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江藤智君 今度の
新幹線の
借款につきましては、電源開発の場合あるいは
道路公団の場合、愛知用水の場合などのときには、
折衝中にそういうような話もわれわれの耳にも入っておりますけれ
ども、今度の場合はそういう話も入っておらないので、非常に
新幹線の
仕事が有望なのか、あるいは
国鉄を信頼しているのかというような気持も持っておるのでございますけれ
ども、ただいまの
大臣の
お話のように十分に御注意願いたいと思います。
それから第二点は、
新幹線を施工する体制の問題でございます。ただいま
大石理事は、非常に
熟練工が多いという
お話でございます。しかしながら、私が過去三年以来実際の現場で働いている人々の
意見を聞き、また資料を見ましても、これは決して十分な
技術陣が備わっているとは
考えられない。過日資料として御提出を願いました戦前と戦後との各部門別の
要員の配置
状態の表を出してもらったことがあります。これを見ましても、他のいろいろな部門におきまして一〇〇%、あるいは一六〇%というような増加を来たしているにかかわらず、今度の
仕事をするような施設の部門は、たしか七〇・%に逆に減っているのです。これはもう設計部門とか
監督部門というものが逆に減っている。この点は、五カ年
計画を実施するときにおきましても、当
委員会において、そういう体制を整えて下さい、でないというと非常なロスが起こりますということを申し上げたのでございますけれ
ども、
国鉄の事情でこれはさっぱりふえておらない。これは
一つよく
大臣あるいは副
総裁お調べ願いたい。せんだっても地方の人が参りまして、
会計検査から非常にやかましく言われた。そういう点について、私はもっと昔だったならばこういうふうにしっかりと見ておったじゃないかということを申しましたところが、
一つの局におきましてそういう部門に携わっている人間がもうきわめて少ないのです。私らの常識で
考えましても、そんな人間でやっておるのかと、私はそのときも驚いたのでございますけれ
ども、そういうような手でやっておるということは、これは事実である。百五カ年
計画というような大きな、とにかく新しい
仕事が起こったにかかわらず、戦前の七〇%ぐらいに逆に落ちておる、ほかの方はとやかくは申しません。これはいろいろと
仕事やり方が変ったでありましょうけれ
ども、二〇〇%以上も、ふえておるにかかわらず、七〇%というようなことで現在この
工事の部分をやっておるわけであります。そこに今度は
新幹線もふえるでありましょうし、
新幹線というような
仕事も入ってくるということになるというと、これは
国鉄の
技術陣が
熟練をしておりまするからして、そういう面においては大丈夫でありますという御
答弁は、非常にけっこうだけれ
ども、にわかにこれを私は信頼するわけには参らぬ。もちろん、
国鉄の人間を五カ年後のことを
考えてやらなければいけないことは当然でございます。従って
民間の
技術力を
動員することもけっこうだと思います。ところが、公共
事業というのは
国鉄だけじゃなくて、あらゆる面において非常にふえておるところでございますからして、
民間のいわゆる設計、その他の
技術陣というものも、今はもうとにかく
仕事に押しつぶされるくらいの
仕事を現に持っておる。
道路公団も
民間の
技術力を
動員しておる。
民間の会社もそういう
技術力を
動員しております。御承知のように鉄鋼関係だけ見ましても、非常なとにかく大
建設をやっておるのでありますからして、とにかく
技術力が全般的に非常な払底を見ておることは事実でございますからして、そうなまやさしく、
予算が取れてもこの
工事を遂行するということは容易じゃない。これはよほど
考えていただかなければ、簡単にいかないというふうに私は
考えております。それについては、やはり個々の
技術者の能率を上げるような、できるだけわずらわしさを行いて、すっきりしたとにかく体制で、しかもできるだけ
技術力を利用できるようなエラスティックな体制を
考えていただく必要がある。これはいずれ
予算が決定いたしましたならば、私たちといたしましてもそういう御
意見を申し上げるつもりでございますが、大きい方針としては、できるだけ
技術者の能率が上がるように、また
技術力の
動員がやりやすいような、エラスティックな体制を整えていただくように、これはぜひ一番の責任者である
運輸大臣に対して御考慮をお願いしたい。かように
考えておりますので、この点強く御要望いたしておきます。