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横路委員 この井上教授の問題について質問はこれで終わりたいと思うのですが、実は愛媛の井上
教育学部長の問題はこの問題に端を発したのではないのです。昨年の八月一日愛媛の県
教育委員会が主催をしたいわゆる研究集会において、愛媛大学の
教育学部の田川という助教授が、バスで来る講習生におりて話し合いをしませんかと言ったということが愛媛の
教育委員会で問題として取り上げられ、それが文部省にきて、文部次官が学長を呼んで、そしていろいろ指示を与えて、今日これは戒告処分になっているわけです。実はきょうは大学
局長にここに同席願って、これは
文部大臣の就任以前の問題でありましたから、その問題の経過を
お話して、大学
局長に見解を
お尋ねし、さらに
文部大臣にも
お尋ねをしたいと思ったわけです。これはきょうから十日まで松山市において人事院の公平
局長が行って公開審査をやっている。ですから、ほんとうから言えば、その問題をお聞きしたいと思ったのですが、きょうは大学
局長がどうしても午前中に他に急用があってということなんで、この問題をここでいろいろ
お尋ねしたいと思いましたが、次の機会にこれはぜひ一つ
お尋ねをしなければならぬと思っている。おそらく大学
局長の見解は、この田川という助教授がいわゆる戒告処分になったのは、
内藤局長が前段で言っている「国の機関または公の機関において決定した政策の
実施を妨害する、」という、あるいはこれは政治的目的の中における第七項でしたか、これを取り上げてのことだろうと思いますが、この問題は次の機会に譲りたいと思う。
文部大臣もこの問題については、ぜひ一つ御
調査いただきまして、次に御答弁いただきたいと思う。
次に、私は
文部大臣に一つだけ
お尋ねして、あとは他の
委員の方にかわりたいと思いますが、これはきょうの新聞、おそらくはかの新聞でも出ているだろうと思うので、私は読売新聞を持って参りましたけれ
ども、この中に「大野自民党副総裁は三日午前の自民党七役
会議で先に岐阜県会が『日教組』」——これは日教組ではなしに岐阜県教組だろうと思いますが、「『日教組の専従制限に関する県条例』を可決した件につき報告を行ない全国初のケースとして党幹部の注意を喚起した。この結果七役
会議としては日教組対策として勤評問題と同様きわめて画期的なものであるとして近く全国各都道府県に対し専従制限の条例の制定を推進する
方針を決定した。」と書いてある。これは大へんなことです。これなればこそ先ほどから私が言っているように、井上教授が言っているように、今日この戦後の文部省の
教育政策は日教組対策に終始している。ほんとうにその通り真実を言っているわけです。そうして日教組を押えつけようとしているものはだれか、これは文部官僚ではない、文部省を動かす自民党だ、こう言っている。こういうことを一々七役
会議できめて、そうして都道府県の自民党の支部、県議会、議員団、あるいは支部連合会に通達を発して断固やれ、とこういう指示は、私は明らかに
教育に対する政党の不当な支配だと思う。私は
文部大臣は、こういうことについては御賛成ではないと思うわけです。これはきのう参議院の文教
委員会でいろいろ論議もされたでございましょうけれ
ども、これから堀
委員や
大原委員からこの問題についてはさらに詳細に
お尋ねしますが、このことは
教育に対する不当な支配です。こういうことは断固として排除することが
文部大臣のなすべきことだと思うのです。これに対する
文部大臣のお考えを一つお述べいただきたいと思います。