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1959-12-02 第33回国会 参議院 議院運営委員会 第11号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十四年十二月二日(水曜日)    午前十時十九分開会   —————————————   委員の異動 十二月一日委員鹿島俊雄君、北畠教真 君及び櫻井志郎君辞任につき、その補 欠として江藤智君、松村秀逸君及び鈴 木恭一君を議長において指名した。 本日委員大森創造君及び横川正市君辞 任につき、その補欠として鈴木強君及 び占部秀男君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高橋進太郎君    理事            塩見 俊二君            田中 茂穂君            阿部 竹松君            光村 甚助君            北條 雋八君    委員            天埜 良吉君            石谷 憲男君            後藤 義隆君            佐野  廣君            鈴木 恭一君            徳永 正利君            松野 孝一君            村上 春藏君            占部 秀男君            小酒井義男君            鈴木  強君            椿  繁夫君            豊瀬 禎一君            横川 正市君            米田  勲君            田畑 金光君            加賀山之雄君   —————————————    議長      松野 鶴平君    副議長     平井 太郎君   —————————————   政府委員    警察庁警備局長 江口 俊男君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    事 務 次 長 宮坂 完孝君    議 事 部 長 海保 勇三君    委 員 部 長 渡辺  猛君    委員部部長  若江 幾造君    記 録 部 長 岸田  実君    警 務 部 長 佐藤 忠雄君    庶 務 部 長 小沢 俊郎君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   説明員    東京都警視総監 小倉  謙君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○議事協議員補欠選任に関する件 ○緊急質問取り扱いに関する件 ○請願受理締め切り期日に関する件 ○十一月二十七日の国会構内乱入事件  に関する件   —————————————
  2. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これより議院運営委員会開会いたします。  最初に、議事協議員補欠選任に関する件を議題といたします。  先般、江藤智君が一たん委員を辞任され、議事協議員に欠員を生じましたので、その補欠を選任いたすわけでございますが、先例により、割当会派推薦者議事協議員に選任することとし、その指名を委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、それでは議事協議員江藤智君を指名いたします。   —————————————
  4. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 次に、緊急質問取り扱いに関する件を議題といたします。  事務総長報告を求めます。
  5. 河野義克

    事務総長河野義克君) 岡三郎君から、黒いジェット機ロッキードU2に関する緊急質問が提出されております。所要時間は十五分でございます。
  6. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ただいま報告がありました緊急質問を行なうことに御異議ありませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  7. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。   —————————————
  8. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 次に、請願受理締め切り期日に関する件を議題といたします。  事務次長説明を求めます。
  9. 宮坂完孝

    ○参事(宮坂完孝君) 従来の例によりまして、会期終了日の七日前の来たる七日に請願受理を一応締め切りたいと思います。
  10. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 本件をただいま説明通り決することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  11. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本日は、なお去る十一月二十七日の国会構内乱入事件の問題について御審議を願う予定でございますが、理事会申し合わせにより、一たん休憩し、本会議散会後直ちに委員会を再開することにいたします。  それでは暫時休憩いたします。    午前十時二十一分休憩    ——————————    午後一時十七分開会
  12. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これより議院運営委員会を再開いたします。  去る十一月二十七日の国会構内乱入事件に関する件を議題といたします。本件につきましては、一昨日の本委員会におきまして、事件発生の経緯、その後とられた措置等につきまして、議長その他関係者に対し質疑を行なったのでありますが、時間の関係もありまして、なお解明されぬ諸点を残したまま散会いたした次第でございますので、本日再び議題とし、御審議をお願いする次第でございます。  なお、この際、委員長から申し上げたいのは、昨日の議運理事会におきまして、議長からの御伝言として、事務総長から二十七日当日議長談話として発表した内容の御披露があり、特に議長が、その末項におきまして、「私は参議院議長として、かかる行動は黙過することはできない。将来かかる不祥事発生を防止するため、適当なる措置がとらるべきものであると考える次第である。」というような点につきましての、特に事務総長を通じてのお話があったのであります。その際、理事会等におきまして、この件についても、議長のお考えとか、あるいはもし何か具体的な対策等議長において持たれるというならば、そこらを理事会においてお聞きしたい、こういうことでございましたが、本日議運を持つことでございますので、議運において議長から御発言があることと思いまして、きのうの理事会においては、本日の議運においてその点をお伺いする、こういうことになっております。従って、この際、議長からその事務総長を通してのお話に関連いたしまして……。
  13. 光村甚助

    光村甚助君 その前に、本日の議事を進める前に明らかにしたい点があるのです。と申しますのは、おとといの議院運営委員会において、政府委員江口警備局長を呼ばれたということで、私は議運理事の一員としてそれを知りませんでした。ところで、こういう政府委員とか、あるいはそういう人たちを呼ぶときには、一応議運理事会で話をして呼ぶことに慣例がなっておる。大体それは理事会できめたかどうかということをただしましたところ、田中委員から、これは理事会承認を得たのだというようなお話小酒井委員から再質問しましたところが、奇怪なことを言うなというおしかりを受けて、私たちはどうかつされたと思っておる。それで、私は議院運営委員会理事として、自分が午前中所用で出なくてまことに申しわけありませんと低姿勢答弁をいたしております。あとで調べましたところ、これは理事会にかけてない。そういうことであれば、私はどうかつをされて低姿勢答弁したということは実に心外の至りにたえません。こういうことを調査した結果、どういうことになりますか。一つ委員長からも御答弁を願いたいと思います。
  14. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これはあとで、本日政府委員出席を求めておりますので、それに関連して申し上げますから、最初にまず私が申し上げましたことを議長から御発言を願って、そのあとでこの問題を取り扱いたいと思います。
  15. 阿部竹松

    阿部竹松君 議事進行あとでやるにしても、政府委員にはどういう質問をなさるかわからぬけれども、二十七日のあの行動についていろいろお伺いすると思うので、今の光村委員質問とは関係ないと思うのです。ですから、光村委員質問に対して答えて、そして一昨日の当委民会のやりとり、当時私はおりませんでしたが、それを明確にして、それで議事進行された方がかえっていいと思います。あいまいもこにして参考人の御意見を取り上げるということとは、全然関係ないように考えます。
  16. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 実は委員長としては、理事会であなたから問題になったという点は、議長お話いただいたあとで、本日の政府委員出席を御披露申し上げようと思っておったわけです。理事会決定した政府委員の本日の出席状況と、それに関連して今の光村さんの問題は取り上げてお話しよう、こう思いますが……。
  17. 阿部竹松

    阿部竹松君 その議長からお聞きするのは、私ども理事会においてきのう委員長を通じて議長まで届いたかどうかわかりませんが、議長が二十七日に声明を出されて、こういうことはいかん、将来ないようにしようではないかということで、そういう声明はけっこうであるし、まあよろしゅうございましょう。しかし、将来こういうことをなくするためにはどうしたらいいかという議長心境をお伺いしたいというわけですから、本件ときわめて関係があるし、議長発言もわれわれは聞きたい。しかし、光村委員の言うておることは、二十七日にたまたま田中委員発言に発した問題だから、これは僕は簡単だと思うのです。
  18. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは、今光村委員からの発言について私からお答えいたします。本日は警察庁の長官が事故がありまして、警備局長江口君、それから警視総監小倉君、警備部長の玉村君が出席するようになっております。なお一昨日は江口警備局長出席しておられましたが、これは理事会終了後、自民党の田中君から事務当局の方に、自分質問の都合があるから、従って政府委員である警備局長出席を求めてくれ、こういう要求がありまして、警備局長出席をしていただいたのであります。その点は一昨日の理事会におきましても、理事会において決定して、その承認のもとに警備局長出席を願っておるような田中委員発言は、自分の間違いであったから、それは一つ取り消す、こういうことで、安部理事も、田中理事がその点間違っておったという点を釈明せられたならば、それならそれで自分は了承しようということで、理事会としては一応これについてはケリがついた、こういう形です。
  19. 阿部竹松

    阿部竹松君 ですから、その話は、たまたま田中委員発言があったときは私がおらなかった。僕はそういう問題が起きたのは知らないけれども、しかし、あとでわが党の委員各位に聞いたところでは、実は江口警備局長を呼ぶということは理事会決定をしておる。お前たちが言うのはおかしいではないかというようなことであったので、私はびっくりした。こういう約束はしておらぬ。田中委員江口警備局長を呼ぶのは、たとえば事務局を通じてやったというなら、それはよろしいが、理事会できまったなどと言われては、これはわれわれとして迷惑千万でありますから、今委員長の言うた通り、それは誤りであるということであるならば、これは理解するのです。しかし、速記録はどういうことになっているか。
  20. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これは、ただいま私が申し上げたことは速記録に載っておりますから、従って理事会のただいまの田中理事からの発言で、議運理事会決定によって警備局長出席決定されているという発言は取り消す、その点についても、なお本人からその字句について訂正したいという申し出がございましたので、従ってそれによって訂正いたすつもりであります。
  21. 小酒井義男

    小酒井義男君 今阿部理事からの発言で、私ちょっと気になる点があるので、それを明確にしておきたいのですが、当日、田中理事から奇怪なことを言うなとおしかりを受けたのは私なのです。理事会あと田中理事から事務局連絡があって、そして出席をしてもらったんだ、こういうことはいいが、ここで理事会できまったということを言われたことはいかんというふうに阿部君は言っておられる。そういうことはいかんですよ、やはり理事会で相談の上でないと。そうでないと、私ども社会党が勝手に通知を出してここに来てもらって、そして発言させる、あとでそれがうやむやになる。そういう危険性がありますから、私はやはり今後は、事務局は別でありますが、そうでない関係出席委員会に求めるときは、理事会で明確に申し合わせをした上で、これはやるということにしていただかないと、少し誤解を受けるような発言がありましたから、その点を明確にしておきたい。
  22. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ただいまの小酒井君の御発言はごもっともでございますから、今後の運営等については、そういうふうに取り計らいたいと思います。
  23. 椿繁夫

    椿繁夫君 議事進行。間違いであったことがはっきりしましたので、そうかた苦しくならずに、田中委員も御出席でありますから、理事会決定しなかったものを、理事会決定してこういうふうにしてもらったんだ、だから黙れというような御発言があったようですが、その部分については、御本人から取り消しを明らかにしてもらったらどうでしょうか。そういうふうにして進行していただいたらいかがかと思います。
  24. 田中茂穂

    田中茂穂君 今の椿君の御提案ですが、先ほど委員長からお答えがありましたように、きのうの理事会で、私からその点についてのあやまちの釈明をいたしております。従って速記録もそのように訂正されるはずでございますから、一つその点でお認め願いたいと思います。
  25. 椿繁夫

    椿繁夫君 理事会は重要な決定をされるところでありますけれども、本委員会のように速記がついていないのです。ですから、そこで釈明があったことはわかりますが、さらにここで、発言なさったことでありますから、この委員会の席上で、あっさりあの部分については間違いだった、取り消しますと、こういうふうに御発言なさったら、すっとスムーズにいくのではないですか。
  26. 田中茂穂

    田中茂穂君 きのうの理事会で申しましたように、江口警備局長を招致したのは、自由民主党から事務局を通じてこの議運に招致したのであって理事会云々の問題は私の錯覚であって、ここで訂正をいたしたということで、この問題は御了承願いたいと思います。
  27. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それではこの程度にいたしまして、先ほどの議長答弁を願います。
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいま委員長からお話のありました、去る十一月二十七日に私が発表いたしました談話に関して申し上げます。  私は、当日あの暴状を前にいたしまして痛切に考えましたことは、このような事態は何としても一刻も早く排除しなければならない。と同時に、今後絶対にこのような不祥事の起こらぬようにもしなければならぬということでありました。そこで、私は早速警察当局に対し警察官の派遣を要請いたしますとともに、議長として、かかる行動は黙過することはできない。将来かかる不祥事発生を防止するため適切な処置がとらるべきものであると考え、そういう趣旨の談話を発表いたしました次第であります。そのため具体的な処置をいかに講ずべきか、当委員会においてすみやかに御検討を願いたい、かように考える次第であります。
  29. 阿部竹松

    阿部竹松君 参考人もおいで願っているようですから、議長にお尋ねするのは私はあまり時間はかけない方がいいと思うのですが、議長に一点二点お尋ねするのですが、ああいう二十七日のようなことは、われわれもけっこうなことだとは夢にも思っておりません。ただ議長がそういう心境であれば、どういうふうな方法をなされるのかということをお伺いしておくと、われわれ議運でやることにも非常に参考になるのです。たとえば、私どもは二十七日のようなことは非常にけっこうでないけれども、とにかくやはり政治がよくなければ、明治時代でも大正時代でも政治がよくなければ、あのくらいの軍国日本でもファッショ下日本でも暴動が起こる。起こった暴動が全部これは犯罪だとは断定できない面も、私は本で読んだだけですが、あり得ると思う。ですから国会議員が、われわれの仲間が……ここに江口さんと小倉さんがおいでになっているから、二人のうちのどちらかの方に御答弁を願ってもいいのですが、われわれの仲間で、膨大な金を使って国会議員になって、うろちょろ逃げているのがいるのです。それから昼間正常に開ける国会をあくる朝になってやって、わざわざ騒いでおるというようなことになれば、これは国民が憤慨するのは当然だと思うのです。しかし私はそれによって今回の二十七日のことを正当化しようとは思いませんが、なお議長さんのことについてはなはだ恐縮ですが、党籍離脱ということで、衆議院加藤議長さんなどは党籍を離脱してやっておられる。あなたは党籍を離脱しない。そういうもろもろの問題について、人を責める前に自分みずからが厳に戒しめなければならないと思うのです。われわれの仲間から縄付きの罪人をたくさん出しておる。これは警視庁あるいは最高裁判所の判決によらなければ罪人だということは言えないとしても、あんな国民から疑惑を招く者をわれわれの仲間の中からどんどん出しておって、そうして法律だけ作ってやらすと、作る方だけが仏作って魂入れずになりはせんかと思うのです。その点、議長は、ただ単に国会から何キロ以内に集まってはいけませんよという法律を作って事足れりとするのですか。
  30. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 阿部君の御質疑に対してお答えいたします。私はどういうことをしなければいかぬ、こういう意味において議長はその案を持っておるわけではない。しかし、お互いに良識ある議員として考えた場合においては、議長として、私はあのまま黙過することは、議院の体面上また責任上あのままではいかぬ、こういう意味において私の談話は発表したわけでありまして、私の談話に対しては、阿部委員も言われた通り、あれにはおそらく何人も反対せられるはずはない。議院としてはああいう不祥事はまことに遺憾だ、これに対しては今後起こらないように適切な処置をしなければならない。これに対しては考えてもらえることだと思う。ということは、いわゆる議員諸君のおのおのの責任において考えてもらうことだと思っておる。これは国民に対して私は発表すべきだと思ってやったのです。  それから、この具体的な案をいかにするか、こういうわけでありますけれども、これは議長職務議長職務ですけれども、こういう問題は、議員諸君のお考えによって処置は講ぜらるべきであるから、議長はかかる案を持っている、こういうことを議長が示すべきものでは私はないと思う。それはそのときの実情に照らして、いかにすればああいう陳情が議院に押しかけて来ないように、神聖な議場を汚さないように、国民に安心を与える方法は、おのずから皆さんによってこれは研究してもらうべき問題だ。これには、参議院においては議院運営委員会を中心にして、すべてのことが討議研究、結論を得て、そうして議院運営を全からしめるというのが、私の心からなる真意であります。で、そういう意味において、私は、こうすることによってああいう問題が再び起こらない、こういうことは、私みずからの案は、かりに個人としてはあっても、議長としては自分がまだ示すべきものじゃない。皆さんが示せとおっしゃるならばそのときの問題だけれども、これは皆さんが御研究下されば、おのずから適切な案が出るものと考えております。  それから党籍の問題を例に言われたけれども、これは党籍の問題とは別です。私が党籍を持っておったからあの問題が起きたのじゃない。それで、衆議院における加藤、正木の両議員党籍を離脱している。けれども問題は要するに起きた。これは外部がしたのです。党籍の問題はおのずから別です。私が党籍を持っているからこの不祥事が起きたというようなことに、まさかこれにくっつけちゃおられないだろうと思うけれども、その問題は私ははっきり別だ、こういうことを申し上げます。
  31. 阿部竹松

    阿部竹松君 党籍離脱とこれとくっつけるとか、くっつけんとかいうことじゃない。国会デモ隊が、全学連なら全学連が押しかけちゃ困るということだけ解決すればそれでいいということなら、もう警視庁から予備隊でも二個中隊か三個中隊呼べば解決する。しかし政治の問題はとにかくそういうことではなしに、そういうことできめつけるのもけっこうだが、それだけでなしに、やはり院の中のわれわれがしっかりしなければならないので、われわれの仲間からだって警視庁へ同志がばくられたとかばくられんとか、そういうことがあるじゃないか。そういうことも解決しなければならぬし、それから、ひいてはやはり議長というものは、もう院の代表者なのだから、党籍離脱という高所に立ってやらなければならぬのだからというわれわれの主張も、あなたはしりぞけておられる。ですから単に防波堤を作るということだけじゃなくして、議長は政界に五十年も六十年もおられて、われわれと違って大御所ですから、そういうことも考えているかということを聞きたい。ただデモが押しかけちや困るということなら、小倉さんや柏村さんに頼んで、二個中隊でも━━競輪をやめたら、競輪には一カ年に三万人の警官が出動するそうですから、競輪の方から持ってくればすむのです。そういうことじゃいかんから、僕らは論議するのはけっこうです。あなたは声明を出したけれども声明もいいですが、あとはよきに計らえということじゃだめです。根本的な政治にメスを入れるお気持はありませんかということを聞いているのです。それがないというなら別です。
  32. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 今、阿部君が言うのに、議長はそれがないなら別だと言われたが、お互いの間にそういう気持で話し合いはしない方がいい。お互いは、その日のあなた方の院における問題も、きわめて紳士的に、ああいう不祥事の起こらぬようにということで議長連絡をとって、請願のときにも少数のときに会ってくれと前日言われた。それに対して、私はごもっともなりとして朝早くから来て、諸君事務総長を通じて、あるいは直接連絡をとって、そうしてあなた方はあなた方として議員としてりっぱな行動をとったことに対しては、心からお互いにとけ合って話しているわけです。それを議長は何か別もののような、あなた方とは別もののようなふうな気持で私が接しているというような気持は、まさかないと思うけれども、言葉だけ聞くとそういうふうにも聞こえるが、あなたの人格、あなたの発言、それから十一月二十六日、七日、両日の連絡、私はそういうことに対しては、むしろりっぱな議長だと思ってまことに敬意を表したのです。参議院議員は実に違う、参議院は違うというくらいの私は気持からあなた方と接している。だから、そういうことは、お互いにやはり何らか、人の気持外部に対してでも、またほかの者に対してでも、かどがあるようなことはお互い一つ話さぬようにしていきたいと思います。
  33. 阿部竹松

    阿部竹松君 最前申し上げました通り参考人のお二人を呼んでいるようですし、議長とは毎日お会いできるのですから━━ただ、議長の院を代表して出されたのはけっこうですけれども、もう少し具体的な実のあるものを、こういうふうにしたらいいではないかということを僕らが聞けば、理事会なり当委員会でやりやすいということで聞いたので、それはいいです。お二人の参考人もお見えになっていることですから一応……。議長とはまたお話いたします。
  34. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは、この前の議運加賀山君及び北條君。田畑君等から質問残り等がございまして、その当時政府委員もおられないので、そのままになっておりますので、従ってこの際その点を明らかにしたいと思います。
  35. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 私は、今度の問題が、国会に乱入した、この点に非常に重点を置かれて取り上げられている。これはまあ当然非常な重点を置くべき問題には相違ないと思いますけれども、この資料でいただいた、莫大な負傷者が出たという事態ですね。これは私はやはり同胞がこんなに負傷して、ことに職務を執行する警察官がこんなにたくさん負傷を負った者もかなりおる。それから一方こちらの国民会議側でも相当おるだろうと思う。これは社会党が御存じかと思うから、これは別の機会にそういうことをお伺いしたいと思いますが、この負傷者が主として一番多いのはチャペル・センターから国会の門の所で出ておるわけです。これは明らかに国会を正面から破ろう、これを破らせまい、この二つの相反するあれから出たものと私は推定するのですが、その点について警視総監はどういうふうにお考えになっているか。
  36. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 最初といいますか、まあ三カ所に集まりましたデモ隊国会の方向に向けて行動を起こしたのがおそらく午後三時ころだったと思います。当初非常に激しかったのは、特許庁の周辺に集まった集団でありまして、これが特許庁の両側からだんだんと国会の方向に向けて押し寄せて参ったのであります。それにさらに人事院の方に集まりました集団の中の相当数の者がこれに加わるというようなことがありまして、多数負傷者が出ましたのは、通産省前に━━これには出ておりませんが、三年町の一番地あたり、あすこらで数十名、ここに七十名と出ておりますが、これであろうと思います。これが非常に固まって負傷者が出た場所であります。それから同じく特許庁の方向から総理官邸の方に出て参りました者がグランド・ホテルの前、あるいは総理官邸の坂下、そこらで相当数出しているのであります。そうしてその集団は総理官邸付近、あるいは衆議院の第二議員会館付近、そこらまでずっと出て参ったのでありますが、午後三時四十五分ごろからだと思いますが、チャペル・センター前に集まっておりました一万余の集団が、各指揮者等の激しい演説を聞きましたあと、これから国会の方に行くのだということで激しい行動を起こしまして、警察の制止線を突破しようとして参ったのであります。チャペル・センター前は、車道の方は車を並べまして制止いたしておったのでありまするが、国会正門から見まして右側の方のチャペル寄りの歩道の付近は警察官をもって制止しておる。そこでその点に対する一万余、なかんずく前方におりました全学連あるいは労組の若い者、その他の者が非常な力でここに力を集中して参りました。あとからまた一万余の者がだんだんと押してくるというようなことで、警察官との間に激しいもみ合いとなり、そこで警察官に百名余の負傷者が出るということになったのであります。そこにありますチャペル・センター前の八十二名及び国会正門前の七十名の中のあるものはそれに当たると思うのでありますが、警察官側のみならず、デモ隊側にも相当の負傷者が出たであろうと思います。中にはチャペルの石垣に押しつけられて、助けてくれという声、あるいは歩道と車道との間にある道床といいますか、これに足を取られてひっくり返る者、その上にデモ隊警察官が折り重なって倒れるというような事態が起こりまして、このあたりが非常に危険な状況で、そのまま放置すれば死傷者も出るというような状況であったのであります。以上であります。
  37. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 われわれは、こういうことで同胞が傷つくということはどうしても避けなければいかぬと思うのですが、けがをしないでうまくそういった集団をかわすという方法考えられるものか考えられないものか、その点については警視総監はどうお考えになりますか。
  38. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 私の方としても、けが人を出すということは好ましくはありませんので、極力方法を講じたのであります。たとえば車でこれを制止するというようなことも、警察官デモ隊とが直接ぶつかり合うと、どうしてもそこにけが人が多数出ますので、車で防ぐというのが適当ではないかというので、車も使用したのでありますが、いずれにしましても、あれだけの激しい気持ち、激しい行動で警察の制止線にぶつかってくるということであります以上、これを強引に押しとどめるということになりますならば、どうしてもけが人が出る。やむを得ずけが人が出る。そこで警棒を使用する、あるいは他の武器を使用するということになりますならば、おそらく非常な流血の惨事になったであろうと思うのであります。
  39. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 この間、江口さんのお話で、何だか今度のことについてはそう大したことになるまい、平穏な陳情が行なわれるであろうという予想のもとに、防備のやり方を今までと変えたというようなお話があったが、そういうようなことはなかったのですか。チャペル・センター前に車のバリケードを築いて守る、防ぐということ、これは従来通りのやり方でございますか。
  40. 小倉謙

    説明員小倉謙君) ああいうような多数の者が国会周辺に集まるというような場合には、大体ああいうような方法で今までも警備をいたしておるのであります。車を使わないで済むような小集団の場合には、そういうような大げさなことはなるべくしたくありませんが、ああいうような多数の者が出てくる場合には車も使っておりまして、当日の警備の状況は従来と考え方あるいは方針としては同じ方針であります。なお、警察官は、従来最も多く国会周辺の警備に出しましたのが、たしかに三千名くらいのときがあったと思いますが、当日は五千名程度の警察官を出したのであります。
  41. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 そのチャペル・センター前の状況について、先ほど映画でも確認をしたのですが、非常な勢いで、これは三時過ぎごころのことだろうと思いますが、初めは大したことはなかろうと思われたという話、これはまあ情報なり判断の問題になりますが、あそこの状況を察すると、これはただごとじゃない、これは国会にどうしても押し込もうとする意図を持っているというように感じられたであろうと思うのですが、その点、その当時においてはまだお感じにならなかったのでしょうか。
  42. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 以前から、全学連その他一部の面において不穏な様子のあることを情報として承知しておりました関係上、最悪の場合にはそういうような事態もあり得るという判断のもとに警備配置をいたしておったのであります。先ほど申し上げましたように、そのような場合もあり得るということで、チャペル・センター前あるいは総理官邸、第二議員会館の方面の警察官が懸命に制止をいたしておったのでありまするが、チャペル・センター前において、先ほど申し上げましたように、一部からついに突破されまして、これを人事院の方向に極力流そうということで努力をいたしたのでありますが、非常な勢いでデモって参りまして、ついに警察官の制止線をさらに破られまして、国会正門に殺到した、こういうような状況でございます。
  43. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 目的が国会内の乱入にありとすれば、つまり国会の建物、その正門自体はなかなかその勢いを制止することはできない。これは私は群衆心理から明らかだと思う。できるだけこれをやはりそういう場合には先の離れた所でとめるより私は道がないというように思います。特に正門はああいうようにそう強い建造物ではないし、映画で見ますと、その扉をこれは議員の要求によってあけたと思いますが、淺沼議員を先頭にしてどっと、そのときに、やっぱり静粛な陳情団が入るような様子じゃなくて、どっとなだれ込むような式で、正門があいたとたんに入っておる。そのあと、しめようとしたことは確かに見ておりますが、そうなったらこれはもう防ぎ切れるものじゃないと思うのですが、この正門をあけることについて、デモ隊の方、いわゆる指揮者側との間に何か話が行なわれたかどうか、警察側と。それからデモ隊の中で陳情団だけが入るから、あとはその正門前で待機するようにというような、そういった群衆に対する抑制が行なわれておったかどうか。指揮者の口から、あるいは行動でそういう点について何か報告を受けておるかどうか。警視総監に伺います。
  44. 小倉謙

    説明員小倉謙君) そういうような国会に入ってくるというようなことのないようにというような面につきましては、現場においても事前によく警告もいたしておるのであります。それで代表何名かが請願をするというような話といいますか、警告も、現場における責任者といろいろしておったのであります。それからもう少し詳細に申し上げますと、チャペル・センターのところから強引に突破して来ましたデモ隊、これを防ぐ意味で、国会正門の前にも警察官を相当数配置してかまえておったのでありますが、総理官邸方面、第二議員会館方面、その方のデモ隊の力も非常に強い状況でありまして、さらにあの地下鉄からどうしても湧いてくるのであります。学生あるいは組合員、これが約やはり三百名くらいおりまして、この三百名程度のものを総理官邸の方に警察力をもって制止しておったのでありますが、これがチャペル・センター前の方の状況を見たせいかと思いますが、非常に力強く反撃して参りまして、その方に国会正門前に配置しておりました警察官の中からある程度のものを急派しなければならなかったというような状況もあったのでありますが、残っております警察官、さらにあらかじめチャペル・センター前で制止に努力しております警察力をもって正門前に制止線を作って、極力これを防ぐ努力をいたしたのでありますが、非常に激しい多数の者の力によって、これを制止し得なかったということに相なったのであります。
  45. 占部秀男

    占部秀男君 議事進行……。
  46. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 今発言中です。
  47. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 それで私が伺おうとしているのは、私は警察が努力されたということよりも、いわゆるデモ隊側に、できるだけそれを抑制しようという動きがあったかどうか。これは全部の意図ではなかったろうと思うので、特にそれを指導しておられた人の方では、国会側に入り得ないということは明らかなんですから、それを制止するような言動があったろうと思うのです。ただし入るのは陳情団だけで静粛に行なうべきものである、だからあとの者は静かに正門外で待つようにといったようなことも、チャペル前かあるいは正門前のどこかで、そういうことがあったろうと思うのです。そういうことをされたかどうか。それとも、それはこちら側の方で、こちらの方では夢中になっていてわからなかったと言われるのか。そういうあれがあったかどうかということを、もし多少でもお感じならば伺いたい。
  48. 小倉謙

    説明員小倉謙君) おそらくああいうふうな事態になるであろうということは、指導者の方たちもあらかじめ考えておられなかったと思うのであります。従来の集団陳情といいますか、こういうような場合には、相当激しい状況がありましても、代表者が、少数の者が国会内で陳情をされる、あるいは請願される、その報告を待って、そうして人事院の方向に大体流れて解散していくと、こういうような実情でありまして、おそらく今回の場合は、それぞれが請願するのであったら、一応原則としては国会に皆が行くというような考え方になるのでありまするが、しかしながら警察力でもってこれを制止されるというようなことが当然予想されますので、おそらく従来と同じようなことで終了していくのではないかというふうに、指導者の方も思っておられたのじゃないかと思うのであります。しかしながら、現場においてどのように指導をされたかということにつきましては、現在さらに調査を進めておりますので、明瞭になりましてからお答えいたしたいと思います。
  49. 占部秀男

    占部秀男君 議事進行。重大なことなんです。今の点について、それは加賀山さんが質問されておること自体が、その内容が、質問がばかばかしくなるような重大なことなんだから、私は観念的に言うのじゃない、事実の問題だから……。
  50. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) この前の議運でも田畑君からも注意がありまして、やはり一つ発言を区切ってやりたいと思います。その間にやるということはあれですから……。
  51. 占部秀男

    占部秀男君 では一つ済んだらお願いいたします。
  52. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 最後に一つ伺いたいことは、こういうことは二度と繰り返されないようにわれわれはしなければならぬと思うので、その点について、やはり大衆がこうして激するということが今後出ないということは言えないと考えなければいけない。そこで私は、そうすれば、未然に、こういったけが人なんかをもう今後出さないで、正常なデモ、そして特に国会の中に、入ってならぬ所へなだれ込むというような事態を防ぐためには、これはデモ隊自体がそういった自制自粛するということが根本であり、これができれば問題はないと思うのだが、それがない場合に、今度はそれを防ぐ方の側として、これならできるという成算を持つには一体どうしたらいいか。今考えておられるかもしれないが、もしお考えがあれば、こうすれば防げる、こうすれば自信がある、こういうようなお考えがあれば、警視総監から伺っておきたい。
  53. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 私たちで前から国会警備についてはいろいろ検討もして、最善を尽くしたいという気持でやっておるわけでありまするが、一応私ども考えを申し上げますと、国会を警備する場合に三段階あると思うのであります。第一の段階は、外周でそういうような乱暴すると言いますか集団的なデモ隊のようなものを整理する、外周で整理する。それから次は構内に接近した周辺でこれを制止して、構内の中に入れないようにする。それから最後の場合は、構内はやむを得ない、国会の建物を防ぐ。三段階に分けて考えておるのであります。  そこで第二の段階の場合でありまするが、あれだけの多数の集団、しかも相当気勢をあげ、激しい行動に移っておるものが参ります場合には、国会の門があり、さくがありまするけれども、どこからでも乗りこえてこれるような状況でありますので、その多数の集団の中に全学連のような無軌道なものが入っておったり、あるいは一部のものが群衆心理にひかれて内部に乱入をするというような意図を抱いたりするような場合には、なかなかこれは警察力をもってこれを構内に全然入れないということはむずかしいと思うのであります。そこで、どうしてもやはりそういうような事態になったならば、国会の建物を守るという第三の段階に移らざるを得ないのでありまして、やはり私どもとしましては、外周でそういうようなデモ隊を制止するということに警備の方針を立てざるを得ない。今回の場合も、チャペル・センター前、それから特許庁、人事院ビル付近、こういう三カ所に集団が多数集まりまして、これが国会方向に行動するということでありまするので、その場所に制止線を設けて、外周でとめるという努力をしたのでありますが、非常に激しい抵抗のため、逐次それが突破されて参ったということであります。  そこで私が申し上げたいのは、私どもは、請願権は重要なる国民の権利であると思いますが、これはやはり平穏に行なう、平穏な請願ということが認められておるのでありまして、過日のようなああいうような形のものは私どもは認められない、とうてい認められない行為であるというふうに判断して取り締まりをし、これを制止しておるわけでありまするが、しかしながら、やる方の人たち考え方は、いや、これもやはり憲法に認められた請願権に基づく請願行為である。また最近は東京都の公安条例に対して地方裁判所で違憲の判決が出ております。これはもちろん控訴中でありまして確定しておるわけではありませんが、しかし、そういうような面も頭にあって、集団で請願をやるのは許された行為である、やれるんだというような気持でみんながやっておられる。でありまするから、そういうような気持である以上、外周でとめるという場合も非常に激しい抵抗があり、困難な事態に会うわけであります。従いまして、ああいうような形における国会に対する集団陳情、集団請願というものがはたして認められるものか認められないものか、という点が、非常に私は問題の要点であろうと思うのであります。そこらをぜひ一つはっきりしていただくことが、私どもの警備の面からいいますと非常に望ましいのでございます。もちろん今回の事件にかんがみまして、さらに警備の上において再検討を加えまして、ああいうような事態がないように極力努力いたしまするが、そういったことが絶対にないことを保証し得るかと言われますと、私は必ずしも保証できないというふうに申さざるを得ないのでございます。
  54. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 私は一応終わりにいたします。
  55. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 占部君、先ほど申し上げた通り議事としては、この前の議運委員会北條委員田畑委員質問が残っていますので、それを先にやりたいと思うのですが、議事進行上どうしてもというような……。
  56. 占部秀男

    占部秀男君 今の答弁に関することです。
  57. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは簡単に願います。
  58. 占部秀男

    占部秀男君 ごく簡単にやります。加賀山さんの今の御質問に対してわれわれは何かを言うわけではないのです。加賀山さんの御質問が、少し誤解されておる事実の上に立って質問がされておる。その上に立って小倉総監が答弁されておるというところに私が言わなければならぬ問題があるのです。というのは、加賀山先生が今おっしゃった中で、当日門を破って入ったというときに、淺沼氏以下陳情団が入られた、そのあと全学連がこう入られたと、こういうお話であったのですが、これはもう警視庁でも御存じだと思うのですけれども、陳情団はあの正面の門の、一番こちらから言って右側の方の小さな門を入って、しかもその門をしめてしまった。そうして陳情団は衆議院の方へずっと行って、相当な時間的な間隔も置いて、そして全学連の人が今度はその門と違った正面の大きな門をぶち破って入ったわけです。正面の門をぶち破って入った。で、そういうような事情というものは小倉さんは警視総監として御存じなわけである。御存じなわけでありながら、その事実を明確にせずに、加賀山さんの言われた、何か陳情団が入って、そのあとからずっと入ったということに対して答弁をされておるということは、これはこの議事運営の面についても非常に不親切なやり方であり、加賀山議員質問に対して、私はことによったら侮辱になるような不親切な答弁じゃないかと思う。そういう点は、事実は事実として明確にして、それで答弁をしてもらわぬと私は困ると思う、特にこういうような問題については。従って私は……。
  59. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 占部君に申し上げますが、おそらくこれは各議員とも当日の判断については、材料等についていろいろな角度からこれは認識されておると思いますから、従ってまあ一応済みまして、そうしてそういう点について、たとえばこの議員はこういうような発言をせられたけれども、これはこういう点が事実と違う点であるといって、あといろいろ究明せられる点は順序を追うて究明することとして一応進みたいと思います。
  60. 占部秀男

    占部秀男君 僕の言うのは、加賀山さんに対する問題ではなくて、小倉総監がそういうことを知っておりながら、しかも加賀山さんに失礼だけれども、私から言わせれば、誤認された事実に基づいてその質問をせられたと思われるような点について、それを誤認的な事実を知っておりながら答弁される小倉さんのやり方に対して、私はそういうやり方をとってもらいたくない。
  61. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 一応それは加賀山君だけの質問でなく、あるいはほかの方の質問についても、今申し上げました通り、いろいろな事実関係の、あるいは資料によっての個人の判断によっての質問なり、あるいはそれに対して当局からの答弁があると思いますから、それらにつきましては一括して、占部さんの今の点は保留しておきますから、いずれあとで解明していただきたいと思います。
  62. 北條雋八

    北條雋八君 私も実は現場を見ませんので、映画で見ましても断片的でございまして、秩序立って初めからわかりませんが、この問題は、私この間もお尋ねいたしました通り、今お話がありました陳情団を案内された淺沼さんその他の方の入った入口と正門と違うということは知っておりましたが、初めに横の方の入口から案内されて誘導された、そのあけたときに、本来なら約束が三十名ということで、人数ははっきりしませんけれども、その陳情団が案内されて入りましたが、これを入れて締めようとしたときに、百人以上の者がなだれ込んだというふうに聞いているのです。それは正門じゃなかったかもしれませんけれども、その点が非常に問題になる点だと、今も御発言ございましたが、そのいきさつを少し詳しく伺いたいと思って伺ったわけなんですが、それで、そのときに陳情団はよろしゅうございますが、なだれ込んだ者が百人以上だとすれば、そのときに紹介者の淺沼さん一行がとめたか、とめないか、それを制止したかどうか。先ほども加賀山さんが聞かれたのはその点が重点であろうと思います。それで、そういう時間的にも入ったときの様子をもう少し詳しく伺いたいと思うのですが。
  63. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 私どもも、テレビあるいは写真あるいはその現場におりました人たちからの話で、その重要な点を一そう明確にしようということで現在努力中でございます。現在までに私が聞いておりますところでは、四時二分ごろ社会党国会議員及び代表と称せられる人たちが門を入られた、その際に、それにプラスして若干の者が入ったように聞いておりまするが、ただこれがどの程度の人数であったかということにつきましては、さらに検討いたしております。それから中央門の方を全学連初め激しいデモが非常な勢いでこれを破って入ってきたということも、これはおそらくそのとき入りました者は三百名以上であったと思いますが、これは写真にもはっきり写っておりまして、その点は事実であると思います。
  64. 北條雋八

    北條雋八君 時間はどのくらいですか。
  65. 小倉謙

    説明員小倉謙君) それがちょうど四時━━一、二分のことですから、よくわかりませんですが、四時二分ごろから四時四分ごろまでの間のことだと思うのですが、代表が入られて、それから三百名余の者が中央門等から入ったというようなのが一、二分の間であろうかと思います。それから、淺沼さんがその際にデモ隊が入ることをとめたかどうかということにつきましては、私どもの方では確かめておりませんが、現在まではそういうことは聞いておりません。
  66. 北條雋八

    北條雋八君 それで、陳情団を誘導して院内に入られたわけですね、そうしてその間、正門からどんどんなだれ込んで多数の者が入っておったわけですが、院内で面会はされなかったかどうか知りませんけれども、再びその後に出てこられたのは何時ごろですか、時間はどのくらいかかったんですか。
  67. 小倉謙

    説明員小倉謙君) それはどなたですか。
  68. 北條雋八

    北條雋八君 陳情団の紹介者たる淺沼さん一行が。
  69. 小倉謙

    説明員小倉謙君) その点は聞いておりません。
  70. 北條雋八

    北條雋八君 それはまた伺いますが、それでは事実につきましては、私の伺いたいのは今の点でございます。そのなだれ込んだときにそれを制止されたか、されないかということが、私のおもな質問でございますから、警視庁の方に伺う点は、これでとどめます。
  71. 田畑金光

    田畑金光君 警視総監とだれが来ておられますか。
  72. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 先ほど申し上げました通り警視総監と、それから警察庁の方は、警察庁長官のかわりに江口警備局長、それから警視庁警備部長の玉村君、三人来ております。
  73. 阿部竹松

    阿部竹松君 警備局長は病気中だという話でしたが……。
  74. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ちょっと阿部さんに申し上げますが、警備局長はかぜを引いて病気中は事実なんです。ただ警察庁長官が衆議院でどうしても抜けられないので、従って警察庁長官も警備局長も両方いないということは困るということで、病気を押して江口君が出席中だ、こういうことですから、御了解を願います。
  75. 田畑金光

    田畑金光君 これは御出席の二人で答弁できるかどうかわかりませんが、今回の無秩序きわまるデモの先頭に全学連の若い学生が立ったという事実に照らして、まずお尋ねしたいことは、この全学連の組織という実態について、全国的にあるいは地方的にいろいろ組織があると思いますが、その組織の実態がどのようになっておるのか、当局はどのように把握されておるのか、まず一つそれをお尋ねしたいと思います。
  76. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) お答えいたします。全学連の状況につきましては、昨日も文教委員会でございましたか、公安調査庁からある程度の発表をしておられるようであります。私たちの調べもほとんど同様でございますが、人数等につきましては多少の違いがございまするので、ただいま警察庁として承知いたしておる限りのことを申し上げます。全学連は、御承知の通り、全国百十一校、二百六十三の自治会がこれに加盟いたしておるのでございまして、その自治会に所属する人間の総数をあげますれば二十六万六千名に上るかと思います。昨日の話は二十九万という数字も出ておりましたので、多少の食い違いはございまするし、さらに自治会費というものを納めて、それが全学連の費用に入るというような数をとりまするというと、もっと少なく相なる。形式的にはしかし二十六、七万の人間がおると、こういうふうに考えてよかろうと思うのであります。全学連を牛耳っておりまするのは、いわゆる共産党でもこれにてこずると一般に言われておりまするように、いわゆる全学連の主流派というのは代々木の共産党よりももっと徹底いたしておるのであります。いわゆる全学連の反主流派というのが、ちょうど代々木共産党と大体同じ考えを持っておるということでございます。二十七日のこの国会デモに参加いたしましたのは、はっきりした数字はわかりませんけれども、約学生五千名内外であったろうと思います。この五千名内外が必ずしもその全学連の学生ばかりじゃございません。全学連に入らない学生といえどもその日のデモには参加をいたしておったようでございます。簡単に申し上げますれば、そういうことでございます。
  77. 田畑金光

    田畑金光君 この組織は、あなた方のお調べでは、大学学生の中において組織がふえつつあるのか、あるいは現状に停滞しておるのか、あるいはそれとは逆に、行き過ぎた学生運動の反省から組織が減りつつあるのか、その辺の事情はどのように見ておられますか。
  78. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 先ほど申し上げましたように、百十一校、二百六十三自治会、二十六万六千名というのは、形式的にその自治会に入っている人間の全部を総計したものでございまして、われわれ学生に接触する場合に聞きますというと、形式的にはたとえば東大の緑会なんかというのには入っているわけでありますが、緑会の一員一員につきましては、いや私は全学連というのはよく知りもしませんというのがございまするので、そういう意味で意識的に何人ぐらいが全学連として行動しておるかということは、その都度その都度の事柄に照らさないとわからないのでございまするが、私の申し上げておりまするのは、そのうちの執行部、あるいは地方の各自治会を牛耳っておる連中の傾向が先ほど申し上げたような色彩を持っているということを申し上げたわけであります。現在ふえつつあるか減りつつあるかということは、だから具体的にはどういう運動の際にどれだけの人間が動員できるかということで判断する以外はないわけでございまして、全学連がふえつつあるということも申し上げられなければ、減りつつあるということも申し上げられませんけれども全学連の行き方について批判が出てきて、その以外の方向に行こうとしているという動きは十分認められます。
  79. 田畑金光

    田畑金光君 二十七日のいわゆる第八次統一行動というのは、中央だけでなく全国的にもくり広げられたわけで、中央に動員された数は明らかでございますが、全国的にどの程度動員がなされ、そのうちに全学連の組織というものがどの程度に参加されているのか。把握されているならば一つ答弁願いたいと思います。
  80. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) もちろん二十七日の行動は全国的な行動でございまするので、東京以外でも集会があり、デモがあっております。私ここにその資料を持ち合わせませんけれども、全体として多分集会が二十数万、そのうちデモに移ったものが二十万くらいだったと思いますから、これは従来に比して非常な盛り上がりがあったというふうには報告を受けておりません。しかし各所で事案を起こしました事柄は、はっきりただいま資料がございませんので申し上げかねますが、私の記憶では札幌、仙台等でやはりあばれてつかまったというのは、全学連の学生のようであります。
  81. 田畑金光

    田畑金光君 こういう全学連が参加して第八次統一行動を中央でくり広げて、その結果があのような事態になったわけで、警察当局としてもあらかじめ状態は判断しておられたということは、この間からの質問を通じて明らかになっているわけです。そうしますと、やはり私たちは、今回の警視庁、警備当局のとった措置については見通しが甘かったというような見方をどうしても禁じ得ないのですが、この点はあなた方としては今日お認めになるかならないか、伺いたいと思います。
  82. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) この前のこの委員会にも私から申し上げました通り全学連あるいは急進的な労組の幹部の間で、第八次統一行動の正規の指導はなまぬるいということで、よりより自分たちだけでも突入するんだという計画がございましたことは、私たちとしましても承知いたしておったのでありまするが、まあ、ああいうことになりましたのは甘かったと言われれば、そういう御批評もまあ甘受しなければならぬと思いまするけれども、どこが甘かったかといえば、やはり全学連行動と良識ある一般大衆との行動の間に、截然と、こう線が引けるというふうに考えておったことがまあ甘かったので、全学連に続いてほとんど同じ状態ですべての者が入ってしまったという事柄については、私はそういう批評を受けてもやむを得ぬと、こう思います。
  83. 田畑金光

    田畑金光君 これは事件直後、柏村警察庁長官が新聞記者団に発表されている談話を見ますると、いろいろ当局としても、この事件を契機に、今後の警備の万全を期するために各種の措置を講じられるように言われておりますが、十二月十日には第九次の統一行動が予定されているわけです。新聞でわれわれが見る限り、社会党としては職場集会で、こういうことを国民会議の中に申し入れているようでございますが、また新聞の記事をもとにしてみますと、全学連はいよいよもって、この間のデモは成功であったという勇気のもとに、第九次統一行動においてはいよいよ国会デモをかけると、こういうことを言っているわけです。その辺の事実は、これは新聞記事でございまするからいろいろニュアンスもあるかもしれませんが、そこで柏村長官のこの談話をみますと、十二月十日に予定される第九次統一行動には、警察の自動車を総動員して国会の周辺の要所要所を遮断し、近づけないようにするというようなことが出ておりますが、警視庁としてはこういうことを考えておられるのかどうか。この間からのお話を承っていると、自動車を配備したところが、その自動車の間隙を突かれて群集が正門になだれを打って驀進した、こういうようなお話でございましたが、この点はどういうふうに今後考えておられるのですか。
  84. 小倉謙

    説明員小倉謙君) ただいまの十二月十日の第九次統一行動といいますか、この動きについてでありますが、ただいま警視庁といたしましては、安保改定阻止国民会議関係の方、あるいは総評の関係責任者、その他関係団体の方たちに、その行動が違法なものにならないように、合法な行動でやられるようにという意味合いの注意、警告をいたしているのであります。ただいままでの大ざっぱな状況を申し上げますと、国会に対する集団的なデモ行動というものは、社会党においてはこれを行なわないということに御決定になったように聞いておりますし、総評においても今回は行なわないというような方針のようであります。現在、東京地評においてこの問題で相当内部的に論議が行なわれている模様であります。また最も激しい全学連は、これは新聞に出ておりますように、おそらく無軌道な行動に出るのではないかと思うのであります。従いまして、今後のそういうような状況をにらみまして、その当日は最も適正な警備を行なうつもりでございまして、ただいまからどうするというようなことはまだ最終的には決定いたしておりません。
  85. 田畑金光

    田畑金光君 この間のデモは、この間の私の質問に対して警備局長答弁されておりましたが、無届けであり、無許可のデモ行為であったと、このようなお話でございましたが、これに間違いないかどうか、あらためて警視総監から一つお答え願いたいと思います。
  86. 小倉謙

    説明員小倉謙君) これは先ほど申し上げましたように、ああいうような旗を持ち、歌を歌ったりして気勢をあげる、あるいは初めからデモ的な行為をするというような状況のもとにおいて行なわれる請願行動というものは、これは憲法にも認められない行為であると存じますし、東京都公安条例の条文からみましても、ああいうような集会、集団行進、あるいは集団示威運動というものは許されない、違法の行為であるという考えで、現在十分な捜査をいたしておる状況でございます。
  87. 田畑金光

    田畑金光君 それに関連しますが、事件全体を見通したとき、あなた方としてはこれは自然発生的な問題と考えておられるのか、それとも計画的な事件だと見ておるのか、そのどちらにあなた方は重点を置いて捜査を進めておるわけですか。
  88. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 先ほども申し上げましたように、ああいうようなことになろうということは、おそらく私は指導に当たられた最高の方たち考えておられなかったと思うのであります。ただ、全学連におきましてはああいうような計画を持っておった、国会に突入するという、中に激しいものは、国会の建物の中にも入るという考えを持っておったのであります。そういうような意味におきましては、その限りにおいて計画的であったと言われるのであります。その全学連の者たちが、労働組合あるいはその他の団体の若い者にそういうような考え方でいろいろアッピール、扇動をしておったというような状況もうかがわれるのでありまして、全体として国会に乱入するということが計画的であったということは考えませんが、どの程度まで全学連考え方に準ずるような考え方を持った人があったかということにつきましては、今後の捜査において逐次明らかにして参りたいと、こう考えております。
  89. 田畑金光

    田畑金光君 続いて私は柏村長官の談話を引いてお尋ねしますが、その談話の中に、最後にこういうことを言っておるわけです。「社会党、総評の幹部がもっとしっかりしてくれなければ、法的な規制が必要になる。」、これだけ読むと、柏村長官の指示に基づいて立法措置をやらねばならぬような言葉ですが、まずそのことはさておいて、私のお伺いしたいことは、立法措置ということがいろいろ議会の中でも言われておるようだし、また外部からもいろいろな意見があるように聞いておるわけです。そこで私は、取り締まり当局として、この柏村長官のような考え方を持つのかどうか。さらに突きつめて言うと、先ほどの警視総監答弁等もお聞きしておりますと、国会周辺に近づかせないような措置が必要である、ここに重点が置かれて答弁がなされて、今後の予防措置としてはそういう措置が必要なのだというような答弁であったように聞いておるわけですが、取り締まり当局として、立法措置というもの、一片の法律によって、このような問題が繰り返されないという皆さんとしては確信あるいは保証というものが期待できるかどうか。この点一つ、取り締まりの任に当たる立場においての皆さん方のお考えを承っておきたいと思うのです。
  90. 小倉謙

    説明員小倉謙君) ただいまの御質問につきましては、先ほど私が申し上げたことを繰り返すことになるのでありますが、要するに、ああいうような多数の者を集めて行なう請願活動といいますか、陳情行動といいますか、そういうような国会に対する請願、陳情というような名目で行なうならば、どのように多数の者を集めて、しかも相当気勢をあげてこれを行なってもよろしいのだというようなことであります以上は、私は、なかなかこれを現実の問題として取り締まりを行なって、二度とあのような事件がないようにするということはむずかしいのじゃないか。私どもは、ああいうような集団的な多数の者による平穏ならざる請願行動というものは許されないものであるという建前で取り締まりをいたしておるのでありまするが、しかしながら、行なう方たちあるいは指導をされる人たちが、国会議員も入られまして、ああいうことはよろしいのだということで行なわれます以上は、多数の相当気勢の上がったデモがこの国会の構内、周辺に集まってくる、その中には非常なはね上がり者がおる、あるいは群衆心理でどういうことになるかもしれないというような状況になりまするから、取り締まり上非常に私は困難を来たす、でありまするから、ああいうものは、集団的な状況によって行なわれる請願行動あるいは陳情行動というものは、いいのか悪いのかということを、一つ国会ではっきりとしていただくということが必要である、こういうふうに考えるのであります。
  91. 田畑金光

    田畑金光君 大事な点でございますが、今お話の中にもあったように、いかに立法措置をやっても、請願という憲法上の国民の権利というものが一部のはね上がった人々によって乱用されますると、立法措置も何らその効力を期待することはできないと考えるわけで、やはり私たちは、立法措置の前に、責任という問題をそれぞれ明らかにすることが必要であろう、こういう考え方を持っておるわけです。事件全体として眺める限りにおいて、われわれはこの問題が大衆行動の先頭に立った人々が意識的にやったのだとは考えられないわけで、全学連の学生等のはね上がった行動が結局ああいう無秩序きわまるデモに発展せしめたということは明らかでございますが、しかし、事件全体として責任をだれも負わぬ、こういうようなことではこの問題は看過できないと、こう見るわけです。そういう意味において、私はこの事件の全貌を眺めたとき、だれかが責任を負わなければならぬ。同時にまた、やはり議院の秩序を取り締まらなければならぬ議長としても、談話の内容について、私もこの間いろいろ心境をお尋ねしましたが、やはりこれは十分責任考えてもらわなくちゃならぬ。こういう気持でいるわけで、この点は意見にあたりますから、これ以上はきょうは触れませんが、一つ取り締まり当局も、単に法律法律だという考えだけはやめてもらって、あなた方の見通しの誤り等についても十分一つ考え直してもらわなくちゃならぬ。これだけを申し上げて一応私の質問は終わることにします。
  92. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) なお、議長衆議院議長から会見を申し込まれておりますので、一応中座してよろしいですか。━━それじゃ村上君。
  93. 村上春藏

    ○村上春藏君 私は議長一つ質問があるのですが、何ならけっこうです。私は、二十七日の国会構内に乱入したあの事件に対しては、まのあたり見ておった。われわれ国会対策の部屋で終始これを見ておりましたが、当初警察の方では、ああまで大きくならぬのじゃないかというような考えを持っておったということも事実じゃないか。しかしながら、あの淺沼書記長あるいは野坂参議院議員の自動車の上におけるところのあの激越を演説を聞いたら、若い者が私は凶暴になることは当然だと見た。しかも国会議員が、少なくとも淺沼書記長は横から入ったと言われるけれども衆議院の方の正門から入った。これはもうはっきり一番トップに淺沼さんが入ってきた。それに続いて、三十人と言われておりますけれども、実際は百人に近い者が一度に入った。それをあけたために警察官のいわゆる守備というものが破れてしまった。そのあとを押し込んできたのが私は約二千ぐらいと見た。その二千が入ってくると同時に、あの陛下の車寄せに全部集結した。そのあとに今度は正門を破って入ってきた。そのときにはこれは確かに参議院議員が案内をして、そうしてこれは参議院の方の小さい門をあけて……、少なくもあの激越な演説をして、そうしてあの大衆の前を正門から入らずに、少なくも私は常識あるならば側門から入ってこられてもいいのじゃないか。衆議院衆議院の側門から、参議院参議院の側門から入ってこられたら、おそらくあのような大きな事態にはならなかったのじゃないか。これは大衆の心理は、だれかが入りますならば、みな入りたいという気持がある。よって私は、衆議院の淺沼書記長に対しては衆議院の方において相当の処分をすべきだと言われておりますが、参議院においても、あの大衆の前で国会議員が正門から入ってきたということは、ますますあの大衆を暴徒化せしめた、こう考えるのですが、この責任に対して私どもは、議長一つ懲戒処分に付すべきじゃないかと、こう私は考えます。
  94. 米田勲

    ○米田勲君 発言中だけれども、そういうところまで言っていいのか。そういうところまで言っていいという約束か。約束通りにやってもらわなければ困る。
  95. 村上春藏

    ○村上春藏君 それで私はお尋ねいたしますが、今の淺沼書記長並びに野坂参議院議員の演説は十分あの大衆を激越させるような言辞があったと思いますが、この事実はどうですか。
  96. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 激しい内容であったことは事実でありまするけれども、どの程度のものであるかということにつきましては、これは目下検討中でございまして、この席ではっきり申し上げかねます。
  97. 徳永正利

    ○徳永正利君 私は一年生で、質問のやり方もよく知らぬのでありますが、あまり時間をとりませんから、答弁も簡単でけっこうでありますが、ちょっとお聞かせいただきたい。私はまず議長に伺いますが、新聞でもちらほらデモ規制の法律とか何とか出ておりますが、そういうものは二の次だと思います。全学連仲間に入れないとか、反省すべきところがあったというようなことでお茶をにごすというようなこの事態ではない。ほんとうは、もう少しわれわれが党派をあげて、先ほど阿部先生からも、決して私どもはまことにけっこうなことであったとは思わないと言っていられましたけれども、私はその御発言を待つまでもなく、そう思っていらっしゃるだろうということはよくわかります。党派をあげて超党派的にこの問題を正しく認識していかなければ、この根本の問題をみんなが理解せぬ限りは、私はこれは今さらどうにもならぬと思う。これなくして国会の真の権威は保つことができないと考えます。そこにおいて議長としてどう思われるか、この点をまずお伺いしたい。
  98. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) ただいまの御質問に対しましては、私は議院をあげてそういう気持でなければならぬ、こう思います。ことに私は、前日また当日二十七日、社会党の幹部の方とはお目にかかった。きわめて穏やかにして、参議院の方は陳情は五名とも言われ、四名とも言われ、あとは三名でもよろしいと言われた。こういう状態では議長に面会させるわけにもいかない、こういう事態におきまして接触されておりましたから、私は、私の接触した参議院の幹部諸君は、こういう事態はむろん予期しておらなかった。こういう状況ならば議長に面会させるわけにはいかぬ、穏やかな陳情において、せめて五名でも何とか会ってもらいたいということが先日から幹部の申し入れでありましたから……。それから、その後のことに処しまして、私は、皆さんのいわゆる責任においてお考え下さることは、こういう不祥事が起こらないように、また起こった場合において、どういうふうにしたならばこの議院を汚さないことにできるか、こういうことに対しまして、私一個の意見を申し上げますと、すでに門前に集まってからはなかなか防ぐことは容易でないから、この議院の周辺に集まらないようにしてもらうことにおいて、ああいうことが院内に押しかけてこないようにできやしないかということが、私の本件に対する気持であります。
  99. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 先ほど申し上げた通り議長衆議院議長に面会を求められておりますから、よろしゅございますか。
  100. 徳永正利

    ○徳永正利君 それじゃ議長にはまたの機会に御質問申し上げます。今度は本論に戻りまして、先ほど来の御質問で、予想されておったこういう無届け集会に対して、事前に警視総監が主催者側に対していかなる手を打たれたか、全然打たれなかったのか。それをちょっと……。
  101. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 程度の差はもちろんありますが、ああいうような形における集団による国会陳情、こういうものは従来も行なわれておったわけであります。大体チャペル・センター前に相当数の者が集まって行なう、そういうような際に、いつも私の方から主催者側に申しますことは、そういうような多数の者による集団陳情あるいは集団請願というものは、国会においては認められないんだ、代表者といいますか、少数の者ならばこれは受け付けるが、そういう多数の者の集団陳情というようなものは国会として認めておられないというような趣旨を言いまして、何とか一つ合法的な形で行なうようにされたらどうか、たとえば国会に比較的近い日比谷公園で多数集まって、そうしてそこで代表を選んで代表者国会に陳情する、あるいは請願する、それで帰って来てからの報告を聞いて解散するというような方法をとったらどうかというようなことは、従来からもたびたびそのつど申し上げておるのであります。今回の場合にもそういうような趣旨のここは話が出ていると思いまするが、特に、事件のありました前日の二十六日に、安保改定阻止国民会議事務局の次長外一名の方に警視庁に来てもらいまして、極力一つ合法的な方法でやってもらいたい、そういうような多数の、七万五千というような動員による集団請願というようなものは、国会の方では、確めてみたところが、そういうものは認めない、少数の者しか認めないということであるから、極力一つ合法的な方法でやってもらいたい、そうして、どうしてもやるというような場合には、ぜひ一つ統制を厳重にとって、違法な状態にならないようにしてもらいたいということを厳重に申し上げたのであります。それに対しまして、いや、われわれが行なうのは、一人々々が国会に対して請願をするんだ、だからこれは当然認められた権利に基づくものであるから、これはやるんだというようなことで、われわれの警告を受け付けなかったのであります。しかしながら、くれぐれも一つ平穏といいますか、穏便に行なわれるようにということを繰り返して申してあるのであります。それから当日の現場におきましても、午後二時ごろからだんだん集まってきたのでありまするが、二時何分ごろですか、所轄の警察署長から責任者に対しまして、交通もできるだけ一般交通を通すように、また違法になるようなことのないように、早く解散するようにということで、極力警告はいたしておるのであります。そういう状態であります。
  102. 徳永正利

    ○徳永正利君 一昨日のここの委員会で、警備局長は、事前に国民会議あるいは総評だったか、私、速記録を見ておりませんからよくわかりませんが、そういう団体から事前に指令が出ているということをおっしゃったのですが、どういう指令ですか。
  103. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) 私、速記録を読んでおりませんけれども、私の入手しました資料では、十一月十八日でございますか、社会党の東京都連から出ましたのが、淺沼書記長を総指揮にするとか、あるいは赤松代議士その他の方がどの方面を受け持つというような、通達といいますか指令といいますか、中身を持っておりませんが、そういうようなのが出ておるやに聞いておるのであります。それ以外に、私があるいは一昨日申し上げましたかどうか、私、存じませんけれども全学連等におきましても、それ以上の指令をこれはまたその関係者の方に流したと、こういう情報があったわけであります。
  104. 徳永正利

    ○徳永正利君 安保改定阻止国民会議でございますか、これの責任者は一体だれなんですか。てんでんばらばらに指令が出ているように、今お話を聞きますと聞こえるようでございまするが、その今度の主宰者なり責任者というのは一体だれなんです。
  105. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) その安保改定阻止国民会議というのは、たぶん委員会でも申し上げておりまするように、だれだれがその国民会議の総責任者という━━これは内部的にあるのかもしれませんけれども、私たちが心得ておりますのは、そういうものじゃなしに、やはり社会党、総評を初めといたしまする十三の幹事団体が、そのつど会議を開いてこういう計画を立てておられるように存じます。事務局はもちろんございまして、先ほど総監が申しましたように、そういう場合には、事務局に対しましては注意なり警告なりいたしているわけでございます。国民会議全体のあらゆる事柄に対する責任者ということにつきましては、私は存じておりません。
  106. 徳永正利

    ○徳永正利君 このたびの集まられた、そうしてまことに好ましからざる結果になった責任、いわゆる総体的な責任者というものはないわけですか。警察ではどういうふうにお考えになっているか。私は、だれかは━━責任者のないような衆の集まりというようなことはちょっと考えられぬ。
  107. 江口俊男

    政府委員江口俊男君) ただいまも申し上げまするように、国民会議の幹事会で、十一月の二十七日には第八次の統一行動をやるのだということをおきめになり、それを受けて、てんでんばらばらとおっしゃいますけれども、各幹事団体に入っている方々が、自分の方に対しましては指令を流しておるものと存じておりまするが、しかし、今度の場合、だれがそれでは一番具体的に責任の地位にあったかということについては、ただいまのところ、先ほどから、警視庁の方から目下調査をしているということでございまするので、ただいまここで、だれだれが今度の事件の一番の責任者かということを申し上げることは差し控えたいと思います。
  108. 徳永正利

    ○徳永正利君 わかりました。ここに私は一つの問題の大きな原因があると思う。これほどの大運動を起こすには、ただみんなが寄り集まって、てんでんばらばらに━━私が今受けた感じですが、てんでんばらばらに各団体が指令を出して集まって、━━まあこれは最初からの趣旨が、みんなが集まって憲法に基く陳情なり請願をしようということでありますから、あるいはそういうふうなことに相なったのかもわかりませんけれども、ここに重大な一つの原因があると思う。進め、引けという、抜きさしをはっきりと明確に指揮のとれる人がおらなかったというところが一つの問題だと思います。この点は、われわれは、まあ今からデモをやるかやらぬかわかりませんけれども、私も今までずいぶん国会にも御迷惑かけてきました。いろんなことをやって参りましたが、少くともこの点に一点問題点があると思います。  それから私は警察も、正面のところで淺沼さんなりあるいはその代表の方が陳情に入られた、これは国会議員が入ることでございますから、おそらくこれは阻止はできぬでしょう、正門を入られるのですから。ところがその背後に、先ほどの警視総監の話を聞くと、代表団が入って一分ないし二分ぐらいの間に三百名の者が入っているというふうにお話になったわけでありますが、その三百名ぐらいの者は、決然たる態度で臨めば私はそこで阻止できたろうと思う。そういうところにも一つの原因があるんじゃないかというふうに考えるわけでございます。で、われわれはこの問題の究明をすると同時に、私はできればここで動議を出して、入った人も、うしろに数千の人間が控えておるというようなことは十分お考えにならなければいかぬことだと思う。それが団体と一緒にたすきをかけていらっしゃったのでございますが、これは一つわれわれは今後においても大いに慎しまなければいけない問題だろうと思いますが、こういうようなことは、もうこの集団を率いると言いますか、先頭に立って国会議員がさっと乗り込めば、あとの者がついてくるのはきまっている。これはもう常識なんです。こういうようなことをせぬような申し合わせ議運でやってもらいたいくらいに思っているのですが、こういうところで言っていいのか悪いのかわかりませんから、よくもう一度ものを考えあとで申し上げます。  最後に私は、刑法にいう建物の侵入罪というものは、構内に入ったときに発生するものですか、どうですか、これをちょっと伺っておきたい。建造物侵入罪というのは、どこ、いつのときから発生するのか。
  109. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 御質問の御趣旨、はっきりは受け取ってないかとは思いますが、不法に建造物の中に入った場合。もちろんその建造物という場合には構内も含むのでございます。
  110. 徳永正利

    ○徳永正利君 わかりました。もうこれでやめます。建造物侵入罪という明らかに刑法に触れるようなことが白昼堂々と行なわれておるわけです。われわれの目の前で、国会で。全学連をまじえた集団が目と鼻の先におって、集まって集会が行なわれているということを知りながら、国会に侵入するであろうということぐらいなことは、私みたいなしろうとでもわかることです。それを警察は、もう少し決然たる態度をとって、ただ数に頼むことなく、一人よく百人を制するというぐらいな勇気を出して一つやってもらわなければいかぬ。私はこの運動を顧みて、地方では盛り上がっていると見ている。おそらく第九次の統一行動がどういうことになるかわかりませんが、ここではほんとうにみな反省しておりますけれども、第九次の十日の集会には地方の方が盛り上がってきていると思う。その集団が押しかけてきたというときには、一体警察はどういうふうな決意を持っているか。
  111. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 国会正門から残念ながらデモ隊に侵入されたわけでありまするが、決してこれは警察官が決然たる決意なくして警備に当たっておったわけではもちろんないのであります。先ほど申し上げましたように、チャペル・センター前、国会正門前において百数十名の重傷者、負傷者を出しておるのであります。非常に全学連及びその他の若い者たち行動が激しかった、激烈である。しかもそれに続く、付随してくる者が一万余、全体とすれば二万名に上る者でありますが、そういうような状況であったのでありまして、あの際の警察官の必死の努力というものは私は非常なものであったと思うのであります。  そこで考えられますることは、そこで警棒とか、あるいはさらに強い武器を使うということが妥当であったかどうかという点が一つ残る問題でありまするが、私は当時の実情をその後よく聞きまして、あの際そういうような行為に出ることは非常な混乱、乱闘の状況になる、多数の死傷者が出る悲惨な流血の惨事になるということを私は感じたのであります。現場における指揮官の判断というものは私は誤ってなかったのじゃないか、きわめて残念なことであったけれども、やむを得なかったのじゃないか、こういうふうに考えております。
  112. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 ちょっと事実をはっきりしておきたいのですが、先ほど警視総監加賀山議員に対する説明の際に、今度のああいうふうな乱闘と申しますか、あんなことは、指導者の方も考えておられなかったのじゃないかというお話でございましたが、これはどういうところからそういう御判断をなさったのですか。
  113. 小倉謙

    説明員小倉謙君) あのように、一万数千に上る者が国会の構内に乱入してデモるというようなことは、おそらく良識ある国会議員その他の指導者であられますから、そういうことは考えておられなかった。また事前の警備の際の状況を見ましても、やることはやるけれども、しかし従来も大体人事院の方向に向かって解散するというような状況もありますので、最後のところはそうなるのじゃないかというようなふうに主催者の関係の方も考えておられたように承知しているのであります。
  114. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 同様に警視総監もそういうふうにお考えになっておったのですか。
  115. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 全学連につきましては、いろいろな妨害を突破して国会の中に突入する、あわよくば国会の建物の中にも入るという指令のようなものは出ている。なお私どもさらにその点は、その後の捜索によりまして相当の資料を入手しているのでありますが、しかしながら、従来のそういう場合の状況からいいますと、全学連のそういうはね上がった行動に対して、組合の方はなるべく引きずられないようにするというようなことで、同じような時間に同じような場所に集まりましても、全学連の方は全学連の方で騒ぐ、組合の方は組合の方で騒ぐ、こういうようなことが従来の状態であったのであります。しかしながら、今回は相当の盛り上がりを主催者の方もはかっておられますし、警戒を要することでもありますので、従来の警備体制に相当上回る警察を配置いたして、これに対処したのであります。そうして最悪の場合は、そういうこともあり得るかもしれないということで、その場合には先ほども申し上げましたように、警察官のほとんどの者をこの国会の建物の周辺に集結して、最後にはこの国会の建物を守る、こういう考えでおったのでありますが、しかしながら私どもとしましては、いかに何でも、そういう一部の先鋭な計画の動きはあっても、指導をされる人たちが相当の団体の幹部であり、ことに国会議員のそうそうたる人たちが計画にも参加せられ、指導にも実際に当たっておられますので、そういうことがなくして何とかいき得るのじゃないか、またぜひそうやってほしい、こういうふうな気持でおったのであります。
  116. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それで、村上君にも申し上げますが、これは一通り皆さんの御意見を伺うことになっていますから、一つそういうことで、各人の時間割当というのはないのですけれども、そんなふうに一つ。(「同じ質問がないようにしてもらいたい」と呼ぶ者あり)
  117. 鈴木恭一

    ○鈴木恭一君 そこで、まさにあなたのおっしゃること、よくわかるのです。ところが、チャペル・センターのところに約一万人の人が、三時四十分ごろだと思う、こういうふうな判定のもとに警備されておったと思うのですが、その時間ごろに代表者の演説を聞いて、急に激しく動き始めたというようなお話がございましたが、その代表者の演説というのはだれですか。
  118. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 集まりました集団の状況というものは、初めから相当気勢を上げ、中にはデモ的な行為もあったのでありますが、それに対して代表者の方からそれぞれ演説、激励がされたのであります。ただいま私が承知しておりますのは、チャペル・センター前におきましては、都労連の藤沢慎三氏、次に社会党書記長の淺沼稻次郎氏、次に共産党の野坂參三氏、次に農民代表として社会党の亀田得治氏、次に総評事務局長の岩井章氏、地評議長の岡本丑太郎氏、全学連書記長の清水丈夫氏、そのほかに社会党議員の赤松勇氏、これらの人々であるように聞いております。
  119. 石谷憲男

    ○石谷憲男君 お話を伺いますというと、まあ大体七万五千名の動員計画ということが言われておった。それに対して事前に入手された情報等によると二万名前後じゃないかということに対して、実際動員された推定数は二万六千ぐらいであった。こういうふうな話を聞いたわけであります。よほど確度の高い情報かどうか知りませんが、一応動員計画というものは七万五千人ということになりますと、そこに警備等の問題につきましても、よほど弾力のある考え方というものをされておらなければならないというふうに、しろうととしては考えるわけです。それから判断が甘かったかどうかというようなお話も承りました。しかし、とにかく一つの目標を持った統一行動なんですから、状況次第によりましては相当な場面が展開される。すでに全学連等の先鋭分子が中におって、意識的に撹乱をするといいますか、そういうふうな危険性が多分にあることはおそらく予想しておられたということになりますというと、何かどうも聞いておりまして、警備の問題との関連においてどうもぴんと来ぬものがあるのですよ。そこで、先ほど映画を見たが、次から次へと映る、負傷された警察官の担架が運ばれていった。多いときは六人、七人で抱えておる、そうすると、五、六十人もそこで負傷するということになりますと、とにかくそれを持場のところからはずさなければならぬ。もう二、三百人というのはその方に手がかかってしまうということになりますと、それだけではっきりと警備体制が薄れてくる。何かそこに新しい人を投入しなければならぬというようなことは当然予測してかかっていい問題ではないか。何人ぐらいのけが人が出るということは、そこまでは予測されなかったかもしれぬけれども、ともかく目標が国会ということがはっきりきまっておるのですから、あっちにもこっちにもそういうことが起こるのじゃないのですから。そうすれば国会周辺の地理的条件というものは百も承知の前ですから、そういうことにつきまして何か手ぬかりがあったのじゃないかということが感じられることが一点です。  もう一つは、聞きますと、動員された警官はおそらく五千数百名であった。別に待機しておる者が五千幾らあったという御説明も聞いた。一体待機しているというものは、状況の変化に応じ、いつでも機動的に警備体制を強化するとか、そういうことのために待機するのであって、漫然といるだけじゃないと思うのですよ。そこで、そういった待機部隊というものが一体どういう状況判断のもとに、どんなように活用するために待機しておるのか。それと今回の問題との関連ですね。その辺をちょっとはっきりしていただきたいと思うのですがね。
  120. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 最初デモ隊の方の動員数の点でありますが、これは従来これと同じような計画、行動が何回もあるわけでありまして、その際に、たとえば五万という動員計画の場合には大体一万なり何なりという、計画は五万であるけれども、実際に集まるのは一万五千であろうという、大体まあ割り当てて動員されるわけですから、割り当てられた中で、ほんとうに割当通りいくところと、五百人割り当てられたけれども百人ぐらいにしておこうというようなところと、いろいろあるわけであります。そういうような従来の統計的の数字といいますか、一つの基準があるわけであります。従いまして、七万五千の動員計画を立てられたけれども、大体二万前後ではないだろうかというような判断をしたのであります。実際に集まりましたのは二万四千幾らでありまして、三、四千名われわれの判断よりも多い数が集まったのでありますが、まあこれは甘いといえば甘いかもしれませんが、その程度の見込み違いは場合によればあり得るということは申し上げていいと思います。それから私ども今から考えて、いろいろ検討しておりますが、その激しさというものが、私ども考えておった以上のものがあったという点は、そういう感じを痛切に持つわけであります。けが人が双方、ことに警察官に総数三百何十名のけが人が出ておりますが、そういうような状況から見まして、非常に抵抗が激しかった、行動が激しかったということであります。  それから待機の問題ですが、この国会周辺の警備に五千名当てましたうちの三千五百名程度のものを第一線の━━第一線といいますか、直接接触する面の警備に当てまして、千数百名というものはこの国会の近くに、待機といいますか、待機的な形で配置をしておったので、これが特許庁の方がだんだん出て来る。あるいは人事院の方に集まった者が、その中から相当の集団がよその方に回りまして出て来るというようなことで、逐次その中から出していく、少数でありますが。それから前にも申し上げましたように、その者たちが総理官邸の所に出て来る。衆議院の第二議員会館の所にずっと出て来る。それから地下鉄からごっそり出て来る。これを規制するというようなことで、その待機的に配置しておりました者の中からその方に急派しなければならぬ、こういうふうな状況であったのであります。それから五千名の警察官のほかに約三千名の警察官を自署待機、それぞれの所属で待機させました。それから本庁に警察官がおりますので、これも何かの場合ということで待機さしておったのであります。その後の運用につきましては、国会周辺の状況が相当険悪になって参りましたので、直ちに集結応援の指令を出したのでありますが、しかしその途中において正門を突破された。これが実情でございます。  それからもう一つ、つけ加えて申し上げておきたいことは、当日は全国的な統一行動でありまして、東京都内におきましても、国会周辺に対する陳情、請願デモ行動だけでなくて、それぞれの地域においてやはり同じような、同じといいますか、いろいろな計画がある。たとえば何組合ですか、こういうような計画をもってどこどこの役所に押しかける、こういうようなその他の地域における警備事情もあったわけでございまして、そういう面も実はあわせてお含みおきいただきたいと思いますが、まあ結果的にああいうことになりましたのは、まことに私どもといたしましても遺憾に存じておりますが、いろいろ総合的に考えながら配置をいたしたようなわけでございます。
  121. 松野孝一

    松野孝一君 ちょっと私お伺いしたいのですが、先ほど警視総監からお話になったところですが、四時二分ですかに代表が淺沼さんを先頭に構内に入ってきたわけですね。それで四時四分にこの三、四百名が国会の構内に入ってきた。それで私のちょっと伺いたいのは、警察官が道路のこのところで守っておったわけですね。これが破られたのは何時何分ですか。その点わかりますか。
  122. 小倉謙

    説明員小倉謙君) 四時少し前でなかったかと思います。一、二分。
  123. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 松野君に御注意申し上げますが、速記をとっていますから、一つ当事者間の会話のような形でなくて……。
  124. 松野孝一

    松野孝一君 四時ちょっと前。そうしますと、私は先ほど参議院の新館の五階でNHKのとった映画を見ましたが、淺沼さんが陳情の一行とともに構内に入ったときは、私の想像以上にどやどやした混雑した中に出ておるということを見たのです。それで聞きたいのですが、そうすると、淺沼さんが国会構内に入る当時は三百名はまだ入っていなかったけれども、うしろの方では警察官が十重二十重に入っておった。バリケードを突破してどやどやと正門に殺到してくることを予見しておった、わかっておったというような状況にあったと思うのですが、それをちょっと。
  125. 小倉謙

    説明員小倉謙君) そこらのところは現在さらに検討中でありますが、淺沼さん初め社会党議員の方と代表と称される君たちが正門から入ろうというわけで、正門のところに来られておった。そこで正門をあけるようにというような話があったと思いますが、そういうようなことで入られたのですが、淺沼さんたちが入られたのは大体四時二分ごろではないかと思いますが、その前に、四時ちょっと前ぐらいに歩道のところが突破されて、多数の者がそこからはみ出てくる。それを人事院の方向に警察力をもってともかく規制して流すように努力しておった。一時こういうふうに伝わったんですけれども、また正門の方に殺到してくるということで、三百名と申しましたけれども、入ったのが三百名で、多数の者はこう来るわけですね。そこで淺沼さんたちが入られた時刻のころに、そういうような多数のデモ隊の者が正門のところに殺到しつつあったのではないか、こういうような状況ではないかと思うのです。
  126. 田中茂穂

    田中茂穂君 一昨日並びに本日、長時間にわたりまして二十七日のまことに遺憾でありました不祥事件の究明に対するいろいろ根本問題に対する質疑が一応終わったと思います。しかしまだ質疑も若干残っておるようでありますけれども、先ほど議長が冒頭に出されました声明談話の最終後段にありますように、今後かかる事態が絶対に起こらないように何らかの強い措置を講ずる必要がある。それについては議運の方で十分一つ検討してもらいたいというような議長からの御意見もございましたので、残された問題、いわゆる今回の事件を惹起した原因並びに今回の事件にいろいろと織り込まれた問題に対する責任の追及の問題、また今後かかることを絶対に防止するための強力な対策、そういったことにつきまして、私どもお互い議員の立場から党派を超越して対処をしなければならないことを痛感するのでございます。そういう意味で、一応先ほど議長から御意見が出された問題につきましては、議運理事会で慎重に十分それぞれの角度から検討をいたしまして、そうして、なおその間、議運に御相談する場合には議運を開くというようなことで、今度のこの不祥事件に対する問題等につきましては、一応議運理事会で御相談するということにしていただきまして、本日のところは、議運は一応これをもってとどめていただきたいと思いますが、お諮りを願いたいと思います。
  127. 阿部竹松

    阿部竹松君 田中理事発言、別に私は反対しません。しかし、ただそこで一切がっさいきめつけることは、それは僕らもさいぜんから申し上げておるので、むろんよろしいと申し上げているのではないから、これは明らかにする点は明らかにし、そういうことを一切やられるのはけっこうだけれども、特に参議院の場合においては、この前日から社会党の院内交渉係として、私なり光村理事が、総長を通じ、あるいは自分直接なり、代表に会うことを議長に依頼したりして、議長もその旨を諒として、引き受けて下さったが、ああいう状態で残念ながら最終的には議長にお会いさせることができないで、総長の話で諒として代表に帰ってもらったのだが、私どもとしては、参議院の立場として、私どもは別に、けしかるとか、けしからぬとか言われる筋合いのものではない。ただ、院の構成が両院でやはり責任を持ってあの構内を守る、構内の警備に当たるのだ、管理に当たるのだということになっておる。当然ああいうことは将来やはり戒めるところは厳に戒めなきゃならぬけれども、多くの問題が残っておりますから、ただ単にこれはいきなり責任追及だと田中先生がおっしゃっておるとは思わぬけれども、そういう話し合いをもって十分論議するのはけっこうだし、よろしいのですが、そういう点を十分理解して、前提条件をつけないで、フリーのまま一つ理事会なりあるいは再びこの席でやるということでピリオドを打っていただきたい。別に、私たちはとことんまでやってもけっこうですよ。
  128. 光村甚助

    光村甚助君 それともう一つ私は、きょうはおもに皆さん方の方から警視総監、それから警備局長に聞いた。私たちは私たちなりにあの映画を見て聞きたいことがあるのです。まあ約束の時間も来たようですが、もう絶対に聞かないのだ、きょうで大体真相はつかめたのだということじゃ私たちはちょっと困る。この前の速記録も、きょうのも見て、だいぶ私も実感的に違う点もありますから、二度と呼ばないのだということじゃなくして、その点で、やはり今後もそういうことがあるということを念のために申し上げておきます。
  129. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それではいかがでしょうか。お聞きの通り理事からのお話もありますので、本日はこの程度で散会いたします。    午後三時三十分散会