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佐藤国務大臣 査定にあたりまして、
査定官が非常に冷たいとか、あるいは非常に厳正過ぎる、こういうような御批判が一部にあるやにも伺っております。もちろん、特に
大蔵省だから
予算の執行を厳格にして、少しでも減らすというような
考え方で
査定には絶対に当たっておりません。これはどこまでもその
工事の目的を十分達するやいなや、そういう観点に立って、過去におきましても、その
査定については十分意を用いて参ったと思います。しかし私
どもも、ただいま御指摘になりますような点につきましては、今後ともさらに十分注意をいたしまして、いやしくもただいま申されたような批判を受けるようなことのないように、これは私
どもの
関係の職員でございますから、よく御趣旨を伝えたいつもりでおります。
しこうして、今回の
激甚地指定についての
基準、これを
決定いたしまするにつきましては、私
どもも慎重
審議いたしたのであります。ことに先ほど来申し上げますように、これは
実情に即した案として、また全国いずれに
適用いたしましても通用する
基準だ、こういうことで、私は非常に公正な
基準だと思っております。従いまして、これを十分貫いて参るつもりでおります。ただいま御指摘になりましたように、甲の村は
激甚地だ、その隣は
激甚地でない、そういう場合に
県工事を施行する。そうすると、それは甲乙丙
市町村にまたがるじゃないか、こういう場合、扱いが非常にまちまちになるじゃないかという御批判があるようでございますが、これはとんでもない話でありまして、この両
市町村にまたがる場合でも、
県工事の規格はきまっております。従いまして、
県工事はその規格によって遂行される。ただ費用分担の場合において、
激甚地の
地域内においては、国は特別な補助をする。しかしながら、そうでない
地区については、これは特別な補助をしないということでございますので、
県工事施工上において、
激甚地としからざるものとを通じて
工事が行われる場合に支障があるという議論は当たらないのであります。これはどこまでも
工事そのものは
一つの規格によって、道路なら道路ができる、あるいは
河川改修なら
河川改修が行われるのであります。さように
考えますと、その県は
総額幾ら、そのうち補助を受ける部分が幾らで補助を受けない部分が幾ら、だから県の出費が幾らになる、かような計算をしていただけばいいことでありまして、これには何ら支障がないことであります。しかし、この点がどうもやや誤解を受けておるようでありまして、私非常に遺憾に思います。さような点は御心配をいただかなくていいことだ、かように確信をいたしております。また甲の村は
激甚地だ、その隣は
激甚地でない。
激甚地としての
指定を受けた町村は
高率補助を受けるが、その隣の方は受けない、全くその通りでございます。しかし、ことに今回の
災害の特殊性は
集中豪雨、そういうような事態が各県各所に実は起きておるのであります。そういう場合をまんべんなく同一に扱うわけにはいかない。それでいわゆる
基準が行われておるのであります。今回の
基準につきましては、私は
相当実情に合うように
基準を作ったと
考えておりまして、この
基準に合わないような
地区でありましたならば、その
被害はいわゆる
激甚地でないものだ、かような確信を私
自信は持っております。従いまして、今回のこの
基準が適正であるかないか、これを十分御
審議賜わりますと、ただいま言われるような、なるほど隣は
激甚地としての
特例を受ける、しかし自分の方はその
特例を受けない。
特例を受けないところはいわゆる
災害は小さいところでありまして、この点はむしろ
災害を受けないことを喜んでいただく、こういうことが望ましいのではないかと思います。これで私
どもは初めて公正な
基準を作り得た、実はかように
考えております。