○安田
政府委員 まず私から事務的な点についてお答えいたします。よく研究いたしました。研究の
内容の骨子を失礼かと思いますが申し上げます。
社会党提案の
飼料需給安定法の一部
改正案の第一点でございますが、現行法の五条第二項を
改正いたされまして、
政府が取り扱います輸入
飼料の
政府の売り渡しは一般競争入札によることを原則にしてありますが、この道をやめる。また、その反面、輸入
飼料の売渡は、養畜を行う者が直接又は間接の構成員となっている団体、すなわち
農業団体または連合会だと思いますが、そのうちで特定に農林大臣の指定するものに対し行うものとするということでございますが、濃厚
飼料で一般的にも市場に一番たくさん出ておる品物、また同時に
政府が操作する濃厚販売
飼料行政の最大の対象といたしておりますふすまにつきまして、どうしても市販になるものはえさ用に主として行くことは性質からいってありますが、広く一般的に操作をいたしたい、こういう見地からいたしまして、
農業団体のみに
政府が売り渡すのはむしろよろしいことではないと思うのです。やはり現行法の方がいいんじゃないか。現行法には、「政令で定める特別の事由があるときは、」、――たとえば災害対策とか他の用途に流れそうな
飼料の場合、大豆かすとか専管ふすまと称しておる特殊の規格のふすまでありますとか、そういうものは特定の者に「
指名競争契約又は随意契約によることができる。」と明文がございまして、現在も、数個の
農業団体を中心にしたものに、配合
飼料の原料である
飼料は
飼料製造工場に、これを限定して売っておりますので、十分
改正の意のあるところはよく
了承できますが、その
目的も達し、
改正されるためにその操作ができることを削除されることは忌むべきじゃないかと思います。
第二の
改正点でございますが、これは
政府所有小麦の売り渡しに関します第七条に関する
改正でございますが、その
改正点といたしまして、「国内の
飼料の需給がひつ迫しその価格が著しく騰貴した場合において、」
政府所有の小麦を
飼料需給安定審議会に諮りまして、「
政府は」――この場合は「農林大臣が」ということだと思いますが、農林大臣が「その小麦から生産されるふすまの譲渡又に使用に関し、」「その他必要な条件を附することができる。」という規定を改められまして、
政府の権限を発動する場合にもう少し条件を緩和する。すなわち「
飼料の需給及び価格の安定を図るため必要があると認めるときは、」
政府所有の小麦を売り渡す場合に、
飼料需給安定審議会に諮りまして、「ふすまの譲渡又は使用に関し、」「必要な条件を附するものとする。」この「ものとする。」というのは「ねばならぬ」ということだろうと思いますが、一般的には、この問題は、小麦を食糧用として扱うものが非常にたくさんございまして、食糧用以外におきましても、国内生産の麦は食糧管理法がありますし、輸入する小麦につきましても食糧用のものが
飼料用より多いわけでございますので、
政府所有小麦全般から出て参ります小麦粉のことも
考えなくちゃいかぬ。そのふすまの必要のために、特に他の
飼料をも含みました
飼料の需給及び価格の安定のために、
政府所有の小麦全般について、それから生産するふすまを条件づけるのは、まず第一になすべきことがあるのじゃないか。すなわち、それは、輸入等のことも
考え、供給量を豊富にすることを
考えて、そうしてふすまの需給及び価格の安定をはかるのが第一であろかと思うのでありますが、これもしいて
改正する必要はないのじゃないか、もののウエートから申しまして、
飼料も重要なウエートを持ちますが、
政府所有の小麦に関しましては、またそれから出るふすまに関しましては、以上のようなことを主とした理由をもちまして、
改正案の方が少し行き過ぎがあるのではないかという
意見もあるやに思うのでございます。
第三点は、第十条の
飼料需給安定審議会でございますが、これには従来
専門委員がございませんでした。それを
専門委員を置きまして、
専門委員は「
学識経験を有する者の中から
審議会の推薦に基いて農林大臣が任命する。」ということでございますが、目下は
農林省の
畜産局がいわば
専門委員のような役目をしまして、
飼料需給安定審議会の庶務事項を取り扱っているわけであります。他に別の
意見もあるかもしれませんが、目下、私
どもとしましては、
専門委員の役目は十分
農林省が果しますから、
予算もございませんので、必要はないかと思います。他に同種類の
審議会があるわけでございます。その例は
丹羽委員の御
質問に対しまして
小枝政務次官がお答えになりましたが、その場合に
専門委員がある
審議会は例なしとしないので、これは置くことにするかとか、しいて置かずにやるかという
立法意思の問題だと思いますが、目下、私
どもは、今年度は
予算がございませんから、
法律に
専門委員を設置していないのとあわせまして、その必要はなかろうと思っているわけであります。
改正点は以上の三点でございますので、研究いたしました結果の私
どもの
意見をそのまま申し述べさしていただきますと、以上のようなことになります。