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国務大臣(
楢橋渡君) これは、やはり私が最前上げましたように、根本的に
国鉄というものを一体どうするのだということに対する
政府のはっきりした私は
方針を議会等におきましても、やはりよく了解していただいて、たとえば
国鉄が諸外国のように、ある国は、欧州でも二、三の国は、全く商業べースの
運賃体系で、ほんとうの独立
企業体としてやっておる。またある国は、
国家が全部、これは
国家的な事業として国費で全部めんどうをみる。
赤字であろうと何であろうと、国がめんどうを見る。
国家が管理して
国家がめんどうを見る。こういうはっきりした線が、英米仏等においても、いろいろ出ておるのですが、
日本の場合は、どうも昔の
鉄道省のような
考え方から、これは率直に申し上げまして、
議員諸君の頭にもほとんど、
国鉄だから、国がやったら、いいじゃないか、かまうものかというような主張でもって押しまくられてくると
——みんななんとも言いませんよ、
あとで腹がたってたまらないのですけれ
ども、だけれ
ども、
相当やかましいことを言っても、そういうことをあまり言わないのです。それだけの
赤字をあえてすることについてやかましく言うなら、それだけ、じゃ
赤字を埋めることに骨を折ってくれるかといいますと、
運賃値上げには、全部
反対だ、こういうふうに出られるので、率直に申し上げまして、なかなかその点が、
国鉄が一番その点からいえば、二律背反と申しますか、非常な窮地に追い込まれておるけれ
ども、こういうことを、だんだん続けておっては、やはり容易ならないことになるから、
一つ、もうこの辺で
国鉄というものをどうするかということを、
政府及び
国会をあげて
検討すべき
段階にきているのじゃないか。
まあ率直に申し上げまして、この
新線の問題でも、十九は、今までやったのは、
赤字になったのに、なお新
線運動というものは猛烈に
国会の議会方面からも起こり、いろいろな点でやる。じゃ
条件をつけて、今度は、こういうふうに
建議するから、
建議したのを、
大蔵大臣押さえつけて協力願うということになると、それも、実際にできないという
状態で、非常にこれは、
国会でいろいろ皆さんの御協力を得ておりますけれ
ども、率直に申し上げますと、この問題は、どうしてもやはり根本的に、ほんとうにこれは、
国会をあげて解決しなければならぬ問題じゃないか、そうしないと、なかなか
運輸大臣が
——私も、はなはだ無力で、どうも申しわけないのですが、取り組んで一人でやることには、あまりにも問題が大き過ぎるので、私も結局、これは
内閣の問題に、ちょうどあの
農産物資の逓減の問題がありまして、農林
委員会その他でもって猛烈につるし上げられて、上げてはいかぬというので、党の方からも、申し入れ等もあるから、その機会に
一つ政府の問題に、これを持ち込もうというので、私は今の経企長官に出てもらいまして、そこで経企長官も結局追い込まれたような形になりまして、扱いに困りましておるような
状態でありまして、根本的に、この問題は
一つ取り組まなければ、なかなか解決しない問題だと思うのでありまして、一方運輸
交通懇談会というものを、私が各
委員の人に諮問の会を作りましたのも、実は、そういう問題を広く世間の各界の代表者から、良識ある
立場から、
一つ政府並びに
国会その他にも、やはり理解をしていただくような背景を作ろうということで
考えておるような次第でありまして、その点は、おっしゃいますように、私も痛感しておるのでありますから、そういう趣旨で、今
努力をしております。