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高田(
富之)
委員 そこで、
取引所のいかにあるべきかというような問題についてもいろいろこまかい点をお伺いしたいと思いますが、その前に、先ほ
ども申し上げましたように、先般の私の三つの
質問に対しまして、
大臣から大へん御懇切な
政府側の一致した御
見解というものが発表されまして、これは
取引所その他
関係業界にも大きな影響を与えておるわけであります。いやしくも
政府の決定的な
意見ということになりますと、これは明確で何人にも疑いを差しはさむ余地のないものであることを理想といたしますので、私自身がこれを承りましてなお若干補足説明を願った方がいいじゃないかと思います点が二、三ありますので、これを順次お尋ねいたしたいと思うわけであります。
まず、一番初めに、
時価ということについて大へん御苦心をなすった御答弁をいただいておるわけでございます。これは、確かに、
時価すなわち十八万、こういう当初の提案理由説明の際にお述べになりました機械的な御
見解から見ますと、相当進歩した、常識にだいぶ近づいた御回答であると思うのであります。しかしながら、まだその点で、もう少し奥歯にもののはさまらないような物の言い方をしておきませんと、はっきり今後に心配がないというわけに参りません。その点、この文書を読みますと、何か
時価は今わからぬということなんですね。なかなかむずかしくて
時価というのはわからぬ。捕捉しがたい、特に
国会における
法案の
審議の状況などが反映してわからぬということをおっしゃっておりますが、
時価のわからぬのを
国会の
審議の責任にかぶせられたのではたまらないのでありまして、こういう言葉は慎んでもらいたいと思う。
大臣、
一つよく聞いてもらいたいと思うのです。
時価がわからないのを、
国会の
審議状況に責任があるみたいなことをおっしゃられますけれ
ども、私はそういう答弁はちょっと困るのじゃないかと思うのです。大体、
時価というものが、あなたがここで言われておるように、当限の十八万ちょっとこえているという程度のところと、それから現物の二十万をちょっとこえているところと二つあるのだ、どっちだかわからぬということです。それで、
国会の方の
法案審議のことは私はちょっといただけないと思うのですが、かりにこの二つのことをとりましても、さっき
栗原委員から説明がありましたように、どっちが自然の姿であるかということは、これは問題ないと思うのです。清算取引の方は、十八万の現物を
政府が渡す約束をしてしまってあるし、建玉の制限もしてありますので、これを
中心に取引をしているにすぎないものでありますから、十八万からそんなに上下する道理がないのであります。これはいわば人為
相場です。
政府が自分で十八万の
相場をこしらえていて、これが
時価だということは、意味がないのでありまして、やはり、自然の取引の結果生じておる現物の取引の
相場の方が
時価を表現していると見るのが、これまた常識だと思うのであります。こういう点にもまだ非常なこだわりが感じられるわけでございます。
そこで、私は、
法律用語というものはあまり
政府で拡大解釈をされますと、せっかく
法律を作っても何にもならないので、やはり、ある程度こういう問題が起こりましたときに解釈を確定しておくということが、この問題の処理についてももちろんですが、今後の場合にも必要ではないかと思うのです。そこで、
時価ということにつきましての
法律家の解釈を調べてみますと、
法律上の
時価というのはこういうふうに解釈されているのです。これをそのままお認めになっていただけるかどうかということでありますが、
時価というのは、「その時々において、一般にその物が取引されている実際の
価格をいう。この場合に、その物について取引の市場と認むべきものがあるときは、その市場における取引
相場が
時価となる。公定
価格が
時価といい得るかについては問題がある。新しい法令では、公定
価格があるものについては公定
価格、これがないものについては、
時価と、この両者を別しているものもあるが、単に
時価を参酌して又は
時価によるというような場合においても、これをもって直ちにやみ値を公認したものと解すべきではなかろう。」、こういうようなことで、要するに、そのときどきにおいて一般にそのものが取引されている実際の
価格、市場のある場合にはその市場取引
相場が
時価だ、こういう
法律家の解釈なんです。法制局
意見長官佐藤達夫編「法令用語辞典」というのにこれは出ておるのですが、大体常識でもそうですけれ
ども、
法律的にこういうふうに明確に解釈してもらえばそう疑義が生じないと思うのです。ですから、
ほんとうの
時価は、われわれの常識で
考えるように、そのときどきに変わるものだ、こういうことでなければならぬ。だから、現在の
時価は何かといえば、現在の市場のあるものでは市場の
価格をもって、これが
時価だ、こういうふうにすなおに認めるべきではないか、こう思うのでございます。これでよろしゅうございますか。