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参考人(清井正君) 重ねておしかりを受けまして恐縮に存ずるのでございまして、まことに私の方の
公庫だけがこういう御批難を受けているわけであります。毎年々々御批判を受ける項目がこの三つに限ってあるわけでございまして、まことに御弁解を申し上げるととはできないのでありますけれ
ども、ただ私
どもといたしましては、及ばずながら
努力を実はいたしているのでございます。
繰り上げ償還をしてないという第一点の批難
事項でございますが、これは御
承知の
通り、主として
災害でございますが、
災害で
貸付をいたしますと、翌
年度あるいはその後に
補助金をもらう、その
補助金で返すというようなことになるわけですが、必ず
貸付をいたす場合には、
補助金をもらったらお返しなさいよ、お返しいたしますという約束になっております。従って、約束を実行しなかったからということで御批難を受けるわけでありますが、
災害の場合を例にとりますと、御
承知の
通り、各県へ
災害補助金が流れております。各県では、主として農地にとりますと、農地課で
補助金を査定いたしまして、それが県の会計課へいきまして、金券になりまして、地方事務所にいきまして、地方事務所から本人にいくという格好になります。従って事前に県から私の方は
連絡を受けまして、この次はどこに
補助金を出すからということで、私
どもの方はそこへ行きまして、それぞれ
補助金の支払いを受けまして、
公庫の
貸付を受けている人をずっと照合いたしまして、
貸付を受けている人はもらったらすぐお返しなさいということで、実際やっているわけでございます。その点がうまくいっている県もあるのでございますけれ
ども、残念ながら大部分の県はあまりうまくいってないのであります。私
どもといたしましては、できるだけ県にお願いをいたしまして、非常にめんどうなお忙しいときであろうけれ
ども、何とか一つ協力をしてもらいたいということをお願いをしているわけであります。ただ
災害の
補助金が一ぺんに参りますのと、件数が少なくて広範囲にわたっておりますので、なかなか実態がつかめない場合があるわけであります。それから
全額もまちまちでございます。それからまた特に問題になりますのは、
市町村が
事業主体になります場合には、
市町村の
収入になりますから、支出ができないのでございます、予算が
通りますと……。それでせっかく
補助金をもらいながら、
公庫に返せないという予算編成上の問題から、
市町村が
事業主体のときは、記帳いたしました場合には私
どもは返してもらえない。こういうような点がございますので、そういうような点から、私
どもといたしましては、非常にめんどうなことでございますけれ
ども、めんどうだからといって、ほっとくわけにいかないのでございまして、今後できるだけ、当
公庫にも
監査委員が五、六名おりまして、しょっちゅう県へ行き、
災害地へ行きまして、
災害補助金をもらってないかどうか、もらっても返してないかどうかということを実は調べて回っているわけです。それから県にお願いはいたしておりますが、大部分が受託金融
機関が取り扱っておりますので、中央金庫、県の信連にお願いするということでございまして、
仕事の大部分が
公庫で直接やっておりませんので、大部分が受託金融
機関がこれを受け持ってやっているということでございまして、なかなか実際上多忙なために全部回り切らぬ、あるいは
年度末に
貸付が殺到している場合には、時間的な余裕がない。これは言いわけにはなりませんけれ
ども、そういうような実態があるわけでございます。そういうようなことがございますので、これは何とかろまくやらなければいかぬ、少しでも金額を減らすように、御批難を受けることのないようにしたいということで毎々お願いをいたし、われわれもまた
努力をいたしているのでありますけれ
ども、なかなか減らないという
状況でございます。しかし、そういうことでは相ならぬから、また実際いい成績を上げている県もありますから、そのいい県の
状況を見まして、この県ではとういうふうにやっているということで、それぞれの県にお願いして今後やると同時に、私の方で
監査機関、
検査機関を動員いたし、また受託金融
機関にも、十分責任を持ってこの
補助金をもらったものを追及して返してもらうようにしよろじゃないかということでたびたびお願いしておるわけでございますが、なおかつ、こういう
状況になっておる次第でございますので、今後私
どもといたしましては、できるだけ一つ手段を講じまして、私
どもの
努力とそれから受託金融
機関の
努力と、それから県に対する協力のお願い、この三つを重ねまして、この繰り上げ償還について、
補助金をもらったけれ
ども公庫に返していないじゃないか、こういう
意味の批難
事項につきましては、十分
努力していきたいと、こういうふうに実は考えておるわけでございます。
それから第二点の
業務方法書に規定する
貸付の限度をこえるといいますのは、
公庫といたしましては、
事業資金の八割だけしかお貸ししないことになっております。ところが、百万円で
事業するからといって、八十万円お貸しした、実際やってみたら九十万円で済んだ、八割を超過したわけですから、超過した分だけを返すという問題が起こるわけでございます。これが借り受け者としては、借りた金でやったじゃないかというようなことを言うわけでございます。お貸しするときに、八割お貸しするのですよ、八割を超過したらお返し願うということでお貸しして、当然
公庫といたしましては八割超過分を返していただかなければならぬということでございます。その返していただくことが不十分でありますために
検査院から御批難を受けておるわけでございます。これの
相当部分も
災害復旧の金であるわけであります。そういうふうに
仕事の性質もそういう性賢でございますし、私
どもといたしましては何とかこの超過分につきましても
努力して減らしてもらいたいというふうに考えております。これは実は県庁にも
貸付をする場合には、工事の血書をお願いするとか、竣工したら竣工調書を出していただくことになっておるのでございますけれ
ども、全部が出ていないわけでございます。全部出てくれば、百万円の工事計画のものが九十万で済んだということはわかるわけでございますけれ
ども、残念ながら県庁からいただく工事竣工調帯も出ておりませんので、従ってわれわれが行ってみて、実際に計算して、工事の結果を拝見して、百万というのが九十万になったじゃないか、ちょっと入側を超過したから返せといって返してもらわなければならないわけでございますけれ
ども、なかなか債務者自身が自分の不利益になるようなことは印して参りませんので、こちらから行ってみなければわからぬということで、そういう二十万からの
貸付対象でございますから、なかなか全部を回り切れないということで、こういう
事態が起きておるのであります。しかし規定
通りによく実行いたしますれば、これはできないことではないのでございます。そうしてわれわれといたしましては、できるだけ
努力をいたしまして、この
貸付限度の超過の問題につきましても、この御批難を受けることが少なくなるように
努力いたして参りたいと思っております。
目的外使用につきましても、先ほど御指摘を受けましたのは三十一
年度でありまして三十二
年度は実は御批難を受けておる
事項はないのであります。目的外使用のこれは、行ってみればわかることを、行ってみなかったからわからなかったので、はなはだ申しわけないと思います。これは要するに実地を見て調べるということがまず第一でございますから、私
どもといたしましては、今後できるだけ
努力いたしまして調べて参りまして、今後できるだけ金額を少なくするように
努力して参りたいと思います。何分にも性格がこういう性格の
貸付ですし、
対象がこういう
対象ですし、二十五万からの
貸付対象でございます。一件当たり百万以上の平均
全額になるということでございますから、なかなかこれを一挙に解決するということは至難かと思いますが、とにかく、われわれがなすべきこと、受託金融
機関のしてもらうこと、県に協力してもらうこと、全部やっていただけば、とにかく大幅にこれは解決できるのではないかという希望を持っております。われわれといたしましては、今後できるだけ
努力をいたしまして、御批難を受けることのないように今後やって参りたい、こういうふうに存ずる次第でございます。よろしく御了承をいただきたいと思います。