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加藤シヅエ君 これから新しく
訓練すべきその御所見について今伺ったのでありますけれども、現在、もう一人前になっているたくさんの
外交官の方方の
イデオロギー的な
認識というようなものはどうなっているかというようなことも、やはり絶えず十分に見ていらっしゃる――同じ
日本国
政府の役人であっても、どこを見ているかわからないようなものがもし役所の中にあるというようなことになりますと、事柄が外交問題であるだけに、これは非常に重要なことになると思うわけでございます。現に総理も、
外務大臣も御
承知のように、
アメリカのアルジェー・ヒスでございますか、あの人なんかも国務省の中の重要な地位にあって、そうして反米的な活動をしていたというようなことで処刑されたというような人もございますし、英国の国際連合で重要な役割を持って活動していた二人の
外交官が
ソ連に逃亡したというような事実もあるわけでございます。こういうような事実が今後もまたひんぱんとして起こるかもしれないというような
時代であって、この
思想戦ということになりますと、国境を超越して、どこの国にでも
共産主義の
世界制覇の
イデオロギーを持っている人が、
日本の
外務省の中にもいるかもしれない、こういうことも念頭に置いて、
ほんとうに
日本の祖国というものに忠誠を誓うという信念の持てるような
外交官、これを絶えず作り、また、現在そうでないような人に対しては十分に注意をするというようなことも
考えていただかなくてはならないと思うわけでございます。で、それにつきまして、私特に
考えますことは自分の国に忠誠を誓うような
外交官、そういうものがたくさんいるということは、たくさんの防衛費にお金を使う以上に大切なことである。そこの一角がくずれるようなことがあっては、幾ら防衛費をたくさん使って飛行機を買い込んでも国を守れるものじゃないわけでございます。非常に危険なことだと思います。その点を
ほんとうに注意していただきたいと思うわけでございます。それについて、ほかに私の意見をと
総理大臣はおっしゃいましたけれども、今、
委員長からいただいた時間の中でそれを全部ここで述べるわけには参りませんですから、これはまた他日の
機会をもって申し上げたいと思いますけれども、もう
一つ、やはりこういう、
日本の
ほんとうの国防というものは軍備ではなくて、
ほんとうに正しい思想に
日本が立っているというその確信を持つこと、そういう正しい愛国心に燃えることができるというような国を作ること、そういうところから
総理大臣が始めていただくことが、これが一番根本だと思うわけでございます。そういうことから
考えて参りますと、今度のベトナムの協定についての問題なんかも、
総理大臣ははたしてこれが
ほんとうに満足すべき協定であったとお思いになっていらっしゃるかどうか、私はこれは疑問を持っているわけでございますが、きょうはベトナムの問題には入りませんから、それについてはお伺いいたしません。ただ申し上げたいのは、そういうふうに非常に大事な役割を持っている外交活動、これを担任している人々こういうものについて、十分に
総理大臣にお
考えになっていただきたい。承りますと、河野一郎代議士が、きょう
外国の御旅行からお帰りになる。昨日、香港で記者会見をなすって、これからは新しい国是、自主的な国是を作らなくてはいけないというような新しい
考え方をお持ちになってお帰りになるやに新聞報道をいたしております。こういうことも、やはり河野代議士が
外国においでになって、この
思想戦の
時代というものは、自分の国を守らなくてはならないという、そのはっきりした思想的な根拠というものをみんなが持つようになることが大切だというところにお気がおつきになったのじゃないかと、この記者会見を通じて私は想像しているわけでございますが、こういうことを
考えて参りますときにこの
在外公館設置の問題に関連いたしまして、私は
総理大臣にこういうようなことを申し上げて御理解いただいたことは非常に光栄であったと思います。私の持ち時間も参ったと思いますから、私の
質問はこれで終わります。