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説明員(
横田信夫君) 先生の
お話の御
趣旨、まことにそういうことについてわれわれも考慮するのが当然のことであると思います。現在の建前もそういうことを頭に置いて施策をわれわれとしても
相当講じて参ったつもりでありまして、今のそういうようにして予定
収入というものは、予算上も
拡張改良資金は収支差額で見ていくのは今の料金改正のいきさつからして当然だと思いますが、その予定額をなおこえて
収入のある、それだけ
業務量もふえるわけですから、それについては私たちも
職員、われわれの従業員にある程度還元されてしかるべきものではないか、こう考えております。そこでその予定額を超過したもののうち、これはその中の
収入いろいろありますが、その中のうち従業員の
努力に
関係があると思われるようなものについては、約三分の一を従業員の業績手当として出していこうというプリンシプルに基づいた、大体業績手当を出して参ったわけであります。
それからなおその
収入以外の経費について、経費は予定より節約された。まあ予定より減ったというわけではいかぬわけですが、予定が不用額になって――当然不用額になるべきものは除いて、ある程度の
努力は払ってきた、
努力と
関係があるとおぼしき節減額の実は三分の一というもの、これは各通信局の方に還元いたしまして、これは実は手当としては出ておりませんが、従業員の宿舎あるいは厚生施設、そういうようなものに随時使ってよろしいということで各通信局に還元いたすと、こういう方針で従業員の労に報いていこうということで従来やってきたわけであります。
そのほかには御
承知のように、本年春仲裁裁定第四項に基づく手当というものが仲裁裁定できまったわけでございます。これはわれわれの対案と組合との話し合いの結果、最後に仲裁裁定されて出たのがそれでありますが、これもそういう
趣旨で従実員がとにかく企業の
合理化、
設備の近代化――われわれの企業は先ほ
ども御
指摘がありましたが、世界の
電話事情からいくとまだまだおくれていると思います。
技術的にはだいぶ取り戻して参りましたが、いずれにしましても
設備の近代化を非常に必要とする事実であります。それによってお客さんの需要に応じていけるし、
経営というものもだんだん堅実になる。そこで
設備の近代化ということを年々今後ともやらざるを得ない。
設備の近代化とともに、従業員のいわゆる生産能率というものはだんだん上がっていくわけであります。また
設備の近代化というものが、そういう生産能率を上げるためにお客さんのサービスをよくし、また生産能率を上げるために
設備の近代化というものがあるわけでありますから、そこで
設備の近代化に伴なって毎年々々一つのノルマというものを考えていく。そのノルマに従業員に協力してもらうということ自身について、従業員がある程度考えられてしかるべきじゃないかというのが例の仲裁裁定の第四項でありまして、これは毎年々々予算化いたします。いわゆる従業員の物的生産性、それをものさしにいたしまして、それによってのある程度の手当というものを毎年従業員に見ていこうじゃないか、というようにきまりましたのがこの仲裁裁定第四項、この春の手当であります。従いまして、ノルマに対して常にそういうように従業員に協力してもらうことについての手当を見るとともに、その実績に対してもわれわれとしてはできるだけ考えていく。こういうことでわれわれは
拡張計画とともに従業員の待遇という問題についても、一応こういう態勢がわれわれの事業としてはできておる、まだまだ不十分なところはあるかもわかりませんが。われわれは従業員の生活の向上というものを考えていないわけじゃなくて、私たちの考えておるのはわれわれの従業員でありますので、この生活の向上というものにわれわれとしてもほんとうにできるだけ
努力したい。しかし、このわれわれの従業員の生活の向上は、お客さんを犠牲にしたり、事業を危殆に陥らして従業員の幸福というものはわれわれはないと思うので、やはりお客さんに累を及ぼさず、すなわち料金値上げしてわれわれの待遇をよくするというのは、これは直接お客さんの犠牲においての待遇
改善ということになると思いますが、そういうことでなくして、生産性を上げていくことによってわれわれの従業員の生活を向上していこう、これはわれわれとしてもできるだけ手をにぎって一緒にやっていきたい、また事業の繁栄と一緒にいきたい、こういう
趣旨で今のような態勢ができておるわけであります。そういうことで御了承願いたいと思います。