち合わせしておりましたが、建設省所管公共事業として実施することは、いろいろまあ向うの労務者の吸収率その他から申しましても相当無理がある、また逆に公共事業の箇所を新たにふやすことも、既定計画内にはなかなか難色がある点もございますから、特に道路等の場合は問題がございますので、労働省独自の考えで就労対策事業を企画するということに一応なっております。従いまして、一般失対事業にちょっと毛の生えた程度の、特別失対との中間といったような形で、結局県の単独事業で既定計画外に行なわれるものを対象とすると、こういうような考え方になっておりますが、実際問題は県におきましては土木部が相当協力しなければやっていけない。それで、私どもといたしましても、まだ実は具体的な内容確定したものを十分承知しておりませんけれども、その事業内容によりましてはできるだけ協力していくと、こういう考え方でおります。
  88. 米田正文

    ○米田正文君 それは今度の分は四億円程度のものだから大した事業ではないが、離職者の今度の中心地になるのは遠賀川の流域だと思うのですよ。そうすると、どうしても遠賀川の治水事業のごときは中心の事業になるのじゃないかと思うのです、将来は。それはなかなかむずかしい点はあると思うのです、仕事をする上に。それらを一つよく研究して、やはり遠賀川の直轄事業との関連を密接に持たしてやっていくことが必要だと思うのですが、特別な研究を一つお願いしておきます。
  89. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) ただいまの米田先生の御意見まことにごもっともでございまして、私どもといたしましては、本来の公共事業になるべくプラスになるような形でこの就労対策事業が運営されることを希望しておりますので、今後とも具体的に連絡を密にいたしまして、御趣旨に沿うようになるべく運営していきたいと、かように考えております。   —————————————
  90. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) この際お諮りいたします。  住宅問題について意見を聴取するために、日本住宅公団総裁挾間茂君。同じく副総裁渡辺喜久造君、同じく理事吉田安三郎君、同じく理事今泉兼寛君、同じく理事武藤文雄君を本委員会の参考人にすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  91. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。  それでは住宅に関する件を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。  なお行政監察局長の原田君も出席しておられますから、この際申し上げておきます。  それでは議事を始めます。
  92. 田中一

    田中一君 固定資産税関係の理事はどなたですか、税金関係の理事はまだこない……。
  93. 田上松衞

    ○田上松衞君 建設省が次官通達か何かで、先般都道府県知事に対して住宅建築に関する危険区域の指定を求めたということを承ったのですが、それについて概念的なあれをお伺いしたいのです。
  94. 稗田治

    政府委員稗田治君) 十月二十七日付をもちまして建設事務次官の通達で各県知事に「風水害による建築物の災害の防止について」という通達を出したのでございます。読み上げます。  本年は相次ぐ風水害により、各地に多数の建築物の被害があり、特に台風第十五号により、愛知、三重、岐阜の三県下においては建築物の被害激甚であって、単に風害のみならず、堤防の決壊等による浸水により、その被害をさらに大きなものとしている。  ついては被災地の復興にあたっては勿論のこと、災害発生のおそれのある区域についても次の事項につき一層の関心を払い、建築物の被害を最小限度に止めるよう努められたく、命により通達する。  1 建築基準法の励行をはかること。  2 建築の防災指導を強化するとともに、鉄筋コンクリート造等の高層堅牢建築物を勧奨指導すること。  3 建築基準法第三十九条に基く災害危険区域の指定、特に低地における災害危険区域の指定を積極的に行い、区域内の建築物の構造を強化し、避難の施設を整備させること。    なお、区域の指定及び区域内の建築物の制限等については、河川管理者、海岸管理者等の関係機関とも十分協議し、過去の浸水事例等諸般の事情を勘案の上、下記事項を参考として措置されたい。    記  1 区域の指定範囲については、おおむね次の区域を考慮するものとする。 (1) 高潮、豪雨等によって出水したときの水位が一階の床上をこし、人命に著しい危険をおよぼすおそれのある区域。 (2) 津波、波浪、洪水、地すべり、がけ崩れ等によって、土砂が直接建築物を流失させ、倒壊させ又は建築物に著しい損傷を与えるおそれのある区域。  2 建築物の制限内容については、出水時の避難及び建築物の保全に重点をおき、おおむね次のようなものとし、なお、地方の特殊事情、周囲の状況等を考慮して定めるものとする。   (1) 1の(1)の区域   イ 学校、庁舎、公会堂等多人数を収容する公共建築物については、次の各号によるものとする。   (イ) 予想浸水面まで地揚げをするか、又は床面(少くとも避難上必要な部分の床面を予想浸水面)以上の高さとする。   (ロ) 原則として主要構造部を耐火構造とすること。   ロ 住居の川に供する建築物については、次の各号によるものとする。   (イ) 予想浸水面まで地揚げをするか、又は床面(少くとも避難上必要な部分の床面)を予想浸水以上の高さとすること。   (ロ) 予想浸水面下の構造は、次の各号の一に該当するものとすること。   a 主要な柱、又は耐力壁を鉄筋コンクリート、補強コンクリートブロック、鉄骨等の耐水性の構造としたもの。   b 基礎を布基礎とし、かつ、軸組を特に丈夫にした木造としたもの。   ハ その他の建築物については、建築物の利用状況に応じ、イ又はロに準ずる制限をするものとする。   ニ 附近に有効な避難施設があるもの又は用途上、構造上やむを得ないもので避難上支障のないものについては制限を緩和するものとする。  (2) 1の(2)の区域   イ 1の(1)の区域における制限をする外、有効な防護堤等の施設がある場合を除き、鉄筋コンクリート造等の堅ろうな建築物とするものとする。   ロ 特に危険な区域については、居住の用に供する建築物の建築を禁止するものとする。  以上でございます。
  95. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 稗田君、今の通牒を資料としてこの委員会に出して下さい。
  96. 稗田治

    政府委員稗田治君) はい。
  97. 田上松衞

    ○田上松衞君 今の問題について、そういうような建築をさせる場合において、何か国の補償等が考えられておりますか。
  98. 稗田治

    政府委員稗田治君) 御承知のように、災害危険区域の指定は地方公共団体の条例にまかされておるわけでございます。もちろん、これを国の政令等に取り上げるというような考え方もあるわけでございますけれども、災害危険区域の指定の内容そのものは、かなりの地形あるいは従来の災害の事例等によりまして、場所場所でなかなかこれを一律な政令の制限にすることが、実際上困難な点があるわけでございます。従いまして、地方条例にまかしてございますので、国のこれについての補償というような点につきましては、困難ではないかというように考えておるわけでございます。ただ、もちろん、こういった条例が成立いたしまして、現行規定としてその制限が働くという場合になりますれば、もちろん、住宅金融公庫等の融資する住宅等につきましても、それぞれ特殊基礎費とか、そういった単価上の操作は当然いたさなければならないかというように考えておるわけでございます。
  99. 田上松衞

    ○田上松衞君 自治庁としては専門ですから十分御承知だろうと思うのですが、私どもの聞く範囲ではイギリスあたりではすでに一九五六年からこういうようなことをやっておる。そして、これらの建築に対しまする補助みたいなものがされている。政府が四〇%、地方自治体が三〇%、個人が残りの三〇%しか持たないというようなことで、非常に補助がこれらの問題についてされておるということを聞いておるわけです。まあそういう点、一つ将来これが大きくなるようならば十分考えていただきたい。  それから、学校であるとかあるいは庁省であるとか公会堂であるとかいうようなものが、一つの避難場所としてすぐ使えるようになっておるということは、非常に私はいいことだろうと思うんです。ただその場合に実際問題として起こることは、避難の命令といいますか、そういうことがどこから一体出されるものであるか、命令するまで、ただもう勧奨するだけであるかどうか。かりにこれを命令するということになると、いろんな問題が起こるだろうと思うのです。あと逃げてしまって万一、予想される台風が来ればだれも文句はないのですが、これはまたそのときどきで台風が来なかったという場合等がある。そういうときには特に盗まれたとか何とかいうような問題等が起こる、いろんなことがあるだろうと思うんですが、これらについても、やっぱりこれと合わせましてこまかに一つお考えいただきたい。どうもただ何か形だけ作って、実際にぶつかるところの問題が、ともすると、うとんぜられてしまいますならば、せっかくいい案だと思っても、何といいますか、思わざるいろんな欠陥と申しますか、起こる場合がある。それの活用については十分一つお考えおきを願いたい。これは希望として申し上げておきます。
  100. 田中一

    田中一君 自治庁も忙しいから自治庁の方を先にやってしまいますが、行政管理庁からこの春、住宅公団の運営、機構等についての勧告が出たのは御承知ですね。御承知ございませんか、自治庁では。後藤田さん、知っていますね。
  101. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 勧告……
  102. 田中一

    田中一君 その問題についてあなたに質問したいんです。それはまあ、住宅公団住宅というものがどういう性格のものかということから問題が解明されなければ、あなたの態度は明確にならぬと思うんです。あなたの方で三十年の八月十六日に通牒を出しております、各府県と申しますか、市町村ですか、それを見ると、現行法の固定資産税の二分の一を軽減して取れというような指示をしておる。これはただし三カ年間だけだ、こういうことになっておる。ちょうど今年の十二月三十一日あたりが、あなたに言ってはおかしいけれども、固定資産税は年度の一月元日から完成したものとして取るようになっておりますから、従って、本年の十二月三十一月が期限ということに実質的にはなるわけです、調定するのは年度初めからにしても。そこで自治庁第一に伺いたいのは、三十五年度からこれを廃止するようなつもりでおるのか、これを別な措置をとって、行管がここで建設省を通じて住宅公団に勧告しておる趣旨、あるいは入居者の立場、国民の立場になって考えるという趣旨、また、建設省もこれに対してそのように措置したいというこの願望、これらにこたえてどういう態度をとろうとするか、伺いたいと思うんです。
  103. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 住宅公団住宅についての固定資産税の問題は、住宅公団発足当時から非常に問題があった、現在では先ほどおっしゃいましたように三年間税額の二分の一を軽減する、こういう扱いになったのでございますが、その期限が年末に来るということで将来の扱いをどうするかというので、実は私先日の十三日に税務局長になったわけですが、前局長時代に公団及び建設省の方からいろいろなお話があって、折衝をしておるということは十分伺っておるのでございますが、まあ建設省なり公団の方としては、この行管の報告にもございますように、まあ何といいますか、三公社並みの扱いを将来ともやってもらいたい、こういう御要望があり、当方としては、そういうわけにもいかぬだろうというようなことで、現在折衝が続けられておるというのが実情でございます。私どもとしましては、ただいま御質問のございました三十年の通達が、期限到来と同時に失効するのでもとに返る。つまり何らの軽減措置をしないというようなことは私としては現在考えておりません。やはり住宅公団には公共性を十分に認めにゃならぬ性質のものでございますだけに、何らかの措置をとらねばなるまい、かように考えておるのでございます。従いまして、私着任後まだ正式に実はお話を建設省なり公団からまだ聞いておりませんが、お話があれば私は誠意をもってお話し合いに応じて納得のいく結論を出したい、かように考えておる次第でございます。
  104. 田中一

    田中一君 そこで住宅公団に伺いますが、三十年にきめた自治庁の軽減措置が本年でいよいよ失効になる、そこで伺いたいのは、分譲住宅資金構成というものは、資金別を考えた場合にどういう資金を使って分譲しているか、これは非常に微妙な重大な問題ですから中途半端なことを言わんで下さいよ。私たちが調べておる範囲、聞いておる範囲というものは——誘導しますけれども、大体分譲住宅にのみ民間資金が主として導入されているのだというような見方をしているのです。というのは、大体元利償還金のうちの金利は七分一厘という建て方をしておる。それから賃貸住宅の方は主として財政投融資とか国家資金によって建設されている。これはその証左というかどうか金利は四分一厘というものを基礎として家賃の算定をしている。だからわれわれは理解しようとすると、分譲住宅は民間資金を投入されておる。民間資金として御承知のように金利を払っておりますから、これは営利事業的な性格も一部分にあるというような見方をしている。それから賃貸住宅の場合には全然そういうものじゃなくて、公営住宅的な性格を持っておるのだ。こういうように私たちは理解しようとし、また実態がそうなっておるのではなかろうかと思っておるのですよ。自治庁の方でも、もしも私が言っているような民間資金というものが、これ、営利会社が投入しておる資金ですから、もちろん金利の中には利益も入っているでしょうが、ところが賃貸住宅の場合にはそれがないのだというような理解をしてくると、これは相当自治庁としても課税に対する態度というものは考えなければならぬような事態になると思うのです。従って住宅公団が現在十万戸以上作っておりますところの住宅は、今どのような資金構成をもって建てられておるか、あるいは部内において処理されておるかという点が重要なポイントになると思うのです。その点一つよくお考えになって答弁してほしいと思います。
  105. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 三十四事業年度ですね、この事業年度資金の内訳について一応御説明申し上げたら大体おわかりになると思います。分譲住宅関係では直接建設費が八十九億、それから間接費が入りまして九十五億六千万円というふうな一応全体の事業になっております。これの内訳としましては民間資金の八十九億、それで御承知のように民間資金が大体七分五厘の資金コストです。現在七分一厘で分譲住宅をやっております。出資金としまして、その四厘下げる意味において六億六千万円、ちょうどまあ諸経費に当たる分ぐらいがそれに当たりますが、これだけ政府資金を充当するということになっております。  それからついででございますから賃貸住宅の方を申し上げます。これは直接建設費が百八十五億、諸経費を入れまして百九十六億五千万円でございますが、この資金の内訳としましては、三十四年度でございますが、出資金として六十一億四千万円、低利資金が九十六億五千万円、民間資金は三億五千万円、その他に自己資金としまして三十五億一応充当してございますが、これは将来の問題としましては、その自己資金というのは一応一時的なものでございますから、大体出資金とか低利資金とか民間資金の割合で、将来はそれぞれそういったものに置きかえていくということになろうかと思っております。
  106. 田中一

    田中一君 後藤田君に伺います。今のような資金構成だそうです。そこでかりに……同じ住宅公団建設しております住宅でありながら、今賃貸住宅にも三億五千万というものが——百九十六億五千万のうちの三億五千万というものがここに投入されていることが今明らかになったのです。これがもしないとしたら、全部これを財政投融資あるいは自己資金等でもって——自己資金ということは、これはもう営利事業じゃないですから、これはもう営利的なにおいは一つもないのです。三億五千万というものをなくしてしまえば、これはあなた方この住宅公団住宅に対する実態というものに対しては相当考え直さなきゃならぬと思うのです。一体固定資産税を二分の一にしたという根拠ですね、考え方、それをまず先に明らかにしていただいて、今住宅公団説明しているような資金構成に対して専門家の見解を一つ伺いたいと思うのです。
  107. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 私は実はしろうとでして、はなはだ御満足のいく答弁ができますかどうか、(「しろうとに税金取られちゃかなわんね。」と呼ぶ者あり)なったばかりでございましてあれですが、従来軽減措置をとっておりました自治庁の趣旨は、私の承知しております範囲では、実は一般住宅につきましても二十坪未満の新築住宅について、十五坪分を二分の一軽減するというような扱いに御承知の通りになっておるわけでございます。まあそれとの均衡等を考えてとりあえずいろんな折衝を経た結果、とりあえずの処置として住宅公団の貸付住宅について、三年間二分の一の軽減措置をとった。こういう経緯のようでございます。  次に、それじゃただいまお話のあったような資金構成からみてどうだと、こういうお話でございますが、私は先ほど申しましたように公団住宅についてはやはり公共性にかんがみて、これは何らかの軽減措置は講ぜにゃいかぬと、こういうように実は考えております。しかし、さればといって軽減措置をするという場合に、しからばどういう考え方に立つかということについては、私の現在三公社の納付金制度と同じような趣旨でやることは、これはできなかろうという考え方を片方にもっております、同時にまた一般住宅との均衡というような問題も考えて、彼此あわせ考えたところで軽減措置を講じていきたい。かように今のところは考えておる次第でございます。
  108. 田中一

    田中一君 これに対して建設省はどういう見解を示されるのですか。入居者が言っているのですからね。
  109. 稗田治

    政府委員稗田治君) 建設省といたしまして、従来自治庁にいろいろ折衝を重ねておるわけでございますが、もちろん公団の賃貸住宅の公共性にかんがみまして、恒久制度といたしまして、固定資産税の減額措置がとられることが一番望ましいことでございますので、そういった線でお願いはしておるわけでございますけれども、ただいま自治庁からも御答弁のございましたように、交付金制度等に取り入れることは困難だということでございましたので、従来具体的にお願いしておりますのは、今後十年間二分の一の減額措置を続けていきたいということでお願いをしておったわけでございます。いろいろ折衝の過程におきまして、十年というのは長過ぎる、暫定措置として五年程度でなければ困難であるというような御返事もいただいておるわけでございますけれども、減額の率等につきましてまだわれわれとしては若干不満足でございまするので、なお折衝を続けておる段階でございます。
  110. 田中一

    田中一君 行管はどうです。行管としてこういう勧告をしておりますけれども、実際に今三者三様の希望が出ておるのですが、そこで勧告をして入居者の利益をはかれと、こういうりっぱな思想から生まれている勧告で、これは非常に敬服しているのですが、そこで利益をはかるということ、私は過渡的には一面、減免より全免になってもいいんじゃないかというふうな考え方を持っているのです。公団住宅は高いのだ、高いのだというような見方をしております。事実また高いのだ。これから家賃の積算の基礎等についても質問しますけれども、行管としてはどの程度のものが正しいのだという考え方を持っておったか、一つ原田君からどういう程度のものか……。
  111. 原田正

    説明員(原田正君) 私どもの監察いたしましたその結果に基づき勧告いたしました考え方といたしましては、ただいまお話のございましたように、公団住宅の公共的の性格と入居者の負担軽減、こういう見地から、入居者の負担軽減の方向において検討していただきたい、こういう趣旨で申し上げました。そのいかなる程度に軽減すべきであるかというふうな、具体的な結論につきましては、関係のそれぞれの向きにおきまして、十分な御協議を願ってきめていただきたいという程度で、私どもとしましての確定的なそれについての意見というものは立てておりませんのでございます。
  112. 田中一

    田中一君 今副総裁からお話があったように、百九十六億五千万のうち三億五千万というものは、民間資金が入っているのだということですね。これは営利性が三億五千万入っているということになるのですね。これがなくなれば、全部公共建造物、公共住宅であるということが言えるのですよ。まあ公営住宅というものがありますからそれと比べてみれば、とやこう言いますけれども、資金の実態というものは全く同じなんです。で、この三億五千万取った場合に、これは相当あなた方、公共性とみなされるとか、公共性なんということを言わないで、公共施設だというような割り切り方ができると思うのですよ。そこで私は三億五千万なんてないと思っているのだが、これは一つない場合と——何といいますか、営利性というものが資金構成の中にちょっとぐらいあるものとないものとでは、あなた方の見解というものはどう変わります。公共性々々々とさっきから言っているのですから、これはちょっと公共性はあるけれども、三億五千万民間資金が、営利性が入っているのだということなんですね、資金構成から見ると。そうすると少しあなた方の方で考え方が変わるようなことになりませんか。
  113. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 私が公共性を認めざるを得ないと、また認めるべきであると、こう申し上げております趣旨は、ともかく住宅政策を政府として急速にやっていかなければならぬというようなことで、多額の政府資金融資をしまして、その中には無利子のものもある。まあ利付のものもございますけれども、無利子のものもあると、こういうような観点から、これは公共性を認めなければなるまいと、こういう趣旨でございます。
  114. 田中一

    田中一君 そこで分譲住宅と賃貸住宅は御承知のように資金構成が違うから、金利は現在七分一厘から四分一厘ということになっております。で、今度の、現行の半額にした、二分の一軽減したということは、両方を通じて行われているわけです。その点はどうなんですか。
  115. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 従来三年間半額にしていただいておりますのは、公団住宅という特殊性から出ているのではなくて、先ほどもお話のありましたように、住宅全体の建築をできるだけ促進したいということですから、個人の方が自分のお金でお建てになるとか、住宅公庫の金をお借りになるという場合も、今の一応の制限のもとに、軽減になっている。同じような意味におきまして、分譲住宅であっても、賃貸住宅であっても、従来の三年間のものは住宅一般の問題ですから、これは区別はございません。
  116. 田中一

    田中一君 先ほど税務局長が言ったのは、二十坪以下のものに対しては減免措置がとられることになっているということでしたね。
  117. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 先ほど申し上げましたのは、一般住宅につきまして、二十坪未満の新築家屋について、そのうち十五坪分を二分の一の税額に軽減する、こういうことになっております。
  118. 田中一

    田中一君 そうするとアパートのような場合は、共有部分というものは何パーセントぐらい入れるのですか、平均して。かりに十五坪なら、平均してすぱっと戸数で割って……。共有部分、階段とかいうものを居住坪数に入れるのですか。
  119. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 按分することになっております。
  120. 田中一

    田中一君 そうすると、今渡辺副総裁が言っている減免の根拠というものは、そういう、今副総裁が言っているような政治的な含みはなくして、実際に課税技術屋が徴税の根拠をはっきりさせてやっておるのであって、何も住宅復興を促進さすためのような愛情なんてちっともないのです。その点はどうお考えですか。今の副総裁の答弁とちょっと食い違いがあるのです、受け方と出し方と。もう一歩はっきり言いますが、二十坪以下のうち十五坪未満のものに対しては減免措置をとってもいい、という法律があるのだそうです。その見地から十五坪以内とみなして減免措置をとっているのだというのです、自治庁の方では。しかも今あなたがおっしゃっているのは、政治的な含みを持って、住宅の絶対量が少ないから少しでもこれを促進させようという意味で、愛情ある措置だというふうに私聞いたのですが、そうではないのです。
  121. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 私のお答えしたこと、ないし私の記憶しているところでは、要するに、もちろん住宅公団自身が住宅不足をできるだけ解消しようというものですから、ただ政府の住宅政策としては、単に住宅公団のやっておりますのは全体の政策の一部でございまして、それで金融公庫で金を貸してあるいは住宅を建てさせるとか、さらに自己資金住宅を建てることについても、これは政府として大いに奨励するという建前がありますがゆえに、自治庁としましては先ほどお答えがありましたように、三年間だけはそうした特別な固定資産税についての措置をやろう、こういうふうにやっていらっしゃる。従って、われわれもその一つのまあテーマを受けまして、そして現在のような扱いになっている、こういうふうなお答えを申し上げたのであります。
  122. 田中一

    田中一君 何ですか、実際には公団住宅というものは十五坪以上ですか、それを十五坪以内と見ているのですか、どっちなんです。
  123. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 住宅公団一般住宅と同じように二十坪未満のものについて十五坪分を二分の一軽減する、こういうことであります。
  124. 田中一

    田中一君 そうするとどうも受け方に対する理解の違いがあるのですがね。
  125. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 多少私も誤解しておったかもしれません。といいますのは、公団の場合は御承知のように、予算平均十四坪でありますから、大部分が十五坪以下であります。しかし例外的に十五坪をこえている部分がわずかですがないことはありません。この分につきましては大部分といいますか、私の記憶しておる限りでは各市町村がこれはまあ御承知だと思いますが条例でやっていただいているのではないかと思いますが、自治庁の方は別に法律できめているのではなくて通達を出している。そして各市町村の方にお願いして十五坪をこえている分につきましても私の方は半額にしている。その限りにおいては民間の普通の場合と公団住宅の場合と、公団住宅の特殊性というものを何分かその範囲においては御考慮願っている。これは私ちょっと今までよく知りませんものですから、その制限の範囲が私は実は二十坪以下のものはいいと思っていたものですから、十五坪という制限を知らなかったものですから、私の方全体二分の一にしていただいておりますが、従って超過分について私の方はその面から見ますと特別な御配慮を願っている、これは住宅公団なるがゆえにということがいえると思います。
  126. 田中一

    田中一君 公営住宅の場合には固定資産税を市町村取っていますね。公営住宅に対する見方はどういう見方をしているのですか。
  127. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 公営住宅の方は御承知の通りに、まあ課税権のある国なり地方公共団体相互の間は現在の税制上非課税ということになっているわけでございます。ただその場合にも使用の実態とか、あるいは地方公共団体の行政についての利益関係というようなことから、一般の固定資産と均衡を失するというような面がございまするので、それらについては御承知の通り、現在国公共団体通じて貸付資産等については交付金制度になっております。従って、御質問の公営住宅も交付金の対象ということになるかと思いますが、この場合には私どもとしましては住宅公団の場合と違いまして、第一種住宅については三分の一、第二種住宅については三分の二の国庫補助金、つまり回収することをやらない金が出ておるわけでございますので、従って第一種公営住宅については六割減、第二種住宅については八割減という評価で交付金を納めていただく、こういうことになっております。
  128. 田中一

    田中一君 しかし三鷹市が三鷹に公営住宅を建った場合には税金取りませんよ。三鷹市が固定資産税取らないのですね。三鷹市が自分の行政区域内に公営住宅を建った場合には固定資産税取らないのですよ。そうすると、住宅の家賃の課税という固定資産税という面から見るとそこにやっぱりアンバランスがあるわけですね、全国的に見た場合には。東京都は二十三区以内に都営住宅を作った場合には税金を取らない。ところが東京都が三鷹市に作った場合には三鷹市はくれという要求をするわけです。やはりそこに矛盾があるのですね、実際いうと。たとえば、三鷹市に住宅公団が相当大きな宅地を作る、団地を作っていけば、やはり有形、無形の三鷹市の財政に対するプラスがあるわけですね、結局。だから、そうした自分の行政区域内に建てた住宅に対しては税金を取らぬということになると、その税金の面においては愛情ある措置だと思う。取ってもいいけれども取らないのですね。そこにやはり矛盾をお感じにならないのですか、そういう場合に。
  129. 後藤田正晴

    政府委員後藤田正晴君) 田中委員のおっしゃるように、個人の入居者の面から見ればそういう矛盾は確かにあると思います。ただお説のような場合には、いわば課税権の主体と交付金を出す主体が同じ財布になっておるというようなことで、そういうような結果になっておると思います。
  130. 田中一

    田中一君 しょせん住宅公団にしても公営住宅事業主体にしても、家主は違わないのですよ。家主というものは修繕とか一切のものを家賃というものに集約して料金を取っていかなければならぬのですね。そういうわけですね。——住宅公団を悪家主にしちゃいかぬですよ、公共性あるということにしておるのですから。これは何とか措置しなければならぬと思う。今稗田君が住宅局長が言っているように、十年が五年になったということを言わずに全免までいってもいいのですよ。百万戸できるまでは全免する、これくらいの気持を持たなければだめですよ。まあかりに百八十万戸足りないのだ、現在とりあえず百万戸作るまでは、年数じゃないのです。年数なんということは岸内閣はあてにならないですからね。今後何万戸建てると言いながら公営住宅だって九百戸減らしているでしょう。何箇年といってもあてにならぬから、百万戸できるまでは非課税にしてもらいたいという通牒を出して下さい。これは地方公共団体も自分の町がそういう未開発の所を開発して団地ができて人が来れば、そういう人頭税も取れるし何も取れるのです。しかし、自治庁は、いい市長といい議会人があってかりに取らない。そうすると、今度はお前の地方交付税を考えるぞ、お前の方で何で取れる税金があっても取らないか、富裕県だろうからお前の方は少し交付金を考えるなんておどかすからいけない。地方財政を守るといいながら地方の機関だけを守ろうとして市民をちっとも愛していないのです。国民を愛していない、自治庁は。私は、これは大へんな間違いだと思うのですよ。いい市長は取らないのですよ。入らないでもいいから取るまいとする。ところが、取らなければ今度は交付金で考えるぞなんておどかすものだからしぶしぶ取る。今住宅の絶対量が足りないということは、これはもう常識なんです。私は五年とか十年とかいわないで、せめて百万戸住宅ができて、個人の場合には、これは金持なら建ててもいいですよ。しかし公共性ある機関が建てるものは、金がない人たちに住宅を供給しようということなんですから、これは百万戸まで取らないという方向に割り切っていいのではないかと思う。一体、現在公営住宅は七十万戸くらいできていますか。それから住宅公団住宅は分譲合わせて二十万戸くらいですか、十万戸ぐらいですか。どうなっていますか。
  131. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 現在できていますのは、三十三年度予算までの分ができ上っておりまして、分譲、賃貸合わせて十万八千戸でございます。
  132. 田中一

    田中一君 これから百万戸建てるまでは取らないという決意をしなさい。きょう大臣を呼んだ方がよかったが、そうしなければいかぬです。今言う通り、税負担というものに対するアンバランスがあるのです。そうして、いい市長やいい市会議員がとるまいとする決議をすれば、あなた方は恫喝する、現に恫喝しているのです。これはやはり、あなた方は通牒でいっているのでしょうけれども、条例で自主性にまかす。この問題は、住宅公団、それから公営住宅、公共性ある——たとえば東京都住宅協会とか日本労働者住宅協会とか、そういうような公共性ある住宅に関しては、もう何といいましょうか、百八十万戸足りないというのですから、百八十万戸充足されるまではとらないというような、自主性にまかすということです。とってもよろしい、とらなくてもよろしい、あなた方の方の自主性にまかせようと。今のように半分とるとか二割とってよろしいとか言わないで、自主性にまかせるというような方向に向かったって、ちっともあなたが自分の役目をおろそかにしたということにならぬ、これは十分一つ考えていただきたい。同時に、住宅公団も、政府も、行管のこの意図を援軍の一つとして大いにがんばってもらいたい。私も今後通常国会でもうんとがんばります。そのように一つ努めて下さい。住宅局長よろしゅうございますか。これは政務次官、一つこの問題に対する態度を明らかにして、必ずその目的を達するというくらいの言明をして下さい。
  133. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) 住宅公団住宅の公共性にかんがみまして、建設省といたしましては、ただいまだんだん質疑応答のございました通り、強く現在の措置の延長を望んでおるものでございます。別して、非常に公共性の強い賃貸住宅につきましては、特に一そう強く考えております次第でございます。
  134. 田中一

    田中一君 けっこうです。一つ大いに努力して下さい。われわれの方でも一生懸命やりますから。  それから、次に伺いたいのは、今問題になっております固定資産税等も含めました家賃の算定基準について伺いたい。そのうち当然なものは当然としても、ただ問題になるのは、実態として質問したいのは修繕費の問題なんです。公団住宅に入るのに三カ月の敷金を入れて入る。そうして出るときには、その損傷度によって敷金の中から何%か天引して、これはお前がこわした修繕料だといってとっている、これが実態です。そうかと思うと、この積算の算定基準には、やはり修繕料というものが計上されておる。一体どういう程度のものが、もとの家賃、原家賃に加算されている修繕費であって、それは何をしようとするのか。それから、居住者が一定の期間入居して移転しようとする場合には、敷金の中から若干の損壊料というのでしょう、これはうまいことをいうが、修繕料、損壊料ということで、これは当然とるのでございますというかしらぬけれども、われわれ結局、損壊したのだから、結論的にいって修繕費だと思うが、それはどういう形でみているか。実態は、敷金のある場合には全部とってしまうのか、ある場合には一ヵ月分とるのか、ある場合には一ヵ月分の何分の一とるのか、これは事例によって説明していただきたい。これははなはだわれわれは理解しがたいところなんです。
  135. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 公団の家賃の中には、御承知のように、修繕料が入っております。これは、公団住宅をきわめて通常の使用のし方をしていただいておりましても、公団住宅というものは一応七十年の耐用年数を考えておりますが、七十年の期間にはやはり何回か壁の塗りかえとか、これは内壁もありますが、外壁の塗りかえとか、それから、これは回数はわずかでありますが、中の水道管とかいろいろなものの入れかえとか、七十年の耐用年数をもたせる意味において必要な修繕があるわけでございます。その限りにおきまして、われわれの方では、一応修繕費のパーセンテージを見積りまして、家賃の中に入れてもらっております。ところがお話のように、具体的な事例になりまして、ある入居者の方が一年、二年お入りになったあとで退去なさろうとする。その場合に、一応私どもの方の管理人が、その退去の際に使ったあとを見せていただいております。そういたしますと、まあ極端な例で言えば、子供が壁に大きな落書きをしているとかいろいろな問題があるわけであります。われわれの方といたしましては、通常に使っていただいておりますれば、壁の塗りかえも何年に一回で済むというやつが、壁に大きな落書きがしてあれば、今度入る人に落書きのままでお入り願うというわけにいきませんから、従ってそうしたときには、新しく塗りかえという問題が出てくるわけであります。従ってそうした意味において、入居の方が通常にお使いになっていらっしゃればそこまで必要のない修繕といいますか、塗りかえなり、そうした入れかえが、その方の使用のし方によって、特に公団が何とか新しく入れかえるためにはしなければならぬというふうなものについては、入居者の方に御負担願うと、こういうことにしております。
  136. 田中一

    田中一君 今までもう四年たっておりますけれども、今まで敷金を全部とってしまった例がありますか。また、そういうことが契約書に明記してあるのですか。また、その判定は一方的に家主が勝手に、これは敷金返せません、こうこわしたから一カ月分返せませんと言ってやっているのか、その点は、相手があるのですから相手との話し合いはどういうことでやっているのか、伺いたいと思うのですがね。
  137. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 敷金を全然返さなかったといいますか、敷金を返せないほどの損壊があったという事例は、幾つかあったかと思いますが、今何件あったという資料は私持ち合わせておりません。どの程度を損壊と言ってよいのか知りませんが、簡単に損壊と言っておりますが、損壊によってどの程度、入居者といいますか退去する人に御負担願うかということについては、もちろん一応のベースは公団ではじき出します。相手の方もあるわけですから相手に納得を得て、結局それではこの程度はやむを得ないということで御負担を願っておると、こういうふうに考えております。
  138. 田中一

    田中一君 あなたの方はずいぶん団地がたくさんあるのですから、それは各団地とも同じような基準で弁償してもらうというような内規でもあるのですか。
  139. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) きわめて事例がまちまちでございまして、従って、程度のほどもいろいろございますものですから、必ずしもこれを当てはめればすぐぴちっとそろばんが出るというようなわけには実はなかなかいきかねる場合があります。まあ落書きの程度にしましてもこの程度なら別に塗りかえなくても済むという場合と、これはどうも塗りかえなくては工合が悪いという場合と非常に程度の違いがありますので、従いまして、結局管理人の人の判断がある程度そこで働くわけでございますが、できるだけそれが、団地ごとあるいは管理人によってまちまちにならぬように、という意味においての指導はいたしておりますが、ぴちっと当てはめればすぐに二千円と出る、三千円と出るというほどのはっきりした基準はなかなか作りにくいので、まあ結局一応の基準を定めるという程度を出ておりません。
  140. 田中一

    田中一君 基準を定める、何か内部の規定等のきめたことはありますか。それが一つと、もう一つは契約約款にはちゃんとうたってありますか。
  141. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 契約約款にはその旨ははっきり書いてございます。
  142. 田中一

    田中一君 それから基準は、何か内規としてあるのですか。それから訴訟を起された例はございませんか。
  143. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 訴訟を起された例はございません。それから基準は内規として一応持っておりますが、今手元には実は持っておりません。
  144. 田中一

    田中一君 ほんとうにあるのかな。
  145. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) ちゃんと私の方の管理規程というのがございまして、これは建設大臣の承認を得ていると思いますが、その中に退去時における現状確認について、支所長は、入居者が賃貸住宅から退去するときは退去時における現状を確認し、退去時における賃貸住宅に損傷ある場合には、別に定めるところによりその損害額を算定すると、およそこのようなことがございます。
  146. 田中一

    田中一君 では次に七十年という耐用年限ですね。これは建設省は一体七十年というのはどういう根拠で七十年と押えてあるのですか。公営住宅の耐火建設ですね。これも七十年ですか、これを百年に延ばしたらどうなのです、百年ぐらいになるのです、何ももたないという保証はないと思うのです。
  147. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 鉄筋コンクリートの建物の耐用年限ということになりますと、相当七十年よりもなお若干耐用年数がふえるのではないか、かように考えるわけでございますが、御承知のように家賃の原価上の耐用年限ということになりますると、均等償却していくという金利計算になってくるわけでございます。金利計算でやって参りますと、七十年程度からそうその先は延ばしてもあまり月々の償却費につきましては差がないということになるわけでございます。そういう経済ベースというようなことも取り入れられまして、家賃計算上の耐用年限は七十年というように押えられておると思います。
  148. 田中一

    田中一君 しかし公営住宅の出発したときは五十年から七十年に延ばしたのです。これはたしかあなた方が都合のいいように延ばしたのだ。延ばせば相当家賃にも、大した響きはないけれども、安くなることは間違いない。これは一つ考えておいてほしい。それから今の修繕費を天引きする方法は、やはり各団地の管理者になるにはそういう訓練をするような機関を作って、十分に訓練をして、あなたの方の管理者というものは職員がやっている者もあるでしょう、またそうでないのもあるかもしれないけれども、大体、職員ばかりではない、大ぜい頼んでやっているでしょう。これらの人が、たとえば渡辺さんが管理者になれば渡辺さんは間違いがないでしょう、渡辺さんが実際の管理者になれば。しかしこれはなかなかそうはいかない。ですから、そういう点についてはあなたの方で非常に訓練が不十分だと思うのです。大体奥さんあたりが団地でもやっているのです、実際は。管理者の補助員、公営住宅でもそうです。管理人の補助員ということで三百円から五百円にやってみているのです。おそらく公団もそういうものではないかと思うのです。これはいけないのです。やはり管理者というものには、一つの管理者としての技術なり何なりを身につけるような訓練をする。そうしてそこに派遣する。また現在いる者でもそういう問題があっちゃ困るから一ぺん定期的に集めて、サービスそれから天引き等の技術的な面も全国一致した形でやるような研修をしてその職につかせる、というように、ならなければいかんと私は思うのです。これは一つ十分注意してほしい。
  149. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) お尋ねの点は私どももその通りだと思います。ただ申し上げておきますが、こういう損傷の確認は補助管理人のような人にはお願いしないで、専任管理人なりあるいは団地主任という者が責任をもって確認するということになっております。
  150. 田中一

    田中一君 団地主任でも何でも同じことです、要するにアンバランスがあっちゃ困るのです。
  151. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) その点は先ほど申し上げた通りお説の通りだと思います。私どももそのようにいたしたいと考えております。
  152. 田中一

    田中一君 時間がありませんから最後に一点だけお伺いしますが、きのう国宗君にきてもらって、一体役員の退職金というのはどうなっているかということを聞いたわけですが、現在あなたの方から出ている九月十日に出した案——案じゃありません申請書ですか、それにはオーケーを出していないそうです。そこで行管でもこれは指摘しているのですが、役員と職員との退職金が非常に均衡を失しているのじゃないかという指摘をしております。といって、あなた方のものを初めから少なくしろということを言っているのじゃない。あなた方の方を減らさなかったら職員のやつを上げるのです。で、大体これを読んでみますと、申請のやつは在職期間一ヵ月につき百分の六十五、だから十万円もらっている人は一ヵ月六万五千円当たりもらえるのだということになるのでしょうね。一ヵ月ごとにとにかく六万五千円では、十万円もらっている人は十六万五千円という収入になる。多い少ないという問題はいろいろあるでしょうけれども、総裁は二十万円ですから月々十三万円——三十三万円もらっていることになる。とてもこれは今の公共性——これは自治庁にお願いしますが、公共性ある団体でございます。公共性ある機関なんです。これは三月でやめようと、二ヵ月でやめようと、任期完了しようと同じなんです。任期完了した場合には云々じゃなくて、やめた場合にはもらえるのです。過大とはいいませんけれども、民間の人たちはもっと取っている人たちがいるでしょうけれども、しかしそれに比べてあなた方の給料を考えてごらんなさい。あなた方は恩給をもらっているでしょう。これはわれわれが考えて、ははあというような公共性ある機関——国宗君に聞いてみますと、これは公団、他の公社みな同じでございますという答弁をしている。全部そうだということになれば何をか言わんやということになってしまって質問もできんのですが、一体職員の場合を見てみると、勤続四年以上続けると、仮に二万円として一年一ヵ月ということになる。そうでしたね、国宗さん。そうすると、二万円の給料の人とすれば、その人が四年勤めて八万円もらえるということになる。三年だとこれが減額する、率が下ってくるという規定を作っております。これは行管の方もよく聞いて下さいよ。そうしてなおそのほかにまあ功労加算とか増額規定とかいうのがあります。これは一般職員にはなかなか適用をしておらないのですね。ただ建設省から出向した職員に対しては常に増額規定なんというものをつけておる、それで余分に払っておるというような、官僚の仲間同士のやりくりということをやっておる。これは私はこの点はどうかと思うのです。はっきりと態度を明らかにしていただきたいのは、この職員の規定も一般国家公務員、あるいはほかの機関なみの規定であるというようなことを、きのう国宗君に聞いてみるとそう言っておりますけれども、総裁は御自身がもらう報酬とそれから職員がもらっておる待遇というものに対しては、どういうようなお考え、所懐をお持ちでございましょうか伺いたいと思うのです。
  153. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) 職員の退職規定につきましては、私が就任いたしました以前から公団においても十分研究をしておりまして、他の公団、公庫等との振り合いも考えてそれと歩調を合わせる形において規定を、案を作りまして承認を求めておるわけであります。まだ承認は得ておりませんが、大体承認を得ればこのうちの政府機関に歩調を合わせることができると思います。この規定につきましても住宅金融公庫と十分打ち合わせをした上でいたしておるわけであります。  なお役員と職員とのアンバランスと申しますか、につきましてはただいま仰せのような状況でございますが、これは役員と職員との勤務の性格が違いますので——役員は一応の任期を持っております。職員は恒久的に定年に達するまでは引き続いて勤務するという、その姿が違いますので、その間に較差が生ずるということになっておると存じております。
  154. 田中一

    田中一君 官房長にちょっと聞いておきますがね、公団にはむろん今恩給制度もなければ……、共済制度はできているんですか、今公団では共済年金制度的なものはできておりますか。またほかの建設省関係一般のこうした機関にはそういうものはあるのですか。
  155. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 別に、おそらく田中さんのお考えになっておるような意味の共済制度というものはございません。共済会といったものはありまして、まあ災害を受けた場合とかいう場合に、これは職員もある程度出し公団も出しまして、そうしてお見舞いを出すとかといった程度のものはございますが、いわゆる共済年金的な意味の制度ですね、これを御質問の中でお考えになっておると思いますが、そういう制度は現在ございません。
  156. 田中一

    田中一君 私はその点はせめて建設省関係のそういう公団、公社、そういうものに共通した何らかの施策が必要なんではないかと思うのです。だからといって家賃が上っては困る。困るのですが、家賃が上らない方法で相当あると思うのです、お考えになれば。そこでそういう点について官房長に伺いたいのは、ほかの建設省以外の役所ではそういうものがあるのかどうかという問題です。
  157. 鬼丸勝之

    政府委員鬼丸勝之君) 私も今よく承知いたしておりませんが、おそらくほかの役所でも、その省の所管の政府関係機関をまとめた共済制度というものはないと思います。
  158. 田中一

    田中一君 最後に締めくくりに総裁から一ぺん答弁願いたいのは、職員の給与の問題、安いことは事実だから、安いから上げるような方法をとれと申し上げても、今言う通り関係機関が全部同じように歩調を合わせるといわれると、われわれは内閣をとる以外にどうにもなりませんから言いませんが、ただここにある規定の中の三条の五号の増額規定、それから付則三項の功労加算なんというものが、建設省や大蔵省から出向というか転任になっている職員と、それから住宅公団に当初から入って、そうして現在住宅建設の管理等に自分の生涯をぶち込もうという者と、扱い方に差異がついては困るのです。どうも今までは建設省、大蔵省から出ていった者に対しては特別な扱いをしているようにみえるわけなんです。そうじゃないというのならば、そういう今まで出たり入ったりした、建設省や大蔵省へ帰った人たちのものを全部ここへ出してもらえばいいですけれども、私はそういう工合に見受けるわけです。総裁からほうびを出す場合も何もみな同じように、そうしたようなへんぱな扱い特権的な扱いを大蔵省、建設省から来た者に対してだけやるということなしにして、公平にやっていただくように一つお願いしたのです。今までやっていればけっこうですが、今後のそれに対する考え方、そういうものを一つ述べていただきたいと思うのです。
  159. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) ただいまお述べになりましたことは私も同感でございまして、今までの処遇がかりにそういうことがあるとしますれば是正をいたしたいと思います。すべての職員につきまして、公平な立場においてその功労にむくいる加算というようなことを考えたいと思います。
  160. 田中一

    田中一君 それから減額適用というものがございますけれども、四年いなければ完全な支給をしないというのじゃなくて、やはりこれもその事情によって減らすなんということを考えないで、よそが少しでも低くて公団が給与が高ければけっこうな話なんですからね、そういう点は減額適用なんということをあまりしないように、その点も副総裁から一つ答弁をいただきたい。
  161. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 減額規定というのはございますが、それはたとえば女子職員が結婚のためにやめる、こういう場合は適用いたしません。われわれの方で減額規定を一応作ってございます趣旨は、まあ、せめて公団へ入ったら相当期間勤務していただく、三年じゃなかったかと思いますが。それで、入ってきわめて短期間に自己の都合でよそへ移るということは、これは公団としては望ましくない、こういう意味であの規定がございますが、しかしそれも非常にもっともな理由であるという意味なら、われわれの方はあの規定を適用するつもりはございません。  それからもう一つつけ足さしていただきたいと思いますのは、建設省とかいろいろ出向の方は、こういう点が実はわれわれの方で一つの悩みの種になっております。私の方へおみえになるときは建設省の方から退職金をもらいます。それから私の方に三年なら三年いてそうして建設省へ帰る。で、建設省でまた何年か勤めてやめられる。そうするとまた新しく退職金をもらいます。その場合に、これは国家公務員の方の退職規定の方は、最初の何年かは一年について一ヵ月とか、だんだん年数がふえるに従って割合が多くなるのです。従って全然公団に来なくて二十年なら二十年いた場合と、公団に来たために初めの五年とあとの十何年というふうに切りますと、全体を通算するということに現在なっておりますが、非常にその間恩給の方は通算されますが、退職金の方でかなり大きな差額があって不利になるようです。従いましてその点について何分の何か補給的な意味の、これは全部の計算はありませんけれども、ごく一部にしかすぎませんけれども、考えてやる必要があるのじゃないか、こういうことがそうした出向職員につきまして特別的に、われわれの方で考慮していく趣旨でございます。まあその点も全体合せた上でお考え願いたいというふうにわれわれの方は思います。
  162. 田中一

    田中一君 私それがいけないと言っているのです。それがいけないというのです。なぜ大蔵省や建設省から出向してきた者を特別扱いしなければならないのか、特別な技術を持つ者には高い給料をおやりなさい、そこなんです。創立当時から住宅公団にいた者と、途中から建設省、大蔵省からきた者と、退職の際に、そういう出たり入ったりするんですよ、役所の人は。そのうちでも下級の人には長く住宅公団に自分の一生を終始しようというような熱情を持っている人もいる、上級職員というのは出たり入ったりするが。今度は狭間さんはさせませんと言っておるし、鮎川君はめったに帰らないと思うのですが、しかし実際それがいけないというのです。なぜ建設省、大蔵省からきた人間が余分に退職手当をもらうのですか、現在の公団の規定というものは全部の職員を同じようにするのが当然なんです。それなら納得してくるんですよ。そういう特権的な考え方を持っていてはいけないと思うのです。なぜ渡辺さん、あなたは、大蔵省からきたからといってそのために余分にもらえるという理由があるのですか。
  163. 渡辺喜久造

    参考人渡辺喜久造君) 私が申し上げておりますのは、建設省からきてずっと公団にいるという人の場合を、大体建設省にある程度いて公団にずっといる、という場合を言っておるのではないのです。結局建設省公団の両方の都合で、本人の意思は必ずしも公団にくることを希望していなくても、仕事の関係公団にきてもらうという人が何人かおります。また何年かたつと建設省の人事のやり繰りで、建設省へ帰って行くという人を、どうも見ておりますと、建設省にずっといた場合に比べまして、あとで退職金において減るという問題が非常にはっきりしておりますので、従ってそういう人に対しては何か特別な配慮がいるのではないだろうか、こういうふうにわれわれは考えておるわけです。
  164. 田中一

    田中一君 これは政務次官に伺いますが、いやな者を無理に押し出すのですか、いやとかどうとか初めは言っていても、納得するから嫁に行くんですよ、納得するから嫁に行くのであって、そういう者を何とかしようということが特権的な官僚的な考え方だというのですよ。私はそう思うんですよ。いやなら行かなければいいのですよ。そういう建設省から行った者に対しては、給料の点は技量等をみなければわからないけれども、少なくとも退職手当というものは均等であるべきなんですよ。今まで幾ら月給をもらっていたか知らないけれども、その人が月給が下ったか上ったか知らないが、とにかく住宅公団へきて、帰るときには特別に、もし向うにいたならもっと余分にもらっただろうから何か配慮をしてやるという、そういう考え方が私はいけないというのです。私は野人だしあなたは長い間役人をしておったから感覚が違うかもしれませんが、あなたの感覚で押し通そうとするなら、あなたの部下というものはあなたを信頼しません、建設省、大蔵省からくる人間はあなたを信頼するでしょうが、ほかの職員というものはあなたを信頼しなくなります。そういう扱いはおやめなさい。総裁は今、私が申し上げていることも含めた態度をあなたが今後の問題について表明されたものと思いますが、その点はもう一ぺん総裁に伺います。副総裁はそういう考え方を持っているらしいけれども、私はそういう考えであってはいけないと言っているのです。
  165. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) 退職金のことについては、私はただいま申し上げましたように、職員の退職につきましては、公平な扱いをいたしたいと思っております。ただ公務員の退職金が、私も詳しいことは知りませんが、年限に応じて加算率がふえるというようになっているとしますれば、その点は別に退職金の加算という意味でなく、別個の立場からある程度の考慮を払うことが、その本人の勤務に対しての褒賞のバランスがとれるのではないかと思うのでありまして、その点は私も多少不案内の点もありましたが、公平の原則ということは決して破るつもりはございませんが、本人の勤務に対する褒賞の均衡を得るという点は、もう少し考える点があるのではないかと思っております。
  166. 田中一

    田中一君 そうすると、先ほどのあなたの答弁とだいぶ食い違いがきましたね。
  167. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) 食い違いはないと思っております。公平の原則はどこまでも貫く……。
  168. 田中一

    田中一君 そうすると、今副総裁が言っているようなことは、それも公平という判断をしているのですか。国家公務員が向うへ移ったからといって、移ったために減るということは、国家公務員としての考え方、制度を変えればいいのであって、住宅公団の制度そのものは一元的でなければならないのです。それが特別に向うから来たことによって、別な配慮をしてはいかぬというのです。そういう原則を作ってはいかぬと言っているのです。
  169. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) これは結局限度の問題だと思うのです。
  170. 田中一

    田中一君 いや、規定にちゃんとあるのです。規定をお読み下さい。ちゃんと規定にあるのです。
  171. 狭間茂

    参考人(狭間茂君) 規定はよく読んでおります。私が承認を求めておるわけでございますから……。
  172. 田中一

    田中一君 これはあなた、副総裁がそう言っているものだから、それによってどこまでもそう押し通すなら押し通すでけっこうです。私は内政干渉するのじゃないけれども、少なくともわれわれが国会において調査権を発動して、あなた方の悪いところは悪いと言っているのです。現に行管でも指摘しているじゃないですか。役員と職員との退職手当のアンバランス、これは行管に出向しても同じようなことをしているかもしれないけれども、その点はどう考えます。今のような答弁で……。私はしてはならないと思うのです。あなたはアンバランスを指摘している。あなたは役員と職員とのアンバランスを指摘していると思う。今度は職員間の、特権的な官僚が入り込んだ場合……。
  173. 原田正

    説明員(原田正君) 今お話の点につきましては、実は私、その点を調査しておりませんので、はっきりした御意見を申し上げることができないのでございます。私どもとしましては、役員と一般職員との間の不均衡の問題を特に勧告いたした次第でございます。
  174. 田中一

    田中一君 これはこの辺でやめます。しかしこれは総裁もよくお考えにならないといけませんよ。かりにその人が値打ちがあるならば、官僚の独善的な昇給とか昇格とか考えずに、腕のあるりっぱな人はたくさん賃金をやればいいのです。賃金をやればいいのです。退職手当というものは一つの離職手当みたいなものです。あるいは年取った人に対しては一つの生活給与なんですよ。そういうような性格を持っているのです。総裁だってそうでしょう。四年たってやめたらば八百万円もらえるのだという気持はお持ちだろうと思うのです。あなたの場合ははっきりしている。まだ認可されないものだけれどもはっきりされるわけですから……。職員だってそうですよ。特別に建設省から来た者だけは倍額もらえる、あるいは五割増しもらえる。そうでない者はへたすると減額もされる、そういうことでは、同じようにあなたが統括しているところの住宅公団の仕事を熱意を持ってできなくなるのじゃないか、そういうことがあっちゃならない。何もこれは建設省から来る役人のためにあるんじゃないのです、住宅公団というものは。この間も申し上げているように、前向きになって国民の前に向かってあなた方が仕事をしなければならないのです。私はまだまだ申し上げたいことはたくさんあります。ありますが皆さんがもう時間が過ぎていると言うからやめますけれども、まだまだたくさんあります。従って、口に粛正を唱えながら自分の制度にはまり込んで、公団の持っているところのにおい、体臭というものに自分の鼻が感じなくなっちゃ困るんです。そういう点についてはまだまだ私は幸い行管がこういう勧告をしてくれたから、そのしり馬に乗って、もっと国民のための住宅公団を作り上げるために、僕も勉強しますが、あなた方も勉強して、まず内部の宿弊というものを、四年たったんですから、宿弊というものをだんだんなくするようにしていただきたい。同時にまた建設省に対してもお願いするのは、その点については今前段に申し上げたような措置をとり、かつまた建設省から行く人間が特別な扱いをされることが正しいんだなんていう考えは持たないで、一ぺん反省してもらいたい。これは官房長に言っておきます。政務次官は政治家だからきっと僕に同感だと思うから、これでやめます。
  175. 田上松衞

    ○田上松衞君 われわれは相当時間田中さんの言われる、いわゆる行管の勧告についてのことでおつき合いというと失礼ですけれども、こうやってしておるわけです。ところが最後の行管の御返事の中に、役員と職員とのアンバランスについて指摘したのだけれども、職員間の問題についてはまだやっていないからということなんですね。私は監査の結果を聞くのじゃなしに考え方だけを明らかにしてもらわないと、何のためにわれわれ関心を持って聞いておるかわからなくなってしまうのです。田中さんはこれでやめると言われるけれども、私どもの立場としてはその点の考え方だけはお聞きしておかなければいけないと思うのですよ。
  176. 原田正

    説明員(原田正君) 私どもの監察結果に基く勧告と申しますのは、調査しました具体的事実に基いて、その上に立った意見を監察会議を経て、しかも長官の御決済を得まして出すのが行政監察の勧告ということになっておるわけでございます。従いまして私の個人的な意見ということは、行管の監察結果に基く意見というものと非常に相違をいたすわけでございます。従いまして住宅公団に関しまする監察結果の勧告というものは、すでに長官の名前において出されておりますその範囲内におきまして、行管の正式な御回答を申し上げる、こういうこと以外に実はやむを得ない事情であります。
  177. 田上松衞

    ○田上松衞君 どうも役人たちのその言葉は私ども納得できないんですが、考え方を聞くことはちっとも差しつかえない、あなた個人の考えであっても。そうでないとどういう立場で監察されるのかちょっと何か疑惑を感じますよ。ものの一つの考え方があって初めてやるのじゃないのか、われわれはそう考えるんですがね。
  178. 原田正

    説明員(原田正君) われわれの行政監察の立場と申しますのは、いわゆる公平な第三者的立場、しかもでき得る限り国民的の立場に立って監察いたしまして勧告いたす、こういう立場をとっております。従いまして、もし今お話のような諸点につきまして建設、あるいは大蔵省関係職員と、従前からおりまする公団職員との間に、真にそういうようなアンバランスがあるといたしますれば、決して公平なものではないとかように個人的に考える次第であります。
  179. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) それでは本日はこれでもって散会いたします。    午後一時十五分散会