○伊東
政府委員 明星セメントから県に対しまして、先生のおっしゃいます農地転用の許可の申請が出たのは、たしか昨年の八月と思います。その後計画が変わったりしまして内容を変えたりしていることはございますが、大体八月でございます。それに対しまして青海の農業
委員会では
意見をつけませんで県の方へ出しております。県の方の農業
委員会では許可していいのじゃなかろうかというような
意見をつけて県へ出したというようなことになっております。それから、県では、実は、県がこの問題に判断を下します前に
関係の
会社の間で話し合いをつけて円満にやった方がいいのじゃなかろうかというようなことで、昨年の十二月と思いますが、知事さんが一回中に立ちまして調停をしたことがございます。これは実は調停が成立しませんで、うまくいきませんで、ことしの二月になりまして県から金沢の農地事務局の方に一応許可してもいいのじゃなかろうかというような
意味の
意見をつけた書類が出ております。出ております直後にも、実は、知事さんは、そういう
意見書は出したけれ
ども、やはり、自分の県内のことでありますし、その青海の秩序を保つというような
意味から言っても、やはり自分は中に立って調停をしたいという
意見を強く言っておられまして、ちょうどあれは知事選が四月ごろでございましたか、ある直前にも、これは文書で、また中に入って調停をしたいということで一案を出しておりますが、これも両方が承諾しないというような形になっております。その後われわれは知事さんといろいろ相談したのですが、知事さんが、この問題は一応
意見は出したけれ
どもやはり中に立って調停したいからというようなことを言ってソ連に出られたことがございました。帰ってから中に立って調停に立ちたいということを言いおいて行かれまして、帰りましてから、これは文書で出さぬでまた一回中に入ったことがありますが、これも話し合いがうまくいかなかったということに経過はなっております。われわれ
農林省としましては、県の
意見はもらいましたが、先生御
承知のように、いろいろ複雑な問題がございますので、
農林省だけでこの問題を判断するのもどうだろうかと思い、また、二次産業の大きいものにつきましては、
生産制限をしておらぬかどうかというような
意見をずっと徴しておりますので、通産省にも
意見を徴しまして、返事は参ったのでございますが、実は、
生産制限はしてないが、本件は非常に異例なものであって、にわかに
生産ができるかどうかは
判定しかねるという回答をもらっております。
農林省としましては、事柄が狭い町の中のことでございますし、大体、農地転用をやります場合には、その農地自体が転用していいものかどうかということについてまず判断をするわけでございます。実は、つい最近、
生産力の非常に低いところとか都会の近辺とか、ほかの産業の発展上やむを得ぬものについては農地転用を認めるようなことを少し計画的にやろうじゃないかということで、新しい転用基準を作ったわけでございますが、その農地が転用していいものかどうかという判断に立ちまして、していいという結論になりましても、その上にできます新しい施設によって周囲の農村あるいは
農業経営に支障がないか、離農者の対策はどうかということも判断し、また、工場ができます場合には、地元の誘致運動というものが通例ございます。あるいは、誘致運動はございませんでも、地元との話し合いがついて円満に工場が建つというのが大体原則になっておりますが、そういうことにつきましてまだ地元で話し合いがつかぬ問題がだいぶ残っておりますので、われわれの希望としましては、できるだけ円満に事を運びたい、また、実は、知事の希望もございまして、自分の県内の産業のことでもあり、自分が中に立って何とか円満にやりたいという強い
要望が過去においてはございましたので、そういうことがうまくいった上でという
考え方で、
農林省としましては、まだ右左の結論を出さぬで検討しておるというのが今までの経過でございます。